BIOHAZARD sexual invasion 作:MIYOSHI
前回説明し忘れたのですが、原作で1967年に建てられたアークレイ・フォレストの洋館は、今作では1976年に建てられたことになっています。
理由は色々あるのですが、特に原作の流れに影響もない細かいことなので特に気にする必要はありません。
「あの……ご用は何でしょうか?」
メイド服に身を包んだジェシカは、恐る恐るといった様子で対面にいる初老の男性に尋ねた。
デスクを挟んだ先で最高級レザーのソファチェアに腰掛けた彼の名は、オズウェル・E・スペンサー。彼女の雇い主だ。もっとも、雇っているというのは語弊があるが。
「分からないのかね? 私が今もこの先も、最も気にしているのは可愛い息子のことだけだ」
アダムから衝撃的な欲求をぶつけられた翌日の昼過ぎ、ジェシカは邸宅に戻ってきたスペンサー卿に呼ばれて彼のオフィスを訪れていた。
「それで? この一ヶ月、アダムの様子はどうだった?」
スペンサー卿のその問いに、ジェシカは昨日のことを思い返す。
本当に、昨日は事が終わってからの後処理もまた大変だった。
裸の女性を、全裸になったジェシカを初めて見たアダムのペニスは、初体験を迎えた時のようにさらに激しく勃起してしまっていたのだ。
シャワーで汗を流し合いながら、そんな彼のペニスを手コキして再び射精させたジェシカだったが、それでも聞かん棒の猛りは収まらず。
覚悟を決めてフェラチオまでして最終的に六回も射精させた結果、ペニスに流れ込む血液量が減少したのかようやく鎮めることができたのである。嘘のように小さく可愛らしい皮被りとなったが、裏腹にバスルームの壁や床は彼の精液まみれとなった。
初めてのことだらけでさすがに疲れを覚えたのか、眠気を訴えたアダムをそのまま寝かしつけた後もジェシカの苦悩は続く。彼にレイプされている現場を目撃した娘のリサだ。
着替えを取りに部屋へ戻るや否や、彼女はジェシカの安否を確認しようとして、精液だらけとなっているメイド服を見て絶句。一刻も早くここから逃げ出そうと騒ぎ始めた。
そんなことをすれば人質であるジョージが殺されてしまう。そう言い聞かせ、替えのメイド服に着替えたジェシカは洗濯などまだ残っている午前の仕事を済ませるために再び部屋を出た。何事もなかったかのように淡々と仕事を続ける母親を見て裏切られた気持ちになったのか、リサはそれから口を聞いてくれなくなってしまったのだ。
もちろんジェシカはリサのことを考えていないわけではない。もしリサが襲われるようなことがあれば、夫を見捨ててでも彼女を連れて逃げるつもりだ。彼とて、もしものことがあれば自身より娘を優先して欲しいと考えるはずである。
だが、今はアダムの話だ。ジェシカは深呼吸して心を落ち着かせ、口を開く。
「……特に、問題はございませんでした。坊ちゃまはオズウェル様もご存知の通り利口な方でいらっしゃいますから」
あの出来事は話さない。内容が内容だからだ。まさか、あなたの幼いご子息にレイプされましたなんて言えるはずもなかった。当然、その後性処理したことも。
この男がアダムに対して何か人体実験紛いのことをしたのではないかという疑惑はあるが、もし問い質すようなことをすれば、真偽に関わらずその場で殺されるかもしれない。ジェシカにはこの男に対して何かできる術はないということである。
「ほぉ、そうか……まあ、あれだけ喘いでいたんだ。とても具合が良くて問題などなかった、ということか」
ジェシカは最初言っている意味が分からず、遅れて「……は?」と思わず声を漏らした。動揺を隠し切れず、揺れる視線。背中に嫌な汗が流れる。
そんな彼女を尻目に、スペンサーは手元に置いてあったカセットテープをビデオデッキへ差し込む。すると、ジェシカからよく見える位置にあるテレビがそのテープの映像を再生し始めた。
『──おっ! ほっ! おお゛、おおぉぉッ!』
映り始めた白黒の映像。そこに映っていたのは、アダムに激しく突かれ、四つん這いで下品な喘ぎ声を漏らす自身の姿。
ああ! そんな! ジェシカはこれ以上はないほどの羞恥心に涙する顔を両手で覆う。なんてはしたないのだろうか! なんて卑猥なのだろうか! まるで獣のようで、とても自分自身とは思えなかった。
