灯りの消えた寝室で、男女が睦み合っていた。
「ん……ぁ、ぉぉぉおっ」
前戯なしでの挿入。突き飛ばすようにベッドの上に四つん這いにさせられた咲耶の膣に、男の雄々しくそそり立った逸物が突き込まれる。濡れそぼった女の秘裂は抵抗なく剛直を受け入れた。
じゅぶ、じゅぶ、と焦らすような動きで肉棒が出入りする。たった数度の抽挿で淫穴からは愛蜜が溢れかえり、肉茎が引き抜かれるたび雁首に掻き出された蜜が糸を引いてシーツへ垂れ落ちた。
男が腰を押し付けると咲耶の肉感的な尻肉は卑猥に形を変え、男が手を添える腰のくびれは経産婦とは思えないほど。
否、出産を経て女の肉体は円熟を増し、より熱さと柔らかさをもって男へと絡みつく。
「んぉぉぉおぉおっ、そこっ、そこぉぉおっ」
ごり、と膣肉を抉られる感触。
木の根のように固いモノで弱点を突かれ、咲耶は背筋を逸らして喘いだ。とろりと蕩けた瞳に可憐な唇から突き出した舌先。だらしなく半開きになった口から漏れるのは発情した犬のような嬌声。
実際、犬と何が違うのだろうか。
獣のように四つん這いに立たせられ、背後から圧し掛かられるように犯されている。男がその気になってメス穴を突きまくれば、ただそれだけで理性は半壊し意味のある言葉など発せられなくなるのだ。
羞恥心や忌避感など始めから投げ棄てた。より深く挿入できるように突き上げた腰。亀頭が肉襞を削るたびに上げる鳴き声は男を昂らせるための媚びに満ち、いっそうの快感をねだっている。
そこにあるのはかつて最強であった女退魔師ではなく、逞しいオスに屈服し言葉ばかりの慈悲を乞うあさましい淫乱奴隷の姿である。
「……ふむ」
――――バチュン。
「あひいぃぃいっ!?」
不意打ち気味に撃ち込まれた怒張。竿に纏わりつく肉襞の感触に目を細めつつ、男は膣奥をグリグリとこね回した。亀頭で子宮口をへこまされ、ポルチオを散々に揉み潰された咲耶が喜悦混じりの悲鳴を上げる。
女の反応と膣の感触を見てひとしきり頷いた男は、女の腕を掴んで引き起こすと耳元に口を寄せた。
「咲耶。お前、授乳で感じていたな?」
「んんんっ、そ、それは――」
微かな逡巡、泳いだ視線。
言いよどんだ咲耶を男は許さない。ズンズンと子宮口を小刻みに小突き女の余裕を奪っていく。
「なにも無しでこれだけ濡れている。それに――」
「んふぁぁぁ……!」
ごつごつとした男の手が咲耶の美巨乳を揉みしだく。元々メロンほどの大きさを誇っていた咲耶の双丘は、妊娠を経て更に大きさと張りを増しているようだった。ずっしりとした淫果実を男が持ち上げて弄べば、熟しきった肉に指先が沈み込むほどに。
カリカリと乳頭を指先で引っ掻かれるたびに痺れるような快感が胸奥まで響いてくる。上気し汗ばんだ乳房がプルプルと震えるたびに、硬くなった乳首から乳白色の液体が噴き出した。
「突かれるたびにこんなにだらしなく母乳を垂れ流している。何よりの証拠だろう、咲耶?」
「んんん~~~っ」
(おっぱいダメぇっ、おっぱいミルク搾らないでそれローション気持ち良すぎるぅぅぅぅ!)
