ネタバレになってしまうんで明言は避けますが、男側の人体が欠損します。
ご注意ください。
では、どうぞ。
これは、どういう状況だ?
目を開けると、暗がり。
暗さに目が慣れてくれば、見えてくるのは部屋の中だということ。
窓もなければ、生活用品なんて一切置いてない内装。
そして、自分の状態。
制服は纏っているが、その上から動きを制限するための器具が両手両足に取り付いている。
それは今俺が寝転んでいるベッドの足にそれぞれつながっており、外すことは無理そうだ。
「......誰、か」
自分の出した声は、ひどくしわがれていた。
どれくらいここにいたのか、記憶がない。
それどころか、どうやってここに来たのかすら、わかっていない。
「誰、か......!」
さっきよりはいくらか明瞭になったとはいえ、まだまだ聞き取りずらい。
と、遠くから足音。
「あ、やっと起きたんだ」
「......くら、た......?」
足音の正体、そして普段よりずっと低い声でしゃべりかけてきたのは、倉田ましろ。
やけに懐いてくる後輩で、俺もそれにあてられてかわいがっていたけど。
「こ、れ......」
「それですか?外しませんよ?」
口外に、「私がやりました」という宣言。
「なんで、こんな」
「そんなの、先輩が好きだからに決まってるじゃないですか」
好きだから、でここまで出来るものなのか?
いや違う、論点はもっとこう......
「なのに先輩は、他の女のいっぱいいっぱい喋って......」
ましろの後ろには黒いものが見える気がする。
が、今はそんなことどうでもいい。
一刻も早く、ここから出なければ。
何か、とてつもなくマズい予感がする。
「あ、逃げちゃだめですよ?って言っても、逃げられないと思いますけど」
そうだ。
四肢に嵌められている拘束具は、簡単に引きちぎれるようなものではないものだと、最初に認知したではないか。
「あぁ、でも。一個だけありますよ。外せる方法」
「それ、は......?」
「私と一緒に、ずっとここで暮らしてくれるって約束することです」
そう語るましろの顔は恍惚としていた。
それを約束すること自体は何も問題はない。
自由になればそれで脱出も叶う。
「ずっと、っていうのは?」
「え?そんなの、一生に決まってるじゃないですか」
一生、であれば、いつかここから出ることも叶う。
長くなるかもしれないが、それで安全に出られるのなら。
「分かった。一緒にいるよ」
「え、本当ですか!?」
ましろは俺の顔を覗き込んではしゃぐ。
「あぁ」
「えへへ。やった......。これで、一生先輩と......」
ましろはぶつぶつ言いながら俺の拘束を解いていく。
しかし、体が思うように動かない。
「あ、そうだ。言い忘れてました。どうせ先輩のことだから、いつか逃げようとか、思ってますよね?」
「なんで、そんな事」
「だって、先輩頭いいから。だから選ばせてあげます。右と左どっちがいいですか?」
質問の意図が分からない。
「まぁ、どっちでもいいです。だってもう決まってますから」
「は......?」
「先輩、足って2本ありますよね?」
何を当たり前のことを。
「じゃあ、一本なくなっても、大丈夫ですよね?」
「何、言ってるんだ......?」
「ところで先輩、自分の足、何か違和感ありませんか?」
「......え?」
動かない。
動かせない。
「まさ、か......!?」
「これでもう、逃げられませんね、先輩?」
倉田ましろのヤンデレは芸術です
だからもっと増えろ