電気を消して、先客がいる布団に潜り込んで、その先客を抱き枕にしながら眠る。
俺のいつものルーティンだ。
先客というのは俺の同居人で交際相手の倉田ましろ。
控えめで大人しい、可愛くて優しい女の子。
こう言ってはなんだが、彼女はすごく柔らかい。
太っているというつもりは断じてなく、むしろ程よい肉付き加減だと思っている。
細すぎるのもそれはそれで心配になるし。
今日も今日とて、彼女を抱きながら意識を落とすんだ。
「ねえ、綾乃くん。」
「ん、どうした?」
「私、そんなに抱き枕?」
もうちょい伸ばして言うと、「私、そんなに抱き枕向きの体系かな?」と言ったところだろうか。
「いや、そんなことないぞ」
「でも、いっつも私のことぎゅってしながら寝るでしょ?」
「それは...その...えーっと...」
やばい、いい理由が思いつかない。
「ましろを抱いてると...なんか安心して...」
「...」
やべえ、黙った。
そのうえで顔がめっちゃ赤い、絶対怒らせた。
するとましろが、思わぬ提案をしてきた。
「じゃ、じゃあさ...抱き枕、なってよ」
「え?あ、あぁ、いいよ」
ましろに背中を向ける。
お腹の方に手が来るので、それを包んでやる。
「(やべえいいよって言ったけどましろ意外とでけえんだよな待て待て)」
「あったかくて、落ち着くね」
「そ、そうか。良かった」
「ふふっ...ぎゅー!」
ましろがさらに抱きついてくる。
「(あああ待て待て待て落ち着け静まれ我が同胞!!)」
「綾乃くん動揺しすぎだよぅ...」
後ろから発せられる声からは困惑と少し面白がっている風に感じ取れる。
動揺するなって方が無理だ。
ほら、ねぇ?(思考放棄)
「綾乃くんの気持ち、わかる気がする...」
「わかったんなら...」
「やーだ。もっと堪能するの~...」
ダメだ、かわいい。
そんな声を出されてしまったら、振りほどけなくなるじゃないか。
「わかった、いくらでも堪能してくれ」
「えへへ...ぎゅー...」
とはいえ、このままでは俺の理性が持たない。
え、なんでかって...言わせんな。
ましろの果実がな?形を変えながら俺の背中に当たるんだよ。
めっちゃ暖かいし柔らかいんだよ。
もうね、幸せと理性の削りあいが同時に起きてます。
「綾乃くん...」
「ん、眠いか?」
「ふわぁ...抱き枕って、ほんとに効果、あるのかも...すぅ...」
「...寝ちまった」
俺を抱きしめたまま、ましろは寝てしまった。
「ま、いいか。お休み、ましろ」
そう言って俺も目を閉じる。
「(寝たふり、ばれなかった...)」