※この作品はR-18です。

魂の座 一部 凍えた魂   作:伊駒辰葉

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ちょっとだけエロシーンというかオナニーシーンがあります。
TS警報!(今さらですが


三つ子の魂百まで 2

 あの、絵美佳ちゃん、何とかしてください!

 

 悲鳴にも似た担任の訴えに由梨佳はただ頭を下げるしかなかった。本来、学校における子供たちの教育については担任がその責任を負わされている。昨今の風潮もあり、普通は担任が子供に文句をつけるために家に駆け込むことはない。だからその担任はよほど動転していたのだろう。

 

 由梨佳はとうに絵美佳に近づくことを諦めていた。私の手には負えない。だからといって母親であることを放棄することも出来ない。誰かに泣きつくことすら許されない。何故なら最初からそういう約束だったからだ。

 

 由梨佳は自分の手を見つめて大きなため息をついた。力なく首を振る。自分は明らかに拒絶されているのだ。それを思い知る。

 

 絵美佳の部屋の掃除を諦め、由梨佳はもう一つの部屋の扉に手をかけた。こちらは難なくドアが開く。優一郎の部屋だ。由梨佳はほっと息をついてバケツを片手に部屋に入った。

 

 壁に一枚の写真がピンで留められている。いつだっただろう。以前、家族で撮った写真だ。由梨佳は懐かしさに目を細めてバケツを床に置いた。しばらく写真を見つめる。中学生になったばかりの優一郎がはにかむように笑っている。

 

 あどけない笑顔にほっとする。そして由梨佳は目を移してため息をついた。あれからそれほど時間は経っていない。だがいつの間にか優一郎は家を空けがちになった。今はもう、殆ど家には戻ってこない。由梨佳は優一郎の部屋を見つめて力なく肩を落とした。

 

 おかあさん、おかあさん! ボク、きょう、いっとうしょうになったよ!

 

 小学生の頃の優一郎は無邪気に優一郎に懐いていた。由梨佳は絵美佳のこともあってそんな優一郎を出来るだけ可愛がった。絵美佳に注ぎたかった愛情を優一郎に代わりに全部注ぐ。それはだが、自己満足でしかないと由梨佳は自覚していた。

 

 もしかしたら総一郎さんに似ているからかしら。何度もそう思い、その度に由梨佳は自分の考えを否定してきた。違う。可愛い子供だから。不安がこみ上げるたびに自分に言い聞かせる。だが由梨佳の不安は段々と大きくなる。成長するにつれ、優一郎は総一郎にさらに似始めたのだ。

 

 だが優一郎はとある日を境に由梨佳と距離を取り始めた。そのことに一番、安心したのは誰でもない由梨佳だった。優一郎が急に素っ気なくなった理由は判らない。だがあのまま傍にいたらどうなっていたか判らない。

 

 そして今にいたる。由梨佳はのろのろと顔を上げて窓に寄った。カーテンをひいて大きく窓を開ける。掃除しなきゃ。そう呟いて由梨佳は優一郎の部屋を掃除し始めた。主のいない部屋は酷く冷たく見える。次に帰ってくるのはいつだろう。そう思いながら由梨佳は念入りに優一郎の部屋を掃除した。

 

 掃除を終え、複雑な心境で由梨佳は階段を降りた。今日はここまでにしよう。そう決めて掃除用具を片付ける。それから由梨佳は誘われるように連絡用の端末に近づいた。

 

 それは総一郎の書斎にある。由梨佳はふらふらと扉に近づいて書斎に入った。椅子に腰を下ろして端末の電源を入れる。しばらく待つと画面一杯にアニメのキャラクターの絵が表示された。

 

 由梨佳は慣れた手つきでパスコードを打ち込んだ。総一郎と連絡を取れる唯一の道具がこれだ。他の手段では総一郎を捕まえることは出来ない。由梨佳はそわそわしつつ画面が切り替わるのを待った。

 

 黒い画面に白い文字でしばらくお待ちください、と表示される。次第に由梨佳は視線を彷徨わせ始めた。憂鬱な気分がストレスとなり、機体が欲情し始めているのだ。切ない気持ちを我慢しているために手が勝手に震えてくる。

 

 やがて黒い画面がゆっくりと白くなっていく。だがそこに由梨佳の望む文字はなかった。連絡不能と書かれた文字が浮き上がって見える。由梨佳は顔を歪めて机に肘をついた。額を押さえて落胆の息をつく。

 

 駄目……我慢できない。由梨佳は情けない気分で手をゆらりと下ろした。そっとスカートをめくる。既に股間には愛液が溢れている。泣きたい気持ちとは裏腹に機体の欲情レベルだけが上がっていく。

 

 震える指先がストッキングに包まれた足を撫ぜる。由梨佳は熱い息をつきながら股間を弄り始めた。下着の底はすっかり濡れそぼっている。

 

「総一郎さん……」

 

 ため息と共に呟いて由梨佳は欲求のままに自慰を始めた。固くしこったクリトリスを指先で捏ねる。頬がうっすらと染まる。艶かしく指先を動かしながら、由梨佳は片手を胸にあてがった。ブラウスの上から乳房をやんわりとつかむ。

 

 疼きが激しくなる。由梨佳の呼吸は自然と速くなった。スカートの中に入れた手の動きが徐々に激しくなる。

 

 不意に扉が激しい音を立てて開いた。由梨佳はぎくりと身体を震わせて振り返った。見知らぬ少年が書斎の入り口に立っている。

 

「あんたってほんとにオナニー好きなのね……」

 

 呆れたように少年が告げる。由梨佳は慌ててめくれていたスカートを戻した。次いで少年をまじまじと見る。見覚えはない。その筈だ。が、どうしてだろう。少年は総一郎にとてもよく似ている。




ちなみに由梨佳はヒューマノイドなのですが……
機械がちゃんと書けてません(泣)
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