※この作品はR-18です。

触手作品世界に竿役の居場所はあるか   作:鷹原霧

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粘獄編ダイジェストを雑にクライマックス。
八月末までにリーゼを堕とす予定なので初投稿です


番外編
番外:英雄失墜①


 敗北した退魔師の末路は酸鼻を極める。男が嬲り殺しに遭うのは当然ながら、敗北した女退魔師にはそれに加え淫惨な未来が待ち受けている。

 淫魔の体内に取り込まれ、死ぬまで生命力を搾り取られるだけならばまだマシな方だ。身体中の穴という穴に卵を産み付けられて産卵マシーンへと改造されたり、耳から入った寄生虫に脳を食い荒らされ極上の絶頂を味わいながら廃人と化したり、洗脳されかつての仲間に悪意失く刃を向ける人格に改造されたりと、その末路は多岐にわたる。

 

 リーゼ自身、敗北したイバラの姉妹の同僚が四肢を切断されオークの肉鎧として『装備』されている場面を見たことがある。オークが激しく動くたびに『肉鎧兼チンポケース』も激しく揺さぶられ、絶望と快楽の入り混じった呻き声を上げるばかりのありさまだった。

 オークを討ち取り『姉妹』を救い出したときにはもう手遅れで、既に彼女は妖魔の子を孕んでいた。涙ながらに乞われて介錯した感触は、未だリーゼの手に生々しく残っている。

 

 人間の生命力は絶命や絶頂の瞬間に最も大量に放出される。その関係上、睾丸に収まった子種を打ち切れば萎えるほかない男に対し、女の絶頂には際限がないことも女退魔師が特に狙われる理由の一つだった。果てのない絶頂地獄というものは実在する。

 とにかく時間をかけて嬲ろうとする妖魔淫獣を相手取る彼女たちが幸福な未来を掴む割合は、あまりにも少ない。

 

 

「―――『イバラの姉妹』の数少ない欠点の一つがそれだ。殉職率が高すぎる」

 

 

 あのマーテルでの道程で、行動を共にしていた男は苦虫を噛み潰したような表情で現状を批判していた。

 

 確かその時、リーゼは施設内で迂闊に使用したシャワー室で蛇口から出現したスライムに嬲られ、全身が性感帯のように敏感になりながらもどうにか抜け出した直後だった。

 男はリーゼの悲鳴を聞きつけて駆けつけたはいいものの、スライムに犯されている彼女の現状を見るなりやる気をなくし、リーゼが自力でスライムの核を破壊するまでニヤニヤといやらしい笑みを浮かべて視姦に徹していたのである。

 

 どこからか入手してきたタオルをリーゼに投げ渡し、彼女が粘液まみれの肢体を拭い終わるまでの無聊を慰めるように、男は愚痴混じりに語り掛ける。

 

「現場で妖魔と相対するシスターたち。彼女らは十年後の自らの姿すら想像できまい。『イバラの姉妹』の平均年齢を知っているか? 四十路で現場にいる同僚を見たことは?」

 

「それは……」

 

 考えたことがなかった。リーゼにとって『イバラの姉妹』とは、退魔業を―――ひいては両親の仇討を志すうえで最も適した身分という以上のものは無かったからだ。

 だから彼女の信仰心そのものは希薄で、『姉妹』への帰属意識すら高くない。現代になって実力主義を標榜するようになった『イバラの姉妹』にそういった人間は少なくないとはいえ、浮いた存在であることに違いは無かった。

 だが、浮いた立場であるからこそ見えるものもある。リーゼの組織から一歩引いた冷めた視線は、『姉妹』の技術進歩を続けながら規模を拡げられずにいる停滞と焦燥を見抜いていた。

 

 年々加入する退魔師たちの数は変わらず、脱落していく女たちの数も減らせていない。

 一体、いつになれば彼女たちの戦いに終わりは来るのだろうか。

 

 口ごもったリーゼを前に、男は呆れた様子で言葉を重ねる。

 

「察するに、力を得た端から危険へと足を延ばし続けたのだろう。一度に現場に派遣される人数も減ったんじゃないのか?

