※この作品はR-18です。

BIOHAZARD sexual invasion   作:MIYOSHI

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■前回のアンケートについて
「修正しなくてもよい」の方が多かったため、このまま続きを投稿していきます。
よろしくお願いいたします。
 


Ep: Abduction(1981)

 銀世界の片隅、街の外れで凍りついたかのように静まり返っていた館。

 その静寂を破る形で、絨毯の敷かれた廊下に慌ただしく複数の靴音が踏み鳴らされる。

 

「アリー……! ちょっと、アダムに何かあったって本当なの!?」

 

 その内の一人、リサが先を走るアリーに声を投げかけた。

 

 リサが纏っているのは、純白のシースルーに胸は刺繍で隠され、Tバックが透けて見えるという清楚感がありながらも男の劣情を誘うセクシーなネグリジェ。

 そんな寝間着を着ているのは、いつアダムの性欲が復活して夜這いをかけられても良いようにという備えをしていたから。彼に抱かれている自身を想像し、毎夜自慰に耽っているのもある。

 

「間違い、ないっ!」

 

 先導するアリーは犬のようにクンクンと鼻を鳴らす。

 リサでさえ寒そうな格好をしているが、彼女はそれを越えて白衣以外何も着ていない。ほぼ真っ裸である。

 

 形の良い乳房を揺らしながら走るその姿はもはや見慣れたものだ。アダムが心を閉ざして部屋に籠もって以来、アリーは每日ずっとこの格好である。

 朝は扉に小便でマーキング。自慰行為による喘ぎ声で主人を起こそうとし、昼は彼のペニスを模したディルドの開発に励み、夜は夜這いをかけ続けて失敗するという日々を過ごしていた。

 

 彼女なりにアダムを元気づけようとしているのだろうが、元天才も変わり果てたものである。マーキングは他の娘まで真似し始めたので、さすがに止めて欲しいが。

 とにかく、今夜もまた夜這いを仕掛けようとして、異変に気づいたのだろう。

 

「この濃厚な精液の香り……ついにご主人様の性欲が戻られたかと思ったが、匂いから察するに異常な量だ。通常とは異なる事象が起きたのは想像に難くない!」

「そ、そう……すごいわね」

 

 話を聞きながら若干引き気味になるリサ。

 アダムの私室が近づいてきたことで彼女も匂いを感じ始めてはいたが、自分の部屋にいてそれに気づき、さらには量まで推測できるとは。

 性処理長を自称しているのは伊達ではない。そんな役職は存在しないけども。

 

 ほどなくて、二人は目的の場所に辿り着いた。

 扉の下から精液が漏れ出ているのを目にし、アリーは「やはり……」と声を漏らす。

 

「アダムッ!」

 

 愛する人の危機を感じ、いても立ってもいられずリサは押し入る勢いで扉を開け放つ。

 

 ……しかし、部屋の主はどこにもいなかった。

 室内は彼が確かにそこにいたのを示すように天井や壁まで精液だらけ。床は全域に至るまで白で埋まっている。

 

「そんな……」

「……ご主人様、一体どちらにィッ!?」

 

 フラフラと中へ足を踏み入れようとしたアリーが何かに躓いて転げた。精液溜まりに顔から突っ込み、ビシャリと液飛沫を散らす。

 

「アリー! 大丈──」

 

 リサは彼女を助け起こすべく近寄り、気づく。

 視線の先の床には、アダムの父であるスペンサーが仰向けの状態で白目を剥いて倒れていたのだ。アリーは彼の腕に引っかかって転げてしまったのだろう。

 

「ど、どうしてスペンサーがここに……」

「くっ……この、老いぼれ虫め!」

 

 身体の前半分が真っ白になりながらも、立ち上がってスペンサーを睨みつけるアリー。

 

「……失神しているだけみたいだな……それに、ペッ! ペッ! この精液、ご主人様の物がほとんどだが、僅かに別の男の物が混ざっている! 貴様か! 神聖なご主人様の精液を汚すとは…‥死んでおけば良かったものをッ!」

 

 アリーは怒りのままに、スペンサーの体を血の詰まったただの袋とばかりに何度も蹴り飛ばす。

 その間に、騒ぎを聞きつけたウェスカーチルドレンやメイド達がぞろぞろと部屋に集まってきた。

 

「な、何があったのですか……? これ全部、アダム様の精液ですよね?」

「あ! ジジイが死んでる! え、死んでないの? チッ」

「アダムは……? 誘拐、された?」

「嘘ー!? ボク、ずっと屋根の上で見張ってたけど、怪しい奴どころか誰も来なかったよ!」

 

