「健気に見栄を切ったところ悪いんだが――」
嘲笑を口に浮かべて道鏡が言った。
「俺もそろそろ我慢がきかん。こちらの準備は済まさせてもらうぞ」
そう言ったや否や、
――――バンッ!!
まるで破裂するような音を立てて、男が身に着けていたジャージが跡形もなく吹き飛んだ。
軽く力んだと思えば、隆起した筋肉と身体から放出された闘気が衣服を弾き飛ばしたのだ。
足に履いていたラフなスニーカーすらズタズタに裂け、後に残ったのは一糸まとわぬ男の裸体のみ。露わになった男の身体は一回り大きくなったようにも見える。
「な……何をしているのです、あなたは!?」
男の突然の狂態に清華は赤面して叫んだ。
「いきなり服を……そんな、は、破廉恥な!」
「手間を省いただけだ。替えの服ならそこの紙袋に入れてある」
至極当然の清華の非難を男はどこ吹く風と受け流す。冷静でいられないのは清華の方だ。唐突に巌のように屈強な男の裸身を見せつけられ、直視を続けられるほど無頓着ではない。
「くっ……卑怯ですわよ! 戦うものとしての誇りは無いのですか!?」
「生憎我流で作法には疎いんでな。それに……お前も存外、まんざらでもあるまい?」
「な……っ!?」
突然の言いがかりに清華が言葉を失う。男は身体を隠す素振りもないまま、仁王立ちで見せつけるように腰を突き出した。
「その視線、隠せていると思っているのか? 随分とコレが気になってるようじゃないか?」
そういっていやらしい笑みを浮かべる道鏡。彼の下半身には、既に隆々と反り上がった男の象徴が先走り汁すら垂らして準備万端と待ち構えていた。
たまらないのは清華の方だ。これまで散々自分を凌辱してきた逸物は潔癖な少女には正視に耐えられず、耳まで顔を赤くした清華は顔ごと視線を逸らした。
……それでもチラチラと横目で男の肉棒を覗き見るあたり、男の指摘は外れたものではない。
(……し、仕方ありませんわ。敵から目を離すなど言語道断。この男はお姉さまは人質に取る卑劣な悪漢なのです。それに……あぁ、あんなに反り上がって……カリもすごい……っ)
完全に肉棒から目を離せずにいる自分に言い訳をする清華。いつしか彼女は固唾をのみ、その肉棒に食い入るような視線を向けていた。
あれが以前、自分の中に入っていた。そしてこれから入るかもしれない。膣襞という膣襞を甘美に押し潰しながら、ゴリゴリと子宮を突きあげて……そんな想像をするだけで、清華の下腹部はジュンと爛れたような熱を帯び内股に熱い感触が伝い落ちていった。
そうして熱っぽい視線を送る清華のことを見透かしたように、男はせせら笑いながら言った。
「そんなに物欲しげな目をするな。欲しいならいくらでもくれてやるぞ」
「だっ、誰がそんな卑猥なもの!!」
「お前はその卑猥なものが大好きだろう? 思い出せ、咲耶と一緒に俺のチンポの取り合いまでしたじゃないか」
「そん……ッ!!」
そんなこと、言われなくとも覚えている。
顎が外れるほどギチギチに口の中でひしめいていた凶悪な逸物。噛み千切ってやろうという考えは、バキバキに硬くなった竿に舌を這わせた瞬間に吹き飛んだ。何度も乱暴に口の中を突かれ、喉奥にも性感帯があるのだと教え込まされた。触手が口の中を蹂躙した経験はあれど、息苦しさの中に快感が芽生えたのはアレが初めてだった。
口の中に発射された、夥しい量の精液。飲み込み切れず、口の中にも収まらなかった白濁汁は鼻や口端からみっともなく零れ、あろうことか咲耶はそれを躊躇いなく啜り上げたのだ。
女同士の接吻。その実態は清華の顔にぶっかけられ、口の中にも残っている男の精液の奪い合いだった。巧みな舌遣いで清華の口内をねぶってくる咲耶と、それに抗って精液を呑み込もうとする清華の熾烈な
あの熱さ、あの感触、あの味。忘れようと思っても忘れられない。思い出すだけでアレの形感触が口の中で蘇るようだ。
「あのような、見苦しいモノを取り合いなどっ! ひたすらに気持ち悪かっただけですわ!」
「ほう? 本当に?」
辛うじて絞りだした否定の言葉に、男は疑わしげに口を歪める。
「その割には、随分と熱心に見つめてくるじゃないか」
「戯言を! 出鱈目を言うのもいい加減になさい!」
「ふむ。出鱈目か? 出鱈目かどうかは――」
――ボヒュ!