この男は最初から分かっていたのだ。ジェシカがアダムにレイプされたことを。
彼は息子の部屋にすら監視カメラを仕掛けていたのである。それほど小型化が進んでいないそれをバレないよう壁の中や家具にカモフラージュする形で。
「と……止めて。止めて、ください……!」
これ以上自身のあられもない姿を見たくない。晒したくないと涙ながらにそう訴えるジェシカ。スペンサーは満足げに頷いてそれを聞き入れ、テープの再生を止めた。
「ハハハッ。いやはや、それにしてもとても見事な乱れようだったな。アダムが巧みだったのか……それとも、そういう趣味があったのかな?」
いやらしく笑って煽るスペンサーを、ジェシカは真っ赤な顔のまま憎々しげに睨みつける。
「……一体、あの子に何をしたんですか?」
こうなってはなりふり構っていられないと、アダムのことについて問い詰めるジェシカ。相手が分かってやっていたことなら、聞かれるのも承知の上のはずだ。
「んん? 何の話か分からないな」
「とぼけないでください! 五歳であんなっ……射精の量も体力も、明らかに異常です!」
とぼけるスペンサーに声を荒げるジェシカ。彼は愉快そうにくつくつと喉を鳴らしている。
この俗な男は……どこまで人をコケにすれば気が済むの!?
「ふむ……まあ、君には説明を受ける権利があるだろうな。何しろ、君のその女性として優れた肉体のおかげで、我が計画は無事新たな一歩を踏むことができたのだから」
少し長くなると言われてソファに座ることを勧められ、ジェジカは大人しく腰を降ろす。
「あの子……アダムには母親がいないと言ったな?」
「ええ。その……奥様はご病気か何かで?」
「いいや、違う。正確には母親は存在する。彼が母体を介さずに生まれただけのことだ」
何を言っているの? この男は。眉をひそめて首を傾げるジェシカ。既に耄碌しているのではないかと疑わざるを得ない発言だ。
スペンサー自身もそれは分かっているのか、自嘲気味に笑いながらも話を続ける。
「アダムはな……私が自ら生み出した最初で最後の、傑作なのだよ」
彼から語られた事実は衝撃の内容であった。
なんと、アダムは子宮から生み出された存在ではなく、試験管の中で育てられたデザイナーベビーだったのだ。
スペンサーはアンブレラ社の共同創業者達と共にアフリカの遺跡で始祖花という人類の遺伝子を変革させるウィルスを宿した花を発見した。
しかし、そのウィルスは適合できなければ死に至るという性質を持ち、加えて現地以外で栽培した花では生成されないという問題があった。
マーカスやその弟子ブランドンが始祖花の栽培を諦め、現地で抽出した"始祖ウィルス"を基に研究を進めていく。その中でスペンサーは独自に研究を進めていたが、当然彼も始祖花の栽培に失敗し続け、研究は暗礁に乗り上げる。
だが、数年の研究を経た結果、ついに日の目を見る。通称"特異菌"と呼ばれる菌を共生させることで、現地以外での始祖ウィルスの抽出に成功、培養にも成功したのだ。
さらに無精子症である彼は自身の体細胞から作製した多能性幹細胞を精子に分化させ、とある最も尊敬する女性から提供してもらった卵子に受精させて胚細胞を作り出す。それに始祖ウィルスを加え、生まれながらにして始祖ウィルスと特異菌に完全適合したデザイナーベビーを誕生させた。そのベビーこそが、アダムである。
「その、多能性ナントカというのはよく分かりませんが……つまり、アダ──坊ちゃまは、その始祖ウィルスの作用で遺伝子が強化されている、ということですか?」
「左様。体だけかと思っていたが、それなりに理解力もあるようだな」
いちいち人を逆撫でするようなことを口にしないと気が済まないのか? いや、彼は単に自身と息子以外の存在を劣等種としてしか見ていないのだろう。
「とは言っても、頭脳や身体能力はともかくとして、まさかあそこまで生殖能力が著しく強化されるとは思わなかった。これは私の予想というより願望だが、あの子の細胞が新人類としての自覚を持ち始め、繁殖すべく働きかけた結果かもしれないな」
「新……人、類?」
気になる単語が出てきて思わず声に出してしまうジェシカ。それが計画というのに関わっているのか?