 警備用の装備に身を包んだウェスカーチルドレンが互いに顔を見合わせ、動揺の声を漏らす。

 一部は転がっているスペンサーに装備の一つであるM16アサルトライフルの銃口を向けている者までいる。

 

「見張りの方々は何をしてらしたの!? みすみすアダム様を奪われるなんて……!」

「そうよ! ウェスカーチルドレンだか何だか知らないけど、どう責任取ってくれるの!?」

 

 メイド達は一斉に警備に当たっていたウェスカーチルドレンに不満を訴え始めた。

 十代から五十代まで幅広い年齢が揃っているメイド達は全員が例に漏れず卑猥な格好。そんな集団から責められる物々しい装備の美女達。全くもって奇妙な光景である。

 

「ふん。自分達の部屋でオナニーに耽ってるだけの人達に言われたくないわよ」

「何ですってぇ!?」

 

 それを皮切りに両者達は口喧嘩を始め、どんどん騒ぎが大きくなっていく。

 

 

「 止めてよッ! 」

 

 

 殺伐とした喧騒。そこへ、リサの一喝の声が館に響き渡った。

 

 し……んと、一転して静まり返る室内。

 同時に、リサへと向けられる大勢の女性達からの視線。その中には、「元々はお前のせいで」という怨恨の視線も混ざっていた。

 

 そんなことは分かっている。痛いほどに。

 だからこそ、矢面に立って行動しなければならない。彼女らをまとめていた、母のように。

 

「……今一番優先すべきことは、みんなだって分かってるでしょ? 喧嘩なんてしてる場合じゃないわ」

 

 そう続け、リサは精液に浸かった足でベッドの近くにある窓に歩み寄る。

 窓は開かれており、外からの風でカーテンが膨らみ、雪が入り込んでいた。

 

「きっと、犯人はここからアダムを連れていったのね」

「だろうな。それに──」

 

 アリーが再びその自慢の鼻をクンクンと鳴らす。

 

「犯人は女だ。ご主人様から嗅いだことのない女の残り香がこれでもかと感じ取れる。カビみたいな嫌な臭いのな」

「あ゛あ? 女ですってぇ?」

 

 銃口でスペンサーの頭をぐりぐりと突いていたローラがドスの効いた声を上げた。ビクリと肩を震わせるトラウマ持ちのアリー。

 

「許せない……私達の中では彼を独り占めしないことが暗黙の了解だっていうのに」

「どこのアバズレよ。そのカビ女は……」

「ぶち殺してやる」

 

 皆、口々にローラに同調し始め、殺意の込もった恨み節を漏らし始める。

 

「く、詳しいことは、そこに転がってる老いぼれ虫が知っているだろう」

「そうね。死なない程度に拷問して洗いざらい聞き出しましょうか」

 

 恋人達は心を一つにしたかのように頷き合い、燻った怨みや怒りを標的の女とスペンサーに向ける。

 

 彼女らは自然と、再びリサに視線を寄せた。訓練を受けたウェスカーチルドレンさえも。

 怨みはある。だが、女の勘なのかは分からないが、彼女に自分達をまとめ上げるだけの"力"があるように感じたのだ。

 

 リサはゆっくりと頷いて返す。

 

「……私達はアダムの恋人達(ラヴァーズ)。彼のためなら何だってやるし、命だって捧げるわ」

 

 そして、右腕を上げて高らかに宣誓した。

 

「戦いましょう! 愛する人のためにッ!」

 

 

「「「 愛する人のためにッ!! 」」」

 

 

 

 ☣  ☣  ☣

 

 

 

 恋人達が決意を新たに動き出した数日後。

 アダムはミランダによって、東欧某国の辺境にある雪深い村落に運ばれていた。

 

 意識を取り戻したのは、洞窟の中に作られたであろう廃教会。天井の一部には穴が空いており、そこから眩い光が差し込んでいる。

 

「この小僧──いや、お坊ちゃんが御子の父親だって? この精通もしてなさそうなナニでよくもまあ……」

「気遣いは無用だ、ハイゼンベルク。我が子は唯一人だけ。そやつ──アダムは確かに血は繋がっているが、ただの保険として連れてきたに過ぎん」

 

 赤子を大事そうに抱えながら光の下に足を向けていたミランダが、サングラスに帽子を被った髭面の男の言葉に反応して振り返った。

 

「それに、子供と思って甘く見るな。アダムの男性器は一度勃起すれば、お前はもちろん、世の全ての男よりも優れた物へと変貌する」

「ほぉ、それは実に興味深いですわ。マザー・ミランダ」

「えーッ! 何それ、ホントに!? 見たい見たーい!」

 

