童磨と琴葉は二階にある個室、交遊の間にいた。
薄暗い証明の中に布団が一組敷かれており、枕が二つ並べてある。
琴葉はやっと個室に辿り着けたことに胸を撫で下ろしていた。
しかしこの布団は眠るために敷かれた布団ではなく、ここからが本番であることを琴葉は甘くみていた。
客とこの部屋にいられるのはたしか一時間。
延長料金はバカ高いため、湯屋の間ですでに二回も射精しているし、さすがの教祖様も延長はしないわよねと琴葉はふんでいた。
(あと一時間。伊之助待っててね、母さん頑張るからね…そうよコレも立派なお仕事よ…強く生きるために、わたしは何だってやるわ…そうだわ、お客様に要望を聞くようにって…)
琴葉は店員から受けた説明を思い出した。
「あの、教祖様…ちょっと休憩してお飲み物でも召し上がりますか?わたし、教祖様のご要望に添えるようにします」
「んー…」
童磨は何故か琴葉のこの物言いに違和感を覚えた。
(なんか違うんだよねえ)
童磨にとって琴葉はペットで自分は飼い主だ。
手懐ける立場であるのに、ちょっと逆になってないかと彼は思った。
思えば湯屋の間でもイくつもりなどなかったのに知らずにイかされていた。
そして気になるのは琴葉がそういうことにとても慣れているということが垣間見えることだ。
普通にしていれば、清純そうな顔をしているくせに脱ぐといやらしい生き物と琴葉は化してしまう。
「ねぇ琴葉、ちょっと聞きたいんだけど…」
「はい。なんでしょう」
「琴葉って実はこういうの慣れてるでしょう」
「え?いえ…慣れてるっていうか、夫にしてあげてただけです」
「・・・・・」
「夫はその…してる時はすごく優しい人で…だからその…色々と」
「琴葉黙って!」
童磨が声をあらげたので琴葉はビクリとする。
童磨は不快だった。
(あの男、暴力を奮っていたくせにやたら琴葉を返せとしつこかったのはこのためか)
その琴葉の夫は童磨が殺して山へ捨てたのでもうこの世にはいない。
いないのだが、琴葉がその夫とさっきしたようなことをしていたという事実を知らされ傷ついている自分がいることを童磨は思い知らされる。
こんな感情なら不要だと童磨は思うが、しかし直ぐに思い直す。
琴葉の今の飼い主は俺だ、と。
「あの、教祖様ごめんなさい。わたし何か気にさわるようなことを」
声をあらげた童磨を心配して、琴葉がおそるおそる訊ねてきた。
童磨は「他の男の話はしないで俺だけのことを考えて俺だけを見るように」と琴葉の頭を撫でながら言い聞かせるように言った。
琴葉は反省した。
お客様の前で別の男の話をしてしまったことを。
(むー…これは…琴葉の身体から前の飼い主を追い出して、今は俺が飼い主だよって教える必要があるね)
童磨は布団へ入り琴葉を手招きした。
「おいで琴葉。可愛がってあげるから」
「え?」
可愛がるとはどういう意味なのだろうか。
ただ頭を撫でるだけではないということはわかるが、お客様を可愛がる…性的なおもてなしをするのはわたしの役目じゃないのかしらと琴葉は思う。
戸惑う琴葉に童磨が言う。
「俺が琴葉を可愛がった後で、琴葉がいっぱい俺におもてなししてくれればいいよ。それが俺の要望」
「は、はい。わかりました」
琴葉も布団に入り、そっと童磨の隣にその柔らかな身体を横たえる。
実は童磨の二度めの射精後、お互いに湯屋の間でシャボンを作り、仲良く洗いっこをした。えっちなことを交えながらの洗いっこだったが隅々まで綺麗に洗いっこしたのだ。
その甲斐あってか肌はしっとりとしていていい匂いがして抱き締めあうとなんと気持ちの良いことか。
童磨は背が高く、逞しい身体をしており、その筋肉質な腕に抱き締められた琴葉は、自分の細くか弱い腕との違いを改めてひしと感じた。
男なんてみんな同じだと思っていたが、DV夫と童磨の身体は全然違った。
もちろんアレの大きさも長さも違う。
童磨のほうが逞しくて雄々しくて琴葉の好みだった。
湯屋の間では余裕がなかったので何も感じなかったが、琴葉は何だかとても照れてしまい子宮が疼いてしまう。
一方の童磨も自分の腕にすっぽり包まれる琴葉を可愛いなあと思っていた。
抱き心地もいいし、吸い付くような肌の質感は魔性の肌と呼ぶに相応しく、もう離れられる気がしない。
(さて、ヤるか)
琴葉は色白で、その顔は化粧などで誤魔化さなくても美しかった。
睫毛は長く、瞳は珍しい緑色をしており転げ落ちてしまいそうなまるい大きな瞳だった。
横向きだった態勢を変え、童磨は琴葉を下に組み敷いた。