「そう。あの子は私が理想とする新たな世界の、まさに聖書における"アダム"となる存在なのだ」
アダムの出生の秘密も衝撃的だったが、それもスペンサーの企てている計画と比べれば全く規模が異なっていた。さらに荒唐無稽で現実味に欠ける内容だ。
彼はアダムという理想的な遺伝子を持つ存在と不特定多数の女性を交わらせ、彼の優秀な遺伝子を受け継いだ人類を生み出していき、いずれはそれ以外の人類を例のウィルスによって抹消するつもりらしい。
不要な存在がいなくなった世界でアダムを神として君臨させ、その伴侶達と彼の子孫だけが暮らす理想郷を作り出す。それが彼の考える優生学に基づいた"アダム計画"だ。
「当初は私自身が神になるべきと考えていた。アダムも始祖を用いて不老不死の研究を完成させるために生み出したのだ。だが、考えが変わった。彼こそが、私と彼女の血と始祖の力を宿すアダムこそが、神にふさわしい」
まさかこの私が親の気持ちを味わうとは思っていなかったがねと、とんでもない計画を語り終えた後とは思えないほどの朗らかな笑みを零すスペンサー。
その笑みはジェシカも知っている。夫のジョージが娘に対して見せるのと同じものだ。気に食わないが、どうやら彼の息子への愛情は本物らしい。
「そんな計画……無理に決まってますわ」
「どうかな? アダムなら可能だと私は思っている。君とて、身を持って知っただろう?」
言い返され、言葉を詰まらせるジェシカ。五歳にしてあの女泣かせなペニス。もし経験と性技術が備わったアダムに抱かれたらと思うと、想像もつかず頬を染める。
「しかし、あの無尽蔵とも言える性欲に君一人では対応し切れそうにもないな。娘さんも楽しみに加えたいところだが──」
「ッ! わ、私はどうなっても構いません! ですから、どうか娘だけは……」
リサにまでアダムの性処理をさせるなど、そんなこと母親として許すわけにはいかない! ソファを立ったジェシカはデスクへ縋りつくようにして必死に懇願する。
「分かっているとも。どちらにせよ、娘さん次第だがね」
スペンサーは葉巻を吸って紫煙を燻らせ、打って変わって卑しい笑みを浮かべた。
「あの子の性処理係として、不要となったウェスカー計画の少女達を迎え入れることにした」
ウェスカー計画とは、アダム計画以前に進めていた企てらしい。
計画の内容は、紛争などで情勢が不安定となっている地域から混乱に乗じて才能溢れる両親の間に生まれた子供達を数百人と集め、徹底的な英才教育を施して世界中に解き放つというもの。ほとんどは大金での取引か誘拐されてきたもので、薬によって記憶を抹消されており、表向きはスペンサー家が出資している孤児院に入所した孤児という扱いとなっている。
その子供達はウェスカー・チルドレンと呼ばれ、計画の主任研究者と同じウェスカーの名が与えられた。アダムに宛てがわれるのはその内の少女達だ。
皆、スペンサーの手の者によって常に監視下にあり、アダムが誕生した時点で交際関係にもチェックが入るようになっていた。そのため、全員が未経験の処女である。
「ま、待ってください! 坊ちゃまの性教育なら私が──」
ジェシカからすればたまったものではない。アダムを善良な子に育てる決意をしたばかりだというのに、そんな乱れた経験をさせるわけには……!
