魔王城にて。赤髪で浅黒い肌の魔人族の男と、金髪に紅眼のオールバックの初老くらいの男が会合していた。とはいえ、赤髪の魔人族の男は跪き、金髪の男は玉座に座っているので、単純な会合と呼んでいいのかは疑問ではある。
「フリードよ、今日呼び出したのは他でもない。貴様には、我らに仇なす存在を討ってもらう」
「ハッ……して、その討伐対象とは?」
「見た目は人間族の男だ。名を南雲ハジメと言う。黒髪で背丈はそこまで高くない、おとなしそうな見た目ではあるが……決して侮るな。かの神の使徒を容易に倒してしまうほどの実力だ」
会合内容は、人間族の男……ハジメに関することだった。フリードと呼ばれた赤髪の魔人族は、黙って話を聞き続ける。
「あ奴はどうやら、我らに代わって世界を支配するなどと吐かしているそうだ。フリード、どう思う?」
「アルヴ様を差し置いて……!? 断じて許されざる愚行……そう言う他無い……!」
「その通りだ、奴は確実に討たねばならない存在。故に今回は私も――」
その時だった。
――消えろ。
金髪の、アルヴ様と呼ばれていた男は、跡形も無く消滅した。
「……は?」
あまりに突然のことだったが故に、フリードは啞然としてしまった。それもそうだろう。フリードは自身が神代魔法を得られるほどの強き存在であると自負しており、それよりさらに上の存在であるアルヴ――アルヴヘイト――は、敵わない存在とも見ている。故に、恐怖した。気づかぬ間に、アルヴが滅びたのだから。
そして、啞然としていたフリードの後ろから声がかかる。振り向くとそこには一人の男と、それと複数人の女性が現れる。
「やぁ、死ね」
「――!」
十四回の繰り返しの過程で、ハジメの行動は洗練されていった。それこそ、どうでもいいアルヴヘイトやフリードを殺すのには一秒もかからない。
「とりあえず、魔王城は制圧完了。あいつの配置も完了したし……後は待つだけだ」
当然ながら、魔王城の人達はほぼ全員殺している。こちらはフリードやアルヴヘイトよりも弱いので、時間はかからない。
「主様」
「魔王城前に配置した魔物が全滅したんだね? 分かってるよ」
「はい。現在敵が接近中です」
清水幸利を女体化させて奪い取った魔物を魔王城前に置いていたが、どうやら全て撃破されたらしい。もちろんそれがいつ起こるかも知っているため、ハジメはさっさと会話を終了させる。
ズドンッ!!
そして、魔王城の玉座の間の扉が勢いよく開く。そこから、ハジメの見知った顔の人物が多くやってきた。
「ッ! やっぱり、お前だったか!」
「やっと来たか。待ちくたびれたよ」
そのリーダー格、天之河光輝。彼を見て、ハジメはわずかに顔を強張らせる。
「天之河光輝、お前が僕を倒しに来たことは知っている。が、お前ごときが僕に勝てるのか?」
「……確かに、俺だけでは無理かもしれない……だが! 俺達には神がついている!!」
その瞬間、ハジメの後方で光の柱が放たれる。
「うっ、あ?」
その狙いは、ユエ。明らかにユエを目掛けて放たれた光の柱は、降り注ぐ光は、益々輝きを増し、荘厳さと不気味さを増していく。
ハジメからしてみれば、知ってたとしか言いようがないイベントだが、あえて必死そうに立ち振る舞う。
「クソっ……ハァァッ!!」
ハジメは慣れた手つきで光の柱を破壊する。纏わりつく不気味な光の粒子を振り払いながらも、ハジメは言う。
