※この作品はR-18です。

オルタはお嫌いですか?   作:濁り丸

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番外編:彼のための剣は、村娘の恋を叶える-5

 額への口付け一つで蕩けたアルトリア・アヴァロンは、マスターとの性行為を悦びながら受け入れる。理性はドロドロに溶けて蒸発しており、彼女は雌としての本能が表出していた。

 

 本人は意識している訳では無いのだが、自然と両脚がこれまで以上に左右に開く。彼の長大なペニスを受け入れやすくするために、秘所を突き出すように腰が反っている。

 

 それは一般的に正常位と呼ばれる体勢であり、恋人・夫婦が最も好む愛し合う為の体位であった。

 

 また、アルトリア・アヴァロンは降伏して腹を見せる犬のような体勢に自然となるため、彼女の羞恥や快感に染まる淫らな表情や美しくもイヤらしい乳房、しとどに濡れた秘所などが丸見えとなる。

 

 その美しい肢体や蕩けた彼女の表情を見ることが出来るのは、世界中を探しても自分一人だけだと思うと、マスターの怒張したペニスに血液が集まっていく。

 

 陰茎がビキビキと苛立つように反り返って、ドクンドクンと高鳴る心臓のように脈打つ。

 

 野球ボールのように大きくずっしりと重たい睾丸の中で、グツグツと煮立った精液が大量に生産される。それは雄としての飢える獣のような煮え滾る生殖本能が、目の前の雌を孕ませようとしているからに他ならない。

 

 アルトリア・アヴァロンの細腰をマスターはガッシリと両手で鷲掴みにする。本当に挿入出来るのか不安になる小さな膣孔に、彼の大きな亀頭の先端が触れた。

 

 

 ――クチュっ♡♡

 

 

 後はマスターが腰を押し込めば、彼女は処女を卒業するのだ。

 

 半開きになった口から『ハッハッ』と、子犬のような浅く早い息使いをするアルトリア・アヴァロンは、理由も分からずに瞳をうるうると潤ませて涙を流す。

 

 その涙はアルトリア・キャスターの想いが、彼女に涙を流させたのだろう。最後まで使命を全うした自分が遂げられなかった"恋"を、アルトリア・アヴァロンが叶えてくれるのだ。

 

 彼女が目尻から流した涙をマスターはキスをするように舐め取り、耳元で最後にもう一度だけ愛を囁いた。

 

 

「――好きだ。"キャスター"が欲しい」

 

「~~~~~っっ♡♡♡ もっ、貰って下さぃ……っ♡♡ 私も我が命が、大好きです――ちゅっ♡♡♡」

 

  

 二人は互いに目を見詰め合わせた状態で、付き合いたてのカップルがするような軽いリップキスをする。それは溢れる想いが抑えきれなくなってしまったからだろう。

 

 短いキスの後に、マスターは腰をゆっくりと押し進めていく。

 

 ずぷぷぷっ♡♡と粘っこい水音と共に、マスターの長大なペニスがアルトリア・アヴァロンの膣内に埋没する。自分の狭い膣肉がミチミチと限界まで拡がり、指での愛撫とは全く異なる圧迫感と快感が彼女に伝わり始めた。

 

 

「ぁ゛――っ♡♡♡ ぁぐぅ……っ♡♡ ナカ゛っ♡♡ ひろがる゛っ♡♡♡ ぁ゛っ♡♡ ぁ゛っ♡ あ゛ぁ゛……っ♡♡♡」

 

 

 アルトリア・アヴァロンが余裕の無い濁音混じりの嬌声を上げる内に、マスターの指で解され、柔らかくなった処女膜が抵抗も無く破ける。彼女の膣孔から本当に少量の血液が流れるが、直ぐに大量の愛液で洗い流されて分からなくなってしまう。

 

 女の細腕よりも遥かに太い30 cmを超える長さのペニスが、ゆっくりと"奥"に向かって突き進む。事前に膣肉や膣襞を丹念にマッサージしていたお陰で、自分の握り拳よりも大きな亀頭が痛みも無く受け入れられる。

 

 しかし、痛みは無くとも長大なペニスで内臓が圧迫される感覚や骨盤が歪んでしまいそうな錯覚に、全身が竦むような恐怖を覚えた。

 

 普通に考えて自分の腕よりも太いモノが、体内に入っていくのは怖いだろう。震える声を出すアルトリア・アヴァロンは、その恐怖を紛らわせるためにマスターにキスを懇願する。

 

 

