色々警報出しときます!
エロシーンの触りです。
(まだガチではありません)
「おんやあ? 蒼、てめえこいつに何した?」
確かめるように水輝が指を捻る。多輝は思わず水輝の手を振り払おうとした。が、思った通りに身体が動かない。それでも多輝の感覚は何とか平常に戻りつつあった。紫の輝きが次第に遠くなる。
「少々、お相手させて頂きました」
そう告げて蒼が一礼する。さりげないその動きで水輝の指は多輝の顎から外れた。ほっと息をついた多輝は今度は無造作に頭をつかまれた。抵抗も空しく水輝の手が多輝の頭を押さえる。多輝は呻きながら首を反らした。白い首筋が露になる。
「ごまかそうとしても無駄だぜ。てめえ、これ以上くそがきに染まりやがったらただじゃおかないぞ」
喋っている内容とは裏腹に水輝はくすくすと笑っている。次いで多輝は唐突に解放された。伸び上がっていた首が戻ると激しい咳の衝動が襲ってくる。何度か咳き込むとどうにか胸のつかえが取れた。
「面倒だなあ。お前、代わりにやれよ」
心底、面倒そうに水輝が吐く。多輝は息を吸い込んで喚いた。
「おれだっててめえに何かされたかねえ!」
叫んだ多輝の声を追いかけるようにおずおずとした声が続く。
「あの、治療ならわたしでも……」
そう言ったのが奈月だということは多輝にも判った。すると水輝が途端に不機嫌になる。水輝の気配が多輝の感覚を強く弾く。水輝は奈月に向かって軽く手を上げると憮然として告げた。
「駄目」
きっぱりと言い切る。そこで多輝はやっと理解した。水輝は奈月をとても大事にしているのだ。もしかして奈月さんって水輝の? そこまで考えを巡らせた時、水輝がにやりと人の悪い笑みを浮かべた。
「そっか。こいつも確か歪み入ってるんだっけ」
「……水輝様」
静かな蒼の声が耳に直接届く。多輝はいつの間にか蒼に強く抱きしめられていた。密着した胸の奥から蒼の声が聞こえてくる。
「治療はわたくしがさせて頂きますので」
「却下」
はっきりと告げて水輝が腕を伸ばす。あっという間に多輝は蒼の腕から水輝の腕に抱きかえられた。慌てて暴れようとするが、どうしても身体が動かない。歯軋りをする多輝は水輝の腕の中にしっかりとおさまってしまった。
「……水輝。いいかげんにしておかないと。多輝が恐がっているのに」
それまで沈黙していた誰かの声が聞こえてくる。多輝ははっとして目でその声の主を探そうとした。けれどどうしても見えない。多輝は止む無く閉じかけていた感覚をそっと開いた。
「紫さん!」
奈月が嬉しそうな声を上げる。どうやらそれが声の主の名前のようだ。それを聞いて多輝はああ、と納得した。名前の通り、静かな紫の光が見える。感覚の視界に開けたその光景に多輝は思わず見とれてしまった。
次いで我に返る。多輝は慌てて声のする方を向いた。
「ちょ、ちょっと待て! お前、まさか立城なのか!?」
女の声だった筈だ。それに感覚に映ったその姿も紛れもない女性だった。その女性は床に横たわり苦しそうに息をついている。股間に屹立したものだけが気になるが、ブラウスの隙間からちらりと見えるそれは胸の膨らみだ。細い肩と長い髪。だが多輝は次いで女性の顔を捉えて息を飲んだ。その面立ちは立城に似ている。
だが視界を開かなくとも多輝にはそれが立城であるとよくわかった。何故なら立城と同じ紫の輝きをまとっていたからだ。それまではっきりと意識したことのない光のベールが見える。
「とにかく、多輝を放してあげて」
そう告げた立城の声はいつもと違っていた。何だろう。女だからだろうか。少し考えて多輝は理解した。いつも見える余裕がないのだ。対して水輝はそんな立城をせせら笑う。
「無理すんなよ。現に立ち上がれないだろうが」
急に身体が揺れる。水輝は多輝の身体をしっかりと抱いたまま歩き出した。床に横たわる立城の傍に近づく。多輝は慌てて身体を捻った。が、その瞬間に激痛に襲われる。
「まずはくそがきを剥かなきゃな。おい、奈月。そっち頼むぞ」
「はいっ!」
耳の奥に声が届いたと思った瞬間、多輝は唐突な落下感に襲われた。慌てる多輝の身体を何かがやんわりと受け止める。一体、何がどうなってるんだ。唖然とした多輝の呟きは、次に焦った声に転じた。
「おい、ちょっと待て! ばか! やめろっ!」
だが多輝は声を張り上げるのが精一杯だった。一気に水輝が多輝の服を引き裂く。悪寒が背中に走る。それと同時に立城が厳しい声を放った。
「水輝! いいかげんに」
不意に身体が揺らぐ。多輝は気付くと別の誰かの腕の中に納まっていた。柔らかな感触が顔に当たっている。多輝は慌てた声をあげて飛びのこうとした。奈月の胸に頭から抱えられる格好になってしまっている。
「ちょっ、ちょっと、水輝! いいかげんにしないと僕も怒るよ!?」
「何言ってやがる。一回いったくらいで満足なんてまさかしてないだろ?」
無造作に水輝が手で何かをつかむ。その途端に立城の声がぴたりと止んだ。多輝は驚いて肩越しに振り返った。感覚が強制的に開ける。多輝の感覚をこじ開けて入ってきたのは真っ青な光だった。直線的なその光が多輝の感覚を束にして捕えようとする。
「てんめえ……」
いつか見た光景が蘇る。為す術もなく強大な力に晒され、狂気じみた快楽に囚われた。感覚を無理にこじ開けられて体内を好き放題に弄られた。あの時の屈辱が生々しく多輝の心に蘇った。
位置関係がややこしいですね……。
描写が甘い(自分に突っ込み