エロシーン……なんですけども、機械相手なので微妙な方は微妙かもです。
被虐の蜜の味
ゆらりと人影が現れる。廊下を掃除していた斎姫はびくりと身体を震わせた。人影を見止めて驚きに目を見張る。
「優くん! どうして……あっ!」
掠れた声を上げて斎姫は廊下にへたり込んだ。しばらく会っていなかったためだろう。優一郎の姿を確認しただけで欲情してしまったのだ。斎姫は唇を噛んでそっと俯いた。恥ずかしくて優一郎を直視できない。
「優くん……だめ、あそこが!」
斎姫の切ない声を無視して優一郎が近づいてくる。斎姫は泣きそうになりながら壁際に寄った。床に放り出した足が勝手に震えている。斎姫の下腹部の内側では低いモーター音がし始めていた。
「優くん……わたし、もう要らないの?」
ここ最近、ずっと斎姫は優一郎にメンテナンスを施してもらっていなかった。最初は保美が快感を与えてくれていた。その次は果穂に。だが優一郎はそんな斎姫に自慰以外で快楽を得てはいけないと命じた。壊れそうなほどに切ない思いを抱えながら、斎姫は自慰をし続けている。
だがどうしてだろう、と考えを巡らせた時、決まって斎姫は暗い考えに辿り着く。もう、要らなくなったのかな。だがそう考える度に機体は斎姫の意志に反して欲情する。結局、斎姫は悩みを誰にも打ち明けることが出来ないまま、自慰によって事務的に性的な快楽を得る日々が続いていた。
俯いた斎姫の視界に黒い靴が割り込んでくる。斎姫は潤んだ目を上げて優一郎を見つめた。優一郎は斎姫の傍に無言で立ち、じっと見下ろしている。
「優くん……いいのよ。要らないなら、わたし……」
自嘲気味に笑い、斎姫は目を逸らした。ぴくりと優一郎が眉を跳ね上げる。だが斎姫はそのことに気付かなかった。
「優くんに必要とされないなら、わたしが存在してる意味ないもの……」
優一郎が斎姫の全てだった。他の誰でもない、優一郎が必要としてくれているならと思っていた。だがもしかしたら優一郎は自分を必要としていないかも知れない。そう思った斎姫の目から大粒の涙が零れる。
優一郎は無言で斎姫を見下ろしていた。だが急に腕を伸ばして斎姫の肩をつかむ。斎姫は驚きに目を見張って顔を上げた。優一郎は冷ややかな眼差しで斎姫を見つめ、次いで斎姫の腕を取って強く引き起こした。そのまま斎姫を腕に抱く。斎姫は驚愕に息を飲んだ。
「優くんっ?」
間近に優一郎の息遣いを感じる。斎姫は呼びかけてはみたものの、その先に続く言葉を見つけられなかった。優一郎は斎姫を強く抱きしめて腕を震わせている。一体、何があったのだろう。
「優くん……」
おずおずと斎姫は腕を上げた。そっと優一郎の背中に腕を回す。こうして抱きしめられているだけで幸せな気分になれる。なのに機体はそんな斎姫の仄かな希望を打ち砕くかのように如実に反応した。膣壁がうねってペニスの挿入を待ち受ける。クリトリスと乳首が最高レベルで勃起する。斎姫は泣きたい気分で優一郎の胸に顔を埋めた。
「だめ……! あそこが……」
愛液が溢れて腿を伝う。斎姫は半泣きになりながら優一郎の背中を抱く腕に力をこめた。下腹部が疼いてたまらない。斎姫の哀しい気分を打ち消すほどの強い欲求がこみ上げてくる。斎姫は声を殺して泣きながら優一郎にすがりついた。
「君は、本当にただの機械人形なんだね」
静かな声が降って来る。斎姫は震えながらはい、と答えた。我慢が限界に達して欲求が抑えられなくなる。
「僕は、正直、君を玩具扱いしてきた。そんなことされて不満は感じないの?」
優一郎の声には何らかの感情がこもっている。だがこの時の斎姫はそれを聞き取る余裕がなかった。快感が欲しい。切ない場所を埋めて欲しい。そう願いながら斎姫は目を閉じた。
「僕は壊れるまで自慰をする君の様子をビデオで撮影して、楽しんでたんだよ? そんなことされても、まだ僕が好き?」
だって見られるのが気持ちいいんだもの。そう思いながら斎姫は強く優一郎に抱きついた。零れた涙が優一郎のジャケットに染み込んでいく。
「見てくれてたのね……。優くん!」
優一郎を思いながら自慰をする。切ない気持ちを埋めるために快感を機体に与える。その光景を優一郎が録画していたことは承知の上だった。が、優一郎がわざわざその録画された斎姫の状態を確かめているとは思わなかったのだ。斎姫はこみ上げてくる衝動に任せてしゃくりあげた。涙がどんどん溢れてくる。
「優くん、いいの。玩具で構わない。優くんが必要としてくれてるなら、なんでもいいの!」