異様な音を立てて男の姿が掻き消える。あとに残されたのは破り捨てた衣服の残骸と、踏み躙られた芝生の跡。目にも留まらぬ速さで移動したのだと思い至るまで僅かな間があった。
そしてその間さえあれば男には充分だった。
(しま――――!?)
「お前の身体に聞いてみようか」
耳元で囁かれる男の声。背後に回られた、と考えるや否や清華は腰を捻った。
伸びやかな足が大地を踏みしめ、竜巻じみた回転を上半身に伝える。コンパクトに折り畳んだ肘が声の聞こえた元を打ち砕かんと襲いかかった。
「はあっ!!」
「おっと」
間の抜けた驚きの声。虚しく空を切る肘。軽く首を仰け反らせただけで道鏡は清華の一撃を紙一重で躱してのける。
しかしその程度のことは清華も織り込み済みだ。本命は回転を載せた右脚からの回し蹴り。神守流の奥義を窮めた清華の蹴りは、爪先がかすめただけで岩肌に斬撃痕を残す。
無理な体勢でこれ以上動きようのない男のこめかみに、鞭のごとき足刀が叩き込まれ――
「……ふむ、流石だ」
脚甲越しに伝わる男の手の平の感触。清華の足首を難なく受け止め、男はぬけぬけと驚きの表情を浮かべる。
「指が痺れたぞ。確か……神守流護
「この……離しなさいっ!!」
屈辱に顔を赤く染めた清華が跳び上がった。両手を男の頭に置いて固定し、鼻先へと膝蹴りを叩き込もうとする。男は清華の足首を難なく手放すと、同じ右手で左膝を防ぎ切る。
女一人相手するのに両腕など必要ないと言わんばかりの男の仕草に、清華の思考はますます白熱していく。
「く――はあぁっ!」
男の腕を振り払い、両腿で首を挟み込んだ。そのまま体を仰け反らせ男の顔を地面に叩き落とそうと――
「え――――!?」
鍛え上げた背筋。肉体面ならば円城咲耶すら上回る清華の渾身をもってしても、道鏡の上半身は俯きすらしなかった。
そして無防備に晒される清華の下半身を男が見逃すはずもなく。
「いい眺めだ。誘っているのか?」
くびれた腰がガッチリと掴まれる。慌てて両腿に力を入れて首を絞めようとするがもう遅い。清華の腰を掴み上げた道鏡は、ラバースーツ越しにくっきりと形が現れている淫裂へと口を開けてかぶりついた。
「ふ――――ぁぁあぁあぁあ!?」
迸った悲鳴には、誤魔化しようもなく甘い艶が入り混じっていた。
「あぁは、やめ……舐めないで噛まないでぇ……そこっ、んはぁぁあああっ」
(だめ……だめぇ、ダメですわぁ……あし、力はいらな……)
下半身は甘く痺れ、両腿で男の首を絞めるなど到底できそうにない。引き剥がそうと咄嗟に伸ばした両腕も、男の額を弱々しく押さえるだけで何の意味もなさない。
それどころか清華の腰は当人の意志を無視して、愛撫を求めるように蜜壺を押し付けようとさえしていた。
垂れる愛蜜とじっとりとした汗で蒸れた肌に貼りついた退魔スーツは、清華の恥ずかしい部分を赤裸々に露わにしていた。陰唇の皺も硬くなった淫核の形も、ヒクヒクと男をいやらしく誘う襞の動きも、何もかもをつぶさに観察されている。
羞恥に顔を真っ赤に染めた清華はとうとう男の頭を押さえるのをやめ、両手で顔を隠してしまった。そしてそれを見逃す男ではなく、
「ふむ……あーむ」
「あへぇぁあっ!? あっ、あっ、はぁっ、はぁあああああっ!!」
陰唇を甘噛みされる。クリトリスを舐めまわされる。淫裂全体に歯を立てるほどにかぶりつかれ、盛大な音を立ててバキュームされる。
退魔スーツという脆弱な守りなど何の意味もない。文字通り薄皮でしかないその衣装は男の愛撫をダイレクトに清華に伝えていた。淫らに熟れきった清華の身体は容易く絶頂させられ、清華にできたことは打ち上げられた魚のようにビクビクと身体を跳ねさせて快楽に耐えることだけだった。
「お、ほぉぉおお、ぉおっ、んんんっ、んんぁああああっ!!」
男の舌のざらざらとした感触が清華の襞を丹念に伸ばすようになぞっていく。男の上顎の歯がクリトリスに当たるたびに天にも昇るような快感が背筋を走った。ズゾゾゾゾゾ、と激しい音を立てる男の吸引は、既に降りきった子宮ごと内臓を引きずり出そうというかのよう。
(む、ムリっ、無理ですわぁっ! こんなの耐えられるわけがぁっ、あぁまたそこ噛まないでまたイクぅぅぅぅっ!!!)
