BIOHAZARD sexual invasion 作:MIYOSHI
※今回、気分を害しそうな表現があるのでご注意ください。
アダムとジェシカの子作りから、五ヶ月の月日が経った。
十月三十一日。アメリカの各地はハロウィンで盛り上がっており、国民は自身が参加するパーティで思い思いの仮装をして楽しんでいる。
コミックのキャラクターやお姫様、魔女。骸骨……それに下着姿、カボチャのマスクに全裸という男女問わず乱れた装いをした者まで。
特にラクーンシティのある中西部では、そろそろ冬着を出したりと降雪を控えて皆が備えを始める時期。今年屋外で寒さを気にせず解放感を味わえるのは今日までとばかりに、酒の力を借りて羽目を外す人々で溢れていた。
一方、アダムの私邸でも。
メイド達がそういったセクシーな仮装で幼い主人を誘惑し、乱交パーティに発展していた。
「はぁ……んっ、ちゅ」
「れろっ……じゅる、む……ふっ」
「あぁ……は、ぁっ……アダム、さまぁ……っ!」
百を超える女を鳴かせてきたペニスに群がり、舌や手を伸ばしてお互いを押しやりながら奉仕する女性達。
「ん゛んっ、あっ! あぁ!」
「ふ、う゛ぅ……ん、はあぁ……」
アダムの周りは女体で隙間なく埋められている。
両隣には彼の手によって股間を弄くられ、秘裂から涎のように愛液を垂らす女性が二人。よく見れば、彼女らは学生時代に近所に住んでいた人妻や学生であった。
「っむ、ふ……じゅ、ぷっ」
「えろっ、ちゅ……はっ、はっ、ふぅ」
背後に並ぶ二人は大学時代のアドバイザーと教授。彼女らは今や大学から離れ、性処理係の一人として愛しの主人を喜ばせようと、肛門に向けてバター犬の如く舌を入れていた。
皆が皆、ランジェリー姿やハート型のニップレスのみ、大事な所を隠していないバニー姿などの淫らな服装ばかり。教授を含む若くない女性達も、アダムと交わるようになってから若く見られることが増えてきたためか、躊躇わずに年齢に見合わない衣装で着飾っている。
「んちゅっ……そういえば、アダム様ぁ。何でゾンビの仮装だけ駄目なの?」
喘ぎ声をBGMに乱交を楽しむ中、キスを交わしていた女性の一人──いつの間にモノにしたのか。オリエンテーションの際に声をかけてきた学生だ──がふと頭に浮かんだであろう疑問を口にした。
「ああ。それは……僕がゾンビ苦手だから、かな?」
「えー? アダム様、かわいい!」
「じゃあ、今度一緒にゾンビ映画見ない? お姉さん達が一緒にいてあげるからぁ」
そんな他愛ない会話に苦笑いで答えるアダム。
ゾンビ。生ける死体。
街中でもその仮装をしている者は大勢いるだろう。まさか、それが本当に存在するとも知らずに。呑気に人を襲う振りをする様は何とも滑稽だ。
本社に送られる定期報告に加え、アークレイ研究所にて手術台に拘束された正真正銘のゾンビを目の当たりにしたアダムは、冗談でもそれに扮する真似をして楽しむ気にはなれなかった。
(リサ……)
そんな場所に未だ籠もり続けているリサ。
アダムは定期的に電話してみているが、所長によると話したくないの一点張りらしい。
一応、館の清掃や研究員の食事を運んだりしているということだから、元気でやってはいるのだろう。大人しく、彼女が戻りたいと言う日まで待つしかない。
それとは別に、電話口の所長の声色が緊張と動揺で揺らいでいたことが少し気掛かりではあったが。
「アダム様。先ほどお電話で、オズウェル様が本邸に到着されたそうです」
「そっか。ジェシカも体調は問題ないし、明日の予定に支障はなさそうだね」
傍に寄ってきたメイドから連絡を受け、アダムは子供らしいにこやかな笑みを見せる。
彼女もまた、視察先の街で新たに恋人となった女性の一人だ。短い丈のスカートから半分以上露出している彼女のお尻に手を伸ばし、愛撫して労う。
ともかく、明日は父のもとを訪ねて報告しなくては。
重要かつ大切なことを、とても素晴らしいお土産と共に。
☣ ☣ ☣
「何っ! 妊娠したのか!?」
プライベートジェットでイギリスにあるスペンサー家の本邸に赴いたアダム。