男は噴き出した淫らなミルクを受け止めた指先で咲耶の淫乳に揉み込むように塗りたくった。咲耶自身の汗と入り混じった母乳はテラテラとした光沢で白い肌を彩る。男の手が淫肉を揉みしだくごとに、ニチャニチャといやらしい音が咲耶の鼓膜を犯していった。
耳たぶに唇が触れるほど近くから吹きこまれる男の吐息。遠慮容赦なく双丘を揉み潰し母乳を搾り上げる男の手つき。そして既に降りきった子宮を我が物顔で突きあげる男の肉棒。全てが咲耶の理性とプライドをグズグズに突き崩し淫靡に蕩かしていく。
「認めろ。お前は赤ん坊に乳を吸われるだけで浅ましく感じる淫乱女だ」
耳元で囁かれる男の声。嗜虐的な笑みを浮かべた道鏡は暴力的な快感でもって咲耶の精神を組み伏せにかかる。
耳たぶを甘噛みし、舌先で頬をなぞり口端から垂れる涎を舐め取り、互いの息を混じらせながら。
「そうだろう? 淫乱女」
「そ、それは……ぁはぁぁぁぁっ」
僅かにためらった咲耶の膣奥を肉棒が容赦なく突き上げる。天にも昇るような雌悦に酔い痴れ、形ばかりの躊躇いは一瞬で崩れ落ちた。
「わ、わたし、はぁ、赤ちゃんにおっぱいを吸われるだけで、か、感じてましたァ……!」
「感じただけか?」
――ずしん。
「んひいぃぃぃいい! い、イキましたぁ! 咲耶はおっぱい吸われただけで乳首を固くしてイキまくってましたぁぁああっ!」
「いやらしい女だ。それでも母親か?」
――ゴヅ。
なおも女を追い詰める言葉。子宮口を押し上げられる被虐の悦び。
自らを罵る自責の言葉ですら今の咲耶には快感を貪るエッセンスに過ぎない。
「ごめんなさいっ、ごめんなさい初穂ぉっ! おかあさんいやらしくてごめんなさいっ、おちんちんにズボズボされるだけでおっぱい噴いちゃう淫乱奴隷で――んむぅううぅ!?」
空虚な言葉で謝罪を口にする咲耶。母親としての母性以上に、嬲られれば嬲られるほど喜悦するメスの本能が全てを圧倒していた。
恥も外聞もなく嬌声を喚く咲耶の口を男は強引に塞いだ。
「うるさいぞ。初穂が起きるだろうが」
「んぶぁ……はむ、んちゅ、れろぁ……」
男の警告も耳に入っているのかいないのか。
唇を塞がれた淫乱退魔師は途端に目を蕩かせて男に舌を絡ませた。唇の裏も歯茎も、肉厚の舌も、絶品の飴のように舐めしゃぶろうとする。
かつて身体に刻み込まれた一か月にわたる屈辱に満ちた調教。その成果はまさにこの男に捧げるためにあったのだと確信すら懐いた。
(んはぁぁぁ、すごい、キスすごいぃぃ! よだれ甘い、もっと、もっとぉ……!)
――――ズシン。
「んんん~~~~~っ」
(ひぃ、ひぃぃいいい! また大きく、んぉぉおぉっ)
荒々しいストローク。口を塞がれた咲耶は声にならない悲鳴を上げ、絶頂を繰り返す秘裂はビチャビチャと愛液を垂れ流す。男の手で搾り上げられた美巨乳から白濁の液体が噴き上がり弧を描いた。
「んぉぉっ、んんんっ、んふぅ、んんんん……!」
ジュルジュルと舌を吸われる。舌の根ごと吸い取られると錯覚すら覚えるほどの吸引。呼吸もままならず意識朦朧となりながらも、叩きつけられる快感に舞い上がっていく。
凛々しかった最強の退魔師の姿などもはやどこにもない。与えられる快楽に嬉々としてむしゃぶりつく淫らなメス奴隷がそこにいた。
(んはぁぁおちんちん凄いっ、そこ深すぎる気持ち良すぎるぅぅぅぅっ)
バチュンバチュンと抽挿が激しくなっていく。硬さと太さが増した肉棒にぎちぎちと膣肉が軋みを上げ、それすらも虐悦に変換した被虐体質は脳髄を痺れさせ、艶朱を帯びた肌は珠のような汗を飛び散らせた。
「はぶ、んむぅ、じゅるっ、激し、イク――むぅぅぅ」
もはや意味ある言葉すら発せられない、貪るような口づけに思考ごと無茶苦茶にされていく。涎まみれになった唇まわりを互いに舐め合い、愛液が泡立つほどに秘裂を掻きまわす肉棒にだらしない悲鳴を上げた。
そして――
「んんんっ!? んむぉぉぉぉっ、んふうぅぅうううううっ……!?」
待ちに待った射精の瞬間。唇を塞がれながら声にならない嗚咽が上がる。
一回り大きくなった肉棒に膣襞は押し広げられ、疼きに疼いて降りきった子宮口は堅くなった鈴口へ熱烈なキスをする。痙攣が止まらなくなった淫裂はヒクヒクと竿をなぞりつつピッタリと怒張を締め上げ、少しでも隙間を埋めようと健気に蠢いた。
極上のメス奴隷の奉仕に対する報酬は、すぐに訪れた。
ビュウビュウとありえない音を立てて放出される白濁液。二秒とかからずに膣内を満たし、なおも勢いが止まらない。
匂いを嗅いだだけで女を淫らに狂わせる媚薬精液。かつて咲耶が相対してきた妖魔のそれより遥かに強力な淫毒液である。そんなものを子宮に直接受けてしまえば、待っているのは甘美な堕落以外にありえない。
(イクっ、イクイクイぐイグぅぅぅうぅうううううっ!!)
