ゆっくりとひだを分けるようにして器具の先が肛門を撫でる。多輝は堪えきれずに自分の手で胸の膨らみをつかんだ。セーターの中に入れた手が冷たい。だがその感触に震えるより先に甘い刺激が下半身を襲う。優一郎が指先で多輝を弄り始めたのだ。
「もしかして自慰行為の状況について、答えるのは恥ずかしい?」
多輝の耳元に囁きながら優一郎は肛門をほぐしていく。
「あぅっ! んふぅ」
恥ずかしい、という気持ちと触れられているという悦びが入り混じり、えも言われぬ快楽がこみ上げてくる。多輝の膣口からは愛液がしとどに零れていた。喘ぎながら乳首を強くつまむ。だがそれだけでは到底満たされない。多輝はとうとう、自分から腰を振って優一郎を誘った。
「こうなったら止まらないか」
薄笑いを浮かべ、優一郎は多輝の肛門に指をねじ込んだ。多輝は異物が体内に入ってくる快感に、思わず声を上げた。
「だっ、だめぇっ! あっ、ああぅっ!」
指で弄られる感覚に多輝は翻弄されていた。優一郎が執拗に肛門を攻める傍ら、片手に持った器具で再びクリトリスを刺激し始める。激しい快感と柔らかな快感が同時に襲ってくる。多輝は息を切らせて首を振った。
「あっ……ああっ、ああふっ!」
やがて器具の先が濡れそぼった多輝の膣口に触れる。優一郎は多輝に覆い被さるようにして囁いた。
「ログを取得しながら、ストレス処理のために補助膣を攻めるね」
そう告げたかと思うと、優一郎は器具をゆっくりと滑らせた。同時に多輝の肛門に二本目の指を入れる。弾かれたように多輝は身体を起こした。優一郎の手が多輝の前に回り、器具を膣の奥へと差し込んでいく。半ば抱きしめられる形で多輝は攻められ続けた。
「あはぁっ! あっううあんっ! ああぅふん!」
あられもなく喘ぎながら多輝は懸命に自慰を続けた。だがそうするまでもなく、優一郎は器用に多輝の女性器を刺激している。膣には器具を、クリトリスには愛撫を、そして多輝の肛門には激しく優一郎の指が出入りしていた。愛液が肛門に伝い、優一郎の指の動きをスムーズにする。
快感は得ている。考えることも出来ないほどに快楽に溺れている。だが多輝はどうしても満たされなかった。快楽の頂点はそこに見えているのに、昇りつめることが出来ない。身体は焦れた熱が溜まるばかりで、一向に満足できないのだ。
「あっ、優一郎! もう、駄目! 入れ……て」
多輝はとうとう自分からそう優一郎に頼んだ。だが優一郎は多輝が望む通りにはしなかった。クリトリスを指でこねつつ、反対の手で肛門を押しひろげる。
「何を? 入れてほしいの?」
誰かに見られたら、という危機感はとうに忘れ去っていた。多輝は自分の乳房を揉みしだきながら甘く鳴いた。
「あっんぅっ! 硬いのを……入れて! お願いっ!」
膣に入った器具が微振動し始める。多輝は泣きながら優一郎にそう告げた。優一郎はその顔に嗤いを浮かべ、おもむろに多輝の肛門から指を抜いた。ジッパーを引き下げて勃起したペニスを引きずり出す。多輝は次に来る快楽を待ち受けて目を閉じた。
「それじゃあ、行くよ」
近所におつかいにでも行くかのような気軽さで優一郎が告げる。それと同時に勃起しきったペニスが拡がった肛門に深々と突き入れられていく。多輝はその瞬間に大量の愛液を漏らした。
「あっんっ……あはぁっ! ゆういちろうっ!」
優一郎が挿入した途端、多輝は悦びの声を上げた。同時に機体内に変化が起こる。優一郎のペニスを刺激するよう、多輝の機械仕掛けの直腸が動き始めたのだ。だが機械が動いているにも関わらず、音は全くしない。もっとも音が少々たったところで多輝の喘ぎにかき消されてしまうだろうが。
腸壁が優一郎の快楽を引き出すように蠢く。それと共に多輝の快感も最高潮に達した。
「あっんっ! ゆう、いちろう! あっああぅあはっああんぅっ!!」
今までとは比べ物にならないほどの快感が押し寄せてくる。多輝は優一郎に抱きしめられたまま果てた。次いで優一郎が熱い息を吐き出す。体内に注がれた精液の感触に、多輝は続けざまに二度目の絶頂を迎えた。
アスファルトに愛液の染みが広がっていく。その場に崩れた多輝は肩で息をしながら薄く目を開けた。優一郎も疲れたように壁によりかかっていたが、ほどなくして乱れた着衣を整えた。静かに端末に近づいて行く。
何やってんだ、おれ。ぼんやりとした頭の中にそんな言葉が浮かんでくる。今日は特別な日なのだ。今から久しぶりに養父に会わなければならない。多輝は深い息をついてまだぼんやりとしている頭を強く振った。
「落ち着いたかい?」
酷く穏やかな物言いで問われる。多輝は目を上げて優一郎を見た。優一郎はその場に胡座をかき、その上に端末を乗せていた。いつの間にか多輝に挿入していた器具は納められている。多輝は憮然としてふん、と横を向いた。
「おれは最初っから落ち着いてただろが」
だがそれが嘘であることは多輝自身もよく判っていた。事後の妙な気恥ずかしさは今でもまだある。多輝は優一郎から顔を背けたまま、返答を待った。だが優一郎が答える様子はない。怪訝に思いながらそちらを見る。するとそこでようやく優一郎が口を開いた。
「当分の間、僕はそばにいられないから」
静かなその声に多輝は応えられなかった。
まだまだ機械を書けてません……。すみません……。