まぁ、あれですよ、導入ってやつです(続きはどこに)
「ふぁ...ましろは...寝てるか」
隣に寝ている彼女に掛布団を掛けなおして、俺は布団を出る。
できるだけ寝かせてやりたいから、あえて起こさない。
ただ、たぶんましろのことだから、すぐ起きてくるでしょう。
なので、ゲームでもして待つことにしよう。
朝飯は食わないのかと聞かれそうだから答えておくが、ましろと食べたいから食べない。
まあ、起きてこなかったらそれまでってことで。
とりあえず弟がホテルを掃除するゲームでもしますかね。
「なんで掃除機でお化け吸うっていうトンチキなことやってんのにおもろいんだろうなぁ...」
今やっているのは完全1周クリアはしたものの、マルチ限定ボスや回収要素をほぼ無視して進めてったデータを、パーフェクトにする作業。
最近コントローラーを据え置き型ハードにありがちなコントローラーに変えたばっかりで、慣れない操作だが本当に使いやすい。
少しばかり重いのがネックだけどね。
「半分終わったから別のやつやるかぁ...」
取り出したるはかの有名なアクション格ゲー。
ぶっ飛ばす兄弟たちだね。
実は使いたいキャラだけ出して、まだ未開放なのがいっぱいいる。
その分はましろとワイワイやりながらコツコツと出していたのだが、いかんせん総参戦キャラが88体と多い。(2021/10/15現在)
まあそのうちの大体8分の1が課金キャラだからそこは気にしないとして、今はまだ30ほど。
それの開放作業をしていると、後ろからドアの開く音が聞こえた。
「ふわ...あ...」
「お、ましろおはよう」
「おはよ...」
愛しき彼女、倉田ましろのお目覚めだ。
よたよたと俺の方へ歩いてくるが、俺の少し後ろにあるソファで力尽きてしまう。
これがいつもの光景だ。
「うゆ...にゅ~...」
ソファの上で伸びているましろ。
控えめに言ってめっちゃ可愛い。
「とりあえず顔洗ってきなよ、後寝ぐせ直してきな?」
「うにゅ...行ってくゆ...」
なんだあの生き物。
可愛いの次元を越してるぞ。
神だ。女神がいらっしゃる。
「ふぅ...おはよう綾乃くん」
「ん、おはよう」
「...もしかして、もうご飯食べた?」
「いいや、まだだけど」
「じゃあ...一緒に食べよ?」
「ん、了解」
***
二人で食べるご飯と言っても、そこまで凝ったもんは作らない。
焼いた食パンにポテトサラダを乗っけて食べるっていう朝飯。
実家にいた時も一人暮らししてた時もこれはずっと食ってたけど、彼女と食うだけでこんなにうまく感じるかと思ったのは、同棲を始めてからの発見だった。
「綾乃くん...顔緩みすぎじゃない?」
「...ましろと飯食えんのが何日かぶりだからね、そりゃ顔も緩むさ」
「ごめんね」
「いーよ、気にすんな。頑張ってるの知ってるから」
ましろは今や有名となったガールズバンド、『Morfonica』のボーカルを務めている。
結成当時や少し経った後には解散の危機もあったらしいが、今は乗り越えてやっているようだ。
いろんな地域からお呼ばれされることもあるようで、帰ってこないということもざらにある。
で、今日明日はその出演ラッシュも落ち着いたようで、ゆっくりご飯を食べているというわけだ。
「もうちょっと寝ててもよかったのに」
「えへへ...いつもの癖で...」
ましろはそういう子だ。
生活習慣がとんでもなく良い。
夜更かしはしないし、早起きもする。
俺とは真逆だ。
「ごちそうさまでした」
「お粗末さん、置いといていいよ」
「私、やるよ?」
「ゆっくりしとけって、せっかく休みなんだから」
「...じゃあ、そうする」