ならば、とうに堕落した女にとってその白濁は甘露に等しい。
その熱感に腹ごと焼けて蕩ける。全身を駆け巡る快感に狂乱する。
搾り上げられた乳房、太い指で潰される乳首。本来痛みしかもたらされない乳虐だというのに、噴き上げる母乳が女の本心を露わにした。
身体を仰け反らせて絶頂を堪能する咲耶。悶絶しビクビクと震える下腹部は、見る間に膨れ上がり男の精液を溜め込んだ。
ぼってりと張り出した腹を蕩けきったアヘ顔でさする咲耶は、一児の母とは思えないほど淫らに染まっていた。
――――雄々しく反り上がる肉棒。先走りと愛液と精液でコーティングされた、テラテラと光沢を返す男根。
手の平に収まり切らない剛直を愛おしげにさすりながら、咲耶は熱心に男に愛撫を施している。
「はむ、んふぅ、れろぉぉっ、じゅるるる……」
仰向けになった男の胸板に寄り添うようにして、女は男の乳首に舌を這わせていた。
ごつごつとした男の肌を舌先と唇で味わい、時に甘噛みを挟んで吸い上げる。緩急織り交ざった咲耶の性技に、手に包まれた肉棒がビクビクと反応を返した。
(すごい……全然萎えない……っ)
すでに三度の射精を経ている。咲耶の肌という肌は白濁汁にまみれ、シーツはぐしょぐしょに濡れそぼってベッドごと交換の必要があるほど。パンパンに膨れ上がった咲耶の下腹部は、秘裂から絶えず白濁液を漏れ出していた。
膣からこぼれて無駄になっていく精液をもったいないと思う気持ちはある。しかしそれ以上に、あれだけ咲耶をいじめぬき、大量に射精してなお微塵も萎える気配を見せない男の肉棒に感嘆する思いが勝った。
道鏡から漏れるのは穏やかな寝息。己の分身を屹立させたまま、男は夢の世界へ旅立っていった。
熟睡しているように見える。しかしこれで隣の部屋の赤ん坊が夜泣きの気配を見せれば、即座に起き上がり音もなくあやしに向かうのだから、あらゆる意味で常人離れしている。
「あなた……道鏡……ヒロキさん……」
咲耶との間に子をなしてさえ、男は本名で呼ばれるのを嫌がった。
少なくともトーキョーにいる間は本名で呼ばれたくないのだと、公私の区別をつけるために必要なけじめなのだと男は言った。――いつか男の故郷へともに帰ったとき、改めて本名で呼んでほしいと。
それについては異存はない。もはやすべてを彼のために捧げると心に決めたのだ。いつか名前を呼ぶ日を心待ちにして彼に尽くしていけばいい。
問題は――――未だに硬さを失わない、この男根にある。
一度立てば萎えたことが無いのだと男は言った。起ったら最後、意識して沈静化しなければこの肉棒は決して萎えず、どれだけ射精しても衰えることが無いのだと。
事実、何度もこれに犯されている咲耶だが、このペニスが屹立から萎えていくところを見たことがない。
咲耶をとことんまで屈服させた憎い肉棒。咲耶をどこまでもいじめ抜く愛しい男根。
愛撫する指先に返ってくる感触は、どこまでも熱く硬い。
――――しかし、こうは考えられないか。
萎えたことがない、ということは、本当の意味で彼が満足したことはないのではないだろうか。
あれだけ咲耶をイキ狂わさせておいて、あれだけ精液に溺れさせておいて、実は男は裏腹に欲求不満を溜め込んでいるのではないのかと。
「――――――」
足りていないのだろう、咲耶一人だけでは。
忸怩たる思いではあるが、彼の愛はひとりの女だけでは受け止めきれない。抱かれるごとにその思いが積み重なっていく。
しかし、だからといって何ができるのだろうか。
彼の巨根を受け入れられる女は限られている。そもそもただ挿入しただけでは膣が裂けるほどの巨根なのだ。
これを受け入れられるのは天性の肉体を持ち、鍛錬を欠かさず、淫紋で肉体を拡張させた女のみ。
天性の肉体持ちならば探せば何人もいるのだろうが、道鏡自身が淫紋を進行させるのに消極的で、刻むとしても記憶操作の第一段階までが精々だ。
彼の陰茎を受け入れられるほど淫紋の段階が進んだ女など――
――――――
天啓を得たかのような衝撃が背筋を走る。
男自身が話題に出していたではないか。強大醜悪な妖魔に対峙し、健気に奮闘を続ける新たなる現役最強の退魔師のことを。
妹のようにかわいがってきた少女である。他の女ならばと思うと湧き立つ言いようのない嫉妬心も、彼女とともに分かち合うならばと思うと、いっそズクズクと爛れるような痺れが胸奥から湧き出てくるようだった。
「あぁ……清華……」
フリーの退魔師、道鏡がヨーロッパに発つ前日の夜。
かつて最強の称号をほしいままにしていた女退魔師は、可愛がっていた後輩を淫獄へ招き入れることを心に決めた。
眠る男の胸にしなだれかかる女の顔には、淫蕩な笑みが。