最愛の息子を迎えたスペンサーはその彼の報告を受け、目が飛び出んばかりに驚いた。
「おいで、ジェシカ」
「はい」
後ろで控えていたジェシカを傍に呼び寄せる。
ゆったりとしたマタニティドレスを身に纏った彼女がアダムの隣に立つ。両手で大事そうに抱えているそのお腹は、確かに丸々と膨らんでいた。
命を宿したその姿は尊く、とても美しい。
「おお……おおっ! 素晴らしい! でかしたぞ、アダム! それにジェシカ君!」
わなわなと全身を震わせながら歩み寄り、感動を露わにするスペンサー。彼にとっての孫の誕生を心から喜び、手放しで褒め称えた。
これほどまでに感激している彼はアダムが誕生した時以来なのであろう。隅で控えている執事のパトリックも数少ない主人の微笑ましい姿に笑みを零している。
あの日からしばらくして、例の妊娠検査薬でジェシカの妊娠が発覚した時、アダムの私邸ではそれはもうお祭り騒ぎとなった。
訓練先で連絡を受けたウェスカーチルドレンも、初めに妊娠するとしたらメイド長だと考えていたのだろう。皆、少し悔しそうにしながらも素直に喜び、訓練も後一ヶ月もしない内に終わるということで次は自分だと躍起になっていた。
余談だが、アリーだけ発狂して暴れていたのは言うまでもない。
「性別の方も既に調べていて、女の子みたいです」
「そうかそうか! ジェシカ君。その……お、お腹を、触ってみても──」
「お断りいたします」
手を伸ばして近づいてきたスペンサーをスッと避け、アダムの後ろに逃げるジェシカ。お腹の子の祖父に当たる存在とはいえ、彼女にとっては夫の仇。気を許すわけがない。
スペンサーは残念そうにしながらも、一応自覚はあるのか名残惜しそうに手を引っ込めた。
「…‥ゴホンッ。しかし、オズウェル様。これまで一切その傾向がなかったというのに、一体どういった要因で妊娠に至ることができたのでしょう?」
話題を変えるべく、パトリックが咳払いと共にもっともたる疑問を横から挟む。
「それだ。アダム、まずはお前の意見を聞かせてもらおうか」
そう言って、二人にソファへ座るよう促すスペンサー。
愛する人の手を取って腰を下ろしたアダムは、居住まいを正して口を開く。
「……あらかじめ言っておくと、僕の意見は非科学的で荒唐無稽のように聞こえると思います。でも、他でもない当事者の感覚に基づくものだということをご承知いただければ」
そう前置きを入れてから、彼は自らの意見を語り出す。
アダムの意見は至極簡潔な内容であった。
自身と性交し膣内射精を受けたものが妊娠するかどうか、それはアダムに相手を妊娠させたいという"強い意思"があるか否かに依存するというもの。
これまで誰一人として妊娠しなかったのは、アダムが子作りに対して知識はあっても、それに対する欲求が希薄だったから。南米で出会った妊婦ヒルダとのセックスによって、彼は子作りに興味を持つようになったのだ。
にわかには信じがたい論だが、話を聞いていたスペンサーは難しい顔をするどころか納得したように頷き返した。
「ふむ……やはり、そうか」
「父様? やはりというのは、どういうことでしょうか?」
「実はな──」
スペンサーは独自に研究を進めて判明した事柄を話した。
適当な女性を用意し、アダムの精液中にある精子達の子宮内での活動を観察してみたところ、それらは卵子のもとへ向かおうとする動きを見せなかったのだ。
普通なら精子無力症、または精子不動症と診断されるところだが、アダムの精子は決して運動性に問題はない。子宮筋の収縮運動に逆らいながら、頸管粘液の中で元気に泳いでいたのだから。
その挙動の原因を解明できず調査が頓挫する中、事態は南米旅行以降に進展を見せる。
部下が新たに採取してきた精液を調べてみたところ、以前にも増して精子の運動性が飛躍的に上がっていたのだ。
それでも被験体の卵管へと進む挙動は見せなかったが、この原因がアダムの心境に伴うホルモンバランスの変化に関係があるとしたら、辻褄が合う。
