そして筆が乗ってしまって書いてしまった、後悔はしてない。
前回の話とは繋がってはいるけどこの話だけでも読めます。
どうぞ。
腕を動かす度、カチャという音が鳴る。
目線をそっちにやれば、腕が手錠に嵌って、その手錠のもう片方はベッドの柱にくっついている。
足も足で、同じような状態になっている。
オレ自身、こんな状況には、こう言ってはあれだが慣れている。
この家に来るまで、何件も他の家でこんな状態だったし、殴られたり蹴られたりしないだけまだ優しい方の部類に入る。
むしろ食事まで提供されてるんだ、今まで売り飛ばされてきた家の中じゃダントツに優良物件だ。
ここに買われてもうすぐ1週間が経つ。
食事は黒子が持ってくるし、風呂やトイレは目隠しされたまま済ませられる。
...というか、風呂に入れてもらえるってやばくないか?
ここまでつらつらと喋ったけど、まだ名乗ってなかったな。
オレの名前はアヤノ。
アヤノって名前で、女みてーっていじられたこともあったりするけど、オレは気に入ってる。
...え、苗字はねえのかって?
悪いな、忘れた。なげえこと奴隷やってるもんだからさ、記憶とかねえんだわ。
そりゃこんな生活してたら頭とかガンガンに殴られるし、腹パンとか全然食らう。
おかげで体の節々はずっと痛いし、頭もずっとクラクラする。
まともに歩けるほど足も強くねえし、何かを運ぶほど体幹も強くねえ。
腕も腕でなんかほっそいし...
「ほんとに、女みてー...」
なるほど、俺をいじってきてたヤツらは、こうなることを知っていたのか。
だから女みてーって、ずっと言ってたんだな、納得納得。
さて、従来ならこの辺の時間で何かしら来るはず。
ドアの向こう側から気配がする。どうやら持ってきたのは女のようだ。
「失礼、します...」
「...?」
誰だ、この女。見た事ない。
白い髪に緑の目。全体的にふわふわした感じの、女。
「え、えっと...ご飯、持ってきました...」
「おかしい奴だな、あんた。」
「...へ?」
「俺に敬語を使うの、おかしいって言ったんだ。」
「....?」
こいつ、アホの子か?
噛み合ってる気がしないぞ。
「え、お父さんは『地下にいる彼はお客様だから、ちゃんと丁重に扱うように』って...」
「お前、頭が花畑なら目は腐ってんのか?どこをどうやって見たらこれが丁重に扱われてるんだ。」
まあ、固定って言う点じゃ手錠を使うのは間違っちゃないけど。
それにしても、ほんとにつかみようのない女だ。
「あの...ジロジロ見て、どうしたんですか...?」
「いや、この家のあれにしては、随分と大人しめなやつだなと思ったんだ。」
この家の連中は、少し、いやかなり、扱いが雑だ。
それでも、暴行を加えられないだけいいと思っちゃいるが。
「大人しい...ですか。」
「...?ああ。そう思ったんだが、違うのか?」
「えへへ...そっかぁ...。」
女はご飯の乗った盆をテーブルに置くと、急にフラフラし始めた。
雰囲気がおかしい、さっきまでオドオドしてたやつと全く違う。
逃げようにも逃げられず、目線を切ることも出来ない。
「(やばい、やばい...!どうする、どうするどうする...!!)」
「えへへ、へへ...逃がしませんよ?」
「(完全に塞がれた!?)」
女は扉の鍵を閉めた。
いや、待て。
なんで閉めた?
オレがこの状態なのだから逃げるのはほぼ不可能だって、あいつにもわかったはず。
なぜ、鍵を閉めた?
「これで、二人きりですね。」
「(なんだ、何が起こってる...!?)」
女は目のハイライトを消して迫ってくる。
でも不思議と、さっきまで感じてた殺気のようなものは消えてる。
「お名前、なんて言うんですか?私は、ましろって言います。」
「あ、アヤノ...」
「...え?」
反射的に名乗ってしまったが、女の目がもっと細まる。
「あやの、さん?」
「(逃げたい...逃げたい...)」
俺の名前をつぶやくと、女は顔を下に向けた。
「...えた...やっと...」
「(この雰囲気、絶対やばい...!)」
逃げる手段もないが、せめての抵抗と、目をぎゅっと閉じた。
それと同時に、女が抱きついてきた。
「!?」
「やっと...やっと会えたよ...あやくん...!」
あやくん、というのがオレの呼び名なら、こいつはオレの事を知っていることになる。
一体どこで?オレは18年ずっと売り飛ばされ続けてきたんだ。そんな事があるわけない。
百万歩譲って、オレが外に出た時、オレを見た、というのも有り得る話ではあるが、こんな特徴のあるやつをオレは知らない。
でも現にオレに抱きついて離れないこの女は、オレのことを知っていた。
一体どこで?