「君の意見を聞き入れる気はない。それに、もう手遅れだ。ウェスカー・チルドレンは後続の輸送機に乗せていてな。君とこうして話している間にアダムと面会も済まさせている。今頃はお楽しみの最中だろうね」
いても立ってもいられなくなったジェシカは、ヒールの音を鳴らしながらスペンサーのオフィスを飛び出す。
その入れ違いに、十代半ば辺りの白衣を着た少女が金髪を振り乱しながら駆け込んで来た。
「スペンサー卿! これは一体どういうことだ!?」
「おお、アレックス。息災のようだな」
彼女の名はアレックス・ウェスカー。本名はアレクサンドラ。
ウェスカー・チルドレンの中で最も優秀な存在で、唯一スペンサーと直接的な関係を繋いでいる人物。
十六という年齢で既にアンブレラの主任研究員として最高機密の研究に務めており、社内でも彼女の存在を知る者は少ない。そのため、彼女だけは少し遅れてこの邸宅に到着したのだ。
「ふざけるな! いきなり研究所から呼び出されたかと思えば、目隠しをさせて誘拐紛いなやり方で連れてきて……挙句の果てに、あんな乳離れもしてなさそうな子供の性処理をしろ!? 冗談にもほどがある!」
執事のパトリックから説明を受けたのだろう。一般の女性でさえ断固拒否して当然だというのに、自身が優秀で上位の存在だと自覚しているアレックスからしたら笑止千万。
無論、そんな彼女はスペンサーに対して忠誠心を持っているわけではない。従順な振りをして、その潤沢な資産と与えられる地位を利用し続けていた。本来なら今回も文句を言わず従うべきなのだろうが、プライドが許さず語気を荒げてしまう。
「ふざけてなどいない。君に任せていた"不老不死"の研究は既に不要となった……いや、正確に言えば実現できれば望ましいが、優先順位が下がったのだよ」
「研究よりソーセージを弄る方が優先? ハッ……元々イかれてるとは思ってたが、ここまでとは思わなかった」
アレックスはスペンサーのことを見限ることにした。彼女はその研究を自らの物としようとしていたのだ。それを止めさせられるとあっては、もはやこの男に従う理由もない。
「それ以前に、いつあんな子供を……新たなウェスカー・チルドレンということ?」
「いいや、違う。彼はその完成形だよ。君らとは比べ物にならないほどの、新人類の神にふさわしい完璧な存在。私の愛する息子だ」
スペンサーは不老不死の研究を頼むに当たって、アレックスにだけは自身の新人類創造の壮大な野望を伝えていた。アレックスは馬鹿馬鹿しいと内心鼻で笑っていたが、研究に勤しむ中で時折もし自分がその手段を手にしたら、と考えたことは何度もある。
だが、今はそんなことはどうでもいい。あのアダムという子供は、スペンサーにとって不老不死を後回しにするほどの価値があるということ。それだけは確かだ。
「安心したまえ。君もアダムの女となれば、新世界で生きる権利が得られる」
「クソくらえだ。この老いぼれ虫」
この男はいなくならなければならない。そのためにも、まずはここから脱出しなくては。
踵を返し、結った金髪を翻してオフィスを出て行こうとするアレックス。その背中にスペンサーは声を投げかける。
「この館を出ようとしても無駄だぞ。警備の者はいないが、セキュリティは万全だ。まあ、鍵を見つければ外に出られるかもしれんがね。館中を探し回れば、都合良く手に入るかもしれないぞ?」
振り返れば、何がおかしいのかニタニタと腹の立つ笑みを浮かべたスペンサーの顔。
アレックスはわざと聞こえるように大きく舌打ちして、今度こそ部屋を出た。
一方、窓一つない館の廊下をスカートをたくし上げてひた走るジェシカ。
アダムは自室にいなかった。部屋に閉じこもっているリサに聞けるはずもなく、館中をしらみ潰しに探しているのだ。
「はぁっ、はぁっ……」
廊下の十字路に差しかかったところで息切れを起こし、足を止めて呼吸を整える。
スペンサーの話では、招き入れた少女達の数は多いはず。広い館とはいえ、そんな大人数を迎えているにも関わらず、まだ一度もその姿を見ていないなんて。一体どこに……?
ふと、横の方を見やる。廊下の先、右手の壁にある開いた両開きの扉から、白い布切れのような物がはみ出ているのが見えた。
ゆっくりと近づいて確認する。それは下着だった。持ち主はスポーツを嗜んでいるのか、最近アスリートの間で流行しているニットブラだ。
目の前の両開きの扉の先は、大浴場となっている。
ハッと勘付く。各部屋にバスルームが備えられている中、居住者の数も少ないのに何のために大浴場なんてと思っていたが……まさか!