 かつてはヨーロッパに活動範囲を限定していたイバラの姉妹が、布教が進んでいたとはいえ極東の島国に単身派遣されるなど……手を広げるにも限度がある」

 

 大きく鼻を鳴らして『イバラの姉妹』上層部を嘲る道鏡。

 不思議なことに、男は人間離れした膂力を持つ反面、それを無辜の人々のために振るうことに批判的だった。―――いや、退魔師を標榜する以上妖魔被害を無くしたいという思いは持っていたのだろうが、あくまで”無理なく手が届く範囲まで”という、ある意味官僚的な基準に拘っていた。

 

「……だったら、わたしたちが取りこぼした分は貴方が救うとでも言いたいわけ?」

 

「俺が? ―――まさか!」

 

 リーゼが思わず身体を拭く手を止めて咎めた一言を、男は一笑に付した。

 

「俺は俺の守れるものしか守らない。地球の裏側で誰が妖魔に嬲り殺しにされようが心は痛まないし、どこぞの国が丸ごと妖魔の苗床になろうが知ったことではない」

 

「……最低ね」

 

「どうとでも言え。だが俺に言わせれば、最低なのはお前のような英雄気取りだ、リーゼ・ヘルデブランド」

 

 男の物言いに混じる不穏な気配。それに気付いて身構えたときには遅かった。

 ぬっと物音もなくリーゼに詰め寄る道鏡。気圧され後ずさるも、狭いシャワー室では数歩も行かずに壁に突き当たる。生乾きの背中の素肌に当たるタイルの感触にリーゼはたまらず声を上げた。

 

「どういう意味? あなた―――ぐ」

 

「どういう意味もない。そのままの意味だ、女」

 

 顎を掴み上げられる。強引に視線を合わせ、吐息がかかるほどに顔を近づけた男の目は、ぞっとするほど笑っていなかった。

 

「俺が嫌いなものはいくつかある。大いなる力にはどうたらこうたらと賢しらぶった題目を唱える英雄気取り、世の中の不条理を神の思し召しだのとのたまう聖職者、サバイバーズギルトを患った仕事中毒。―――お前はスリーアウトだ、リーゼ・ヘルデブランド」

 

「な、にが……」

 

「お前は、組織を腐らせる病巣の一つだ」

 

 声が震えるのは内心の図星を突かれた自覚があったからか。

 男の手を引き剥がそうと掴み返すも、まるで力が入らない。身を隠していたタオルがハラリと落ち、リーゼの白い裸体が露わにされた。

 男なら生唾を呑み込んで見入るであろう蠱惑的なプロポーションを前にしても、道鏡は眉ひとつ動かさず、

 

英雄(しゃちく)は現実が見えない。自らの強大さを自覚せず、ただの善意で無茶を押し通し、組織の歯車に求められる最低性能を知らず引き上げ脱落させる。世の中には72時間働ける人間など稀だというのに」

 

 物憂げに細めた瞳は、言葉に反して憤りの色を見せず、

 

「聖職者は欺瞞そのものだ。清貧の名のもとに改善を怠り、いたずらに犠牲を増やす。神が当人だけで乗り越えられない試練を課したことなど聖書の時点であったというのに、乗り越えられないことの責を当人に求める。『信仰者よ、なぜ疑ったのか?』―――疑い、探求することが人間の衝動だというのにな」

 

 むしろ、リーゼの行く末を案じているような―――

 

「そしてお前だ、リーゼ・ヘルデブランド。贖罪目的で使命感を燃やしている組織人が一番手に負えない。降りかかる苦難を『試練』だの『報い』だのと誤認し、嬉々として甘んじる。手元にある斧を放り投げて素手で木を伐ろうとするようなものだ。無駄な労苦を美徳と履き違えては改善するものも改善しまい」

 

「くっ……あなたに―――ぅぁぁッ」

 

 ぐぐ、と顎を掴む男の手に力がこもった。

 思わず苦鳴を漏らすリーゼを意に介さず、男は更に体を近づけて、

 

「今回の件こそまさにそれだ、リーゼ・ヘルデブランド。お前は昨日、あの村人どもに襲われた途端に逃げるべきだった」

 

「な、にを……ぉっ」

 