「エヒト、永遠に喋るな。何もするな」
「……!?」
解放されたユエ……いや、エヒトは驚愕する。何故自分が憑依したことを一瞬で認識したのか、と。とはいえ、こうなってしまったらもう遅い。
「エヒト、命令だ。ユエの魂魄を傷つけることなく、自分の魂魄を消滅させろ」
「――ッ!!」
そうしてエヒトの魂魄は消滅する。いつものように、命令の際に生じる快楽で
「エヒトの処理終わり、っと」
ハジメは一連の作業を終えると、自分と光輝と、それと隠れさせたあと一人を除いた全員を魔王城から別の場所へと転移させた。
「さぁ、これで残るはお前一人だ。頼みの綱だった神が消えた以上、お前の敗北は確定している」
「そんなことより仲間はどこにやった!?」
「ああ……ハイリヒ王国の王都にいるよ。もし僕を倒せたら、その時は行ってみるといい」
「お前は……お前は絶対に許さない! 俺が! 必ずお前を倒す!」
その言葉と同時に、光輝が光りに包まれる。先程の光の柱とか、そういう次元じゃない。神の後光のような、まるで祝福を与えられたかのような神々しい光。そしてそれは、光輝の身体へと入っていった。
「……そう簡単に倒せるとは思うな」
それにより、ステータスは異常なほどに上昇する。しかし何度もの繰り返しで分かったことは、そのステータスは半分飾りであるということだ。なんせ光輝は、上昇したステータスを100%使いこなしているわけではない。
「はぁぁッ!!」
そうして戦いの火蓋は切られる。
先制攻撃は光輝。その大剣に光を纏わせ、重い一撃を放つ。ハジメの前に、身体全てを吹き飛ばす一撃がやって来るが……
「結界」
ハジメは結界で攻撃を防ぐ。威力的にも、光輝の現在持つ技能の効果的にも、攻撃を完全に止めることは不可能。しかし、攻撃の威力を軽減することであれば可能だ。
「うぐっ……軽減してこれか」
「まだまだァ!!」
万の剣撃、加えて全方位から虹色の弾幕がハジメを襲う。そのどれもが、確実にハジメに命中する。防御をしても貫通し、たとえ回避しても自動追尾してくる。光輝の直接攻撃は、そもそも動きが速すぎて回避不可能。
ハジメにできることは“宝物庫”から絶対に壊れない大剣を取り出し、それを盾のようにして剣撃を防ぎつつ、結界を何重にも展開して魔法攻撃の威力を軽減することだけだ。
剣を見せて、相手の斬撃に叩きつけるようにする。真面目に剣を振ってられない。光輝の大剣に吹き飛ばされないよう、こちらから叩きつけるくらいしか方法が無い。
「ぐあっ! くっ、そ……攻撃が……!」
「南雲! お前は絶対に俺には勝てない! すぐに降伏するんだ!」
「……断る」
考えることが多い。敵の攻撃は、その威力も密度も桁違い。諸事情で“自動再生”は使えないので、今は普通の回復魔法で保っているが、いつかは手足が千切れるか、身体に大きな風穴が開くことだろう。
しかし、耐えるのだ。ハジメの経験上、耐え続ければ耐え続けるほど、光輝が情けをかけて見逃してくれる可能性が高まる。そして今回の作戦では、まず見逃されることが重要だ。
「お前を倒せばッ……! お前を倒せばッ!!」
「あぐっ!?」
「お前を倒せばッ!! 世界は救われるんだ!!」
「ッ!!」
未来予知。シアを性奴隷にした際に得た技能だ。それがハジメに、コンマ数秒後の未来を視せる。
(急げっ!!)
