※この作品はR-18です。

健気な彼女   作:ユイトアクエリア

46 / 54
人食い描写注意


《parallel√》君は生贄(R-18G)

「痛って...なんだ、ここ」

 

目を開けると頭痛。

見渡しても何もない。

特に手足も繋がれてるわけではないが、なんとなく動かしづらい。

 

「...っ、なんだ、この匂い」

 

獣臭い、そんな感想を抱く匂い。

何か、野生の動物が食事をしたみたいな、そんな感じ。

 

「...逃げる方が、良いかな」

 

横たわってた体を起こし、寝台から足を降ろす。

床は木製だが、割と丈夫に造られてるらしく、不快な音はしない。

 

「...外は、雨か」

 

窓からのぞけば大粒の雨。

窓にも打ち付けて、割と大きめの音がしていたのに今更ながら気付く。

 

「...っ」

 

ふと、後ろに気配を感じて、咄嗟に飛び退いた。

さっきまで俺の頭があった場所は、人影が振るった爪が通っていた。

 

「だ、誰だ」

「...なぁんだ。起きちゃった?」

 

人型を保ってはいるが、狼のような耳、尻尾。

人に見えて、人じゃないそれは。

 

「...人、狼」

「正解。知ってるんだね」

 

勿論知ってる。

村の言い伝えだ。

悪いことをすれば人狼に食われるぞと言われるぐらいには、恐れられている存在である。

 

「...俺は、生贄?」

「そうだよ。神さまが、タダで村を守ってあげる訳、ないよね?」

「嘘だ、神様が、人狼なわけ」

 

神は崇め奉るもので、人狼のようなおぞましいものでは。

 

「いけにえを捧げるのは、私の空腹を満たすため。お腹へっちゃうと、不機嫌になって、村とか簡単に壊しちゃうから」

「そんな...」

「だから、素直に食べられて?私も、もう限界なんだ」

 

怒気を感じる言葉とは裏腹に、優しく組み伏せられる。

 

「いや、嫌だ...」

「大丈夫。痛くないように、食べてあげるから」

 

首筋を舌が通っていく。

頬を撫でられて、額に唇が落ちる。

 

「怖がらないで。すぐ終わるよ、大丈夫」

 

服を脱がされ、マーキングされるかのように舐られていく。

 

「じゃあ、いただきます」

 

脇腹に激痛。

叫ぼうと思っても、喉が開かなくて、かすれた声しか出ない。

 

「ふふ、おいしい」

 

もういちど激痛。

今度は太もも。

脇腹は熱を持ち、冷たい感覚も同時に襲ってきて、おかしくなる。

 

「ふふふ、今までで一番おいしい」

「ぁ、は、ぁ...?」

 

なんて言われてるかもわからないし、なんて言ってるかもわからない。

ただ、目の前の人狼が、俺の体を食ってるところを、他人事のように見るしか、俺にはできない。

 

「泣かないで、大丈夫。君が素直に食べさせてくれたから、君の村はいつもよりちょっとだけ、守られるよ」

「ぅ、っ」

 

血が付いた口で、唇を塞がれる。

 

「どう?君の味」

「っあ...っ」

 

どうも何もあるか。

気持ち悪い。

 

「えへへ、美味しかったよ」

 

もういちど、彼女は俺にキスをすると、俺の首元に狙いを定めた。

その瞬間、俺の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 




意外と気に入ってたりもする
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。