 視界の端から現れる、黒いツバ広の帽子に真っ白な肌をしたグラマラスな巨女と、ウェディングドレスの人形を抱えている喪服のような黒装束を纏った女性。

 

 前者の3m近くはあるであろう巨大な身長とジェシカをゆうに超える豊満さもそうだが、一方で後者の驚くべき点はやかましく喋っているのが人形だということだ。

 人形ははしゃぎながら興味津々な様子で床に横たわっているアダムのペニスを凝視しているが、彼女を抱えている顔まで黒装束で隠した女性はどことなく気恥ずかしそうな仕草を見せている。

 

「お……お母さま。あなたは、子供のちんちんに興味が──」

「黙れ、モロー。この私を愚弄するつもりか?」

「そ、そんなつもりはっ! ご、ごめんなさい。ごめんなさいぃ……」

 

 一方で、ミランダの後を金魚の糞のようについて回っていた非常に醜い風貌をしたモローという男が、その彼女から叱責を受けて丸めた背中をさらに萎縮させた。

 彼の手足には水かきのような薄い膜があり、その体臭はトリメチルアミン尿症を患っているかの如く腐った魚のような生臭さを放っている。

 

 本来ならここで人形が追い打ちをかけるように魚臭い彼をからかうのだが、彼女は自立して動くこともできるのか、黒装束の女性の手から離れてアダムの皮を被った子供ペニスをツンツンと突いていた。

 

「キャハハッ! ねー、アンジーにおっきくなったおちんちん見せてよー!」

 

 刺激を受け、ビクリと反応するおちんちんに興奮した様子で笑い声を上げる人形。

 

 

 ──その瞬間、アダムが人形に襲いかかった。

 

 

「きゃあああっ!?」

 

 人形が悲鳴を上げる。

 アダムは腕を拘束されているため、両脚を使って無理やり人形の身体を挟み込んだ。そして、彼女のドレスに隠れた股ぐらに向けて我を忘れたかのように腰を振る。

 

 消耗し切っていた彼は生殖本能のためかは分からないが、とにかく今すぐに誰かを抱きたかった。そんな彼に近づけば、例え人形だろうと女体を象っている以上襲われても仕方がない。

 

「ちょっ、可愛いお人形ちゃんに何しやが──ひゃあ! ア、アンジー、おまんこなんて、ないってばぁ! あんっ!」

 

 慌てて黒装束の女性が駆け寄り、アンジーという名らしい人形を抱え上げてアダムから救い出す。

 ミランダを除く他の者達も呆気に取られた様子でその一連の流れを眺めていた。

 

「ゼー、ゼー……ま、まるでお猿さんね。レディの、扱いが、んっ、なってないわ……」

 

 息も絶え絶えなままに悪態を吐く人形だが、抱えている女性の方も鼻息荒そうにしているのは気のせいだろうか。

 

「何とも、お盛んな小僧だな」

「これはこれは……マザー・ミランダ。この子の処遇は如何程に?」

「……そうだな。ドミトレスク、お前に任せよう。城の地下牢にでも放り込んでおけば、いずれ自分から襲う気力もなくなろう。赤子が"器"となれる時まで後一年。その時まで、くれぐれも死なせぬように……まあ、よほどのことがない限り死ぬことはなかろうがな」

「ンフフフ……かしこまりました」

 

 ドミトレスクと呼ばれた巨女がねっとりとした深い笑みを浮かべる。ミランダに向けてその白いドレスの裾を片手で摘み上げ、優雅に会釈(カーテシー)を披露した。

 そして、勝ち誇った顔で対面に立つサングラスの男を見下ろす。

 

「異論はないわね? ハイゼンベルク」

「ああ、別にないとも。"お母様"の意向だからな」

「おや、お前にしては珍しく素直じゃない。気味が悪い」

「そんなこたぁないさ。こんなエロガキをもらっても俺には使い道がないからな……それにしても、まさかテメエにそういう趣味(・・・・・・)があったとはねえ」

 

 口に咥えていた太い葉巻を手に持ち、煙を吐き出しながら口端を歪めるハイゼンベルクという男。

 ドミトレスクは眉をひそめたが、口喧嘩に発展させてミランダの意向が変わることを危惧してか、何も言い返さなかった。

 

 

 

 

「う゛……あ、ぁッ!」

「良い声で鳴くじゃない、坊や。もう少しで私の可愛い娘達に逢わせてあげるわよ」

 

