※この作品はR-18です。

健気な彼女   作:ユイトアクエリア

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お酒飲ませるけどえちな描写は1ミリもないです!!!


二十歳とお酒と【N】

『今日、遊びに行ってもいい?』

 

とメッセージが飛んできたのは、金曜日の朝方。

送り主は、倉田ましろ。

俺の彼女で、現在大学2年生。

高校1年からの付き合いだから、なんだかんだ5年ほど続いている。

 

考えてみたら、すごい長い。

 

『了解。俺は5限まであるけど、ましろは?』

『私は4限までだよ』

『ましろがそのあと何もなきゃ、先家いていいぞ』

『わかった!先にお邪魔しておくね』

 

最後のメッセージに既読を付け、一応確認の意でスタンプを送る。

 

『可愛いスタンプだね』というメッセージを見なかったことにして、大学へ行く準備をする。

 

いつもは少し気だるげになりながら行くところだが、今日は違う。

今日を乗り切るための力は、今貰ったからな。

 


 

自分で進んで受けている講義とはいえ、少し億劫になってしまうのも事実ではあると思う。

それゆえ、少し頭が揺れてしまってはいるが、何とか意識は繋ぎ止めている。

きちんと講義の重要事項はメモをし、実技の部分はそれとなくこなし、なんとなく内申は取る。

なんとなく、とは言っているが、やるべきことはちゃんとしている。

最近の講義はだんだんやることが減ってきているため、教科書の一単元を終わらせたら解散というのが多い。

 

そのままなんとなくの加減で5限まで受け終え、今日のご飯は何にしようか、なんて考えてたら、携帯が震えた。

 

 

画面を見ると、電話がかかってきている。

イヤホンを挿し、電話に出る。

 

「どうしたましろ」

『あ、今帰り?』

「うん。なんかほしいものある?」

『ううん。できれば今日は、どこにも寄らずに帰ってきてほしいなぁ...なんて』

「ん、OK。すぐ帰る」

『うん!ふふっ、楽しみにしてて!』

「?了解」

 

楽しみにしてて、とはどういうことだろうか。

まあ、どのみち帰ればわかることか。

とりあえず、帰路を急ぐとしよう。

愛しの彼女が、何かをして待っているんだからな。

 


 

「っと......ただいま」

 

帰った意を表する言葉を口にしても、返答がない。

 

「何してんだろ」

 

呟き、リビングへのドアを開けると......

 

「あ、お帰りあやくん!」

「......料理してたのか」

 

リビングに入ると、ましろがエプロンをつけて料理してた。

眼福だね。

なんか、結婚1年未満って感じがする。

 

「なんで未満なの?」

「しれっとメタるな。いろいろあんだよ」

「ふーん、まあいいけど」

 

というか、ましろの恰好、今更だが眼福通り越して毒だな。

眼の癒しは時として毒になるというが、こういうことか。

推しとやらを愛でる友人の気持ちがよく分かった。

 

「ん?どうしたのあやくん?」

「いや。友人の気持ちがようやくわかった気がするって話」

「?」

 

ましろは頭の上にクエスチョンを浮かべているが、それは無視することにする。

 

「んで、何作ってんの?」

「夜ごはん!」

「別にそこまでやらなくても......というか、まっすぐ帰ってこいってそういうこと?」

「......うん。あと、ね」

 

ましろは冷蔵庫からとあるものを取り出した。

 

「私も、ほら。二十歳、なったし。飲んでもいいかなぁ、なんて......」

 

取り出したのはいわゆる缶チューハイと言う奴だ。

まぁ、お酒と言う奴だな。

 

「......わざわざ買ってきたんだ、それ」

「うん。......ダメ、だった?」

「いや、だめとかじゃなくて。飲みたいなら度弱いの買ってきたのに」

「......え?」

 

彼女が持っているのは、度が強い有名なやつ。

少なくとも二十歳一発目に呑む物では、絶対にない。

俺ですら、完飲するころには意識が定かじゃないというのに。

 

「......これ、そんなにダメなやつだった?」

「ダメ......じゃないけど、デビューで飲む奴ではないな。夜飯食い終わったら、素直に弱いの買いに行こうな」

「......うん」

 

残念そうな顔をしたけど、後でいっぱい甘やかせば機嫌も直すかな。

 

 

 




推しに酒を飲ませたかった、それだけだ。

連続投稿、ビビった?
俺もビビった。
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