「ぃ゛……っ♡♡ ぃ゛ひっ♡♡♡ わっ、わが命っ♡♡ ――ぅぁ゛っ♡ きしゅっ♡♡ キスして欲しぃれすっ♡♡ キス――――んむっ♡♡♡ ちゅぅ♡♡ ちゅるるっ♡♡♡ じゅるちゅぅ――――んぅっ♡♡♡」

 

 

 彼の長い舌が彼女の口内に躊躇なく侵入して、舌同士が蛞蝓の交尾のように隙間なく絡み合い、ガムシロップのように甘いと錯覚してしまう唾液の交換が始まる。

 

 上と下の両方からマスターに蹂躙されるアルトリア・アヴァロンは、気を抜けば意識が飛んでしまいそうな快感と幸福感を感じてしまい、気付けば怖いという気持ちは無くなっていた。

 

 緊張で強張っていた身体もふにゃふにゃに弛緩しており、ペニスの挿入もよりスムーズなものとなる。硬く熱い亀頭が柔らかな膣肉を掻き分け、全体の半分ほどペニスが挿入された頃には、女の一番大事な"小部屋"の入り口に亀頭の先端が辿り着いてしまう。

 

(――――っっ♡♡♡ おくっ♡ 奥まで入りましたっ♡♡ これで我が命のモノです♡♡♡ 幸せで変になってしまいそぅ……っ♡♡)

 

 正真正銘の"女"となったアルトリア・アヴァロンが、夢見心地になっていると、既に亀頭と子宮口が密着しているのに、マスターが腰を更に押し進め始めた。

 

 子宮口がぐにゅりと圧迫され、子宮全体が亀頭によって持ち上げられていく。

 

 

「――じゅるるっ♡♡ ぢゅ――――っ!?♡ ん゛っ♡♡ ん゛むぅぅ゛うう゛ぅぅ゛うう゛――――っ♡♡♡ ぢゅちゅぅ♡ ん゛……ぢゅぅ♡♡ ぢゅるるっ♡♡♡」

 

 

 彼に『行き止まりですっ♡♡ もう我が命のおちんぽ入らなぃっ♡♡♡』と、彼女は口にしたい。しかし、深い口付けの最中に、話せる筈も無かった。俗に言う"キスハメ"をされながら、雄々しい剛直で子宮をぐぐぐっと持ち上げる。

 

 人体で唯一移動する臓器である子宮が限界まで持ち上げられ、それでもペニスが奥に向かって突き進む。

 

 根元まで挿入された頃には、子宮がぐにゅりと潰れていた。

 

 アルトリア・アヴァロンはマスターの口内で悲鳴のような嬌声を上げるが、マスターはそれを気にした様子も無く子宮をグリグリと押し潰して、屈服アクメをさせようと快感を与える。

 

(ひぐぅぅ゛うう゛ぅぅ゛うう゛――――っっ゛♡♡♡ 子宮潰れりゅ……っ♡♡ グリグリされて覚えちゃダメなの教えら゛れてる゛っ♡♡♡ 意識飛ぶぅ゛ぅう゛うぅ゛ぅう゛う゛ぅぅ゛っっ♡♡♡♡ ひぃ゛~~~~~~~~っっっ゛♡♡)

 

 生身の人間であればとっくの昔に気絶している、脳を焼き焦がすような快感に全身を震わせ、まだ絶頂に達していないのに彼の下腹部に潮をぷしゅっ♡♡ ぷしゅっ♡♡と何度も噴き掛ける。

 

 その潮吹きは雌としての降伏を表しているが、彼女が子宮を潰されてこれまで以上に深いオーガズムを覚えるまで、彼はペニスを膣から引き抜く筈も無かった。雄のグツグツとマグマのように煮え滾る獣性が、アルトリア・アヴァロンの子宮を凌辱する。

 

 神霊だろうが容赦なく堕とす交尾に、聖剣の擬人化だろうが生娘が耐えられる訳も無い。痙攣するように膣をきゅうきゅうっ♡♡と締め上げ、大量の潮を吹きながらアルトリア・アヴァロンは子宮で屈服アクメをしてしまう。

 

 

「ぢゅずずっ♡♡♡ ん゛く゛ぅっ♡♡ ん゛っ♡♡ ん゛っぅ゛ぅう゛うぅ゛ぅう゛うぅ゛ぅぅ゛うう゛ぅぅ゛うう゛ぅう゛ぅぅ゛――――っ♡♡♡♡♡ ぅ゛~~~~~~~~~~っっっ゛♡♡♡♡♡」

 

 

 マスターの口内でくぐもった絶叫を上げながら、彼女は絶頂から戻って来れないポルチオアクメをしてしまう。本来ならばじっくりと時間を掛けて、子宮口――ポルチオ性感を開発しなければ、ポルチオ絶頂を味わうことは出来ない。