「お前が始祖ウィルスの完全適合者であることは、大学入学の際に説明したな?」
「はい」
「始祖やその改良型であるt-ウィルスを注入された者の中には、時折独自の変異を見せる個体が現れる。このことから私は、始祖による変異には宿主の意思や内に秘めた欲求が密接に関わっているのではないかと考えているのだよ」
「つまり、僕の精子が妊娠させたいという意思を持った時だけ本来の活動をするのは、始祖の存在が大きく影響していると?」
「可能性は高いだろう。無論、まだ研究途中で確定しているわけではないし、ただの個体差によるものだという意見もあるがね」
そのような事例があったとは。アダムは顎に手を添えて考え込む。
もしこの説が正しければ、自身は相手の妊娠を自在に決定できるということだ。コンドームいらずで、何とも都合の良い話だが。
一方で、アダムから膣内射精を受けた女性の生理が来ないことに関してはまだ謎なままだ。
この特殊な精子の活動によって、女性側にも変化が訪れているということだろうか?
「……………」
「ジェシカ? 大丈夫?」
隣に座るジェシカの顔に懸念の色が浮かび始めたことに気づくアダム。
ウィルスが関わっているなんて聞かされたら、不安を感じてしまうのも無理はないだろう。
「はい。でも、旦那様……」
「心配ないよ。僕達の子なんだから」
「そうとも! きっと君の美貌を受け継ぎ、アダムと同じで生まれながらに始祖に適合した優秀な存在に違いない!」
スペンサーが何か言っているが、二人からしたら優秀であるかはどうでもいいこと。
元気で生まれて、丈夫に育ってさえくれれば、それで良いのだ。
「オズウェル様。例の件については──」
「ああ、分かっている。お前に言われずとも、今から説明しようと思っていたところだ」
アダムとジェシカがお互いの手を握ってお腹の子の将来を思い描いている横で、何やら顔を合わせてコソコソとし始めるスペンサーとパトリック。
気になったアダムが「父様?」と声をかけると、スペンサーは両手を組んで再びアダムに向き直る。
「……私は、今までお前を不特定多数の女性と交わらせるべく動いていた。お前も、そのことはとうの昔に勘づいていただろう?」
「それは……はい」
今まで内に秘めていた疑念を話題に出され、アダムは少しばかり動揺しながらも頷く。
ジェシカはスペンサーが何を言おうとしているのか察し、主人の手を強く握って表情を強張らせる。
「今から、その理由を話そう。そう……"アダム計画"について、な」
計画について聞かされたアダムは、そのあまりの壮大さと無謀さに項垂れた。
自身と恋人達、その間に生まれた子孫達のみが暮らす理想郷。確かに、それはアダムにとって天国と言える環境だ。
ジェシカとリサ、それにアレクシア。アリー達ウェスカーチルドレンや、ヒルダ。様々な出会いを経て交わった女性達。一切の雑音を気にせず、彼女達に囲まれて過ごす日々はきっと素晴らしいものであろう。
「でも、不要な存在をウィルスによって抹消するなんて……もしかして、例の生体兵器開発もそのために?」
「その通り。さすがは我が息子だ。既にバーキンがある程度の命令を遂行できるMA-121の開発に成功している。いずれは、さらに複雑な命令を理解するB.O.W.が開発できるだろう」
要領の良いアダムにスペンサーは満足げに頷き、聞いてもいないことを話し出す。
「そんなことをしたら、抵抗する人達が大勢現れますよ」
「何を言う。お前を始めとした始祖によって強化された存在に、ただの人間如きが敵うものか」
完全に自身にとっての劣等種達を舐め切っている。いくら強化された存在が相手するとはいえ、それは危険な考えだ。
ジェシカとのセックスがお互いに愛し合うようになってから快感が倍増したように、強い正義感を持って抵抗されればその力は強まっていく。ただの人間だって、ゴリラのような強さを見せるかもしれない。
とにかく、スペンサーの計画はその傲慢さゆえに確実性に欠けている。
それは度重なるセックスを通じて人間の持つ感情の交わし合いを経験してきたアダムだからこそ、導き出せる答えだった。
