琴葉が性風俗店へ売られるという事件が発生してから数ヶ月が経過し、季節は夏になろうとしていた。
鬼である童磨は太陽の下に晒されると灼かれて消滅してしまうため、日照時間の長い夏は幾分か引きこもる時間が長い。
だからたまに雨が降ると気分が良くなる。
今日は朝から雨が降っており、童磨は琴葉に餌付けしようと太陽を気にすることなく寺院の廊下を渡る。
その手にエサである桃を抱えて。
すると背後から信者の女に声をかけられた。
「あのっ…教祖様!二人っきりでお話致しませんか?」
童磨は振り返って、その虹の瞳に女を映す。
実は童磨はとても女にモテた。
いつも優しげな笑みを貼り付けながら穏やかな口調で話し、容姿もとても良い。
モテないはずがない。
童磨目当てで入信した女性もおり、彼は喰う女には全く困っていなかった。
二人きりで話したいと言う女性を、童磨はもちろん無下にはしない。
通りかかった別の信者に琴葉に桃を届けるように頼み、いつも女を殺して喰う禁断の間へその女を招いた。
「俺とどんな話がしたいのかな?」
穏やかに優しく喋る童磨に女性は頬を染めながら着物を脱ぎ始めて、帯をほどき胸を露出させた。
童磨はまたかと思った。
実は過去にもこのようなことが何度かあったのだ。
「よろしければこの
女は身体をくねらせて、自信ありげに童磨を誘惑してくる。
(下品な女だなぁ…)
扇で口元を隠しながら童磨は思う。
女は巨乳だったが、デカければ何でも良いというわけではない。
童磨にも好みがある。
けれどたまには琴葉以外の女にさせてみるかと思い、
「
女にいつもの口調で言った。
女は童磨に受け入れてもらえたと思ったのか、童磨の前に跪いて、嬉しそうに腰のベルトをゆるめて彼のペニスを取り出して、口に含んだ。
随分とまあ美味そうにしゃぶるなあと童磨は思う。しかし女のそんな姿を見てもただ滑稽にしか見えない。
それに、前戯もなしにいきなりしゃぶりつかれ気持ち良くもない。
琴葉なら母乳ローション→手コキ→たまにパイズリ→フェラの順番にしてくれて、最中の琴葉の苦しそうな顔や表情の変化だけでも、出そうになることがあるのにと思う。
「ありがとう。もういいよ」
女はその後すぐに頸をはねられ童磨に喰われた。
琴葉の母乳を毎日吸っている童磨は女を喰う人数がやや減少していた。
母乳の材料が血液であるからなのか、単に栄養分が高いからなのかは定かではないが、とにかく減少していた。
けれど減少しているからと言って弱くなってはおらず、寧ろ強くなっている。
新しい血鬼術も開発した。
正直人間を喰らった後は、跡始末が面倒だった。
血液が飛び散らないように美味く喰う方法を色々試したが、やはり滂沱の血が流れ出す新鮮な人間が一番美味い。
血で辷る足袋を脱ぎ捨て、付着した血液を洗い流し、教祖服から涼しげな浴衣に着替えた童磨は、琴葉と伊之助に与えた部屋へ向かっていた。
ペットは一匹でじゅうぶんだなと思いながら、その部屋の障子を開ける。
すると琴葉は伊之助に添い寝しながら一緒に昼寝をしていた。
やはり遅かったかと童磨は悔やんだ。
琴葉が伊之助に乳を与える時間に合わせて足を運び、その流れで自分も琴葉のおっぱいを吸う、そう計画していたからだ。
けれどさっき女を一匹喰って栄養補給はしたのでまあ今日はいいかと思う。
見ると琴葉も伊之助も浴衣を着ており、暑いせいかかなり着崩れしており乱れていた。
伊之助はまあいいとして、琴葉は襲われても文句は言えないほどに脚が露出しており、童磨は忍び足で近寄ってめくれあがった浴衣の裾に手を入れて、琴葉の桃尻を撫で回す。
そして琴葉が手作りしたという紐パンティを剥ぎ取る。
その感触で琴葉はハッと眼を覚まし、ニコリと微笑んでいる童磨に眼で訴えかけた。
伊之助が寝てるから起こさないでねと。
童磨はうんうんと頷いて、横向けになっている琴葉の背後に寝転んでそのままふわりと抱きしめた。
琴葉からは微かに甘い桃の匂いがするので、童磨はエサの桃を食べたんだなと思う。
あの日から、二人は毎晩セックスをしていた。
