※この作品はR-18です。

健気な彼女   作:ユイトアクエリア

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あっためてたおかしいやつ


《parallel√》その隣には、俺が【N】

ーー放課後、教室内。

 

俺は一人になった教室で、机に突っ伏しながら考え事をしていた。

 

俺には想い人がいる。

名前を、倉田ましろ。

morfonicaのボーカルだ。

しかし、いわゆる「推し」というものであり、決して恋ではない。

そのはずなのだ。

ただ、彼女が俺以外に笑顔を見せていたり、俺以外に優しくしていたりすると、なんだかもやもやするのだ。

これが恋と言う奴なのか、それとも違うナニかなのは全くわからない。

けれど、このままじゃ俺も彼女も傷つけてしまうほどには、黒いナニかは膨れ上がっていた。

 

「...推し、か」

 

もう、なにがなんだかわからなくなってしまった。

俺はどうするべきなのか。

どうしたら、この欲望は収まるのか。

分からない。

分からなくて、それで気持ち悪くなる。

推しに何かをしたい、推しに特別視されたい。

そんな自分に吐き気がする。

気持ち悪い、気持ち悪い。

けど。

 

「...俺には、もう...」

 

どうすることもできないんだ。

とめどなく溢れ出す欲望には、もうおさまりが効かない。

文字通りめちゃくちゃにしてしまいたい。

この先の将来を何も考えなくていいから、彼女の体を手にしたい。

何でもいいから、彼女に必要とされたい。

と、思っていた矢先だ。

 

「...なんだ、あれ」

 

正門付近に人だかりができている。

よく目を凝らしてもあまり見えないので、電子機器を使う用のメガネをかけて見る。

 

「...人、だな」

 

囲われた人は男性だった。

どうやら、誰かを待っている様子だが。

 

「一体、誰をーー」

 

その瞬間、息を飲んだ。

声が出せなくなった。

 

 

ーーそこに向かっているのは、白髪を揺らした俺の推しだったから。

 

「...ははっ、なんだ...」

 

それはそうだ。

あんなかわいい人に、彼氏がいない訳なかったんだ。

そうだよ、考えれば当たり前の話だ。

 

「は、ははっーー」

 

体が崩れ落ちた。

力が入らない。

呼吸が浅くなる。

心臓が早い。

体が冷えてくる。

 

「は...は...ぁ...」

 

目から雫が零れ落ちる。

 

ーー何故?

 

なぜ俺は泣いている?

ごく普通のことを目にしただけで、なんで泣いてるんだ?

ただ、倉田さんに彼氏がいただけで、俺は何を悲しんでいるんだ?

推しなら、どんな場面を見ても推し続けることが出来るはずだ。

なのに、何故。

 

「あー...そっか...」

 

俺、ちゃんと倉田さんが好きだったんだなぁって。

推しというフィルターをかけて、自分の気持ちを偽っていた。

告白したわけでもないのに、勝手に振られた気持ちになって。

 

「ぁ...っあ...」

 

また、涙が溢れた。

 




Q:これはなんだ
A:脳破壊概念です
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