ハジメは慌てて結界を張る。それと同時に、魔王城は光に包まれた。
十秒以上もの間、光は空間を包み込んだ。そして現れたのは……完全無傷の光輝と、左目が潰れ、左足が溶けて使い物にならなくなったハジメだった。
ハジメの方は満身創痍と言ってもいい。立っているのがやっとという、そんな状況だ。
「ぐぉ……ぅ……まだ……まだだ!」
ハジメは剣を構えて突進する。しかし片足のみでの踏み込み、今までよりも圧倒的に遅い動き中に、光輝の反撃を食らってしまい、剣を握っていた右腕が斬り落とされ、同時に吹き飛ばされ、派手に壁にぶつかり、力なく倒れた。
ボロボロになったハジメに、光輝は近づく。
「南雲、お前の負けだ」
攻撃はしてこない。流石の光輝も、全く情が無いわけではない。今までもそうだった。直接戦闘においては、光輝は、即死した場合は別にしても、ハジメを殺したがることはない。直接殺害には、流石に抵抗があるのだろう。
「負け……た……?」
「諦めろ、そして降伏しろ」
「…………」
長い沈黙。一分近い沈黙の後、ハジメは小さく、弱く呟いた。
「僕の、負けか……負けたのか……なら、好きにするといい」
「なら、今からお前を連れて行く。確か王都の場所に、仲間がいるんだよな? そこへ連れて行く」
「……そうか。でもその前に一つ……」
「何だ?」
そう言う光輝に、ハジメはゆっくりと、震えながら左腕を持ち上げ、そして指を指した。光輝へ向けて……ではない。
向けたのは、その先。遠藤浩介にだ。
ザシュッ!!
何かを突き刺す音。
愕然と見開く目。
そしてその目は、自分の……光輝の胸元から突き出た刃を見つめていた。出血が無い代わりに、その刃は純白から虹色へと、色を変えていく。
その後ろから光輝を突き刺すのは……遠藤浩介だった。最もその目は虚ろで、正気を失っているようであったが。
短剣が引き抜かれると、同時に光輝は力が抜けたように、膝から崩れ落ちた。
「な、え……遠藤……どうして……」
意識の外側からの攻撃。光輝は今の今まで、遠藤浩介という存在のことを忘れていた。仲間とも敵とも認識していないし、さらに言うとクラスメイトだったことすら忘れていた。だからこそ、この不意討ちが効いた。
どうして浩介の攻撃が命中し、光輝に影響を与えたのか。理由は簡単で、光輝が無力化できるのは、ハジメの攻撃だけだからだ。だが今の攻撃は、たとえハジメが洗脳していようが、確実に浩介の攻撃だ。だからちゃんと効いたわけだ。
しかしこれが他のクラスメイトであれば、無理だっただろう。光輝はおそらく『俺のクラスメイトが裏切るわけがない』と思っている。となると、仮に洗脳していたとしても、操ろうとした瞬間、その効力が切れてしまう可能性すらある。
だが浩介は、敵とも味方とも認識されていなかった。認識されていないということは、何とも思われていないということ。だから、光輝の能力の影響を完全にスルーして攻撃ができたわけだ。
「フフフフ……ハッハッハッハッハッハッハッハ!!」
呆然とした光輝を見て、高笑いを上げるハジメ。もう“自動再生”を使わない理由も無いため、ハジメはさっさと肉体を再生させ、光輝へと近づく。
「ハハハハハハ……ゲホッゲホッ……ああ、笑い過ぎて喉が……けど、ついにだ! ついに天之河光輝から! 能力を奪い取ったぞ!! フハハハハハハハ!!」
さらなる高笑いを上げながら、ハジメは浩介から短剣を受け取る。先程までは光輝に突き刺さっていたはずなのに、血液は一切付着していない。代わりに最初は純白だった刀身が虹色になっているが、むしろそれでいい。これが、能力を奪い取った証でもあるから。
ハジメは浩介から短剣を回収して指を鳴らす。それと同時に、今まで浩介にかかっていた洗脳は完全に解かれ、気絶した。
「能力を奪い取った……?」
「ああ! お前はトータスに召喚される前から、特殊な能力を持っていた! それを奪い取って無効化することこそが、僕の目的だった! そして今! 僕はついに達成したんだ!」