「戦うならば必ず殺せ。少なくとも勝算を持って挑め。勝てないならば一度退け。退けない戦いならば負け方を考えろ。運任せに突っ込んで次に挑むものを不利に追い込む負け方など言語道断。剣の破片、骨の一部―――敗れた先に”次”の布石を残すものだ。

 お前はどうだ、リーゼ・ヘルデブランド。今のお前のざまで、惑溺王を殺しきれるのか? こうして軽い催淫をかけただけで腰砕けになるお前に……」

 

「あ、はぁぁぁ…………っ」

 

 男の左の掌が、リーゼの下腹部を這う。ゴツゴツと硬いタコのできた、熱い掌。いつの日にか出来ていた薄い痣をなぞるように撫で上げた。

 だというのに、ただそれだけだというのに―――直前のスライム姦の影響か、まるで秘裂を愛撫されたかのような切なさが下半身を襲うのだ。

 

 たまらず熱い吐息を漏らすリーゼ。柔肌越しに染み入る心地良さに、男への反感すら忘れかける。

 とろけた表情で物欲しげに舌を突きだす赤毛シスターに、男は躊躇いなく慈悲を与えた。

 

「ん、ふぅ……はむっ、じゅるる……んんんんっ」

 

 それはリーゼが今まで経験した中で最もいやらしい口づけだった。

 唇を割って差し入れられるぬらぬらとした男の舌。それが口蓋を舐め上げるたびに脳髄まで痺れ上がる。

 顎に添えられていた手はいつの間にか首の後ろをがっちりと抱え込み、シャワー室の壁に背中を押し付けられて逃げることも叶わない。男の腕を引き剥がそうとしたリーゼの手は、ものの数秒もしないうちに男の胸板に縋りつくばかりになった。

 

「んふぁ……んんっんむぅぅっ……っ」

 

 獣に唇を貪られているようだ。

 舌の根が痛くなるほど吸引され、代わりと言わんばかりに流し込まれた唾液をコクコクと嚥下する。吹きこまれた呼気が肺の中に充満し、身体の内側から男に染め上げられるような錯覚を覚えた。

 男に撫でられているだけの下腹部に、淫らな熱が溜まっていくのが止められない。じっとりと汗ばんだ白い肌に掌が吸い付く感触が、どこまでも心地良くもどかしい。

 

 顔を上気させ無我夢中で口づけに没頭するリーゼの思考からは、ここが敵地である事実ですら吹き飛んでいた。

 唐突に起きた刹那的な官能に身構えることすらできず、思わず溺れるしかない。マーテルに来てからの道中で敵妖魔に嬲られ続け、しかし絶頂前にどうにか反撃するという寸止めを繰り返してきたリーゼの肉体は、わずかに気を許した男性に迫られただけで容易く蕩けてしまう。

 

「んんっ、んぉ、ぁむ……っ」

 

 

 ―――今なら。

 今この瞬間ならば、運よく妖魔が出現する気配もない。このまま男とともに身体の疼きを鎮めてもいいのではないか―――

 

 

 聖職者の身にあるまじき淫らな思考に傾きかけるリーゼの脳内。神務に立ち返らんとする理性の声は暴力的な口づけの快感に押し流され、潤みきった秘裂からは準備万端とばかりに愛蜜が太腿へ垂れ落ちてくる。

 そんなリーゼの思いをよそに、可憐な唇を貪る男は再度強く舌を吸い上げ、

 

 

 ―――その白い下腹部へ、節くれだった指先を深々と食い込ませた。

 

 

「ん゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛……ッ!?♡」

 

(子っきゅ、う゛ぅぅぅぅ……!?)

 

 内臓をじかに掴まれているかのような感覚。―――否、男は真実リーゼの子宮を掌握していた。

 実際に触れられているはずがない。事実として傍から見れば男の掌はリーゼの下腹部に刻まれた淫紋を揉み押さえているに過ぎない。しかしリーゼの感覚は紛れもなく己の生殖器官が男に握りこまれていると知覚していた。

 

「お゛ぉ゛っ、ぉむぅぅぅぅっ!?♡」

 

 くぐもった悲鳴すら唇ごと封じられる。容赦なく注ぎ込まれる男の唾液。無我夢中で飲み込むほどに脳髄がスパークするほどの快感が迸った。

 