「旦那様……」
ジェシカから主人に従うという意思が込もった視線が注がれる。それはアダムのことを信じた上でのもの。
本来なら夢物語と断じて、拒否するべきなのだろう。だが、もしここでそうすれば、スペンサーはどんな行動に出るか。その権力を持って、余りあるアダムの恋人達を優秀でない順から処分しかねない。
「……しばらく、考えさせてもらえますか」
苦肉の策で時間稼ぎを選択するアダム。
「そうだな。私もすぐに決断しろとは言わんよ。お前は優秀とはいえ、未だ十の歳になったばかりだ。ゆっくり考えるといい」
スペンサーは笑って返しているが、実質拒否権はないに等しい。
猶予は一年かそこらか。その間に何とかスペンサーが納得するだけの妥協案を考えるしかない。
アダムの脳裏に最悪の考えも思い浮かぶが、仮にも実の父親。できれば避けたいと思うのが息子の
──ジリリリーーーン! ジリリリーーーン!
そこへ、一本の電話が。
黒電話のハンマーがベルをけたたましく打ち鳴らす中、パトリックが受話器を取って出た。
「……アダム様。アークレイ研究所の所長からです」
「所長から?」
彼にはリサに何かあった時のため、滞在先を変更する度に連絡を入れている。
腰を上げてパトリックから受話器を受け取るアダムに対し、スペンサーは含みのある視線を向けた。
「はい。アダムです」
会話が進む中で、相槌を打っていた彼は突然「何だってッ!?」と声を上げた。
その顔は怒りと焦りによって強張っている。
「旦那様!? どうされたのですか?」
ジェシカは娘に何かあったのではと慌ただしく立ち上がり、主人に走り寄って事の次第を聞く。
「リサが……いなくなったって」
「ええっ!?」
☣ ☣ ☣
ラクーンフォレストにある洋館を隠れ蓑とした研究所。
そこに隣接する形で、もう一つ。アークレイ山中にはアンブレラの研究施設が別に存在する。既に閉鎖されているが、元は幹部養成所として運営されていた施設だ。
アークレイ研究所が完成するまでは始祖ウィルス研究の中心地でもあったその養成所で、閉鎖して以降も一人で独自に研究を続けている男がいた。
「全く……つくづく驚きだな、お前が連れてきた女は」
「感謝してくださいよ。新しい被験体を寄越せとうるさい貴方のために、わざわざ仕入れてきたんですからね」
六十を超えた初老の男性に下卑た笑みを向けているのは、ウィリアム・バーキン。
「分かっているとも、バーキン。だからこうして、お前も実験に参加させているだろう」
初老の男性は顕微鏡から目を離さずにそう返した。
男の名は、ジェームス・マーカス。アンブレラの共同創業者の一人で、スペンサーとは大学時代からの友人。そして何を隠そう、t-ウィルスの開発に成功した立役者だ。
「ええ。しかし、この女が抗体因子を持っていたのは、全く持って予想外でしたが」
二人がいるのは、養成所にある礼拝堂の地下に位置する研究所。
彼らが囲む手術台には、もう少しで成人するであろう患者衣を着せられた少女が腕に注射器を刺された状態で拘束されている。
「ただの抗体持ちではない。始祖に対する完全抗体だ。これを研究すれば、抗体持ちの者にも効果を示す新たなウィルスを開発できるかもしれん。こんな貴重なサンプルをただお気に入りの女として連れ回していたとは、スペンサーの息子はとんでもない放蕩者らしい」
「随分な評価ですね。僕はそこまでこの女に期待はしてませんが……いっそエボラウィルスの遺伝子でも混ぜてみませんか?」
「そうだな。色々試した後でなら、やってみる価値はあるだろう。それにしても、息子もそうだが、スペンサーは本当にどうしようもない奴だな」
「フフフ……」
自身の師に当たる存在であるマーカスの言葉に、ウィリアムは同調するようにして笑い声を漏らす。
マーカスはスペンサーのことを見限っていた。自分がウィルス研究に勤しんでいた間、よりにもよって子供の教育に夢中になっていたのだから。
しかし、彼にとっては好都合な話でもあった。