 

 しかし、精神的にも肉体的にも雄に屈服した雌は、与えられるものを全て快感に変換してしまう。アルトリア・アヴァロンが本質からMっ気が強いこともあり、簡単にマゾアクメを覚えてしまったのだ。

 

(――――っ♡♡ イ゛って゛るっ♡♡♡ イ゛っでるのに戻って来れに゛ゃぃっ♡♡ ぃひぃぃっ♡♡♡ イ゛っク゛ぅぅ゛う゛うぅ゛ぅう゛うう゛ぅぅ゛う゛うぅ゛ぅ゛――――っっっ゛♡♡♡♡)

 

 アルトリア・アヴァロンが今も味わっているポルチオ絶頂とは、クリトリスやG-スポットからの絶頂とは異なり、長い間オーガズムから戻って来れない。

 

 クリトリスでの絶頂が断続的に押し寄せる津波に例えるならば、ポルチオ性感での絶頂は絶え間なく押し寄せる濁流であった。彼女が絶頂の濁流に呑まれている間も、彼の亀頭は子宮をグリグリと抉るように快感を与え続ける。

 

 その快感はアルトリア・アヴァロンを更に深い深い絶頂へと誘い、霊基や座の記憶にもこの快感とマスターの存在を刻み付けていく。彼女の根幹を成す部分が、正しく"彼専用"に書き換えられていった。

 

 このアルトリア・アヴァロンの霊基に起こる変化は、彼女が聖剣の擬人化であることも大きく影響している。アルトリア・アヴァロンの"中核"が変化してしまえば、簡単に変化が起こってしまうからだ。

 

 アルトリア・キャスターがマスターと妖精國を旅した記憶が、アルトリア・アヴァロンを構成する大事な要素"春の記憶"となっていたのだが、彼と愛を確かめ合いセックスをする記憶も春の記憶に加わってしまったからだ。

 

 誇張抜きでマスター専用となったことを示すように、彼女の肉体が見た目から変化する。

 

 アルトリア・アヴァロンと深い関わりのある"妖精国の女王"と同じように、下腹部に彼の令呪のデザインがあしらわれた、ピンク色の淫紋がゆっくりと形作られてゆく。体内でもマスターのペニスにぴったりフィットするように、膣の形が変わっていた。

 

 彼専用のおチンポケースへと、アルトリア・アヴァロンは変わっていく。

 

 絶頂を伝える淡い桃色の光を放つ淫紋が完成する頃には、マスターのペニスの亀頭が大きく膨れ上がり、大きくずっしりと重たそうな睾丸がぐぐっと持ち上がっていた。

 

 ペニスを挿入してからずっとキスをしていた彼が、唇を離して射精することを彼女に告げる。

 

 

「――――っ。はぁ……はぁ……。射精すっ、射精すよっ! キャスターの子宮に射精すっ!」

 

 

 ある意味で"二度目"の生まれ変わりをしたアルトリア・アヴァロンは、蕩けた雌の甘えるような声で射精を悦ぶ。自分がマスターの鞘となることに歓喜が隠し切れず、彼の腰にしなやかな両脚を蛇のように絡み付かせた。

 

 マスターの首にも両腕を回し、だいしゅきホールドで彼の精を受け止める。

 

 

「~~~~~~~~っっ゛♡♡♡ キてっ♡♡ 我が命の精で種付けぇ……っ♡♡♡ 我が命専用の"鞘"に――――っっ♡♡ ィ゛――――っ♡♡♡」

 

 

 快感に呻くマスターが更に腰を力強く押し付け、緩んだ子宮口に亀頭が半分ほど埋没した時に、遂に気の遠くなる程に長い吐精が始まる。

 

 

「――射精るっ!」

 

 

 ――びゅるっ♡♡ びゅぶぶっ♡♡♡♡ ぶぴゅっ♡♡ ぶぴゅっ♡♡ ぶぴゅぴゅぴゅっ♡♡♡ ぶびゅるるるるるるるるるるるっ♡♡♡♡ どぷっ♡ どぷっ♡ どぷぷぷぷぷ――――っっ♡♡ びゅぷぷぷっ♡♡♡ びゅぷぷぷっ♡♡ びゅぶぶぶぶぶ――――っ♡♡♡ びゅぶるるるるるるるるるるるるっ♡♡♡ びゅぶぶっ♡♡ びゅるるるるるるっ♡ びゅる…………びゅ

 

 