 グニグニと子宮を揉み絞られ、丹念に卵管をしごかれる。想像を絶する悍ましい感触だというのに、嫌悪感どころかマゾヒスティックな多幸感すら湧き上がってくる。

 邪神に喰らわれる贄の気持ちとはこういうものなのか。血管の一すじ、体液の一滴すらも相手に捧げ、いいように弄ばれることにもはや疑問すら懐けない。それどころかこの苦悦の愛撫の果てに殺されることを望んでいる自分がいる。

 

(死゛、ぬ゛ぅ……っ♡)

 

「ん゛ぉ゛ッ、ぉ゛っお゛ぉっ♡」

 

 ―――ぷしゃぁぁぁ……っ

 

 リーゼの腰が白魚のように跳ねた。断末魔じみた壮絶な絶頂に、秘裂から透明な液体が噴き上がる。

 男の手が子宮をゴシゴシとしごき立てた。まるで男根にするかのように、リーゼの蜜壺に残る愛液全てを搾り取らんとするかのような動きだった。抗う余力など絶頂後のシスターにあるはずもなく、再度のアクメに半ば意識を飛ばされながら潮を噴き上げる。

 

 パタパタとシャワー室のタイルを叩く透明な液体。上気した白い肌には珠のような汗が浮かび、だらしなく蕩けた顔からは反抗心など消え失せた。豊満な乳房の先にはカリカリに硬くなった乳首が苛められる未来を今か今かと待ちわびている。

 

「んむぅ、ぷはぁ……」

 

 ようやく拘束から解放されたリーゼが荒い息を繰り返した。ただのキスと下腹部の肌を愛撫されただけで絶頂を極めてしまった淫乱ボディはまるで満足していない。これ以上を―――男の逞しい肉体に組み敷かれ、媚肉を押し潰されながら子宮へと精液を流し込まれる情景を、切ない疼きを持て余しながら望んでいた。

 険が消え焦点の合わない視線の先には、これから自分を嬲り殺してくれる男の顔が―――

 

「欲しいのか?」

 

 悪魔のような男の囁き。こちらの答えなどわかりきっているくせに、あえて口にさせようとする性格の悪さ。

 

「さ……最っ、低……」

 

 リーゼは気力を振り絞り、あらん限りの怒りを込めて男を睨みつけた。

 

「誰が、あなたの粗末なモノなんて……っ」

 

「ほう?」

 

 対し、男は意外なものを見た表情でほくそ笑み、

 

「んむぅっ、んぅっっ……♡」

 

(また、キ、スぅぅ……っ)

 

 無遠慮に奪われる唇。反射的に伸ばした舌先を、男の野太い舌が受け止める。

 舌先同士で戯れ合う前戯に思わずうっとりと意識を飛ばしかけたところで、出し抜けに唇を解放される。

 

「ぷはぁっ……っ……!」

 

「口だけは達者だな、リーゼ・ヘルデブランド」

 

 男が立ちあがって言った。リーゼ自身が拒絶したというのに名残惜しさが込み上げてくる。

 今ならば引き止められる。引き止めて続きをねだれば、男はきっと応えてくれる。―――その確信がありながら、リーゼは結局手を伸ばすことも出来ず、

 

「やれるならばやるがいい。その威勢で俺の言葉を否定してみせろ。―――だが、そのうえでなお無様を晒すなら―――いや……」

 

 遠ざかっていく男の背中は、たとえようのなく不吉を連想させた。

 

「遠からず、お前は身の程を知ることになる。それまでにしっかりと己を顧みておくことだ」

 

 

 

 

 

 結論として、男の言葉は正しかった。

 

 かつて両親が悍ましい魔導研究によって喚び出し、制御が及ばずヘルデブランド家を崩壊させた魔神、惑溺王マスティマート。

 充分な力を蓄え改めて現世に顕現した魔王にリーゼは手も足も出ず、恃みの魔剣を用いた特攻も易々と防がれ、あえなく魔王の体内に囚われた。

 マスティマートの喉奥に消化器官は無く、捕食した獲物をひたすら嬲るための肉牢に触手と白濁が詰め込まれていた。そこに閉じ込められたリーゼと光流は七日七晩に渡って延々と凌辱され続けたのである。