文字通り捕食じみた乱暴な愛撫にイキ狂わされ、被虐のシスターは可憐な嬌声を上げる楽器として存分に男の演奏に付き合わされ続けた――
「んふっ、ふぁあんっ、あァっ、はぁん……っ」
声をあげすぎて枯れかけた喉は、無理矢理咥えさせられた男の肉竿から滴る先走りを舐めると瞬く間に癒えていった。代わりに訪れたのは胸奥をカッと燃やすような淫欲と飢餓感。まるで飲み足りないと次から次と口の中に涎が湧き上がってくる。
清華は爪先立ちで立たされ、背後から男に抱きすくめられていた。丸太のような男の肉棒が股の間に差し込まれ、平然と清華の体重を支えている。
まるで三角木馬の上に跨らされているようだ。逞しい竿のごつごつとした感触が淫裂に押し当たり、清華が浅く呼吸するだけで擦れて達しそうになる。
――いや、既に何度も甘い絶頂を清華は経験していた。
(ふぁぁぁ、ダメ、だめぇ……あそこが、熱すぎてぇ……)
挿入されたときとは違う、ふわふわと昇って行くような絶頂感。そのたびに清華の腰はカクカクと小刻みに震え、エラの張った雁首に淫裂が当たって更なる快感を呼び起こす。
爪先立ちとはいえ曲がりなりにも自分の足で立てているから‟この程度”で済んでいる。もし清華の腰が完全に抜けて立っていられなくなれば、熟れに熟れきった清華の肉裂は押し付けられる竿に涎を垂らしてしゃぶりつくだろう。まだ挿入もされていないのに、ジュブジュブと肉棒をしごくだけで耐えがたい快楽の波が訪れるに違いない。
だから清華は立ち続ける両の脚に喝を入れ、必死の思いで留まり続けているのだ。むっちりとした両腿の間には元から隙間などなく、そこに力を入れるものだから否応なく内股で肉棒を挟み込むことになる。とうに性感帯として遜色なく開発されてしまった清華の両腿は、ゴリゴリとした肉棒の感触だけで自らが犯されているような錯覚を覚えるほどだ。
「こ、この……卑怯者ぉ……っ」
情欲にとろけ、焦点の合わない瞳で男を罵倒する堕淫のシスター。清華を捕らえている道鏡は、その両腕で鼻歌まじりに清華の両乳を弄んでいた。
腕も脚も拘束はされていない。ただ清華を肉棒の上に跨らせ、ゴワゴワとした陰毛の生えた下腹部を清華の尻に押し付け、熱く逞しい胸板が背中に密着している。ただそれだけだ。
ただのそれだけで清華の身体は甘く痺れ、酩酊した意識は抵抗する気力を湧き出すことを放棄した。かろうじて男の手首を掴むものの、引き剥がすどころかその筋肉質な腕をさわさわとさするような動きしかできない。
ただ背中から抱きすくめられている。それだけで包み込まれるような多幸感と淫らな熱が止まらない。
(それもこれも、この男の仕業ですわぁ……っ。淫紋術とやらで、わたくしの身体の自由を奪うなんて……っ)
悪辣な敵の手腕に歯噛みする。戦う意志は持っているのに、ただこの男に触れられただけで燃えるように体が熱くなり腰砕けになってしまうのだ。この男の卑劣な術によるものに決まっている。
「おく、臆病者っ……正面から戦う気概は無いのですか……っ」
乳肉を思うさま揉みしだいて感触を愉しんでいた男に清華は挑発を投げつけた。肩越しに見える道鏡の顔は頬と頬が触れあうほどに近い。口を開けば吐息がかかり、互いのそれを吸いあえるほどに。
清華の言葉を聞いた男は軽く苦笑を浮かべると、清華の頬に自らのそれをピッタリと寄せた。
「あっ……」
「生憎、アウトローなものでな。誇りだの作法だのには縁がない」
(いま、くちびる、触れて……)
思わず唇の端を舌で舐めて感触を確かめてしまう清華。男の言葉など半分以上が耳から通り抜けていた。
「はぁ……アウトローなら、このような破廉恥な真似もして当然だとでも? んっ、風上にも置けませんわ……っ」
「返す言葉もないな。だが――」
「んぶぅっ!?」
唐突に奪われる唇。清華の瞳はたちまちに蕩け、差し出される男の舌を抵抗なく受け入れる。細い背筋は弓ぞりになり、内股はキュッと肉棒を挟む力を増した。それは誰がどう見ても男に奉仕し絶頂するメスの姿だった。