そしてその瞳に映る自分を確認してから、琴葉の緑色の瞳に口吻けた。
「きゃ?」
琴葉は眼をかたく閉じるが、童磨は舌で瞼を抉じ開けてその眼球までもを口吻けて舐める。
眼に童磨の唾が入り琴葉は更にきつく眼を閉じるが、童磨は閉じられた瞼の上から眼球の丸みを確かめながら舐めまわした。
「・・・」
舌が離れていった気配を感じ、琴葉がおそるおそる瞼を開くと、童磨の虹の瞳が間近にあり近づいてくる。
「やッ…」
琴葉は思わず顔をそむけてしまった。
なんだかこわかったのだ。
しかしそむけた顔は直ぐに戻されて顎クイをされ、琴葉の緑の瞳は虹の瞳で射ぬかれる。
童磨の逞しい胸と琴葉の柔らかな胸がきつく触れあい鼓動が響きあった。
童磨は胸と胸を貼りあわせたまま、亀頭を咥えていた琴葉の淫らな唇を舐め回す。
「ん、ぁ…」
すると閉じていた琴葉の唇が少し開かれ、すかさずその隙間に舌を挿し込んで、並んだ真珠のような歯列を舌でなぞった。
そして本能のままに舌を深く捩じ込む。琴葉の身体が一瞬震えたが、その口内は抵抗することなく童磨の舌を受け入れた。
しかし琴葉の舌は縮こまって、童磨の舌の侵入をこわがっているようだった。
童磨はその小さな舌をとらえて犯す。
逃げようとする琴葉の舌を舌で追いかけて縺れさせて犯す。
何度も何度も犯してから、そのなめらかな口内に唾液を流し入れると、
「は、んふッ…」
溺れたようにその流し込まれた唾液を琴葉は飲み込もうとする。
クチュクチュという慣れないリップ音が響き二人の官能を刺激しまくった。
…チュ…ンッ……チュ…ンハァ… チュ…チュ…
唇と唇、舌と舌はにゅるりとした生き物のように縺れ合い、まだ解けることをしない。
琴葉は差し出された童磨の舌をフェラをするかのように一生懸命に吸っていた。
いや、吸わされていたと言うべきか。
童磨はそのままくるりと態勢を変えた。
自分が下になり、琴葉を上にした。そして、
「次は俺に飲ませて…琴葉の唾…」
真面目な顔をして言った。琴葉は戸惑う。
夫とはこんなキスはしたことがなかったからだ。
「・・・」
琴葉が戸惑っていると頭をかき抱かれ、更に引き寄せられいったん離れた唇がまた近づく。
琴葉は口の中で唾を溜め、自分から童磨へ口吻けて、彼の口内に唾液を流し込んだ。
童磨は琴葉が唇を離せないように、琴葉の頭をおさえつけながらその甘露な唾を受け取った。
混ざり合った唾液がジュルジュルとさっきよりも激しい水音を響かせる。
童磨からは我慢汁が垂れ、琴葉はマン汁を垂れ流し、上も下も二人はもうぐちょぐちょだった。
琴葉はキスに酔ったのか、酸欠なのか、頭がボーっとしていた。
「いい子だね、琴葉」
たかがキスだけでこんなに感じたことがかつてあっただろうか。
いや、無いなと童磨は思った。
童磨は琴葉の頭を撫でながら、感じることができたことをまた嬉しく思う。
童磨が琴葉の股の間にそっと触れると、ぬめった液体が指に付着した。
その指を、童磨は琴葉の眼の前に持っていき見せた。
「いやッ…」
琴葉の顔が羞恥でみるみる赤くなる。
「恥ずかしがらないで琴葉…俺も同じだから。見てごらん」
童磨は亀頭の先にある鈴口から垂れた透明の先走りの液体を琴葉に見せた。
「あ…」
部屋の中が、湿ったえっちな空気で充満しており、その空気が琴葉に纏わりついて、眼も頬も身体も熱を帯びて、どこを触れられてもイってしまいそうなほど琴葉の身体は敏感になっていく。
(やだ教祖様ったら…わざわざ見せる必要なんてないのに)
真っ赤になってうつむいた琴葉を童磨はかき抱いて白い首筋にきつく吸い付いた。
「ぁぁん」
手は琴葉の乳房の重みを感じながら揉みしだき、唇は
「はぁ…ぁん…ぁ、ぁァ」
乳首をコリコリと摘ままれてひっぱられ、チュッと吸われる唇の感触が気持ちいい。
敏感なクリトリスを触られたわけでもなく、挿入されて責めたてられているわけでもないのに琴葉は乳首でイってしまいそうになる。
童磨の唇は首筋を通過し、鎖骨を通過し、ついに胸元に到達した。
仄紅い印は鎖のように繋がってつけられており、当分消えそうもない。
童磨はもちろん、琴葉のその豊かな乳房にもたくさん印をつけた。
童磨は入店の際に渡された紙の禁止事項にキスマークをつけるのはNGと書かれていることを知っていた。
次の客が不快な思いをするのを防ぐためだ。
しかしそんなことは童磨にはどうでも良かった。
琴葉の飼い主は彼なのだから。
初感想と初評価をいただき感動しております。
おかげで妄想と指の動きが加速中です。
ありがとうございます。頑張ります。