 そのまま彼らは解散となり、雪の降り積もる中、アダムはドミトレスクによって彼女の居城へと運ばれていた。

 だが、問題なのはその運び方だ。

 

「離……せぇ……!」

「我慢なさいな。ンフフ……それにしても、頑丈だこと」

 

 あろうことか、ドミトレスクはアダムの子供ペニスを握ることで彼を運んでいた。

 ぶらぶらと天を仰ぐ形で振り回されるアダムは、負けじと両手足で彼女の腕にしがみつくが、弱った身体ではろくに力も入らず徒労に終わる。

 

 結局、何の抵抗もできず、村の南に位置するドミトレスク城に到着してしまう。

 

「オ、オルチーナ様っ。お帰りなさいま──ひゃあっ!?」

 

 たまたまロビーにいたであろうたメイド──獣の骨でできた変わった首飾りをかけている──が、抱えていた食材入りの籠を床に下ろして城主を迎える。

 しかし、全裸の子供に加えて、その子供をとんでもない方法で運んでいる主を見て、顔を真っ赤にして悲鳴を上げしまった。

 

「おや、お前は新入りの……イングリドとか言ったかしら。こんなところで何をしているの?」

「と、届いた食材を運ぶようにと、侍従長から……」

「そう。だったら、早く夕食の支度を始めさせなさい。今日は特別な日だから、豪勢にするよう料理番に伝えるのよ」

「か、かしこまりました……」

 

 恥ずかしさと好奇心と心配が混ざったような目をチラチラと向けながらも、主に逆らえないのだろう彼女は籠を抱えてそそくさとロビーを後にしていく。

 それを目で追うアダムの視界に、壁に飾られている大きな絵画が映る。ドミトレスクの言っていた娘達だろうか、美しい女性が三人描かれていた。

 

 イングリドに続く形で、ドミトレスクは我が家である城の廊下をヒールの音を鳴らしながら進む。

 城主の異常な高身長ぶりに対して、城の扉の高さは明らかに足りていない。通る度、彼女は身を屈めて扉をくぐる。

 

「あ、オルチーナさ──」

 

 メインホールの暖炉に薪を焚べていたメイド。

 彼女は先のイングリドと同じように、ドミトレスクと彼女の手によって裸でぶら下がっているアダムを見て、硬直してしまった。

 

「そこのお前。今日の仕事はもう終わりよ。夕食に関わる者以外は全員、宿舎棟から出ないように。侍従長を通じて、他の者達にも伝えなさい」

「……え、あ……」

「何をボサッとしているの! 早くおし!」

「は、はいッ!」

 

 慌てて、脇に積んでいた薪もそのままに駆けていくメイド。

 

「さあ、もうすぐよ」

 

 そうアダムに声をかけ、ドミトレスクは再び歩き出す。

 

 スペンサー家の本邸ほどではないが、この砦とも言うべき城は外観からしてそれなりの面積がある。だが、その割には人気があまりなかった。

 もしかすると、使用人に当たる存在は先のイングリド達を含めても、そこまで数は多くないのかもしれない。

 

 ざっと六、七人といったところだろうか?

 自身一人のために三十人以上のメイドを囲っていたアダムからしたら少すぎると感じる人数だが、彼が異常なだけである。

 

「──ベイラ! カサンドラ! ダニエラ! 素敵なお土産を持って帰ったわよ!」

 

 豪華絢爛なメインホールと思われる場所を抜けた広間で、ドミトレスクが辺りに呼びかけるようにして声を響かせた。

 だが、声の届く範囲にはやはり人の気配は感じない。アダムは彼女の腕にしがみつきながら、音に集中すべく瞼を閉じる。

 

 すると、暗闇の中でどこからか虫の羽音が耳を打つ。

 それも数が多いのか、四方から無数に。普段なら耳障りなはずのその音は、なぜかそうは感じない。

 

 

「「「おかえりなさい、お母様」」」

 

 

 突如として、複数の女性の声がすぐ近くで聞こえてきた。

 慌てて瞼を開けるアダム。そこには、確かに魔女のような漆黒のドレスを纏った見目麗しい女性が三人、ドミトレスクを見上げていた。

 

 彼女達がドミトレスクの娘なのだろう。だが、僅か数秒の間に一体どこから現れたのだろうか?