べちゃべちゃと互いの舌を下品に味わう。流し込まれる涎はあっという間に清華の口の中を一杯にし、淫乱聖女はこくこくと喉を鳴らしてそれを飲み干す。口端から垂れた唾液はどちらの物だったのか。
「ぷはぁ……はぁ、はぁ……」
「いったい誰が破廉恥だって? 口づけひとつでこんなに出来上がる女のことか?」
「それ、はぁ、――――はぶぅっ!?」
再び唇を塞がれる。今度は強烈な吸引。肺の中身全てを吸い込まれるほどのそれに窒息しそうになる。まるで命ごと吸い取られるような錯覚さえするというのに、嫌悪以上に喜悦が湧き上がるのは何故なのか。
ビクビクと弓なりになった腰が震える。キスだけで絶頂しているのだと気が遠くなりながら理解した。蜜壺から噴き出した潮が退魔スーツを叩いているのが感じられる。
「――そら。俺は一度も射精すらしていないぞ。どちらが破廉恥かなど、それこそ自明の理だろう?」
「ぁ――――っ」
糸を引いて離れていく唇。名残惜しく舌で追ってしまう。そんな清華を見てニヤニヤと笑い、道鏡は言った。
「それに、ほら。これを見てみろ」
「んんっ……!!」
持ち上げられる清華の乳房。道鏡の手からも零れ落ちそうなほど豊満な乳肉は、退魔スーツの上から見てもはっきりと見て取れるほど乳首の形を露わにしていた。
ぷっくりと膨れた乳頭。男がそれを爪先でカリカリと引っ掻くだけで、悶絶しそうなほどの快感が清華の淫乳を走り抜けた。
「あ、んぅぅっ、はぁん……っ」
「こんなに乳首を固くした女が破廉恥ではないと? 馬鹿も休み休み言うんだな、淫乱シスター」
(いやぁ……乳首シコシコするのダメぇ……切ないのが止まらないのにぃぃ……っ)
見せつけるように清華の目の前で形のいい乳首が指で押し潰された。痛みとそれ以上の快感が虐悦となって清華を襲い、もはや何度目かもわからないアクメへと上り詰めていく。
口でどんなに強気に拒んだとしても、浅ましく熟れた肉体はまるで抵抗できていない。男に触れられている肌がそれだけで歓喜に熱を上げ、肉欲の虜と化した肉体はもどかしく体をくねらせるばかりだ。
いっそのこと、早く止めを刺して欲しい。今まさに肉裂にあてがいじれったく擦り付けている肉棒で、子宮をズコズコと責め立てられればどれだけ幸せだろうか。
無理矢理に、力づくで犯してくれさえすれば言い訳も立つというのに……そんな不埒な考えが纏わりつくほど清華の精神は追い詰められていた。
「――ふむ、やはりな。このスーツ、前回の時より薄くなっている」
「――――っ」
そんな清華の内心を知ってか知らずか、執拗に清華の乳肉をいじめていた男が興味深げに呟いた。思いがけないところから話を振られた清華の背筋がギクリと震える。
「見ろ、この薄さ。乳首のピンク色すら透けて見えそうだぞ。それにこの伸び、いくら機動性重視といっても限度がある。まるで全身コンドームで包んでいるようだ」
「んんっ……それ、は……」
言いよどむ清華。しかし強く結んだ口も、頬を寄せた男が口端をチロチロと舌でくすぐると途端に緩んでしまう。切なく半開きになった口に軽く吐息を吹きこみ、男は再び問いかけた。
「どうなっているんだ? 神守清華。お前の口から説明してみせろ」
「んはぁ……す、スーツが、薄くなってるのはぁ……ぁっ、ぁぁあぁあっ!」
下腹部にまで伸びた男の指が、ジュブゥゥゥと清華の陰唇を揉み潰す。下からは極太の肉棒、上からはいやらしく蠢く指先。二つに挟まれ責め苛まれ、清華はメロメロに追い詰められていった。
男の愛撫に翻弄されるがままの清華は、羞恥心に顔を染めながら言葉を続けた。
「うす、薄いのはぁ、動きやすくするためと……は、はら……孕まされないため、ですわぁ……っ」
「孕まないため?」
「んぉぉおっ!?」
ジュボ、と清華の蜜壺に男の指が突き入れられる。清華の期待に反して一瞬で引き抜いた指先を目の前に掲げてみせ、道鏡は訝しげに唸った。
指先は透明な液体でぬらぬらと光沢を放っていた。
「毎度見てもおかしな材質だ。質感はゴムやビニールだというのに、精液や愛液は滲んで通すのだから。
この材質で孕まない、だと?」
「よ、妖魔の精液がぁ……しみ込んだ時に、精子が死ぬように……そういう素材と、術式、ぉを……」