泣きながら斎姫は叫ぶようにして告げた。ぴくりと優一郎の腕が震える。やがて優一郎はそっと斎姫を解放した。斎姫は泣きじゃくりながらその場に座り込んだ。これまで心の中で重ねられてきた思いが一気に込み上げてくる。
不意に笑い声が聞こえてくる。斎姫は驚いて目を上げた。優一郎が斎姫を見下ろしながら笑っているのだ。その声が次第に大きくなる。怪訝に思いながら斎姫は涙を拭いた。
「君に命令。立ち上がって、第二実験室へ移動すること」
額を覆って笑いながら優一郎が告げる。斎姫はよろけながら壁伝いに何とか立ち上がった。性的興奮を最大レベルで求めている機体は、とても動かしづらい。だが斎姫は壁伝いにじりじりと進み始めた。ゆっくりと斎姫の後を追いながら優一郎はくすくすと笑っている。
「女性器ユニット、擦り切れてるんでしょ?」
言いながら優一郎は無造作に斎姫のスカートをめくり上げた。斎姫はびくりと身体を震わせ、危うくその場に倒れかけた。見られているということが快感になる。斎姫は息を切らせながら懸命に身体のバランスを取った。
「ぼろぼろだね」
優一郎の命令により、斎姫は下着を身につけていない。剥き出しになった股間を覗き込み、優一郎が笑う。斎姫は恥ずかしさを堪えて懸命に前に進もうとした。だが足がなかなか動かない。
「ごめんなさい、わたし、わたし……」
肩越しに振り返って斎姫は潤んだ目で優一郎を見た。優一郎が笑いながら斎姫の腰に手を回す。あっという間に斎姫の膣内に何かが入ってくる。斎姫は驚愕に目を見張り、次いで激しい快楽に仰け反った。
「これで、楽になったでしょ?」
優一郎が屈めていた腰を上げる。その手には携帯端末が握られていた。細いコードが斎姫の股間まで伸びている。斎姫は喘ぎながら壁伝いに床に崩れかけた。その途端に膣内で何かが振動する。びくり、と跳ねるように斎姫は身体を起こした。
「内部もぼろぼろだね」
まだ優一郎は笑っている。斎姫は強い快感に翻弄され、眩暈を起こしかけていた。そんな斎姫の腰を何かが強く押す。優一郎が端末で斎姫を押したのだ。斎姫は再びのろのろと廊下を進み始めた。
「ほんとに君は、いいね。凄くいい」
呟きながら優一郎はくすくすと笑った。膣内に挿入された検査用のスティックが波打つように振動を繰り返す。斎姫は快感に晒されたままで懸命に進んでいた。時折、強い快楽に囚われて足が止まりそうになる。その度に優一郎が斎姫の腰を押す。
「セックス、早くしたくないの? 修理しないとできないよ」
意識が遠のきかける。くすくすと優一郎が笑って斎姫の腰に手をかける。斎姫は沈みかけていた身体を懸命に立て直した。壁に手を当てて必死で前に進む。優一郎は笑いながら斎姫の腰にあてた手を軽く動かした。
痺れるような快感に襲われる。斎姫は声を上げて仰け反った。優一郎に触れられたことで一気に絶頂に達してしまったのだ。
「自力で、移動は無理?」
床に崩れてしまった斎姫を見下ろしながら優一郎は笑っていた。だが斎姫ははっきりと優一郎の様子を見ることが出来なかった。これまで禁止されていた異物の挿入により、膣内の感覚が異様に鋭くなってしまっているのだ。
「質問に答えて」
優一郎の指先が動く。携帯端末を指先が弾くと同時に斎姫は声を上げて背中を反らせた。とてもまともにものを考えることが出来ない。
「答えられない? そんなにこのスティックがいいんだ? 僕とはセックスしたくない?」
笑いながら優一郎が指先で端末を操作する。斎姫は頭を激しく振って口を開いた。何を訊かれているのか、自分は何を言えばいいのかが判らない。ただひたすらに快楽を求め、斎姫は床に座り込んだ。唇の端から涎が垂れる。
「あははっ、そうだよね。ヒューマノイドってこういうモノだよね」
優一郎が腹を抱えて笑い出す。斎姫は無意識の内に足を大きく開いていた。膣に挟まったスティックを握って出し入れする。
「いいよ、とてもいい」
微かにジッパーの音が響く。斎姫は淫らに腰を振りながらスティックで膣内を攻めた。ボタンのようにしこったクリトリスを乱暴に弄る。とろけるような顔をしながら斎姫は甘く鳴いた。
「ほら、咥えて。ほしいんでしょ?」
口の中にペニスが突き入れられる。斎姫は艶かしい動きで優一郎のペニスに吸い付いた。優一郎が嗤いながら斎姫の頭を押さえる。
「壊れたら、オーバーホールしてあげる。明日から、働いてもらうよ。って聞こえてないか」
喉の奥に屹立したペニスが届く。優一郎は嗤いながら斎姫の髪を乱暴に握った。両手で斎姫の頭を支えて揺する。斎姫は喉の奥に届いた精液を音を立てて飲み下した。
十章はノーマルなエロシーンがあんまりありません。
章全体にBL警報を出さねばならないほどです。ヤバい。