足りなかったのでちょっと要らんものを書きました(汗)
床に当たった箸が乾いた音を立てる。
「ですから賠償金額は……え?」
「やられた……」
野木と順の声が重なる。順は唖然とした顔で中空を見つめていた。
「高いですか? 被害を考えれば随分と格安と思いますが」
野木の不服そうな声は順の耳に届いていなかった。順は取り落とした箸を拾いながらぎり、と歯軋りした。まさかそういう手で来るとは思わなかった。
「あなたが壊したテーブル、椅子、それから引っくり返した生徒たちの食事代、ああ、それから周藤の治療費も含まれているんですよ? これでもかなり割り引いた額なんですけどね」
「あ、ああ。いや、ごめん。そだよね」
それまで順は野木に執拗に値引きしろとごねていた。野木は渋い顔をしたが何とかそれだけの金額にまで下げてくれたのだ。そのことを順は遅まきながら思い出した。まだ残っている素うどんを見つめつつ、口の中でそうだよね、と呟く。
完全に糸が途切れてしまった。これではトレースはおろか、周辺の様子を探ることすら不可能だ。順は自然と口許に皮肉な笑みを浮かべていた。
「木崎さん?」
反応の鈍い順に業を煮やしたのだろう。野木が少し声を荒らげる。順は慌てて愛想笑いしつつ野木の手元を覗き込んだ。
「わお、このテーブル代、もちょっとまけてくんない?」
「駄目です」
外では生徒たちの楽しそうな声がしている。生徒会室には順と野木の二人きりだった。順は情けない顔で落とした箸を目の高さに翳した。あーあ、と力なくうなだれる。すると呆れたように野木がため息をついた。立ち上がって壁際に設えられた棚に向かう。野木は棚を探って真新しい割り箸を順に差し出した。
「サンキュー。ここってほんとに何でもあるねえ」
感心しつつ順は割り箸を割った。軽い音を立てて箸が二つに分かれる。だがどうも力のかけ方がおかしかったらしい。順は情けない顔で割り箸を見た。偏った割れ方をした箸を見やり、野木が深々とため息をつく。
「……我慢してそれで食べてください」
「だって縁起悪いじゃあん。も一本ちょうだい」
「話を逸らそうとしても駄目です」
今度はきっぱりと告げ、野木は再び見積書に向き直った。つくづく真面目な男だ。順は内心でそう呟いてじっと箸を見つめた。
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まさかの1,000字足らず!><
蛇足ですがここに何か書かないとアップ出来ませんね。
野木と周藤のコンビはこの先もちょいちょい出てきます。
現在進行形で書いてるブツにも出てきているのですが……
未だに周藤には下の名前がありませんw
惜しかった……900字でした。