話に聞く御曹司が好き放題すれば、自ずと社内のスペンサーへの不満は高まるだろう。そうなれば、創立メンバーであり、t-ウィルスの開発者として実力もある自身の地位が反比例するようにして上がっていくことは間違いない。
権力を笠に散々威張り散らしていたスペンサーが自滅していく様を想像して、マーカスはほくそ笑む。
(……しかし、オズウェル。愛情に目が眩んでしまうその気持ちは、私にも分かるぞ)
心中でそう独りごちると、顕微鏡から目を離して一息を吐くマーカス。
すると、彼はおもむろにベルトを外してズボンを脱ぎ出した。
「やれやれ、またですか?」
ウィリアムの言葉を無視して、マーカスは老いた自身にコンドームを被せる。
次いで、傍らの試料皿に乗せた光沢のあるヌメヌメとした拳大の物体にペニスを向け、腰を突き出すようにして差し出した。
「ほれ、ほれ…………お゛っ、おおぅ」
物体はその粘着質な体を動かし、マーカスのペニスに纏わりつく。自立したオナホールのように蠢くそれから与えられる刺激に、彼は恍惚の呻き声を上げた。
その正体は巨大なヒル。始祖を投与されたことで肉体が肥大化したものだ。
そもそもt-ウィルス自体、このヒルの遺伝子と組み合わせて変異したウィルスを基に生み出されたのである。
マーカスにとって、このヒル達は我が子であり恋人のような存在。人間不信の彼が唯一愛を注ぐ相手だ。
ヒルもまた、始祖によって知能を得たことで彼のことを親と認識しているらしく、向けられた劣情に応えるべく奉仕を行っている。
「全く、その趣味だけはさすがの僕も辟易せざるを得ませんよ」
常人が目撃すれば嘔吐してもおかしくないその醜態を横目に、眉をひそめるウィリアム。
「……うっ……ぁ……」
「んん? また麻酔が切れたのか」
手術台に固定されている被験体の女が硬い動きでまぶたを開けた。
彼女は苦しげにしながらも、視界に映ったウィリアムを睨みつける。
「も……いい、加減に、して……」
「リサ、とか言ったか。その調子なら、もっと強力な麻酔でも問題なさそうだな」
ウィリアムは被験体──リサの顎に手をやって、観察する。
彼女はこの五ヶ月間、度重なる麻酔とウィルスの投与を受けて、肉体的にも精神的にも限界ギリギリまで消耗していた。
普段女性の顔など気にしないため分からなかったが、よくよく見ればとても端正な顔立ちをしている。例の御曹司が気に入るだけのことはあるようだ。
ウィリアムは何の気なしにそんな感想を浮かべると、良いことを思いついたとばかりにニヤリと口端を上げる。
彼はリサの患者衣に手を伸ばし、乱暴に脱がし始めた。
「……ッ!」
露わになるティーンの裸体。ほとんどシャワーを浴びれないため薄汚れているその体に、ウィリアムはイヤラシく手を這わす。
成長し、確かな膨らみとなった乳房から、陰毛が薄く生えた秘所に至るまで、ゆっくりと。
同じ男性によるものだというのに、アダムにされる時と比べたら何もかもが違う。
リサの身体には嫌悪感と気持ち悪さから無数の鳥肌が立っていた。
「……はぁ……はぁ……っ」
他人の物を弄ぶ、この上ない悦び。
ウィリアムは昂ぶってきたのか、マーカスに続く形で慌ただしくズボンを床へと脱ぎ捨て、自身のペニスをリサの前で取り出した。
リサは目を見開き、顔を強張らせる。それは、彼と比べると雲泥の差があるほどの粗末な包茎ペニスだった。
思わず嘲笑を浮かべそうになったが、この次に行われることを想像するとそうも言ってられない。
「……安心しろ。いくら抗体があるとはいえ、ウィルスを大量に注入したお前と性交なんてしたら、感染しかねないからな」
彼女の表情を見て察したのだろう。ウィリアムはそう告げて、その場で自身の息子を握ってシコシコとマスターベーションを始めた。
「……あぁ……ああ、ああああ……────う゛っ」
笑い声を漏らしながら右手を激しく上下に動かしていた彼は、あっという間に射精に達した。
反射的に瞼を閉じたリサの顔に、体に、精液がパタパタと降りかかる。
──まずい! 汚い! 臭い!