 

 反撃の機会などなかった。用心深い魔神はリーゼの魔剣を手の届かぬ遠くへと吐き飛ばし、力を温存しようにも絶頂のたびに強力なエナジードレインで二人の魔力を根こそぎ奪い取っていく。

 いつか抜け出す機会はあると励まし合う声は三日と経たずに嬌声へと変わり、惨めに許しを乞うても魔神は聞く耳を持たなかった。とめどなく口に突き込まれる肉竿のせいで舌を噛み切り自害することも叶わず、そもそも二日と経たずに顎に力が入らなくなり触手ペニスを頬張ることに違和感も感じられなくなっていく。

 

 

 ―――男の言った通りの末路である。復讐に囚われて独り突き進んだ結果、ただ敗北するよりも最悪な終わりを迎える羽目になった。

 リーゼ・ヘルデブランドと荒神光流は魔神マスティマートの養分として精根を吸い尽され、魔神はそうやって得た力で世の退魔師を平らげていくのだろう。

 

 

 ついには気力すら枯れ果てて、残り少ない人生を肉餌として嬲られ続けることに諦めかけていた。

 叩きつけられる快感に神への祈りすら忘れ、痴呆のように絶頂を享受する。真下を見ればリーゼが覆いかぶさるようにされてともに犯されていた光流が、知性の光が消えた瞳で浅ましいアヘ声を上げていた。

 

 自分も()()なる。―――その悍ましくも淫らで甘やかな未来。復讐も使命も忘れ果て、無数の肉竿触手に可愛がられて一生を終える。

 それの何がいけないことなのか、一瞬それを不思議に思った自分を自覚した瞬間、リーゼは己の心が折れる音を聞いた。

 

 こうなってはあとは簡単だった。喉奥まで突き込まれた肉竿を丹念にしゃぶり上げ、順番待ちをしている触手を白濁まみれの長手袋で握ってしごき立てる。手と口をいじめている触手は両穴をピストンしているそれとも連動していて、リーゼが奉仕に熱を入れるほど大量の媚薬精液を注ぎ込んでくれる。

 子宮と直腸に注ぎ込まれる淫毒は射精のたびに全身の性感を数十倍に高め上げ、蠢く触手の脈動を感じるだけで浅ましいアクメが止まらない。触手調教にほぐされ性器と遜色ないほどに蕩けた括約筋は、だらしなく白濁汁を逆流させて太腿に垂れさせている。

 常であれば羞恥で真っ赤になりながら身をすくめるであろう痴態も、今となってはリーゼの心には響かなかった。虚ろな瞳でともに凌辱される光流とお互いを慰め合いながら、更なる快楽を求めて別の触手へとしゃぶりつくばかりである。

 

 堕ち果てたシスターはかくして敗北し、マスティマートは二人の贄を糧にして欧州跳梁の足掛かりを得た。

 

 

「これは……もしや俺のやらかしか?」

 

 

 ――――――その終焉を易々と覆したのがあの男であるなどと、誰が予想できようか。

 

 

 恐らく戦闘は二分もかかっていないだろう。魚の腹でも捌くような気安さで振るわれた蛇腹剣は、リーゼと光流が囚われていた肉繭を正確に斬り開き、白濁まみれの二人の肢体が力なくまろび落ちた。返す刀で絶叫する魔神の喉を削ぎ落とし、ついでとばかりに無数の触手を根こそぎ刎ね飛ばす。

 それは技量も何もない、ただあり余るフィジカルと頭抜けた戦闘勘に任せた素人丸出しの太刀筋だった。本来繊細な扱いを要求する蛇腹剣を鞭か何かのように大雑把に振り回し、しかし的確にマスティマートへ斬撃を与えていく姿は、隔絶した才能というものをリーゼに思い知らせるのに充分なものだった。

 

 蛇腹剣、『咎人の剣』―――連結刃の一つ一つに人工天使を封じ、剣そのものにも自爆特攻用の無銘天使を宿したヘルデブランド家に伝わる魔剣。

 それをまるで数打ちの量産品のように無造作に振るい、慮外の膂力で波打つ切っ先は音速を超え衝撃波すら生み出した。床や壁を掠めるたびに鋭利な傷跡を残し、乱雑な扱いに耐え切れなくなった刃の破片が飛び散っていく。