 それに先ほど見た絵画とは似ても似つかない容姿をしている。デフォルメして描かれた、というわけでもなさそうだ。

 

「お土産なんて久しぶりだわ。どんな餌──まあ」

「あら、とっても美味しそうだこと」

「きゃっ、きゃっ、嘘! 可愛いぃ……!」

 

 母親に似た尊大さを感じさせる金髪の娘。品定めするような視線を送る黒髪の娘。そして、アダムを一目見て金の瞳を輝かせ、口元を両手で覆って興奮した様子でいる明るい茶髪の娘。

 三姉妹は額に花の紋章のタトゥーを刻んており、それぞれ赤、黄、緑の宝石を嵌めた首飾りで着飾っている。血飛沫を浴びたような黒のアイメイク。ニタニタと歪む赤黒い唇。肌は親と同じく病的なまでに色白だ。

 

「名前はアダム・スペンサー。特別な力を持った子よ。さあ、坊や。ご挨拶なさい」

 

 アダムはドミトレスクのペニス掴みから放されると、今度は両手を掴み上げられて彼女らの前にその逞しくも幼い身体を晒される。

 

「お母様! この子、私に頂戴! ねえ、いいでしょう?」

「待ちなさい、ダニエラ。貴女じゃ、せっかくのお土産をすぐに壊しかねないわ。それよりもみんなで追い回した後で剥製にしちゃった方が、長く楽しめると思わない? ねえ? ベイラお姉様」

「何が、ねえ? よ。カサンドラ。ダニエラも。私を差し置いて勝手に決めないで頂戴。こんな子供なんて、は、初めてだもの。不本意だけど、ここは長女の私が毒味を──」

 

 母からのお土産の処遇について、思い思いの意見を出し合う姉妹。

 年齢は二十代前半ぐらいだろうか。作り物のように均整の取れたスタイルの良さを誇る女性達に囲まれ、その鉄臭さの混じった甘い香りにアダムの肉棒は柔らかいままながらも鎌首を上げ始める。

 

「きゃああっ! すごい! 素敵! 見て! この子まだこんなに小さくて可愛らしいのに、おちんちんが……お姉様! 私、もう新しい獲物はいらないわ! だから──」

「ダニエラ。少し落ち着きなさい。はしたないわよ」

 

 黄色い歓声を上げてアダムの股間に顔を近づける三女のダニエラを、ドミトレスクが嗜める。ダニエラは「でもぉ……」と渋りつつも、大人しくペニスから離れた。

 

「……貴女達には悪いけれど、この子はマザー・ミランダから私への預かり物でもあるの。だから、まずは私が……お手本を見せてあげるわ」

 

 ドミトレスクは「ついてきなさい」と続け、アダムを抱えながら南側の扉をくぐって再び廊下を奥へと進む。三姉妹は動揺、楽観、期待といった表情を浮かべながらその後に続く。

 辿り着いた先は暖炉の灯った寝室だった。その部屋にある高級そうな天蓋付きベッドに放り投げられるアダム。

 

「──ッ!」

 

 体がマットレスの弾力で跳ね上がる。

 アダムは拘束から解かれたことですぐにこの場から逃げ出そうと試みるが、肉体・精神共に消耗が激しく起き上がることさえままならない。

 

 そんな彼の耳に届く衣擦れの音。反応して顔を上げようとするが、そこへドミトレスクの身体がのそりと覆い被さり、ベッドがその重みに悲鳴を上げる。

 

 ごくり、と。アダムは唾を飲み込んだ。

 二倍ほどもある巨大な青白い裸体が、暖炉の灯りを背に、金の瞳をギラギラと光らせて彼を見下ろしていた。

 

 頭よりも大きな豊満過ぎるほどの乳房と、灰色に染まった乳首。乳輪はアダムの手に平以上もある。確かなくびれからなる腰つきに、股下から覗く巨尻。

 ジェシカを思わせるようで、彼女とは全く似て非なる度を超えた豊満さ。まさに非現実的を絵に描いた超越的な女体だ。

 

 香水なのだろう。薔薇の甘い香りと共に、娘達からも香っていた鉄の匂いが一気に濃厚になり、アダムの鼻を擽る。

 自然と息遣いが乱れ、視界は魅了されたように淫猥な色に染まっていった。

 

 

「……それじゃあ、吟味させてもらおうかしら」

 

 




途中登場したメイドのイングリドは、体験版「MAIDEN」の主人公です。

彼女がいつ犠牲になったのかは不明ですが、個人的にイーサンが村に来る日とそこまで時系列に差はなさそうな気がしてます。
理由は、本編で処置リストに追記されているのが彼女一人だからです。

ただ、彼女が犠牲になって以降、他は誰も実験材料にされなかったという可能性もありますし、別段この時期にイングリドがいても良いかなと思って登場させた次第です。

次回は日曜に投稿予定です。よろしくお願いいたします。



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