エロシーンありです。
腰を強く押し出す。膣壁を擦る感覚に水輝は少しだけ目を細めた。その瞬間、ペニスの先から精液が迸る。
「あっ、あっ、んぅ!」
「おれのってけっこういいでしょ。ほら、未亜ちゃんの身体に染み込んでくよね。気持ちいい?」
それまで嫌がっていた未亜は水輝の言葉に触発されるように甘い声を上げた。水輝の力に無防備な意識が晒され、一気に快楽に囚われたのだ。水輝のペニスを根元まで咥え込んだ未亜の腰がひくつく。水輝の精液は力と化し、文字通り未亜の体内に浸透していった。
声もなく未亜が仰け反る。鎖が揺れて音を立てた。
「名前、何にしよう」
声を上げて悶える未亜を余所に、水輝は真剣顔で考え込んだ。幾つかの名前を心に浮かべてみる。だがどれもしっくりこない。その間にも未亜は悲鳴のような声を上げて身体を緊張させた。確かに水輝の言った通りに快楽に晒されているのだ。ただそれは、未亜が望む形ではなかっただろうが。
水輝はため息をついて頭をかいた。
「まあ、どうせそのうち思いつくか」
そう言って口に指先を入れる。水輝は目を細めて自分の指先の皮膚を噛み切った。口から出した指先に丸く血が膨らんでいる。水輝は慎重にその指を宙に掲げた。指先で盛り上がった血の雫が一滴、落ちる。だがその雫は中空で静止して綺麗な球体になった。
「未亜ちゃん。心臓、頂戴ね」
水輝は何でもないことのようにそう告げた。快感に震える未亜の身体を押さえつけ、左の胸に狙いをつける。指先でその位置を探り当てると、水輝は短く鋭い息を吐いた。それと共に指先が未亜の身体へと潜っていく。
「きゃああっ! あぅああああっ!!」
膣壁が締まり、ペニスを擦ろうとする。水輝はそんな未亜を見下ろして微かに嗤った。胸に潜らせた指を軽く動かす。それだけで未亜の身体はびくりと跳ねた。
「何度でもいかせてあげるよ。この日の記念に」
指がゆっくりと沈んでいく。骨をくぐり、肉をすり抜けて水輝の指先は未亜の心臓へとたどり着いた。激しく脈打つそれを探り当て、水輝は目を細めた。宙に浮かんでいた血の雫に空いた手を差し伸べる。それは段々と膨れ上がり、最後には手のひら大の輝く球体へと変化した。
一気に手を引き抜く。血だらけになった水輝の右手にはまだ動く未亜の心臓が握られていた。腰をひくつかせて未亜は喘ぎ続けている。水輝は心臓を高く掲げ、上を向いて大きく口を開けた。ゆっくりと手を下ろして心臓を口に運ぶ。未亜の心臓は吸い込まれるように水輝の口の中へと消えた。
未亜の喘ぎ声と咀嚼する音だけが響く。口一杯に広がった甘い香りを楽しみながら、水輝は少しずつ心臓を飲み込んだ。真っ赤に汚れた口許を腕で拭う。
「っと、忘れるとこだった」
左手に握った真紅の珠を右手に持ちかえる。その珠は水輝が未亜の心臓を抜いた瞬間から、光を帯びて脈打っていた。未亜の呼吸の速さに合わせるかのように、激しく脈を打つ。
水輝は静かに珠を未亜の胸に近づけた。珠の鼓動が激しくなる。ゆっくりと肌に近づけると珠は吸い寄せられるように未亜の皮膚に埋まった。指先で珠を静かに胸の奥へと進める。血に塗れた指が全て胸の中に潜った時、未亜は雷に打たれたように身体を大きく震わせた。
「ふあっ!! あぐっ、んんぅう!!」
未亜が首を激しく振って腰を揺らす。快楽に溺れ、自ら激しい刺激を求めているのだ。水輝はそんな未亜の腰をつかんだ。血だらけの手が白い未亜の肌を汚していく。水輝は未亜に覆い被さり、その首筋に唇をつけた。
「ばいばい、未亜ちゃん」
囁きで告げ、水輝は腰を動かし始めた。狂ったように悶えていた未亜が水輝に合わせて腰を振る。その動きは艶かしい。水輝は少しだけ笑って未亜の首筋に唇で触れた。おもむろに口を開く。水輝の歯はいつの間にか尖っていた。白いうなじに鋭い牙を立てる。
人はしぶといから。誰かがそう言っていた。だが人はこんなにも脆い。己を守る術も持たず、簡単に力に晒される。けれどそれでも人は自己を保とうとする。そしてそれ故に結局は儚く散ってしまう。
水輝は誰かが言っていたことを思い出した。未亜の首筋から零れる甘い血を啜る。舌先で確かめるように傷をなぞる。未亜の腰をつかみ、水輝は強く腰を押し出した。ぬめる膣壁の感覚がペニスから快感となって伝わってくる。
不意に空気が弾ける。それまでとは一転し、未亜は呻きのような声を上げて全身を緊張させた。手足の先が震え、鎖が触れ合って音を立てる。水輝は顔を上げておもむろに腰を引いた。ペニスを吐き出した未亜の股間から女性器が消え失せる。次の瞬間、水輝は疲れたため息をついてがっくりと肩を落とした。
長い髪が根元からその色を変える。未亜の髪は薄い青色へと変化した。開かれた目が水色に染まる。そして手足からは枷が弾けて消えた。
「どーしてこうかなあ……。おれって、絶対くじ運が悪いと思うんだ」
それはベッドに正座して水輝の命令を待っている。やれやれ、と肩を竦めて水輝はそれにちらりと目を向けた。明らかにおれは運が悪い。心の底からそう告げるとそれは訝るように首を傾げた。
「仕方ないなあ。おい、蒼。お前がおれの使い魔だってことは判るよな?」
「判ります。ありがとうございます」
元は未亜だった者は蒼と呼ばれて深々と頭を下げた。水輝は血のついた口許を拭ってふん、と横を向いた。全く、冗談じゃないぜ。そんな水輝の呟きを聞き取ったのか、蒼が顔を上げて不思議そうに水輝を見る。水輝は頭をかきむしりながら喚いた。
「おれが作ると、どーしてこう、男ばっかりになっちまうんだ!」
「ですが水輝様。そうは言われましてもわたくし共も性の別は選べないわけでして……」
主である水輝に意見するのがためらわれるのだろう。蒼の声はどこか揺れている。だが言っていることはしっかりとしている。水輝は新しい使い魔に鋭く舌打ちをし、指を鳴らした。忌々しい蒼の股間に生えているものを早急に隠したかったからだ。一瞬で二人は服を身にまとっていた。
「いいから元の器の持ち主にとっとと化けろ。それじゃ、ここから出られやしねえ」
悪態をつきながら水輝はベッドから飛び降りた。深い深い後悔の念が押し寄せてくる。それを振り払うように水輝は大股で部屋を出た。
蒼は「そう」と読みます。
まあ、水輝は悪運だけは強いので……w