息も絶え絶えに清華が応える。その回答は嘘ではないが、真実を全て語ったわけではなかった。
教皇庁の実働組織である『イバラの姉妹』。彼らに要請してこの退魔スーツを新たに新調した際、彼らは怪訝な顔を隠しもしなかった。
戦士である以上敗北はいつかは経験する避けられない道である。『イバラの姉妹』が主に対峙する敵とは妖魔淫獣触手の塊など、女を貶める淫らな戦いを好むものが圧倒的に多い。そんな相手に敗北するのだ、浅ましい凌辱の地獄へ突き落された『姉妹』たちのことなど枚挙にいとまがないほどだ。
淫獣の触手や性器の挿入を阻む、という装備を求めるならばわかる。しかし、挿入され射精を受け、生地を透過した精液を子宮に受けても孕まされない装備を……とはどういうことだ。
それはまるで、敗北し犯されることが前提のようなオーダーではないか。
「なるほど……精液は滲むが孕まない、か」
興味深げに頷いた道鏡は、清華の耳をチロチロと舌先で弄びながら囁きかける。
「まるでお前におあつらえ向きなコンドームスーツだな? 孕みたくはないが、快楽は貪りたい――浅ましいメスっぷりだ」
「~~~~~~っ」
男の声が鼓膜を震わせるたびに脳髄が甘く痺れ蕩けそうになる。耳を甘噛みするクチャクチャという音だけで何度イカされたかもわからない。そんな彼の声で罵られるほどに、何とも言えない被虐感がゾクゾクと背筋を這い回った。
身じろぎするたびにゴツゴツした肉棒が淫裂を擦り上げ、凶悪なカリ首がクリトリスをなぞるたびにアクメに達した。肩で息をしながら頭を男の肩に預ける清華の瞳は、淫虐と情欲で潤みきっている。
「欲しいか?」
「ぁ――――っ」
端的な問い。何を問われているかなど、言葉にするまでもない。
――――欲しいか、だと?
(ひ、卑怯ですわ……こんなに焦らしておいて、最後の最後は無理矢理にしてくれないだなんて……っ)
欲しいに決まっている。もう我慢の限界なのだ。
このゴリゴリとしたすりこぎのような肉棒で蜜穴をぐちゃぐちゃに掻き混ぜられ、子宮がへこむほどの勢いで突きあげられたらどうなるか。
その節ばった指で尻肉を鷲掴みにされ、首筋に噛みつかれて呼吸の自由さえ奪われ、獣に貪られるように犯されればどうなるか。
想像するだけで下腹部が焼けるように熱くなる。男に目覚めさせられた被虐奴隷としての本能が、殺されるほどの快感を求めて官能を燃え上がらせている。
(こんな……こんな身体にしておいて……っ)
目の前には男の顔。互いに吐きあう吐息は茹だるほどに熱い。男の逞しい胸板を背中で感じるたびにとろけそうなほど発情を煽られている。
切なげに潤んだ瞳で清華が舌を伸ばせば、おねだりを察した男はすぐさま熱いキスを送り込んでくれる。
「はむぅ……んふぁ、じゅる、んんんんっ……」
ぬらぬらと生温かい男の舌をしゃぶるだけで軽くイッてしまう。内股でキュッと締めつけると肉棒はますます固さと熱さを増し、秘裂を竿に擦り付ける腰の動きにも熱がこもった。
「んふ、れろぁ――あぁんっ」
しかし、道鏡は気に食わなかったらしい。
唐突に唇が離される。熱心に男の舌を貪っていた清華が切なげに鼻を鳴らすが、男は構わず淫裂を揉んでいた指先で陰唇を広げてみせた。
くぱぁ、とスーツの中でしとどに濡れた蜜穴が糸を引いて口を開ける。そこに男はいきり立った怒張の鈴口をあてがうと、改めて清華の目を覗きこんだ。
「欲しいのか?」
「ぉ……し、ぃ……っ」
どこまでも卑劣に女を追い立てる道鏡のやり口に、清華は眩暈がするほどの怒りを覚えた。
ここまで追い詰めておいて、ここまでいたぶっておいて、最後の一歩は相手に丸投げにしてくるその無責任さ。顔を見れば答えなど一目瞭然なのに、わざわざ言葉にして返答を強いる悪趣味さ。
断じて許してはならない悪党だと確信した。
だから返答はこうだ。
「っ!!」
「む」
後ろ手に男を突き飛ばし、前のめりに拘束を抜け出す。ズルンと内股から抜ける肉棒。雁首が秘裂を豪快になぞりあげ、それだけで清華は絶頂を極めてしまう。
(く、ぅぅうぅうううううっ!!)