夜だけでなく、たまに昼間もこんなふうにして始まることがある。
琴葉は明るい時間は恥ずかしいから嫌だと最初は拒んでいたものの、一度強引に昼間にやられてから開きなおったのか気に入ったのかわからないが、今では求められると嫌がることなく応じていた。
童磨と琴葉の関係は、童磨から見ると琴葉は癒しのペット。
琴葉から見ると童磨は衣食住の提供者。
そしてその代わりに自分は身体を提供しているのでフェアな関係だと思っていた。
そして琴葉は童磨に感謝もしていた。
世間では手軽に遊べるようになった分、性病のリスクが高まり琴葉のように若い女性が病気の犠牲となっていることを、彼女は風俗店から寺院に戻った後で信者の年配女性から聞かされたのだ。
そんなこんなで、連れ戻してくれた童磨に琴葉は感謝し、受け入れていた。
童磨が背後から密着してして来たので、琴葉は帯をゆるめ、童磨は帯をほどきにかかる。
帯がほどけたら琴葉は童磨の方へ向き直り、近づいてくる唇を受け入れる。
伊之助が起きてしまうので、絶対にえっちな音や声を出さないことは暗黙の了解だったが、それはかなり難易度が高かった。
いつものように舌と舌の追いかけっこをして高めあって唇を離すと唾液が糸ひき煌めいて益々えっちな感情が高まるが、琴葉は違和感に気がついた。
今日のキスは何だか血の味がすると。
気になった琴葉は声を潜めて童磨に問う。
「教祖様…お口の中切れてないですか?なんか血の味がします」
「!!」
童磨の心臓がひとつ跳ね、不安の
さっき喰った女の血に琴葉の舌が反応したのだろうか。
(この息苦しさは何だ?額から脂汗が出るほどの…)
琴葉は童磨を鬼とは知らず人間だと思っている。
そもそもこの世に鬼が存在していることさえ琴葉は知らない。
人喰いがバレたら間違いなく気持ち悪がって拒絶するはずだ。
琴葉は頭は悪いがたまに鋭くなると知っていながら迂闊だったと童磨は思う。
「そう、さっき唇の裏を噛んじゃって…」
「え?どこですか?」
「見えにくいところ。琴葉は桃の味がするねえ」
「桃、とっても美味しかったです」
ありがとうと言って無邪気に微笑む琴葉を見て童磨の息苦しさは霧消していく。
とにかくこの関係を維持するためには琴葉に人喰いは絶対バレてはならないのだ。
「でも教祖様…ちょっと顔色が悪いみたい。きっとお疲れなんですよ…今日はこのままお昼寝しませんか?ね、そうしましょう」
しかし童磨がそんな
やんわりと遠回しにえっちを拒否してくる琴葉に、そんなスキルはなかったはずだと思い、誰か他の男と通じたのではと疑ってしまう。
童磨は琴葉に顎クイをして琴葉の緑色の眼を射抜くように
琴葉はキョトンとした眼で童磨の虹の眼を凝視め返す。
琴葉の眼は澄んでおりいつもと変わりはない。
疑念は晴れた。
それに琴葉の身体には、あの日よりは少数だが童磨の印が散らされている。
通じる気など起きないように。
毎晩セックスする関係なので、二人はある程度非言語でもコミュニケーションをとることができるようになっていた。
童磨の眼が昼寝はしないよと言っていることがわかった琴葉は行動を開始する。
童磨も無言で動き、浴衣の腰紐をほどいて琴葉を静かに導く。
琴葉は着ていた浴衣をそっと脱ぎ捨てて仰向けになった童磨の顔のほうに下半身を向けて四つん這いになり、いつもの69スタイルになる。
琴葉が童磨の浴衣の腰回りをめくると、琴葉の手作り紐パンが眼に飛び込んできた。
自分の紐パンティを作る時に童磨の分も作ったのだが、ちゃんとサイズが合っているのか心配だった琴葉はそれを見て安心した。
(ピッタリだわ)
そして何より童磨がその紐パンをはいてくれたことが琴葉は嬉しかった。
少しサワサワしてから琴葉は慣れた手つきでその紐パンをスルリと剥ぎ取る。
するとすでにかたくなったスティックが露になる。最初の頃の琴葉は毎回この大きなモノに怯んでいたが、見慣れると可愛いもので挿れると気持ちいいし、今では愛おしく感じてしまうほどになっていた。
四つん這いになった琴葉の肢体はエロく、おっぱいが垂れ下がってユサユサと揺れており、長い黒髪と乳首が腹回りに触れると童磨の身体はビクビクと震える。