気づいた瞬間、耳に届く微かな声。それもつい先ほどスペンサーのオフィスで聞いた自身の声によく似ている。
ああ、似ていて当然だ。この乱れた声は……
ジェシカは震える身体で扉に手をかけ、恐る恐るその中を覗き込んだ。
「──あっ! ぁあ! あぁんっ!」
それはまさに性の宴であった。
古代ローマを思わせる大理石を使った、天然温泉を引いた広い大浴場。そのそこかしこに、全裸で股間に白い液溜まりを作った少女達が倒れている。
ざっと三十人ほどだろうか。年齢は不揃いで、恐らく全員が成人前の子供。中には十代になったばかりと思われる子さえ見受けられた。
皆一様に頬を上気させ、恍惚の表情を浮かべて気絶している。
「ハァッ、ハアッ! ロ、ローラ! また、出るよ!」
「あっ! あっ! ア、アダム、さまぁ! だして! 私も、イ、イクッ……あ゛、あああぁぁぁ!!」
ブビュルルッ! ビュビュッ! ピュルルルル!!
後ろから両腕を掴まれて激しく突かれていた、ローラという綺麗なクリームブロンドの少女。彼女のピンク色の小陰唇が覗くヴァギナに、アダムは容赦なく中出しした。
膣内射精を受けて、朗らかな印象を受けるその顔をあられもない表情に変え、ビクリッ、ビクリッと痙攣するローラ。同時にオーガズムを迎えたのだ。接合部から溢れ出た精液には、つい先ほどまで純潔であったことを示す血の色が混ざっている。
ペニスが抜かれ、ローラは足元が僅かに浸かる程度しか張られていない湯に水飛沫を立てて沈む。その彼女の身体に向けて、未だ残っている精液が残尿のように放たれてかかる。これで大浴場に立っているのはジェシカとアダムだけとなった。
既に三十もの少女達の中へ溢れるほど射精したにも関わらず、まだあれほど出るなんて。これを一人で受け持とうとしていた自分の浅はかさに嫌でも気づかされるジェシカ。
「あ……ジェ、ジェシカ」
アダムがジェシカに気づき、バツが悪そうな顔を見せる。
「ご、ごめんなさい。女の子は大事に扱わなきゃいけないって教わったのに……」
「坊ちゃま……つ、つまり、坊ちゃまがこの子達を襲ったと?」
「えっ!? えっと……」
何やら様子がおかしいアダムにジェシカは首を傾げ、精液の浮かぶ湯に足を浸けて彼のもとへ近づく。
「その……違うの、ですか?」
「う、んと……違うけど、違わないというか……」
言葉を濁しながらも、事の次第を説明し始めるアダム。
彼によると、先に襲ってきたのは少女達の方らしい。スペンサーにここでしばらくアダムの性処理を行えば望む物を与えると報酬をチラつかされたからだ。
無論全員が素直に従ったわけではない。その優秀さから性に対して無頓着、あるいは興味がないという娘がいて、そういった一部の者達が報酬目当てにさっさと済ませてしまおうと考えた。大所帯でアダムに館内を案内される中、大浴場という丁度良い場所で服を脱ぎ出し、アダムを性的に襲ったのである。
が、彼女達は見事に返り討ちにあった。
五歳と侮っていたアダムのペニスが見る間に大きくなり、その激しくも快感を生み出す突きに圧倒されたのだ。そして、常識的に考えて射精もできないだろうと高を括っていたそれから放たれる濃厚な精液に文字通りヤラれてしまった。
アダムは高まった性欲を抑え切れず、そのまま他の娘達にも襲いかかってしまった。残っているのは性処理に消極的だった奥手な娘達ばかり。しかし、幾人もの少女を湯に沈めたその性豪ぶりを見せつけられたためか、彼女らは特に抵抗もせずアダムを受け入れたのだという。
「フェリシアとヨナ、イルマ……それにローラ。この子たちが特にその、良くて、思わず夢中に……で、でも! 一番気持ち良かったのはジェシカだよ! それに──」
「ッ! と、とにかく、この子達をちゃんとした場所に寝かさないと! 私はリサを呼んできますから、坊ちゃまは着替えておいてください!」
アダムの言葉を切る勢いでそう捲し立て、ジェシカは大浴場を後にする。
彼のことが恐ろしくなったとか、そういったことではない。現に、彼女の頬はほのかに赤みを帯びている。
その顔はまるで、何か湧き上がる感情を誤魔化しているようにも見えた。