それでも動きは止めない。ここ以外に好機は無い。
漏れ出る悲鳴を噛み殺し、清華は地面を渾身の思いで踏みしめた。右脚がばねのように跳ね上がり、すらりとした脚が凶器のごとき鋭さで空を斬る。
「はぁあああああっ!!!」
「な――――っ!?」
技でもなく、奥義ですらない。ただ鍛え上げた肉体が最短最速を求めて打ち上げる無銘の一撃。奥義開眼の瞬間というものがあるのなら、今をおいて他にあるまい。
只人ならば脳漿ごと頭蓋を吹き飛ばし、妖魔の類でも顎を砕き潰す踵の一撃が、これ以上ない会心で道鏡の顎に叩き込まれた。
(やった……やりましたわ!! とうとうこの男を……っ)
顎を撃ち抜いた手応えに内心小躍りせんばかりの清華。綺麗なI字開脚で残心し、大きく息を吐いて心を落ち着かせた。
間違いなく顎を捉えた。男は仰け反ったまま静止しているが、きっと立ったまま気絶しているのだろう。普通ならば首ごと吹き飛ばすか、いくら頑丈でも下顎を粉砕し一生を流動食で過ごすことを強いる一撃である。もはや戦う力など残されているはずがない。
積年の怨敵をとうとう討ち果たした達成感と、いくらかの寂しさを覚えつつ、清華は構えを解き足を下ろそうと――
――――ぐい。
「えっ……?」
唐突に、上げたままだった足首を掴まれた。
引き寄せられる腰、鷲掴みにされる豊満な尻肉。
秘裂へとあてがわれた亀頭は、つい先ほどよりも大きさを増しているようにも見えて――
「――なかなか効いたぞ。顎が割れるかと思った」
顎が砕けて喋れないはずの男の声が耳に響き、
――――ズブゥゥゥゥ
その逞しい逸物が、スーツごと清華の膣穴へと突き込まれた。
「ひ、ひぃぃ……いいぃいいぃいいっ!!?」
脳天まで貫かれるような衝撃に絶叫する清華。伸縮自在な退魔スーツは男の肉棒を拒むこともなく、ありありとその感触を膣襞へと伝えてくる。直前まで散々にほぐされていた淫肉にとって、生地一枚を隔てていることなど何の障害にもならない。
たちまちのうちに絶頂へと上り詰めさせられ、退魔聖女は無力に泣き叫んだ。
「やってくれたな。一瞬気を失っていた。今世では初めての経験だ」
清華の右脚のふくらはぎを肩に担ぎ、その腰を改めて掴み寄せて男が言った。もはや逃がさぬとばかりに清華の片足ごと身体を抱き寄せ、恋人のように密着させる。
「もうお前の意見なぞきいてやらん。敗北した退魔師らしく、力づくで犯してやる」
「そん……んはぁぁあっ、だめだめそれ太すぎますわ奥ゴリゴリしないでぇぇぇえええっ!!」
強引に片足立ちにされ、その身体を支える片足ですら男の激しい抽挿に浮き上がる。女の都合など考えもしない男の動きに、腰がメロメロに砕けていくのがわかった。
征服されている。今まさに自分は、組み伏せられ踏み躙られ、敗虐の何たるかを刻み込まれようとしているのだ。
(くぅぅぅぅっ、だめぇ、抵抗できない……このままでは……このままではぁ……っ)
勝気だった瞳はとろんと蕩け、歯をかみしめていた口はだらしなく半開きになって涎が垂れている。白磁のごとき肌は首筋に至るまで発情の朱に染まり、可憐な唇から零れるのは媚びが入り混じった艶声ばかり。
たっぷりと肉棒で擦られた淫裂は歓喜をもって挿入を受け入れた。野太いペニスで子宮をゴリゴリと乱打されるだけで、たまらない快感に敗北のシスターは髪を振り乱して悶え狂う。
「あへぇぇっ、お、おぉぉおおおっ、あぁぁああんっ!!」
宙をさまよっていた両腕が、縋りつくように男の首へと絡み付いた。絞め殺す動きではない。むしろバランスを崩した身体を支えるため、必死で抱き着くように。男はそれを薄く笑んで受け容れ、ますます腰の動きを激しくした。
激しく絡み合う二人を見て、この二人が敵同士でてあるなどと誰が想像できるだろうか。恋人同士か、それとも主人と奴隷か、あるいは男と性玩具か。
敵に物のように扱われているという惨めな屈辱感。それすら甘美な辱悦となって身も心も溶かしていく。降りきった子宮口が鈴口と爛れたキスをするたびに、たまらない幸福感が背筋から全身を駆け巡っていく。
胸板に押し潰される乳房が、亀頭にへこまされる子宮が、揉み潰される尻肉が、「お前の負けだ」と清華に刻みつけていく――そんな妄想すら懐いた。
敗れた。負けたのだ。ここから逆転の目は無い。こんな片足立ちで、脚ごと抱きしめられている態勢で何ができる。
敗者が勝者にいいようにされるのは当然のこと。こうして組み伏せられて、犯されて――――愛されてしまうのは仕方ない。
ならば、敗者は?
