メカ破壊シーンが入ってきます。
あ、このエピにはありません。
若干エロシーンがあります。
まだ熱っぽい身体を腕で抱きしめて保美はそっと目を閉じた。服を着ているというのに、身体はまだ剥き出しになっている気がする。保美は小さく笑って唇を舐めた。唇の端に僅かに残っていたカレンの合成精液の味を舌先で確かめるようになぞる。
実験台にぐったりと横たわっているのは要だ。二人に同時に攻められた要は激しく悶えていた。少し時間が経っているというのに、まるで今現在そうであるかのように要の様子が思い出せる。最初は高慢に二人に命令を下していた要も、行為が深まるにつれてそれが出来なくなっていった。最終的には二人に嬲られていたというのが正しいかも知れない。くすり、と笑いを漏らして保美は実験台に近づいた。
「いかがでしたか? 要様」
そっと囁くように訊ねて保美は優雅に身を折ってみせた。要が疲れきった顔に微かな笑みを浮かべる。
「なかなかの……お手並みでしたわ」
答えながら要が僅かに眉を寄せる。汚れた女性器をカレンが静かに洗い流しているのだ。恐らくその手がどこかに触れたのだろう。要は眉を寄せたまま、声を殺している。保美は再び腰を折って頭を垂れた。
温められた純水でカレンは丁寧に洗浄を続けている。カレンも行為に熱中していたようだ。要を犯していたカレンの眼差しを思い出し、保美はほうっ、と息をついた。機械仕掛けのペニスによる射精は三度までが限界だ。それ以上は部品の交換が必要になる。だがカレンはその部品交換を行為中に三度も行った。それほどまでにカレンが熱中するのはごく稀なことだ。
「すごいねぇ。まだウチのが出てくるよ。随分と奥まで入っちまったんだねえ」
感心したように呟きながらカレンが口許に笑みを浮かべる。足を開いて横たわる要が頬を染めて目を閉じる。保美は傍に寄ってカレンの手元をしみじみと覗き込んだ。カレンは指先を器用に使って膣内を流している。
鼻歌を歌いながら要の恥部を流すカレンに目で合図を送り、保美は静かにその部屋を出た。廊下に出ると急に疲れが押し寄せてくる。燃料補給はされている筈だし、性行為そのものは食事のようなものだから疲れる筈が無い。なのに気だるい感覚が機体内にこもっている。保美はしばしドアにもたれて目を閉じた。
たぶん、少し不満なのね。保美は倦怠感を覚えている理由をそう結論付けた。生身の人間であるからこそ、要にはある程度以上の無茶は出来ない。本当は壊してみたかったのに。保美は不満をこめてそう呟いた。出来るだけよがらせて、女性器が擦り切れるまで擦って、あられもなく悶える要が見たかったのに。そんなことを考えてみる。
でももう少しでその願いは叶うかも知れない。要がロボット研究会の研究室にいるということは、先々で要も自分たちのように機械の身体を持つ可能性があることを示している。そうでなければ優一郎がわざわざ地下に要を招く筈がない。関係のない者を地下に入れれば無駄に騒がれるだけだからだ。
保美は静かにドアから身を引き剥がして廊下を進んだ。広い地下には幾つもの部屋がある。シャワールームやキッチンも完備されており、その気になれば地下で生活も出来るほどだ。が、保美たちヒューマノイドは一応、帰る家を持っている。地下にこもっているだけでは外の世界から次第に孤立してしまう。ここにいれば便利なことは確かだが、外のことも見聞きしなければならない。それ故に戻れる時は家に戻るように、というのが優一郎が彼女たちヒューマノイドに下した命令だ。
もっとも、外の世界に出すぎて戻らなくなってしまったヒューマノイドもいる。悠波ちなり。保美はふとちなりのことを思い出して足を止めた。ちなりはあれからどうしただろう。最後に保美がメンテナンスをしたのはもう随分と前だ。
ちなりは恐らく優一郎を慕う余りに地下にいられなくなってしまったのだ。そのことだけは保美にも理解できた。気丈に笑ってはいたが、ちなりの機体は最後のメンテナンスの時点で既に壊れかけていた。幾度か優一郎にオーバーホールしてもらいなさいと告げたが、ちなりはそんな保美の言葉には従わなかった。
あの子、組み伏せたら楽しそうだったのに。保美は心の中でそう呟いてまた歩き出した。
この地下にはだが例外的に外には出ない者がいる。優一郎が外出を禁じている訳ではない。優一郎はあくまでも干渉なしという立場をとっている。それが保美の妹である果穂だ。
保美と果穂は木村の研究室で生まれた。二人とも失敗作だったことが両親を必要以上に落胆させた。保美はヒューマノイドの身体を得るまでずっと病院通いの日々を送った。そして果穂は肉体的には健康ではあったが、ある程度以上は身体のサイズが成長しなかった。
二人の両親は怒りを直接に果穂にぶつけた。幸いと言っていいのか、保美が両親と顔を合わせる機会はとても稀だったのだ。果穂は面と向かって何度も詰られたという。失敗作。どうしようもない子供。あの大人たちは事あるごとに果穂にそんな言葉をぶつけた。その度に果穂が傷ついていることなど、彼らには関係なかったのだろう。
やがて果穂の顔から表情が失せた。保美の許を訪ねて来る時だけ、僅かに表情が戻る。だがそれも次第に薄れていった。
結局、保美は清陵高校に進学し、果穂は別の高校に進学した。果穂の場合は身体が成長しなかったため、どうしても通常の学校には通うことが出来なかったのだ。木村財閥が直接的に管理している女子高校に入学した。
本来なら二度と会うことはなかったのだろう。だがとある事がきっかけとなり、果穂は優一郎に保護された。そして今に至っている。
小さく笑って保美は軽く首を傾げた。きっと今に果穂も機械の身体を望むようになる。機械の身体を手に入れる……つまり、ヒューマノイドになるということは、永遠にも近い命を手に入れるということだ。それは果穂の計画上、恐らく絶対の条件だ。限られた短い命の間に果穂の計画が実行できるほど、木村は生易しくはない。それは誰よりも果穂が判っているだろう。
脳裏にそうなった時のことを思い描きながら保美はくすくすと笑った。きっと果穂も激しく悶えながら壊れるのだ。その時のことを思うだけで欲情してしまう。保美はうっとりと目を潤ませて息をついた。
廊下を曲がる。その瞬間、保美の耳に奇妙な音が飛び込んできた。何かが破れるようなけたたましい音がする。その直後、廊下の奥で高い悲鳴が上がった。
「果穂!?」
保美は声のした方に向かって走った。何かがあったに違いない。
廊下の奥には地下二階に続いているエレベーターがある。そこは通常、優一郎しか立ち入ることが出来ない場所になっている。保美はその場に駆けつけてあっと息を飲んだ。果穂の小さな身体がぐったりと壁に寄りかかっている。そしてその傍には見慣れない少女が立っていた。年頃は丁度、保美やカレンと同じくらいに見える。
メカエロシーンが未熟で恥ずかしいです……。