せっかくの休みを活用しようとしない彼女をソファに座らせ、俺は家事全般を済ます。
...自慢ではないが、これでもできる方だ。
まあ、元一人暮らしなんだから、できなきゃ死活問題だったわけだが。
「とりあえずこれでいいかなぁ...っと...」
ましろが俺の真下にいた。
正確には、抱き着いてきていた。
「どうした?」
「あやくん成分補給」
「座ってからならいくらでも補給していいから、今は離れてくれ」
コントローラーを握ってソファに座る。
俺が座った後、ましろが俺の膝の上に座った。
「そこでいいの?」
「ここがいい」
「背伸ばしてるの辛いだろ、寄りかかっていいぞ」
ましろの背中が俺の上半身とくっつく。
ましろの脇腹の方から手を伸ばして、ましろの膝のあたりでコントローラーを持つ。
「えへへ」
「どうしたいきなり」
「幸せだなぁって」
「...あぁ、俺もだよ」
自分の好きなことを全力でやってる時ももちろん幸せだが、こうやってただただくっついているだけの時間がとてつもなく幸せだ。
「ふぅ~...」
「!?」
耳に息を吹きかけられた。
「びっくりした?」
「しない方がおかしいでしょ」
ゲームの電源を落とし、ましろの体を抱きしめる。
ましろの体温が俺より高いのか、ポカポカしていて気持ちがいい。
「あやくん?」
「もうちょっと...こうさせて」
「ん、甘えんぼさんだね?」
「2日間会えなかったんだぞ...?」
「さっきまでゲームしてたのに?」
「...いつものルーティーンだから..寂しかったのはマジ。」
こうやって平静を装って返答をしているが、心の中じゃどす黒い欲望が渦巻いている。
2日間の欲はたまってるわけで。
今すぐ目の前の女にそれをぶつけたいのは山々だが、帰ってきたばっかりの彼女にそれを受け止めさせるのは酷だろう。
だから、せめて、今日は耐えるんだ。
「...目がえっちだよ」
「どういうことだよ」
「目線がいやらしい」
「あぁ、そういう」
そういう目で見ていると言われれば反論はできない。
実際、そういう目で見ているから。
今すぐにでも貪りつくしたい。
俺にだけ聞かせてくれる声をいっぱい聞きたい。
いろんな「したい」が渦巻くが、それらをかき消すかのように目の前の女の子を抱きしめる。
「...一人で、してないの?」
「なんでそんな発想になった」
「だって...当たってるし」
欲を隠すのは無理だったらしい。
「...する?」
「今起きたばっかなんだけどな」
「...したい?」
「したいって言ったら?」
「...ちゅ♡」
ましろの唇が俺の頬に当たる。
本当に、この女は。
「...じゃ、お返し」
「ひゃぁっ!?」
首筋を軽く嚙んでやる。
もちろん傷がつかない威力で。
「か、かぷって...!」
「お返しって言ったろ」
そう返してやると、ましろは俺の上で体の向きを変える。
「向かい合わせだよ?」
「そうだな」
「興奮しないの?」
「なんで向かい合っただけでそうなるんだ」
ましろの顔は確かにきれいだが、どっちかと言えばかわいい部類に入る。
妖艶な雰囲気は感じないから、興奮はしない。
「ぎゅ~」
ましろが抱き着いてくる。
今は正面を向いている。
と、いうことは、だ。
「ん?どうしたのあやくん?」
「胸当てんな」
「当てなきゃ抱き着けないんだよ?」
「抑えるの大変なんだけど?」
今は襲いたくない。
今襲ったら、確実に彼女を泣かせてしまう。
それだけは絶対に嫌だ。
「抑えなくてもいいのに。あやくんの思うままに...ね?」
「言質、取ったぞ」
とは言ったが、ソファで致すのは体を痛めるので、ベッドに移動するとしよう。
暇な時間に入ってる通話でふと言われたものを素材にしてます
続きは...いるか?致すだけやぞ