天を仰ぎ、叫ぶハジメ。十四回の死を乗り越えた末の達成で、色々とおかしくなっているみたいだ。
「さぁせっかくだ! クラスメイト達に会わせてやろう!」
そう言ってハジメはポータルを開き、別の場所に待機させていた性奴隷達、その中でも特にハジメのクラスメイトだった者達を呼び寄せる。そして彼女らの姿を見せられ、光輝は言葉を失った。
見た目麗しい全裸の美少女達。身体は淫らに発達し、男を誘う色香を放っている。そして何よりも、下腹部に刻まれた、濃いピンクの淫紋が、彼女達がハジメの奴隷になってしまったことを物語っていた。光輝は目元に涙を浮かべてしまう。
しかし同時に、違和感があった。確かに半分くらいの人達は、見慣れたクラスメイトの女子だ。しかし残りの半分の人達は、見たことのない女子だった。
「ああ、そういえば……クラスの男子は全員、女体化させたよ」
「……え?」
「ほら、あの見慣れない女子達だよ。あの子達みーんな、僕達のクラスメイトだったんだよ?」
「は……」
光輝は頭が良い。故に理解したくないことでも、理解してしまった。本当に、クラスメイトの男子達が、女体化してしまったということを。
しかし同時に怒りも湧き上がる。こんなことにしたハジメを、光輝は許すことができなかった。
「許さない……許さないぞ南雲ォ!!」
光輝は一気に立ち上がり、ハジメに突撃する。しかしステータスも技能も、地球で神々から与えられた力を失った今では、ハジメを超えるには遠く及ばない。あまりにも遅いし、弱々しい。
「平伏せよ」
「ぐおっ!? ……な、んで……体が……」
「お前はもう負けている。完全無欠の勇者は、もうどこにもいないんだよ」
ハジメは地面に倒れる光輝を持ち上げ、同時に“宝物庫”から、自分の精液で満たされた浴槽を取り出す。もちろんその浴槽には、強化された“女体化”の魔法が付与されており、ハジメの精液で満たされていれば、中に入れた男性を女性へと変えることができる。以前のように、対象の思考などを考慮する必要も無い。
「さぁ、後はお前を女体化させれば全てが終わる」
「なっ……や、やめろ! 離せ! 女体化など……そんなことをしたら許さない!」
「じゃあね……まぁ、なんだかんだ良い思い出にはなったよ」
そうして、光輝を浴槽へ落とした。
同時に、聞くに堪えない汚い悲鳴が上がる。
「ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!! んごっ、げぼっ、やめぇぇぇェェェェエエ――ッ!!」
女体化の際には、当然だが急速な遺伝子の大きな変異が起こるため、苦痛が凄まじい。そのため、大体こうして悲鳴を上げることになる。
しかし二十秒から三十秒もすれば、悲鳴は女性の喘ぎ声へと変わる。
「んほぉぉぉぉぉおおっ♥♥ お゙っ、ごっ……♥♥ ひぎぃぃぃぃぃぃい゙い゙っ♥♥」
それから一分後、女体化は完了した。ハジメは浴槽の中の女性の髪を掴むと、雑に放り投げる。
その身体は、元が男性とは思えないほどの美しさだった。長身の身体に、キュッと引き締まった筋肉。その上で、胸と尻はしっかりあり、揉み心地が良さそうである。
何よりも、そのキリッとしていたであろう表情と目つき。今はだらしないアヘ顔を晒しているが、きっと気丈で美しい人なのだろうと予想できる。
「生まれ変わった気分はどうだ?」
そんなハジメの声に、女性はビクッと身体を震わせると、キッと睨みつける。
「南雲……こんなことをしやがって……!」
「はぁ……自分の存在を、所業を全て、土下座して謝罪しろ」
元の光輝とは何も変わらない心に驚き呆れつつも、ハジメは最初の命令を下す。すると女性は驚きつつも、土下座してハジメに平伏した。
「もっ……申し訳ございません……俺――」
「私」
「はひぃ! ……私は男だった時に、貴方様に……い、言いがかりを……つけて、そこから貴方様……に、大きな不利益が起こるように、周りの人を操作……してしまいました。私は貴方様の……せっ、性奴隷となり……言いなりになることで……罪を、償いましゅ……」
