機械はまだちゃんと書けていないのですが、機械的エロではあるので……。
生身的なエロシーンはないです。
「ヒューマノイドの神経系統は、運動系、感覚系、性感系の三つに分かれているわ」
落ち込む多輝を励まそうとしているのだろう。由梨佳が機体の説明をし始める。多輝ははい、と素直に頷いた。だが器具に刺激されているために快感が定期的に襲ってくる。自然と多輝の声には甘い響きが含まれていた。
「神経系統を統括して制御しているのが、生身の人間で言えば子宮の下部にあたる部分から、クリトリスに至るまでの部分に設置されている主制御コンピュータよ」
そう言いながら由梨佳はそっと多輝のクリトリスに触れた。指先を滑らせて多輝の下腹部を撫でる。多輝はその指の動きに思わず小さな悲鳴を上げた。
「クリトリスは性感帯だけでなく、コンピュータに直結されたメイン制御スイッチでもあるの」
既に多輝のクリトリスは勃起しかけている。多輝は目を潤ませて由梨佳を見ながら懸命に頷いた。由梨佳の説明を聞かなければならないという思いと、もっと強い刺激が欲しいという欲望が心の中でせめぎ合う。
「状況によって、意思や性的な欲望と関係なく勃起し、制御スイッチとして機能するわ。テレリンク機能のスイッチとして使う場面が一番多いかしら」
そう説明しながら由梨佳は軽く手を捻った。多輝の膣の奥、先ほどとは別の接続口に器具がセットされる。多輝は思わず上げかけた声を何とか飲み込んだ。まだ由梨佳は説明を続けている。それを邪魔するまいと多輝は必死だった。
「子宮の上部から腹部に向けては燃料タンクになっているわ」
多輝は口許を手で覆って頷いた。出来れば早く検査を終えて欲しい。だが多輝のそんな願いも空しく、由梨佳は説明を続けながら検査も同時に行っている。
「だから検査時、制御コンピュータと情報をやり取りしたり、燃料補給を行うには、膣を介して子宮口から内部に接続する設計になっているの」
「んはぅ!」
器具が再度、膣壁を擦る。多輝はとうとう我慢出来ずに声を上げた。だが由梨佳はそんな多輝に目もくれず、説明を続ける。対する多輝も由梨佳の説明をきちんと聞いている余裕がなくなり始めていた。
「あなたが女性器を晒すのを恥ずかしがる気持ちは良くわかるわ。だけど、メンテナンスや機体の制御を行うためには、どうしてもこうやって女性器を露出させてもらわなければならないの」
機体に器具を挿入して機体状態を検査する。本当はそれだけのことだ。多輝は快感に身体を震わせながらも必死で考えた。考えを逸らしておかなければどうにかなってしまいそうだったからだ。
ヒューマノイドに自慰が不可欠であることは由梨佳の言からも明らかだ。それと同様にヒューマノイドの機体は事あるごとにチェックする必要もあるだろう。今回のように機体の使用者当人である多輝に異常の原因が判らないケースも多いだろうからだ。
だが自分は本当にそんなに頻繁に検査を受けていたのだろうか。もしそうなら、その度にこんな風に感じてしまっていたのか。多輝は自分のことながら愕然となった。
「それから、あなたの故障の原因だけど」
淡々とした由梨佳の声が続く。
「初期の研究の結果、ヒューマノイドには、ある緊急時に機能する安全装置が付加されることになったの。それがオナニーコントロール回路と呼ばれる装置よ」
ヒューマノイドが長時間、性的な快感を得られず、ストレスが蓄積し解消しなかった時に、自動的に欲情させ自慰をさせる装置をオナニーコントロール回路と呼ぶ。それは自動であるが故に機体使用者の意志を無視して起動する。そして睡眠することの出来る多輝のその回路は、睡眠中にその機能が発動する設定になっている。どうやらその回路が昨晩暴走したようだ、と由梨佳は続けた。
「その結果、神経系統に過電流が流れてショートして、運動と感覚を司る神経回路が故障したんだと思うわ」
静かに感情が冷めていく。多輝は無言でため息をついてはい、とだけ答えた。感じていた快楽は嘘のように静まり返っていた。恐らく由梨佳が作業の途中で性感系統の接続をカットしたのだ。
多輝は黙って手を伸ばした。試しにクリトリスを自分でつついてみる。だが何も感じない。そうか、機械の身体ってことだもんな。多輝は小さく笑ってそう呟いた。
「ごめんなさい、ちょっと脱線してしまったわね。直ぐに修理にかかるわ」
少し沈うつな面持ちで由梨佳が告げる。多輝はいえ、とだけ答えて手を引っ込めた。天井を眺めながら多輝はこれまでの自分について考えてみた。今まで機械の身体であることを意識したことはなかった。ちょっと不便なだけの身体だと思っていただけだ。それに不便と言っても日頃使う分には特に問題はない。時折、立城のことを思い出すと身体が熱くなって切ない気分になるというだけのことだ。
機械なのでコントロールされまくりな件w