「~~~~~~~~~~~~~~~っっ♡♡♡♡ ぁ゛――っ♡♡ ぁ゛ひっ♡♡♡♡ ぃひっ♡♡ いひぃぃ゛ぃいい゛ぃぃ゛っ♡ ……ぉ゛っ♡♡ ぉ゛っ♡♡ ぉ゛ぁっ♡♡ あ゛ぁあ゛ぁぁあ゛ぁぁ゛ぁああ゛ぁぁ゛ぁぁあ゛ああ゛ぁぁ゛ぁあ゛あ゛ぁぁ゛――――――――っっっっ♡♡♡♡♡♡」

 

 

 アルトリア・アヴァロンは部屋中に響き渡る、絶叫に近い嬌声を上げる。

 

 まるでお粥のようにドロドロとした火傷する程に熱い精が、大量に子宮内に注ぎ込まれる。子宮口と亀頭が隙間なく密着しているので、水風船が膨らむように精液でお腹がボテっと膨らみ続けていく。

 

 彼女の未来を示すような、妊婦と見紛うばかりに膨らんだお腹である。

 

 尿道口からはアンモニア特有のツンとした刺激臭のする、黄金色の体液をじょろじょろと放物線を描いて噴き出す。他にも少しでも快感を逃そうと涙や唾液、汗などの体液を流し続ける。

 

 しなやかな四肢をシーツの海を泳ぐようにバタつかせ、喉が心配になる程に嬌声を上げ続けた。マスターの長い吐精が終わっても、アルトリア・アヴァロンのオーガズムは終わらない。

 

 視界全体を赤黒い炎が埋め尽くし、脳髄が本当に焼き切れてしまったと錯覚する。体内で快感という名の音が何度も反響して、何倍にも増幅された快感が脳へと直接届いた。

 

 

「ィ゛~~~~~~~~~~~っっっ゛♡♡♡♡♡ ぉ゛――っ♡♡ はぁ゛♡………………はぁ♡…………はぁ゛っ♡♡♡ ィ゛ひっ♡♡ ぃ゛――――っ♡♡♡」

 

 

 目を剥く彼女は声にならない嬌声を上げながら、全身を瀕死になった羽虫のようにピクっ♡♡♡ ピクっ♡♡と、震わせながら快楽の底なし沼に沈んでいく。初めてのポルチオ絶頂からずっと戻って来ることが出来ず、更に深い絶頂に引き摺り込まれる。

 

 オーガズムに狂うアルトリア・アヴァロンの耳元で、マスターは微かに空気が振動する程に小さな声で愛の言葉を紡いだ。

 

 

「――愛してる。ずっと傍にいてね」

 

「――――――――っっ♡♡♡ ィ゛…………ク゛……ぅ――――っ♡♡ ぃ゛ぃ~~~~~~~~っっ゛♡♡ ィ゛…………っ♡」

 

 

(ずっ…………と、そば……にっ♡♡ いま…………す……っ♡♡♡)

 

 彼への返事のように淫紋をピカピカと眩しい位に光らせながら、アルトリア・アヴァロンは意識を手放すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 強制的に意識が覚醒させられたアルトリア・アヴァロンが、耳元でマスターに愛を囁かれながら、膣肉や膣襞を深いカリ首でゴリゴリと掘削される快感に悶え、彼の杭打ちピストンで子宮を突かれる快感に、獣のような嬌声を上げている頃――

 

 

『ん~~~? 見えないなぁ』

 

 

 花の匂いをさせる妖精のように美しい白髪の美少女が、首をコテンと可愛らしく傾げていた。う~ん、う~んと何かを思案するように唸っており、彼女には何か不可解なことがあったようだ。

 

 何故か虚空を見詰めている彼女に、アルトリア・アヴァロンの淫紋とよく似た"蒼色の淫紋"を下腹部に刻む美女が声を掛ける。

 

 

『――何を唸っているのですか? 余り五月蠅いと作業の邪魔なので、ここから追い出しますよ』

 

『酷いな~。ボクと"竿姉妹"なんだから、もう少し優しくして欲しいなぁ。この前なんて、ボクと精液を分け合うディープなキスだってしたのに……ねぇ? "モルガン"』

 

『あっ、あれは我が夫が悦ぶから、仕方なくしているだけです。それより唸っていた理由は何ですか? "マーリン"――早く答えなさい』

 

 

 この前のマーリンとのキスを思い出したのか、モルガンは白い肌を紅潮させ、捲し立てるように問い掛ける。その問い掛けにマーリンは、少しだけバツが悪そうにしながらも答えた。

 

 

