小さい頃は仲が良かった幼馴染が、大きくなるにつれて仲が悪くなるというのは、よくある話である。
それは同性よりも、異性であるときの方が確率は高い。
そして、俺もそれに分類された。
だから、こんなことが起こる。
「なぁ、お前倉田先輩と仲いいんだろ?紹介してくれよ」
「は?...そういう関係じゃないし、もう何年も話してないよ」
「えぇ!?もったいな!あんなかわいい人、なんでほっとくんだよ!」
「俺に言うなよそんな事...」
中学校に進級したころから、彼女は俺と近所付き合いをしなくなった
やめたと言ってもいい。
それもあってか、俺の家と彼女の家も、だんだんと付き合いが減った。
けれど、親同士はそこまで仲は悪くないらしい。
7月某日。
ゲリラ豪雨に降られた俺たちは僅差で近い俺の家に転がり込んだ。
「...とりあえずシャワー行って来れば?
「...君にそう言われるの、なんか気持ち悪い」
「だって事実ですし。ほかにどう呼べって?」
「...普通に、ましろでいいのに」
そう呟く彼女は、少し寂しそうに見えた。
距離を取ったのは、自分だというのに。
「着替えぐらいは置いとくから、先行って来い」
「わ、かった。...覗かないでね?」
「誰が覗くか」
着替えを持って、脱衣所に置いといてやる。
リビングに戻り、ソファに身を沈める。
「...先輩、か」
小さい頃は、別に歳の差なんて考えていなかった。
よくある「おーきくなったらけっこんしよーね」なんて言ってたほどだから。
それは関係ないとしても、ましろを一個上のお姉ちゃんなんて、考えたことはない。
「...いやないない。何考えてんだ...風邪でも引いたか?」
「じゃあ早く入った方が良いんじゃない?」
「びっ!?...くりしたぁ...」
「ふふっ、そういうところ変わってないね?」
「うるせぇ、適当に座ってろ」
用意してた着替えを乱暴に掴んでシャワーに向かう。
やっぱり、あれを一個上と思うのは絶対無理だ。
「...っていう夢を見たんだけど、俺疲れてるのかな?」
「え?...ホントだったらいいんだけどね、なんて」
てっきり何それと笑い飛ばされるものかと思っていたが、ましろは意外にも肯定の意を示した。
「何だ、それ」
「だって、ちょっと楽しそうじゃない?」
「...はは、確かに」
それは夢で、幻で。
どこにも存在しえないけど。
「さてと、今日はどこに行きましょうか、
「えっと...じゃあ、ここ行くの付き合ってよ、
...こんな日があっても、いいかもしれないな。
虚偽だから嘘と同義、ヨシッ!