※この作品はR-18です。

オルタはお嫌いですか?   作:濁り丸

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番外編:最強種は屈服を覚える-2

「――んっ♡♡ はぁ……っ♡♡」

 

 

 艶めかしく熱っぽい吐息と共に、銀髪の少女は黒髪の青年の首筋から唇を離す。

 

 自分の"下"にいる彼に視線を向けて、熱くネットリとした"捕食者"が獲物に向けるような視線を送る。そして、彼の耳元に可憐で小さな桜色の唇を近付け『ふーー……っ♡♡♡』っと、右耳の孔に向かって息を吹き掛けた。

 

 耳に伝わる温かく湿り気を帯びた風を受け、息を吹き掛けられた耳に青年の神経が集中してしまう。相手のトクントクンと高鳴る心臓の鼓動すら、耳を澄ますことなく聞こえてしまいそうである。

 

 

 ――そして、骨伝導だけで話していることが分かりそうな程に口を近付けると、嗜虐心が僅かに滲む鈴の音のように美しい声でソッと囁いた。

 

 

「私でしか気持ち良くなれなくしてあげるッ♡♡♡」

 

 

 彼女は視線を黒髪の青年がいる下の方に向けると、両手を手枷を用いて拘束した彼の汗ばむ首筋に、端正な作りの顔をグイッと近付けた。自身の鼻先が青年の首筋へと触れてしまいそうな程に、近しい距離感である。

 

 互いのパーソナルスペースが完全に侵入しており、肌に触れていなくとも体温を感じられた。

 

 少女は彼と殆ど密着した状態のまま"クンクン"と鼻を鳴らし、男性らしい汗の匂いと爽やかな石鹸の混じった匂いを嗅ぐ。小さな小鼻がヒクヒクと動いており、肺の中の空気が一杯になるまで青年の匂いを取り込んでいた。

 

 

 ――自分の『番となるオス』の匂いを覚えるように堪能する。

 

 

 "複数のメスの発情臭"が染み付いていることは気に食わなかったが、それでも彼の匂いは少女にとっては甘美なものであった。『異性の中で良い匂いだと思える相手とは、色々と相性が良い』などと言われることもあるが、銀髪の少女にもそれは当て嵌まったようである。

 

 このまま二十四時間――それこそ"永遠"に嗅ぎ続けても、良いと思える程であった。

 

 しかし、匂いを嗅いでいるだけでは満足が出来ない彼女は、鼻先を寄せていた首筋に瑞々しい桜色の唇を近付ける。唇が首筋に触れる寸前に口を大きく開いた少女は、自分という存在を青年の身体に刻み付けるために、そのまま首筋の肉に『カプっ♡』と噛み付いた。

 

 

「――んっ♡♡」

 

 

 黒髪の青年――"藤丸 立香"の太く逞しい首の筋に、チクリと細い針を刺した時のような痛みが走る。

 

 太ももまで伸ばされた銀髪が美しい小柄な少女――"メリュジーヌ"は、マスターが自分のモノであると主張をするようにマーキングをした。彼女が行ったマーキングとは、肌を『ちゅーーっ♡』と、音が出る程に吸うことで作られる内出血――俗に言う"キスマーク"では無い。

 

 

 ――それよりも"自分"という存在を、相手の身体に"深く"刻み付ける行為であった。

 

 

 彼女は甘噛みをしていた状態から、首筋を噛む力を少しずつ強めていく。

 

 

「――――ッ」

 

 

 メリュジーヌのマーキング行為により、マスターは小さな呻き声を上げる。

 

 彼女が具体的に何をしたのかと問われれば、彼の首筋に犬歯を突き立てる"傷痕"を作ることであった。肉食獣を彷彿とさせる鋭い犬歯により、余り痛みも無く首筋の皮膚を貫通して、等間隔に点のような二つの傷が出来上がる。

 

 ほんの少しではあるが確かに傷付いた皮膚の上から、ルビーブラッドの宝石を思わせる朱色の血がジワリと傷口から滲み出す。

 

メリュジーヌの舌先には、微かに鉄臭い血液特有の味がしていた。

 

 

「ふぅ……っ♡♡♡ んっ♡♡ んぅ……っ♡♡♡」

 

 

 彼女はマスターの首筋に噛み付いた状態のまま、喘ぎ声とも色っぽい吐息とも判別がつかない艶めかしい声を口端から呼気と共に漏らす。それは桜色の唇に走るジンジンと痺れるような"快感"に因るものも確かにあったが、精神的な部分での"満足感"により漏れ出た声のようにも思える。

 

