錆爾が創り出した世界で琉奈は残酷な目に合わされた……?
「ハァー………ヤッた後の賢者タイムの萎えには中々慣れねぇなぁ」
高く聳え立つ防壁……ドンドルマの一角である戦闘街の一部で錆爾は一人呟いた。
地べたには自分が犯した琉奈が涙を浮かべながら無表情で横たわる。
「おい。気持ち良かったか?」
反応を確かめる為琉奈の頭を軽く蹴った。
「……………………ない」
蚊の羽音よりも小さい声だ。
「なんだってぇ?」
「……気持ちいいわけないでしょう………この下衆が……」
顔は相変わらず無表情で感情を表してないのにその言葉の節々に殺意が感じ取れる。
死んだ目して魚みたいだ。
剃り立つ2つの桃色の突起物に触っても何も反応がない。
だがこの女にはまだ闘志がある。
「なんだまだ元気が残ってるみてぇだな」
あー。もっとこの女を潰してぇ。
もっと精神と肉体をボロボロに、だがたーだやったんじゃつまんねぇし面白味もねぇ。
虐逆的な笑みを浮かべ、更に琉奈をどうすれば壊せるか考える。
自分の過去の話でもして見るかお涙頂戴なわけでもないが。
だが紛れもない体験談だ。
「寝たままでいい。ある男に起きた悲劇でも聞け」
……
………
…………
……………
その男は小さい頃から将来を勇猛視され親も立派な人間になるように大層大事に育てられた。
だが人生ってのは複雑だ、その男……いやガキと言うべきか。
ガキは中学生の時にイジメを受けた。
クッソくだらねぇ理由だ。
『クラスのマドンナ的女子がソイツに話しかけたから』
一人の人間の陽動によりクラスの目の敵にされたソイツは精神を病み、一時は死を考えた。
成績は下がる一方、学校に行けば屋上や体育館の裏に呼び出されいじめられる。
ソイツは中学生ながらにこう結論を下した。
『生きていて何かいいことがあるのか』とな。
…………
………
……
…
「……中学生ながらに死のうとしたの?」
他愛のない話に琉奈は興味を示した。
自分の方がよっぽどヤバい状況なのに気に掛けて憐れんだような顔をする暇があるなんてな。
皮肉なもんだ。
「あぁ。ご覧の通り失敗したがな」
見せびらかすように手を広げた後、錆爾は葉巻を取り出し口に加えた。
「……今の貴方を形成してしまったのはそれが原因?」
「まぁ全てってわけじゃないだろうが、殆どと言って良いだろ。とは言え理念だけでは無意味だ起爆剤となる力がなくちゃ。これは歴史が証明してる」
背中から生えた錆びついた片翼に軽く触れた。
「俺は無神教だがこの時ばかりは神を信じたくなったぜ。燃えるような赤いドレスの女が俺に錆鋼龍の力を授けた。心から思ったな」
『天命だと』
「貴方の気が晴れたのなら良かったですね……ですがその強大な力で人を傷付ける理由はありますか?」
「おいおーい。人の話聞いて推測出来ねぇのか理不尽に襲われたから他者にも理不尽をぶち撒けてやろうって思ってんだよ」
「そんなことして何に……キャア!」
言いかけた琉奈の顔に拳が飛ぶ。
頬が切れ血が出た。
「自分が楽しくなる以外に何かあるか?お嬢さん?」
「他者を救いたいとは思わないのですか?」
「んな綺麗事思ったところで何になる?。世の中の
「……そんな人ばかりではありません。ちゃんと他者を思い遣る気持ちを大切にして行動してる方もいらっしゃいます」
彼女の脳裏にボランティアや福祉の体験実習を学んだことが脳裏に浮かんだ。
気持ちを堕とすのは簡単だ誰だって出来る。
その気持ちを強く持つことが重要なのだ。
そしてそんな人々を琉奈は自分の目指す指標とし、それを広めたいと思っていた。
「ハハハそんなの偽善だ。お前は人間の醜さを隠そうとしている」
「偽善から善を産んだ歴史だってある筈よ。人間の歴史は暗いだけじゃない!」
舌打ちし、錆爾は下を向いた。
「……あー。うっぜ。いんだよなぁ。こういう理想ばかりペラペラ述べて悦に浸ってる馬鹿。ズルい人間の鴨になるぞお前?」
「忠告感謝しますわ。でもお生憎様貴方に言われるまでもなくそこらの眼は磨きたいと思ってましたの」
全ての服を無理矢理脱がされ犯されても尚…彼女の目は再び輝きを取り戻していた。
「はぁ……無様に泣き叫ぶ様を見ながらもっと犯しかったがしゃあねぇか。ムカつくからここで死ね」
「くっ………!」
風が強くなり、晴れていた空は一瞬で雲に覆われ豪雨となった。
稲光が空に煌めく。
「残念だったな。戻れなくて」
黒い風を纏った右手が自分に向けられた瞬間琉奈は覚悟し目を閉じた。
……………だが自分を死に追いやる拳は一向に飛んでこない。
雨脚も弱くなり日の暖かさすら感じる。
「あっちぃぃぃ!」
不思議に思った琉奈が目を開けると錆爾の身体は炎に包まれていた。
彼も風を纏って消そうとしてるが炎の勢いは一向に弱まらない。
どころかどんどん強くなるばかりだ。
「こんなこと出来んのは……火を消せぇ!禁忌の
禁忌のモンスター……?。
分からない単語が琉奈の頭を支配する。
『それが人に物を頼む態度かぁ?錆爾』
何処から共なく若い少女の声が聞こえた。
「バルカン!お前だったのか!!。グッ…!アチィ!死んじまう!」
『他人の事を殺すのは楽しんで自分が死ぬのを嫌がってんじゃねぇよこのタコ。ぶっ殺すぞと言いたいところだがお前なんか用はねぇ』
「だったら早く……!」
『あぁ。解放してやるこんな雑魚古龍が作った世界なんて潰してな。死なないように加減はしてやるが私の
ボォォォォと言う小さな出火音が聞こえて来た。
次第に炎の音は大きくなっていき琉奈の視界は紅蓮の炎に覆われた。
無数の大規模な爆発も伴いながら。
「ギャアアアアアアアア!」
「錆爾さん!」
炎と爆発が全てを破壊する中何故か琉奈は何の熱さや痛みも傷も伴わないでいた。
まるで自分だけターゲットを外されたように……。
錆鋼龍の幻影は程なくして破壊された。
景色が変わり琉奈は自宅の自室へと戻っていた。
「ここは私の部屋…?。あれはなんだったの……」
「自室で全裸とか思春期の発情してるガキか」
「誰!?」
姿なき声に驚く。
さっきの少女の声だ。
紅蓮の爆炎を纏いその少女は虚空から姿を現した。
赤いドレスを身に纏い、燃えるような赤い瞳と髪が印象的だ。
「貴女は……さっきの声の方……?」
「正解だ。まぁバルカンって読んでくれ。お前の考えが気にいった」
笑いながらバルカンは琉奈のベッドに腰掛けた。
バルカン「取り敢えず服着たら?」クスクス
琉奈「あっ…///はい……」