※この作品はR-18です。

魂の座 一部 凍えた魂   作:伊駒辰葉

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ちょいエロですかねw


プロなら当然! 3

「すごいなあ。絵美佳ちゃんたちっていつもこういうところで研究してるんだ?」

 

 真っ白なその部屋には様々な器具が設えてある。実験台は大きいのが二台。それよりも一回り小さいものが三台、備わっている。だがそれらの道具は殆ど使用されたことがない。言わば、予備の部屋だからだ。

 

「ここは予備の研究室だから設備はたいしたことないわよ」

 

 いつも絵美佳たちの使う端末は全て別の研究室に入れられている。絵美佳はそっけない素振りでそう告げた。だが順は嬉しそうに研究室の中を見て回っている。子供みたい。絵美佳は心の中でそう呟いた。

 

「あっ、こんなことしてる場合じゃないよね。ごめんね」

 

 一つの実験台を触って眺めていた順が慌てて顔を上げる。絵美佳はそうよ、と胸を張ってみせた。

 

「あんた、ここまで引っ張っておいて、それがしょぼかったらただじゃおかないわよ!」

 

 依頼料はどれだけふんだくれるかな。そんなことを考えながら絵美佳は強気でそう吐き出した。順が力なく笑いながら入り口に取って返す。そして順は絵美佳をちらりと見返った。

 

「多分、オレが知る中じゃまともな方だと思うんだけど」

 

 そう言いつつ、順が箱に向き直る。操作盤を触ると箱が静かに分解し始めた。面が畳まれて沈んでいく。そして現れた物を見て絵美佳は絶句した。

 

 完全な人の形をした物が静かに膝を抱えて座っている。順は注意深く周囲を見回してから箱の底部分を探った。クッションの脇に手をいれて何かを取り出す。

 

「えー、と。まずはこれを装着して、と」

 

 順は何事かを呟きながらヘッドセットを装着した。何度か声を出してマイクの調子を確かめる。絵美佳は無言でそんな順を見守っていた。クッションに座っているそれは絵美佳より少し、若く見える。年頃で言えば中学生くらいだろうか。そんな女の子が眠るように膝を抱えて丸くなっているのだ。

 

「あっ、こうだった。ええと、ここのスイッチを入れてぇ」

 

 順が何かを操作する。順の手には黒い小さな機械が握られていた。

 

 不意に女の子が目を開く。瞬きをすると、長い睫毛が揺れる。瞼を上げた女の子の目はぱっちりと大きく愛らしい。

 

「これをこうして……と」

 

 順が呟きながら指先で何かを弾く。すると女の子はすうっと立ち上がった。成長途中の乳房が小さく揺れる。絵美佳は目を細めてそれを見つめていた。髪の毛は軽くウェーブしており、肩にかかっている。細い身体つきは強く抱いたら折れてしまいそうだ。小ぶりな胸も彼女の愛らしい面立ちによく似合っている。絵美佳はじっくりと女の子を観察していた。

 

 肩から胸、そして細い腰に目を向ける。翳りはまだ薄い。

 

「こんにちはあ、絵美佳さん。アタシ、ノアっていいますぅ」

 

 女の子の薄い唇が開いて声を紡ぎだす。顔によく似合う、鈴を鳴らしたような可憐な声だ。何も知らずに話し掛けられたらその愛らしさに思わず振り返ってしまうだろう。もしかしたら余りの可愛さに言葉をなくすかも知れない。

 

 ……もっとも、その脇でノアと同じように手を組み合わせ、瞳を潤ませ、しなを作っている順がいなければ、だが。

 

「……あんた、ヘンタイ?」

「えええっ! オレ、こーして頑張って紹介してるだけなのにぃ!」

 

 耳元に手を当てて順が嘆く。どうやら今度はリンクしてはいなかったようだ。ノアは胸の前に手を組んだまま絵美佳を見つめている。

 

「なるほど、これは面白いかも!」

 

 これは完全なロボットだ。ヒューマノイドとは全く異なるが、見た目そのものは人と違わない。絵美佳は好奇心満々の顔で順に手を突き出した。

 

「あたしにも貸して!」

「えっ! だって借り物なのにぃ……」

 

 そう順が告げるとノアも同じように言って泣く真似をしてみせた。やはり思った通り、これは順の動きを直接読んでいる訳ではない。順の思考を読んで動いている。ますます興味をそそられ、絵美佳は大股で順に近づいた。

 

 慌てて逃げようとする順に手を伸ばす。絵美佳はジャンプして順の頭からヘッドセットをもぎ取った。情けない顔で順が取り戻そうとする。だが絵美佳はすましてヘッドセットを装着した。

 

「あああ、借り物だからあんまり無茶しないでねぇ」

 

 殆ど半泣きになりながら順が告げる。絵美佳はごほん、と一つ咳払いをしてマイクを口許に寄せた。

 

「あーあー。ただいまマイクのテスト中」

 

 おもむろに告げる。するとノアが絵美佳と同じように喋った。二人の声がほぼ重なる。絵美佳はにんまりと笑った。ノアがくるりとその場で一回転する。爪先立ちで回って見せたノアは最後ににっこりと笑った。絵美佳の思考を正しく読んでいる。

 

 絵美佳は近づいてノアの髪に触れた。手触りのいい髪が指の間を抜けて肩に落ちる。髪の感触も人そっくりだ。ノアはそんな絵美佳にされるがままになっていた。肩に触れ、指先で肌を確かめるようになぞる。すると驚いたことにノアが頬を染めて微かに顔をしかめた。

 

「うあ、ちょっ、ちょっと絵美佳ちゃん! そんな触り方したら駄目だってば!」

「ある程度、自動で動作するのね。ここはどうかな?」

 

 絵美佳は順の慌てた声を無視して指先を滑らせた。淡く色づく乳首を指先でつつく。するとノアはぴくん、と身体を震わせた。

 

「あああああああ。絵美佳ちゃあん、ちょっと勘弁してよぅ。オレ、怒られちゃうよお」

 

 そう言いながら順が絵美佳の手首を握って動きを止める。だが絵美佳は人の悪い笑みを浮かべて反対側の手を伸ばした。




好奇心旺盛ですw
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