勝ち取り、愛でるのが勝者の権利であるならば、捧げ、奉仕するのが敗者の務めではないのか。
(だめ、だめぇっ! 頭がおかしくなってっ、あぁ、そこ凄すぎる気持ち良すぎぃぃぃっ!!)
理性が快楽に突き崩されていく。負けたのだから、求められたのだからと、心の奥底で湧き上がる言い訳が忌避感を薄れさせていった。
気が付けば、清華はうねるように腰を動かしていた。
「んぉっ、おぉぉおっ、ごぉぉおおおおっ!」
すぼめた唇で何がしたいのか、自身でもわからない。ただ喘いでいるのか、キスを求めているのか、男の名を口にしたかったのか。
それとも――――屈服の証に、「ご主人様」と呼びたかったのか。
真相はもはやわからない。そうなる前に唇は塞がれてしまった。
「ふむ、んぁ。はむぅぅぅ、じゅる……んむ、うぅぅう~~っ!」
舌を吸い合い、涎を啜り合い、唇を甘噛みしあう。それだけで淫乱シスターの官能は痺れ、膣肉は痙攣し絶頂へといざなわれる。お返しとばかりに男の舌を軽く噛めば、ズグンと太くなった肉棒に再び追いつめられた。
「ぷはぁ……ズルい、ズルいですわぁ。わたくしは何度もイッてますのにぃ……っ」
男の頭に齧りつくようにしがみつきながら、清華は拗ねた口調で男を責めた。男の額や頬、瞼にキスの雨を降らせながら、熱い吐息を互いに交える。
男はそれに一笑して一言。
「欲しいのか?」
先ほどの問いと全く同じ言葉。しかし意味合いはまるで違う。それを知る清華は思わず言葉に詰まった。
「そ、それは…………あひぃぃいっ!?」
――――ズシ。
子宮にめり込む亀頭。グリグリとポルチオに押し付けられ、なす術なく背中を逸らして絶頂する。
「欲しいんだな?」
――――メリ。
「おほぉぉぉおおおっ!!」
欲しい。欲しいに決まっている。
マグマのように熱く蜜壺を灼くあの液体。腹の中がはちきれんばかりの激流を浴びせかけてくる白濁汁。何度出しても量も濃厚さも衰えない女殺しの子種汁。
それを再び注ぎ込んでもらえると思うだけで、愛蜜は爛れんばかりに涎を垂れ流し膣襞はウゾウゾとうねりを強めるのだ。
「ほ、ほし――――」
「だがダメだな」
――――ぼちゅん
「お゛ぉ゛ぉ゛ぉお゛――――んぶぅぅっ」
降参し慈悲を乞う清華の言葉は、男の力強いピストンに無慈悲に遮られた。
子宮口をこじ開けんばかりに叩きつけられる極太の肉棒。悶絶の悲鳴を上げる清華の口を塞ぎ、舌先でチロチロと歯茎を舐め上げられる。
抗えるわけがない。かなうはずがない。準備万端に熟れきった清華の子宮は、こんなにも男の種を孕みたがっているというのに。言葉ばかり拒んだところで何の意味もなかったのだ。
心底から理解させられた清華の脳内は、もはや快楽と受精を求める浅ましい孕み奴隷として染め上げられていた。堕ちきった淫乱シスターからは誇りも使命も吹き飛び、あとは止めを刺されるのを待ちかねるばかり。
だというのに――
「ついさっき、手酷くフラれたばかりだからな。今回は、このまま諦めるとしよう」
「ひ、ひぃぃぃっ! 酷すぎですわぁっ、わたくしをこんな風にしておいて――んはぁぁあああっ!!」
嬌声混じりの哀願も男には届かない。激しいグラインドで腰を叩きつけながら道鏡は囁く。
「よかったなぁ、孕まないためのスーツなんだろう? たっぷりと射精してやるから、存分に味わうといい」
「んぉぉおっ、おおぉぉおおっ!!」
(いやぁっ、いやぁぁあああっ! そんなの生殺しですわぁっ! こんなオチンポで意地悪しないでぇっ……!)
