定着しない訳ですけども!w
エロシーンはありません。
自然と顔が曇る。それまで淡々とヒューマノイドのシステムについて説明していた由梨佳がふと気付いたように目を上げる。多輝はのろのろと顔を上げ、そんな由梨佳を黙って見つめた。
「どうしたの? 悩みがあるなら言ってごらんなさい」
あくまでも由梨佳は優しい笑みを浮かべている。言えば母親のような面持ちだ。多輝はため息をついた。例えば自分の考えたことをここで言ってしまったら。由梨佳は多輝と同じヒューマノイドなのだ。恐らく自分と同じことが原因で悩むこともあっただろう。もしかしたら上手い解決法を教えてくれるかも知れない。
だが、まだ由梨佳が多輝と同じことを悩んでいるとしたら。その可能性がないと言い切れない限り、とても言えない。多輝は首を力なく横に振って何でもない、と応えた。
「性に関することで、悩むのは仕方ないことよ。でも、あまりくよくよ考えないほうがいいわ」
年頃の息子を持つ母親らしい意見だ。多輝は苦笑して判った、と答えた。由梨佳がにっこりと笑う。
「悩み、も欲情のトリガーのひとつだから。悩むことでもわたしたちは欲情するわ。そうして欲情してしまう自分に嫌悪感を感じてさらに悩む」
そう告げた由梨佳の顔がどことなく曇っている。多輝はしまった、とごく小さく舌打ちをした。例え口に出さなくとも聡い由梨佳のことだ。多輝が何を考えて悩んでいるのかを見抜いたらしい。
何か別の話題を探さないと。多輝は懸命に考えた。が、こういう時に限ってなかなかいいことを思いつかない。
「無限ループよ。そうなったら外部から誰かに制御してもらわないと、立ち直ることはできないわ」
由梨佳の指が空中で線を描く。多輝は焦っていた。由梨佳の顔がみるみる内に曇っていく。それは先生のことじゃないの。多輝は口にしかけた言葉を慌てて飲み込んだ。余計に負担をかけてどうすんだ。内心で自分を叱り飛ばして顔を上げる。
「そうよ、わたしなんて、オナニーが止まらなくなって、壊れてしまったことも何度もあるわ。恥ずかしいわよね」
言いながら由梨佳が力なく笑う。多輝は口の中で舌打ちをしてカップをテーブルに戻した。ソファから腰を上げ、由梨佳に歩み寄る。
由梨佳は沈んだ顔に哀しそうな笑みを浮かべている。多輝は無言で由梨佳を抱き寄せた。驚いた声を上げる由梨佳の唇を強引に塞ぐ。
「んっ……」
深く口づけながら多輝は由梨佳を強く抱きしめた。腕に納まった身体が微かに震える。
「もういいよ、先生。そんなに自分を責めるなよ。おれ、先生を泣かせたかった訳じゃないんだ」
多輝は由梨佳の肩に額をつけ、呟くように告げた。由梨佳が吐息をつく。
「責めているわけじゃないの。わたしあなたの事が好きよ。娘みたいに思ってるつもりだったんだけど。見て」
静かに告げて由梨佳は白衣を開いた。そっとスカートをたくし上げる。多輝は無言で由梨佳の身体を離した。下着を見ろという意味だろう。が、見なくてもどうなっているのかは判る。由梨佳の下着は濡れ始めていた。
「濡れてるでしょう? 欲情してるのよ。あなたに」
そう言いながら由梨佳は涙を流した。哀しそうに笑っている。多輝は歯を食いしばって俯いた。ヒューマノイドの機体は確かに便利だ。壊れても修理すればすぐに元通りになる。いつまでも年を取らないままで美しい姿を維持できる。その気になればあらゆる機能を取り付けられる。
だがこの悩みからは絶対に抜け出せない。性的な快楽がなければ機体を維持できない以上、欲情しやすく設定されているのは理解できる。が、何故、ここまで自分たちは悩まなければならないのだろう。多輝は涙を流す由梨佳を抱き寄せた。
口づけて舌で由梨佳の唇を開かせる。多輝は貪るように由梨佳の舌を吸った。きっと根本的な解決など出来はしないのだ。そう思いながら由梨佳の身体を弄る。胸を開かせると由梨佳の腕がゆっくりと多輝の背中に回った。
「天輝くん……。ごめんなさい、悩んでいるのはあなたのに……」
熱い息の下で由梨佳が呟く。多輝は由梨佳を抱き上げてベッドに運んだ。ゆっくりと由梨佳を横たえ、露になった乳房を弄る。
「おれのことはいい。今は何も考えるな」
囁きで告げて多輝は由梨佳に圧し掛かった。こうして交わっても決して悩みは解決しない。そんなことは判りきっている。だが多輝は無言で由梨佳の身体を弄り続けた。胸元にキスマークを散らし、スカートの中に手を入れる。
「ありがとう……天輝くん、ああっ!」
震える由梨佳の身体を押さえ、多輝は下着の中に手を入れた。由梨佳は多輝の愛撫によって何度も絶頂に達した。
その日の授業が終了する。由梨佳が退室してから多輝はベッドに横になった。もう少ししたら蒼とのトレーニングを開始しなければならない。今日は二本取れるかな。三本の勝負のうち、多輝は最近は確実に一本は取れるようになっている。わたくしがお役ごめんになるのもそう遠くはないですね。蒼の言葉を思い出す。
悩んでても仕方ない。多輝は跳ねるように身体を起こした。動きやすい服に手早く着替える。その時にふと目に留まるものがあった。ベッドに隠れるかどうかというところに何かが転がっている。
「何だ? これ」
多輝は呟きながらそれを拾い上げた。指先でつまんでライトに翳してみる。それは真っ青な小さな石の嵌ったピアスだった。
エロシーンに入るかってところで切っちゃったので……(汗)
ヒューマノイドはその辺りは見境がないので、けっこー省略してあったりします。