「あやくん、覚えてない?」
「...いや、悪い...」
「...そっか...」
目がうるうるしてやがる...
「あやくん...やっと会えたよ...」
「あやくんってのはオレでいいのか?」
「うん、あやのくんでしょ?だからあやくん。」
どうやら、ガチで知り合いらしい。
オレは知らないんだけどな。
「覚えてないなら...ごめんね。」
「何を...し、た...」
何かを盛られたオレは、そのまま意識を落とした。
***
目を覚ますと、腕と足は自由だった。
「(これは、どういう状況だ)」
「...あ、起きた?」
さっきの女だ。
やろうと思えば掴み倒せる。
そう思ってベットから掴みかかろうとした時、バランスが急に崩れて顔から床に突っ込んだ。
「ダメだよ、急に動いちゃ。」
「テメェ...オレに何をした...」
「ちょっとだけ、記憶をいじった。」
記憶をいじった?
「じゃあ、軽くでいいから、思い出してみて?今までのこと。」
今までのこと?
思い出すなど造作もない。
おかしい点なんて、一個もない。
「思い出したぞ。」
「どう、かな。なにか違和感、みたいなのは?」
「いや、ないぞ。強いて言うなら、普通すぎてつまんなかった、ぐらいか。」
「そっか...」
ましろはそう言うと、椅子から俺にベッドに移り、
...いや待て、なんでオレはこれを違和感もなく受け入れてる?
...何かがおかしい。
「なぁ...!?...んちゅ...」
問い詰めようとした時、また
「ふふ、なあに、あやくん♡」
「あ...れ?俺、何を...」
「何も考えなくていいよ...///あやくんは...ただ気持ちよくなってて?///」
そう言うとましろは、キスをしながら俺のモノを器用にズボンの中で扱き始めた。
「うっ...あっ...」
「きもちい?ううん、聞かなくてもわかるね?///」
「あっ...はっ...」
ましろ、
...なんだ、この違和感は。
こんなこと、初めて経験してる訳じゃないが、この女にされる時は、何故か安心感を感じる。
「あっ...まって...出そ...」
「ズボンの中じゃ、ダメだよね...それじゃあ...えい。」
「!?」
何かを肉棒にはめられ、その刺激で出してしまった。
「あ、ごめんね...痛かった、かな?」
「いや、その、びっくりして...」
そう言うと、ましろはまた
この違和感にも慣れてきたが、やはりこの女とこういう行為をすることに、なんの不安感を覚えないオレが怖い。
「じゃあ、入れちゃうね?」
「...え」
「〜〜~っ///」
全部入った。
おかしい、こんなに違和感を感じるのに、ずっと前からこんなことをしている気分になる。
まるでずっと前に、オレとこの女が付き合っていたかのような...
「んっ...んっ...///あやくんっ...あやくん...♡」
「あっ...くっ...」
腰をうごかすスピードが
知らない。オレは何も知らない。でもわかる。
この女は、オレじゃない俺にとって、きっと大事なヤツなんだって。
「あやくんっ♡一緒に...一緒にっ♡」
「あっ...!!」
「イクッ...!」
俺とましろは同時に果てた。
随分と久しぶりに感じたし、かと思えば昨日もやっていたように感じた。
「はぁっ...はぁっ...///えへへ、気持ちよかった?///」
「あ、あぁ...すごく、とても。」
「そっかぁ...」
さっきまで妖艶な笑いをしてたのに、今は年相応の笑い方をしている。
幸せならそれでいい。
俺が、この笑顔を守るのだから。
はいあとがき。
筆が乗るってこういうことか。マジで怖かったです。
今回はましろに襲わせてみたかったっていうのと、綾乃くんを記憶喪失にさせて奴隷としての知識を植え付けて擬似的な無知シチュにしたかった。
でも奴隷ってさ、こんなこと普通にさせられる気がするから無知では無いよね()
基本的に私、読んでて「もうやめたってくれよ」っていう感じのものは書かないので、よろしやす。
あとこの世界線において、モブ姦はしません。だって可哀想なんだもん。