女性の性奴隷宣言をすべて聞き終えたその時。ハジメを除いた全ての時が止まった。同時に、周囲が色褪せていく。ハジメにとっては、久しぶりに見る光景だ。
「……これで、任務は達成しました」
ハジメは声がする前にそう言い、後ろへ振り返る。するとやはり、そこには、小柄な男の子が……いや、悪魔がいた。
「うん。本当によくやってくれたよ……確か十三回か四回だっけ? それくらい死んだんでしょ?」
「あー……やっぱり貴方達は気づいてますよね?」
「もちろん。ただ、遡行に抗うことはできないし、回数とかも確実には分からないけどね。じゃあその短剣を借りてもいい?」
「はい」
そう言って、ハジメは悪魔に虹色へ変色した短剣を渡す。すると短剣の刀身から、みるみるうちに虹色が外へ出ていき、純白へと戻っていく。そして、剣から文字通り出てきた虹色のオーラのような何かは、凝縮され、飴玉程度の大きさの固形物となった。
「よし、これで回収完了だ。じゃあこの短剣は返すね」
「ありがとう。これ作るのには本当に苦労したんだよね……」
「そりゃそうさ。普通の人間が概念魔法に達するには、血の滲むような努力が必要だからね。でも……うん、いい作りだと思うよ」
軽い雑談や、純粋な悪魔の称賛もあって、ハジメの緊張は溶け、表情も綻んでいく。ようやく終わったんだと、軽く息を吐いた。その時に、悪魔は思い出したように言った。
「そうそう。これは一つアドバイスなんだけど……セーブはちゃんとした方がいいよ。不慮の事故でゲームオーバーになったりしたら悲しいでしょ?」
「え? あー、まぁそうですね。後でセーブしときます」
「うんうん。外部にはその効果が漏れないようにしとくから、そこは安心して。それじゃあね」
そう言うと、悪魔は消えた。同時に、空間に色が戻っていき、止まっていた人達も動き出す。再び女性の方に目を向けると、土下座しながらプルプル震えている。まだ幸福よりも屈辱のほうが大きいらしい。
「それじゃあみんな、この世界を一気に支配しちゃおう。僕は魔人族領を支配するから、みんなは人間族の国や地域を支配しちゃって」
「あっ、それならみんなでもうやってるよ〜♥ もう人間族の国で残ってるのはアンカジ公国だけ♥ 他の細かい場所は残ってるけど、ほぼ終わってるよ♥」
性奴隷達に指示を出そうとしたところ、恵里がそう言ってきた。どうやらもう、人間族の国はほとんど支配を完了しているらしい。
記憶を覗いてみると、恵里はリリィやティオ、アルテナといった人達と共に、今回の侵略についてを考えていてくれたようだ。
「じゃあ、適当に人間族と亜人族の残党を性奴隷にしといて。魔人族は、僕一人で充分だ。あと、元男子達を適当に縛っといて。ついでに元男子達、逃げようとするなよ?」
「「はひっ!!」」
「まぁそういうわけだから、後は頼んだよ」
「「はいっ!!」」
そう言うと、ハジメはまたしても性奴隷達をハイリヒ王国へと送り返した。それから“ぼうけんのしょ”を使い、セーブファイルを上書きした。悪魔の言うこともあったので、忘れずにセーブはしておいた。
そうしてハジメは、魔王城の外へ出る。今までは暗雲で覆われていたはずだが、いつの間にか晴天となっていた。鳥のさえずりが聞こえ、周囲の植物はより活き活きしているように見える。
「……!」
魔王城の庭園。入口の門まで歩いていたハジメだったが、そこであるものを見て立ち止まった。
華奢なゴーレムボディに、乳白色の長いローブを身に纏い、白いニコちゃん仮面を付けている存在。
こんな特徴的な姿を、忘れるはずがない。
ハジメの前に、解放者のミレディ・ライセンが立ち塞がっていた。
・南雲ハジメ∶一つ目の任務は達成。最後の戦闘へ。
・遠藤浩介∶最強の光輝メタ。ぶっちゃけ彼がいなかったら、光輝戦の勝率は0だった。
・天之河光輝∶能力を奪われ、女体化され、あげくには憎き人物の性奴隷にされた敗北者。
・ミレディ∶ラスボス。ただし一撃攻撃を与えれば倒せる。また、ハジメにアザをつけることすらできないほどに貧弱なボディである。