『あ~……すこーしだけ気になって、モルガンの後輩とご主人様のエッチを"覗こう"としたんだけど――何でか"見えない"んだよ』

 

 

 マーリンの"覗き癖"に、モルガンが心底呆れた表情を浮かべる。

 

 彼女が"ご主人様"と呼ぶマスターに、屈服する原因にもなった"千里眼"を使った"覗き"を懲りずに続けていることに、呆れることしか出来ない。

 

(――いえ、もしかすると我が夫からの"お仕置き"を、期待しているのかもしれません。我が夫にお尻を叩かれながらするセックスは、癖になってしまいますからね……っ♡♡♡)

 

 脳内でお仕置きエッチをされた時のことを思い出して、モルガンの蒼色の淫紋が僅かに光る。見た目は冷徹で近寄りがたい美人だが、彼女も覗きをするマーリンに負けない位にスケベなことで頭が一杯であった。

 

 そんな脳内のスケベな妄想を一切外に漏らさず、モルガンはマーリンを注意する。

 

 

『――全く何をしているのですか。そう言った出歯亀行為は、古来から碌な結末を迎えないと相場が決まっていますよ』

 

『ふふっ、大丈夫だよ。仮にも神代クラスの魔女が二人もいて、覗き位で対処出来ない結果になる訳無いよ』

 

 

 マーリンは自信満々といった様子で答えるが、俗に言う"フラグ"を見事なまでに立てていた。本来ならば全てを見通す千里眼を持つ彼女に、不測の事態などありえないのだが、何事にも例外は存在する。

 

 自らフラグを立てていることに気付かずに、マーリンはスケベな表情を浮かべてモルガンに提案をした。

 

 

『……それよりも覗いてたのがご主人様にバレて、お仕置きセックスの方がありえそうじゃないかい?♡♡ ――その時は"連帯責任"で、一緒にどう?♡』

 

『――――っ♡♡♡ いっ、良いでしょうっ♡♡ 私も水鏡で覗いてみます』

 

 

 ――訂正しよう。

 

 モルガンとマーリンは、同じ穴の狢であった。

 

 愛するマスターが関わると途端にポンコツになる二人は、先程の出歯亀が碌な結果を生まないという言葉も忘れて、覗き行為に神代の魔術を戸惑うこと無く行使する。

 

 現代の魔術師がそれを目撃すれば、こんな低俗で下らないことのために使われる魔術の難易度に発狂することだろう。しかし、世界がマスターを中心に回っている二人にとっては、根源への到達よりも遥かに優先するべきことだった。

 

 斯くして無駄に高度な魔術によって、マスターの部屋の様子が映し出されることになるかと思われたが……

 

 

 ――二人が目に映ったのは、大きなダンゴムシだった。

 

 

 虫を大の苦手としているモルガンは、反射的に自身の持つ最大火力となる宝貝を展開する。しかし、ここはカルデアの内部であり、こんな所で大規模な破壊が起これば、大きな問題となることは火を見るよりも明らかであった。

 

 

『~~~~~~~~~~~~~~~っ!!??』

 

『"モルガン"待っ――――』

 

 

 モルガンを止めようとしたマーリンの制止も間に合わず、カルデアは文字通りに"半壊"するのだった。

 

 半壊の原因となった二人は、罰としてカルデアを修復するまでの期間、マスターとの接触が禁止となったのは仕方のないことだろう。

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 モルガンがカルデアを半壊させる原因となった、大きなダンゴムシの背中に腰掛ける"男"がいた。その男は背中にトンボのような羽が生えており、男にしては長い灰色の髪を押さえるように、冷たい青色の王冠を被っている。

 

 確証は一つとして無いがマーリンの千里眼を妨害し、モルガンが苦手な虫を水鏡に出現させたのは、この男で間違いないだろう。そんなことが可能なのは、カルデアには■■■■しかいない。

 

 心底つまらなそうな表情を浮かべる■■■■は、ドブ川に唾を吐き捨てるかのように言葉を紡いだ。

 

 

『――バカ同士……"短い間"…………"不幸になれ"』

 

 

 この『バカ同士』が誰を指しているのかは、本人にしか分からない。

 

 しかし、その後の言葉は口にしたこと全てが反転する■■■■にとっては、最大限の"祝いの言葉"だったのは間違いないだろう。世界を憎む男が"誰か"を祝福することがあるのだとすれば、それはきっと――

 

 

 ――同じ悪意の中で生きた"少女"と敵だが嫌いになれなかった"青年"の、二人だけだろう。

 

 

 世界を嫌う大嘘つきの■■■■は、幸せを手に入れた二人を思い、僅かに両の口端を吊り上げるのだった。




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