――――ドチュンッ!!
「あへぁッ!?」
そしてとうとうとどめの一突き。
膣奥の深くまで突き入れた男が微かに眉根を寄せて呻き、清華の膣内で肉棒が一回りも大きくなる。
(来るッ、来るっ、ダメダメだめだめイクイクイクイク……っ)
清華にできることはない。ビクビクと震える肉棒をあらん限りの膣圧で締め上げ、両の腕で男の頭にしがみつくだけ。
たったのそれだけで男の濁流のごとき射精に理性が耐えられるはずもなく、
――――ビュルルルッ、ビュー――ッ、ビュー―――ッ!!
「おほぉぉぉぉおおっ、イクイクイクっ! お腹ぎちぎちにされてまたイクイクまたイキますわあぁ~~~っ!!!」
それはメスを屈服させる最高の支配の証。熱く濃厚な白濁を奥の奥まで注ぎ込まれれば、心が折れた女はイキ狂うほかにない。
大量の精液がコンドームのごとく退魔スーツを膨らませ、精液風船となったスーツが清華の膣を押し広げていく。
たちまちのうちにボッテリと膨らむ清華の下腹部。張り裂けんばかりの腹の痛みも、今や淫乱聖女にとっては至福の快楽だ。
「あぁぁ、またイカされて……ひぁあああ、凄すぎですわぁぁ……っ」
心地良いアクメの余韻に浸る敗北のシスター。グズグズに崩れきったアヘ顔に男への嫌悪など影もなく、ガクガクと痙攣する腰はますます肉棒から精液を搾り取ろうとうごめいている。
しかし清華は知っている。今しがた経験した絶頂は決して限界ではないということを。スーツを浸透し膣襞で感じ取る精液では、はじめて犯されたときのあの際限なく昇りつめていくような感覚は得られないということを。
熱いカリ首がゴリゴリと膣肉を削る感触。マグマのごとき白濁汁が子宮めがけてぶち撒けられ、膣の隅々までが火傷しそうなほど満たされていくあの感覚。
激しい絶頂の中でわずかに残る物足りなさ。解消する術などわかりきっている。わかりきっている、のに――
「ふんっ」
――――ズシン。
「へぇぁあああっ!?」
余韻に浸る清華を、男は更に攻め立てた。エラの張った肉棒を抜き出すたびに掻き出された精液がバシャバシャと音を立てて地面に落ちる。白濁液を潤滑油代わりにして、ぬめぬめに濡れそぼった膣内を容赦なく蹂躙する。
「どうした? 夜明けまでまだあと六時間はあるぞ?」
「ひぃっ、ぁああああっ、んふぁぁああああっ!」
六時間。あと六時間も、この生殺しは続くのか。
絶望を前にした退魔シスターの表情は、もはや隠しようもなく甘く蕩けていた。
「イクっ、いくぅぅぅ! オチンポずぼずぼされてイクっ! おっぱいジュルジュルされてイクぅっ!! んぁああやめて抱きしめないでイクの止まりませんわぁぁぁああああっ!!!」
道鏡の宣言通り。その日、空が白み始めるまで清華は犯され続け、絶え間ない嬌声で喉を嗄らしながら意識を手放していった――
次に目を覚ましたのは、昼下がりになってから。
トーキョーの一角にあるラブホテルのスイート、そのベッドに清華は寝かされていた。
「――――…………ッ、~~~~~~っ!!!!」
枕を噛み、激情を抑え込む。そうでもしなければ正気を保てる自信がなかった。
何より心を打ちのめしたのは、敗北その事実ではなく。
目覚めとともに夢うつつで伸ばした指の先に温もりがなく、そのことに寂しさを覚えた自分に気付いたからだ。
感想欄でたまに話題になっているイヴちゃんはあと一回だけ出番があります。
喘ぎ声に♡はいる?
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あった方がわかりやすい
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安直な♡は要らん