 彼に付けた"傷"は正しく自分が愛おしいと想うマスターのことを"傷物"にした証であり、他の女達へ向けた『私が彼の恋人だよっ♡♡』という牽制でもあった。最も独占欲が暴走している状態の彼女は、マスターは"自分のことだけを考えていてくれれば良い"と思っているのだから。

 

 彼のことを独占する生活を妄想して、メリュジーヌは恍惚とした表情を浮かべていた。

 

(マスター美味しぃ……っ♡♡♡ それに私だけを見てくれるマスター♡♡ うん……良いねっ♡♡♡ それはとっても"素敵"なことだよ♡♡ カルデアの仕事にも他の女にも構わないで、私だけを愛してくれるマスター……良いなぁっ♡♡)

 

 メリュジーヌは"恋人"の首筋に、自分が付けた傷跡が残ることを想像する。彼女の琥珀のような色合いをした引き込まれそうな程に美しい瞳は怪しい光を帯びており、本人は意図していないのだが無意識の内に、彼の首筋に吸い付けている唇の端を上げていた。

 

 

 ――穢れを知らない少女とは思えない、淫らなメスの表情を浮かべている。

 

 

 その"微かな笑み"の正体とは、彼に好意を寄せている他の女性達に対する優越感の表れであり、マスターのことを支配したいという欲求が満たされていく証でもあった。

 

 しかし、生まれた瞬間から強大な生物である竜とは、古来から金銀財宝といった宝を奪い自らの巣の中に蓄え、欲望のままに美しい女を攫う『強欲な存在』だと、色々な国や時代の伝承やお話の中に残されている。

 

 そんな強欲な竜という種族の中でも、原初にして最強の竜――アルビオンが元となった存在であるメリュジーヌともなれば、それこそ無限にも思える欲望を持っていることは当然の帰結であった。

 

()

 

 弱肉強食という野性の世界に於ける絶対のルールに沿い、弱者は強者に従うべきだという考えが本能にまで染み付いている。結果的に他者とのコミュニケーションに齟齬が生まれ易く、自分よりも弱者であるマスターは強い自分に従うべきだと自然に考えてしまうのだ。

 

 

 ――実際に竜という存在は、生まれながらの強者である。

 

 

 生存競争に於ける弱者のように他者に気を使ったり、周囲の状況や他者の意見に合わせる必要性が皆無であった。そのため人間などの社会性を重視する存在から見れば、傲慢にも思える性格となりがちなのだ。

 

(一番強い私のこと"だけ"をマスターは、構ってくれれば良いんだよ……っ♡♡♡ もう私以外に構っちゃ"イケナイ"って教えて上げないと♡♡♡ 私だけを見て、私だけを感じてくれれば良いんだからね♡♡)

 

 

「ちゅぅ――っ♡♡ んっ♡♡ ふぅ……っ♡♡♡」

 

 

 もっと、もっと――そんな相手を求めて自分"だけ"のモノにしたいという欲求が、湧き水のようにトプトプと胸の内から湧き上がる。溶岩のように熱くドロドロとした欲望を、少女は抑えるつもりは微塵も無く、今回のようなマスターの拉致・拘束を行ってしまったのだから止まる筈も無かった。

 

 それこそが人とは違う竜や妖精のような精神構造をしている証拠であった。だからこそ今回、自分だけでマスターを"独占"するために誘拐をしたのだ。異聞帯で女王モルガンが、メリュジーヌに妖精騎士"ランスロット"の名前を与えたのは間違っていなかったらしい。

 

 

「――ッ♡♡♡ んぅ……っ♡♡ ちゅぅ♡♡♡」

 

 

 メリュジーヌの唾液に濡れた舌先によって、マスターの首筋はチロチロとねちっこく舐められる。

 

 子猫がミルクを飲む時にも似た舌の動きのようでもあり、女が男の肉棒に奉仕をする時のようなイヤらしい舌使いのようでもあった。彼女は口中で舌先をキュッと尖らせると、その先端を彼の傷付けた首筋の肌に這わせ上下左右に動かす。

 

 まるで舌だけが別の生き物であるかのように艶めかしく動き、少しずつ滲んでいく血液を舐め取っていく。

 

 一般的に擽ったいと感じやすい部位である腋や足の裏などと同じように、首筋を生温かく柔らかな舌先で舐められると、マスターも思わず身を捩ってしまいそうになる。しかし、両腕を手枷で拘束されているため、彼は満足に身体を動かすことも出来はしない。

 

 自分の身体の下で身体を動かそうとしているのを感じとったメリュジーヌは、唇を離すとマスターのことを挑発でもするかのように話し掛けた。小さく白い両手を彼の両頬に添えると、彼の空を思わせる蒼色の瞳をジーっと覗き込んだ。