童磨はその揺れるおっぱいでペニスがピシピシと
琴葉はおっぱいでスティックを
伊之助が寝ている限られた時間、それもいつ起きるかわからないので、とにかく琴葉はスピーディーに事を進める。
童磨もそれは同じで、前回などはちょうどいいところで伊之助が起きてしまい、中途半端で終わったために、その日は四六時中悶々として過ごすことになったからである。
童磨は琴葉の尻肉を掴みながら琴葉のパイパンを舐めまわしてクンニをはじめる。
ピチャピチャ…ジュル…ジュルル
どうしても僅かなクンニの音がするのは仕方ない。童磨は舌を存分に這わせてもっと舐めてと蜜を滴らす琴葉のパイパンを舐めて吸ってを繰り返す。
「んふッ…んー…んんッ…」
童磨のスティックを頬張りながら琴葉は必死に快感を
童磨はクンニをやめ、泉のように溢れてくるえっちな汁を勃起したクリトリスにぬりたくってから指で弄りまわした。
「─────────────ッ♡♡♡」
痺れて泣き叫びたくなるような極上の刺激に声を殺さねばならないのはかなり辛かったが、琴葉はなんとか堪えた。
そして一生懸命童磨のスティックを縦笛を吹くかのように掴んで舌を拡げて愛撫し亀頭をしゃぶる。
琴葉はおしゃぶりに集中することで意識が飛びそうになるのを無意識に防御していた。
童磨は琴葉のクリを弄りながら、琴葉の唇が自分のペニスを咥えて上下している様を虹の瞳に囚え、そして切なく感じる亀頭への刺激に、興奮度が上昇していく。
お互いを同時に気持ち良くすることができるので、時間短縮のために伊之助の昼寝の時は、二人はだいたいこのスタイルで高めあってから挿入するという流れだった。
じゅうぶんに気持ちは高まったので、ひとつになろうと童磨は行動に移すが、琴葉はクリトリスでイってしまい脱力してしまった。
そんなことはお構い無しに、童磨は琴葉の身体を抱えて仰向けにし、脚をM字にしてスティックを膣口へあてがう。
そのままズブリと挿入すると、吸引されるかのように呑み込まれた。
ああ気持ちいいなと浸る暇はないので、童磨はすぐに抜き射しを始める。
チラリと伊之助を確認するとぐっすり眠っているように見えるが油断はできない。
ヌチュヌチュという抜き射しのえっちな音が部屋に響くが琴葉の声は聞こえない。
琴葉は必死に喘ぐのを堪えていた。
しかし童磨にはわかった。
琴葉が何を言いたいのか。どんなふうに感じているのかかが。
抜き挿ししながら揺れる乳房を掴んで吸い付くと膣の中が
与えられるのでまた与えてを繰り返し二人は感じ合う。
(あ、あ…何故この女の身体は俺をこんなふうにできるんだ…)
精子がペニスに溜まってくるのがわかる。
ただ気持ちいいのとは訳が違う。
儚く切なく狂おしくなるような、そんな苦しみが含まれた気持ち良さが童磨の身体を貫く。
琴葉からは小さくすすり泣くような声が漏れ出して、そしてとうとう、
「ハァ…ン♡♡ぁ♡ぁ♡ィィ♡ァ♡ぁン♡♡♡」
淫らな唇は喘ぎ声を出してしまった。
琴葉の中は溜まったものをはやく出せと言わんばかりに無慈悲にきゅんきゅんと締め上げてくる。
パイパンに突き刺さる童磨のかたいスティックは射精するまでその中から出ることはできない。
童磨は腰を動かすスピードを加速させた。
揺れて揉まれ形を変える白い乳房、ヌチヌチと響く結合の音、琴葉の苦しむ顔と可愛い喘ぎ声。やがてそれらが重なりあってひとつになり、
(出…る)
童磨は遍く真っ白な世界に引き摺り込まれた。
しばらくすると、えっちに夢中で聞こえなかった雨音がようやく耳に届く。
外はまだ雨が降り続いていた。
童磨はその雨音を聞きながら絶頂の余韻に浸る。
気持ち良かった。
めちゃくちゃ気持ち良かった、と思う。
伊之助を見ると寝返りしたのか向こうを向いているが起きなかったようだ。
童磨は琴葉の乳首から垂れている母乳を舐めた。
少し桃の味がした。
(ああ…心地いいなぁ)
童磨はしばらく雨音と、トクントクンと刻まれる琴葉の心音を聞きながらボーッとしていた。