 

 男は仕上げとばかりに魔神の竜頭にワイヤーを巻きつけてぎちぎちに固定してみせた。苦悶と怒りの入り混じった表情を浮かべる魔神、マスティマートの鼻面めがけて回し蹴りを叩き込む。

 ―――ボキン、といっそ爽快な音が響き、魔神の顔が明後日の方向へと折れ曲がる。

 ギャリギャリと連結刃を引き上げる音。削り取られる鱗と肉片、そして刎ね飛ばされた魔神の頭部。

 宙を舞う首の断面は、チェンソーで斬り落とされたかのごとく乱れきっていた。

 

「――――――」

 

 かくしてリーゼ・ヘルデブランドの13年に及ぶ怨讐の結末は、当人の手が一歩及ばぬ形で決着したのである。

 胸に去来するのはやり場のない苛立たしさと、生きながらえてしまった安堵感、そして未だに実感が伴わない夢見心地。―――何よりも自らを縛りつけていた使命が唐突に失われた不安感が肥大していく。

 

 そんな中見上げた男の背中は、ぞっとするほど大きく、頼もしく見えて―――




道鏡:日本全域が射程範囲内
(ファ!? こいつ体の中にシャワーで浴びたスライムの残骸が残っとるやんけ!? アカンこのままマスティマートと戦ったら負ける)
偉そうに組織論についてご高説を垂れているが、実際は声を使って反響定位でリーゼの身体を探査しているだけで口から出まかせでしかない。
淫紋を励起させて子宮内部からスライムを絞り出すため、淫紋術を最大で行使して催淫し、体液をリーゼに継続的に流し込む必要があった。
スライムは除去できたものの、リーゼの心身に被虐屈服の快感を刻み込むことになる。


リーゼ・ヘルデブランド:この後滅茶苦茶セックスした

リーゼ・ヘルデブランドの
  淫欲度が下がった!
  欲求不満度が上がった!
  淫紋浸蝕度が上がった!
  被虐度が上がった!
  隷属度が上がった!
  アナル適性が上がった!
  子宮姦適性が上がった!
  名声が上がった!
  悪名が払拭された!
  新称号『英雄聖女』を獲得した!
  実績『惑溺王討伐』を獲得した!
  新称号『魔神殺し』を獲得した!
  称号『咎人の末裔』を失った!
  称号『復讐の聖女』を失った!
  自己肯定感が下がった!
  燃え尽き症候群になった……

人生の目的だった復讐を達成し、張りつめていたものが切れてしまった。
おまけに原作と違い自分自身の力で成し遂げたわけではないため、成功経験を得られていない。
むしろ原作よりも万全の状態で七つの連結刃すべての加護を駆使したうえでマスティマートに惨敗したため、達成感より無力感が強く、道鏡の説教()が重くのしかかっている。
『咎人の剣』は修復困難なほど破損してしまい、完璧に行使できるのは一の刃と七の刃のみ。製法もほぼ遺失しているため魔剣使いとしては大幅に弱体化している。


惑溺王マスティマート:原作クラッシュを食らった被害者
道鏡が片っ端から幹部を瞬殺していくため余裕が失われていた。なので油断も慢心もなくリーゼたちを迎え撃った。
魔剣を真っ向から打ち破り奪い取って手元から遠くに投げ飛ばしたのはそのせい。性癖の問題ではないのである。
リーゼたちを体内に捕らえたあとは堕落させるよりも壊すことを優先し、快楽を叩き込みつつエナジードレインで余力を根こそぎ奪い取り、反撃の隙を全力で封じていた。
道鏡の到着があと半日遅ければリーゼたちは衰弱死し、補充を終え態勢を整えた魔神が対峙する手筈だった。
つまりヒロインたちの敗北はほぼ道鏡が原因である。


粘獄編ダイジェストはこれにて終了。ほとんどの強敵を道鏡がワンパンで殺したので描写することなんぞねえのである。
次話は時間が飛んでアリゾナでの再会からの濡れ場へ直行します。
道鏡マジギレの凌辱モード ~肉塊くんを添えて~ を執筆する予定です。
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