 

 

「ちゅぅ――っ♡♡♡ んっ、はぁ……っ♡♡ ふぅ……手は拘束されて私が上に乗ってるから、マスターは動くことも出来ないよねっ♡♡♡ 私に勝てないマスターは、これからずっと♡♡♡ ずぅっと……っ♡♡ 私と気持ち良くて"イイコト"をするんだよっ♡♡ ――――ッ♡♡♡」 

 

 

 メリュジーヌはまるで野生動物が匂い付けでもするように、マスターの身体の上で身体を前後に動かしてズリズリと擦り付けていた。傍から見れば既にセックスをしているかのように見える程に、お互いの下腹部がピッタリと密着している。

 

 

「ふぅ――っ♡♡♡ んっ♡♡ これからは私以外の匂いが付かないようにっ♡♡ んぅ……っ♡ いっぱい匂いの交換っこしようねっ♡♡♡ んぁ――ッ♡♡」

 

 

 艶めかしい吐息を吐き出しながら、メリュジーヌは身体に汗が滲む程に身体を動かす。運動で体温が上がっていると言うよりも、性的な興奮によって体温が上がっているらしい。

 

 部屋の中に甘酸っぱい汗の匂いと共に、発情したメスのフェロモンが撒き散らされていく。

 

 

「んっ……ふぅっ♡♡ マスターに付いてる"女のニオイ"……っ♡♡♡ はぁっ♡♡ 私が全部、塗り替えて上げるからっ♡♡♡ ――あぅ……っ♡♡」

 

 

 成熟前の小柄な身体であったとしても、彼女の身体はマシュマロのように柔らかかった。体温が普通よりも少し低いことも心地が良く感じ、ずっと肌が触れ合っていたとしても不快感を覚えることは無いと思えてしまう。

 

 

 ――身体が触れ合う快感を感じ取り、マスターのペニスにも少しずつ血流が集まっていく。

 

 

 メリュジーヌの下腹部に腹筋とは違う硬い"何か"が当たるようになり、小柄で華奢な身体を持ち上げてしまいそうな程に大きくなっていった。服越しなのに下腹部から伝わる"熱"に、身体が火傷してしまいそうだと感じる。

 

 服という遮蔽物があるのにも関わらず、怒張していくペニスの存在感は凄まじいものがあった。逆に長大なペニスを目で見ていないからこそ、大きく熱を持っていくペニスを下腹部の肌で感じられる。

 

 彼女も"ソレ"の存在には気が付いており、マスターが自分に興奮して"交尾"をしたくなっているのだと分かり、嬉の感情で顔がニヤリと悦に入った笑みを浮かべてしまう。若干、イメージしていたよりも"ペニスが大きい"かも知れないと不安になるが、その程度ではメリュジーヌの最強種としての自信は崩れない。

 

(ぁ――ッ♡♡♡ 私のお腹でマスターのおチンポが、段々大きくなってるっ♡♡ ぁんっ♡♡♡ 服越しなのに熱くて、身体が浮き上がっちゃいそうな位に硬くて逞しぃ……っ♡♡ ぁ――っッ♡♡♡ でも、私の体力に人間のマスターが勝てる訳も無いからッ♡♡ あぅ……っ♡ まっ、マスターが『もう休ませてくれ』って言っても♡♡ 絶対に止めて上げないんだっ♡♡♡ わっ、私だけを……っ♡♡)

 

 自分の下で快楽に呻くマスターを妄想して、下腹部がキュンキュンと疼くのを感じていた。

 

 小振りだが形が良くハリのある美尻やまだ成熟し切っていない薄い恥丘を覆う純白のショーツには、少しずつ"湿り気"が帯びていく。

 

 本当は余裕を持った態度をマスターの前では取りたいのだが、下腹部同士を押し付けた状態で身体を前後に動かして"匂い付け"をしているため、ショーツやズボンの布越しにぷっくりと膨らみ始めたクリトリスが必然的に擦れてしまう。

 

 我慢が出来ない程に蜂蜜のように甘ったるい嬌声が漏れ、自分からは腰をカクカクと動かすことを止められなくなっていた。彼のペニスを用いた自慰行為に彼女は耽り、全身を『ピクっ♡♡ ピクッ♡♡♡』と震わせるようになる。

 

 

「んぅっ♡♡ これ気持ち良ぃ……っ♡♡♡ あっ♡ あぁ……っ♡♡♡ ――んぁッ♡♡」

 

 

 ――ショーツの秘所部分に舟の形をした"シミ"が出来るのは、時間の問題であった。




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