どうあがいても行為にはできなかった
「ふぁ...ん...今、何時...?」
携帯の電源を入れ、時間を確認する。
「...6時半...早起きすぎるけど...まあいいか」
布団を出て、部屋着を着る。
同じ布団に入ってたましろに毛布を掛けなおしてから、部屋を出る。
「さーてと...」
冷蔵庫にはまともな食料はないが、朝飯ぐらいなら作れるだろう。
昼と夜の分は後で買いに行こう。
「パンは...ある。卵が...二個。あとは...ハムでも焼くか」
食パンをトースターに入れ、5分にタイマーを回してセット。
その間に最近買ったホットサンドメーカーをコンロに置き、温めながら卵を投下。
こうすることによって焼き終わった目玉焼きを一回分割するという手間が省ける。
まぁ、デメリットとしては、目玉焼きが絶対三角になることだけど。
卵がある程度固まったところで、上からハムをかぶせ、軽く蓋をする。
少し火を弱めつつ、パンが焼きあがるのを待つ。
「...あ」
鍋に水を張り、火にかける。
その間にマグカップを用意し、コーンスープの粉末を入れる。
贅沢にもクルトンが入ってるやつだ。
...あんま好きじゃないけど。
パンが焼きあがると同時に、お湯も出来上がったようだ。
コップに注いで、かき混ぜて置いておく。
卵とハムを焼いていたホットサンドメーカーを火から外し、皿に乗っけたパンの上に卵ハムを乗っける。
「焦げては、無い。...うん、完成」
二人分の朝食を作り終え、少し待っていると、後ろの方からドアが開く音がした。
「あえ...あやくん、早起きだね...」
「目が覚めただけだ。早く顔洗って来い、ひでえことになってんぞ」
「うゆ...行ってくゆ...」
洗面台に向かって歩くましろの足取りは犬のそれ。
ぽてぽてとしているというか。
可愛い。(ド直球)
少しして、ましろが寝ぐせ等々を整えて帰ってきた。
「あやくーん...」
「はいはい、おはようましろ」
「むぅ...冷たい」
「昨日散々可愛がったろ、今日は...飯食った後ならいいけど」
「ほんとっ!?」
「ほんと、ほんとだから食うぞ」
というか、前までましろはそこまで俺に積極的じゃなかった。
それに、恋人同士のスキンシップも俺からされてるから申し訳程度に返している、という印象だったし、夜伽なんてもってのほかだった。
一体何がそこまでましろを積極的にしたんだろう。
考えながらコーンスープを啜る。
「...相変わらず幸せそうな顔で食うな、お前」
「んむ?」
口いっぱいにパンを頬張るその顔は、小動物のそれだった。
他のバンドメンバーが世話を焼くのもよくわかる。
まぁ、目の保養になるし、それはそれでいいんだが。
「あやくん、何見てるの?」
「お前の顔」
「お、面白い?」
「面白くはないな。可愛いとは思うが」
「かわ、いい...えへへ」
可愛いって言われて照れるましろ、本当にかわいい。
「さて...と。食い終わったな?」
「うん、ご馳走様」
「ん、お粗末さん。...今から買い物行くけど、欲しいもんある?」
「...一緒に行っていい?」
「ん、じゃあ着替えて来い。10分後ぐらいに出かけるぞ」
「はーい!...えへへ、楽しみだなぁ...」
頭の中であったシチュを書けました