唇の隙間を縫って入ってきたウィリアムの精液を吐き出したくても吐き出せず、苦悶の表情を浮かべるリサ。
「フフッ……フフハハハッ! お坊ちゃんの大事な女を汚した! 汚してやったぞ! ハハハッ!」
ウィリアムは愉快そうに高笑いしながら、精液を垂らしたペニスを振り乱す。部屋の隅にいるマーカスはヒルの奉仕に夢中で気にもしていない
まさに地獄絵図。こんな世にも恐ろしいハロウィンがあるだろうか。
……どうして、こんなことになったの。
リサの硬く閉じられた目尻から涙が一筋、零れ落ちる。
私が我儘だったから? 二人の気持ちも考えずに意固地になってたから?
頭の中では後悔と自責の念が幾度となく浮かび上がり、自分のことなど忘れて仲睦まじく愛を交わしているアダムと母の姿が重なって見える。
これは報いなのだろう。
わだかまりを捨てて、素直になれなかった私への。
でも、もし許されるなら──
(助けて……お母さん……アダム……!)
リサは失意の暗闇の中、遠ざかっていく二人の姿に手を伸ばした。
「ハハハッ! ヒッヒッ、ヒィッ────はぁ……さて、と」
射精により興奮が急激に冷めてしまったのか、ウィリアムはにやけ顔を張りつけながらも打って変わってつまらなそうに溜息を吐く。
その際にふと、リサから採血した血液が目に入る。シャーレで培養されているそのサンプルには、先ほど放った自身の精液がかかっていた。
惰性か、それとも何か感じる物があったのか。
彼はそのサンプルを運び、慣れた手つきで顕微鏡越しに覗き始める。
「…………?」
何かを見つけたのか、眉をピクリと反応させるウィリアム。
下半身は晒したままだが、だらしなく歪んでいた顔は見る間に引き締まっていく。
「……マーカス所長。申し訳ないですが、僕は少し急用を思い出したので、これで失礼します」
「おおぉ……お? そ、そうか」
「失礼ついでに、今確保しているこの女のサンプルをある程度頂いてもよろしいでしょうか?」
「女をっ、連れて行くわけじゃないなら、別に構わ──う゛ぉっ、おおぉぉ……」
答えながら、ヒルが絡みついたペニスから精液を吐き出すマーカス。
環形動物に童貞を捧げた男に冷めた目線を送りながらも、ウィリアムは手近なサンプルを運搬用のボックスに詰め込む。そして、一秒でも早くといった忙しなさで手術室を出ていった。
「…………ふぅ、いい子だ。ん? おい、バーキン! ズボンを忘れているぞ!」
さっさと話を進めたいのですが、次回は来週に投稿予定です。
がっつりエロを描写するのだったら、ここでリサをレイプした方が良いのでしょうけど、一度主人公の恋人になった女性が別の男性に抱かれるのは避けるべき、と考えてこうなった次第です。
ハーレム物として、寝取りはあっても寝取られは書きません。
ところで、今回妊娠理由については説明しましたが、生理が来ない理由やウィルス耐性についてはまだ未説明です。
そちらに関しては次々回に説明する予定です。よろしくお願いいたします。