☣ ☣ ☣
ジェシカは嫌がるリサを何とか説得し、未だに快感の余韻に浸っているウェスカー・チルドレンの少女達を大浴場から運び終えた。彼女らに宛てがわれた五つの大部屋に六人ずつ運ぶという大仕事を何とか済ませることができたのである。
幼いながらに一番力があるアダムも協力してくれたし、館になぜか配備されていたストレッチャーを使うことで幾分か時間をかけずにも済んだ。
元々ベッドが完備されていた大部屋といい、スペンサーはアダムの生殖能力については予想外だったと言っていたが、それに関わらず最初から彼女達をアダムの性処理係にするつもりだったのであろう。
だが、大変なのは彼女らが起きた後だ。ジェシカは気を引き締める。
彼女達はこの館から出られないなんて聞いてないだろうし、暴れる子が出てきてもおかしくない。それを何とか収め、アダムのメイドとして仕えるように説得しないといけないのだから。
スペンサーに不要と判断されて殺されないようにするには、そうするしかない。
そんな中、リサは傍から見たら死屍累々といった様子で倒れている全裸の少女たちを見て、動揺を隠し切れないでいた。
恐怖を持つ以前に、なぜ一人の例外もなく幸せそうな表情をしているのか? という疑問が尽きなかったのである。ロマンチックな恋愛を夢見ていた彼女からしたら、とてもじゃないが信じられないことだ。
母が言うには、先に襲ったのは少女達の方らしい。一部の襲わなかった子達でさえ、アダムに迫られても抵抗せずに受け入れたと。自身が運んだヨナという子は、途中で意識を取り戻してアダムが傍にいないと知るや否や、その場で彼を求めてオナニーをし始める始末だった。
会って数時間も経っていないというのに、セックスしただけでああなってしまう。
みんな容姿端麗で、ボーイフレンドなんて引く手数多に違いない。クリームブロンドの子なんて、記憶が確かならローラ・ウェスカーという有名な若手女優だったはず。
確かにアダムは、幼いながらに十人が擦れ違えば百人が振り返って見惚れるほどチャーミングだ。宝飾品のような綺麗なシルバーブロンドの髪に、息が止まりそうなほど妖美にも関わらず、その幼さゆえに溢れ出る拙さと愛らしさ。
リサ自身も初めて顔を合わせた時は息を飲み、一目惚れしてしまったかのように目が離せないでいた。いや、実際一目惚れしていたのかもしれない。
それでも、父を人質に取っているあの醜悪な男の息子だ。好きになんてなってはいけない。そんなの父への裏切りだ。そう自身の気持ちを誤魔化し、あえて冷たい態度で接していた。
だというのに、文句を言われるどころが逆に気を遣われてしまったのである。ここに来る前はピアノを弾くのが好きだったと言えば、自分はあまり弾かないからと館にある最高級のピアノをプレゼントされたりもした。
それから暇さえあれば演奏して欲しいとせがまれて……気がつけば、アダムのことを弟のように見ている自分がいた。一人っ子なため、弟か妹が欲しいと思っていたのもあるだろう。
あの子も被害者で、生まれながらに軟禁生活を強いられている可哀想な子供なのだ。お姉ちゃんの自分が少しでも支えになってあげられればと、そう思っていた。
──なのに、なのに……!
作業を終えて自室に戻り、再び毛布を被るリサ。
頭に浮かび上がるのは、彼の立派にそそり勃ったペニス。そして、淫らに喘ぐ母の姿。
リサの苦悩は続く。
自身の下着が僅かに湿っていることにも気づかぬまま。
とりあえず二話目は早めに投稿しました。
ローラ、フェリシアといったウェスカー・チルドレンの名前は、5AEのパトリックの手記から確認できる第一次候補者の名前から取っています。
この話のスペンサーは70年代で人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製はおろか、正常に機能する精子に分化して実用化するところまで成功している、原作よりも別の意味で頭おかしい人です。
が、特に世間に公表などはせず秘匿しているので、世界の医療技術が現代以上になっているというわけではないです。