(うーん……勢いで申請しちゃったけどちょっと不安だなぁ)
自室でドクターを待つアンジェリーナは落ち着かない様子でベッドに腰掛けている。ある日端末に届いたドクター1日所有権の文字。内容を確認するとそれはアンジェリーナにとっては嬉しいものであった。
(うぅ、緊張してきちゃった。深呼吸、深呼吸……)
不安と緊張をほぐすように大きく息を吸って吐くことを繰り返す。
「アンジェリーナ、いる?」
もう一度アンジェリーナが息を吸ったとき、扉をノックする音とドクターの声が聞こえてきた。
「!? ゲホ、ゲホ! ど、ドクター! 待ってねすぐ開けるから!」
大きく息を吸ったときに不意を突かれたアンジェリーナは大きくむせる。その後バタバタとしながら扉を開けてドクターを招き入れる。
「むせてたみたいだけど大丈夫?」
部屋に入ったドクターは、さっきの咳が聞こえていたらしく一言目に心配の言葉をかけてくれた。
「あ、うん大丈夫だよ。あれは源石病とは全然関係なくて、ちょっと深呼吸してたらむせちゃっただけ」
「よかった」
アンジェリーナの返答にドクターは安心した様子を見せる。
(やっぱりドクターはやさしいなあ……)
そんなことをアンジェリーナは思うのだった。
「そんなことよりドクター、このドクター1日所有権ってほんとになんでもしていいの?」
さっきの明るい笑顔とは対照的に少し不安そうな表情でアンジェリーナは聞いた。
「本当にできないこととモラルに大きく反しなければすべて従ってやってくれ、とケルシーに言われた」
「へ、へぇ……そっか、そうなんだ……」
ドクターの言葉を聞いたアンジェリーナの顔はどことなく嬉しそうだった。
「なんでもいいよ、何かしてほしいことはない?」
どんとこい、とでもいうようにドクターは自身の胸にこぶしをあてる。それに対してアンジェリーナは口を動かす。
「じゃ、じゃあ──」
「ねぇドクター、これなんかどうかな?」
アンジェリーナはワンピースを体にあてがいドクターに見せていた。現在彼女たちは街を訪れている。アンジェリーナの要望が「一緒にお出かけをしよう」だったからだ。
「かわいいよ」
アンジェリーナの問いにドクターは返事をする。だがそれに対してアンジェリーナは少し不満そうだった。
(うぅ、せっかくデートしてるのにドクターの反応がなんか薄い気がするよ……)
ドクター本人はしっかりとほめているつもりなのだがフードで顔が覆われているせいかどうもそれはアンジェリーナに伝わっていないようだった。結局、服は1着も買わずに店を出た。
「ドクターって1年中その服なの?」
「一応夏と冬で厚さが違うものがあるけどほとんどこの格好だよ」
「たしかにドクターがほかの服着てるところ見たことないかも。まぁそのほうが見つけやすいからいいけどね!」
二人はそんな他愛のない話をしながら次はアクセサリーショップへと足を運ぶ。アンジェリーナは鼻歌を歌いながら楽しそうに店内を回っている。ドクターもその後ろをついていった。そんなときにひとつの髪留めが目に入った。
「ねぇ、アンジェリーナ」
「ん、なあにドクター」
アンジェリーナを呼び止め、目に入った髪留めを見せてみる。
「君に似合うと思うんだけど」
「ほんと? えへへ、どうかな?」
アンジェリーナはドクターの手から造花のあしらわれた髪留めを受け取り、今つけている髪留めの位置にあてがう。
「うん、きれいだよ」
「綺麗かぁ……。うん、じゃあこれにする!」
そのまま二人は店員のもとへ向かう。
「これはいつもオペレーターとして頑張ってくれてるお礼」
そういってドクターは髪留めの入った包みをアンジェリーナに渡した。
「ありがとうドクター。ずっと大事にするね!」
アンジェリーナは包みを丁寧にカバンへとしまった。そしてお出かけの最中、何度も取り出しては眺め、嬉しそうに微笑んでいた。
その後、2人はレストランで食事を済ませ、店からでてきた。
「美味しかったー!」
アンジェリーナは満足そうに伸びをする。
「確かにおいしかった」
「でもすっごくおしゃれなお店だったからちょっと緊張しちゃった」
「そうだね」
二人のいた店はアンジェリーナが選んだ店だったが、少々背伸びをしてしまったらしい。
「やっぱり普段行くようなところにしたほうがよかったよー」
アンジェリーナは自嘲するように頬をかく。
「さて、と。ドクター、どうする? 結構いい時間だけど」
端末の画面を見ると時刻は午後9時を回ろうとしていた。
「そろそろロドスに戻ろうか」
「うん、わかった。じゃあさドクター、せっかくだし──」
そしてアンジェリーナは一歩歩くと
「空を舞う感覚、味わってみない?」
そういってドクターに手を差し出した。
「よろこんで」
そしてドクターは彼女の手を優しく取った。二人は人目につかない場所まで移動するとアンジェリーナがアーツを発動する。二人の体がふわりと軽くなり、ひとたび地面を蹴るとあっという間にビルを超える高さへと到達した。そのまま屋上に着地するとロドスの方角を確認して移動を始めた。風を切る、独特の浮遊感に若干の恐怖を覚え、ドクターはアンジェリーナの手を強く握る。
「怖い? 大丈夫だよドクター」
前を行く彼女の髪がなびいて甘い香りが鼻をくすぐる。
「あたしね、こうやって飛びながら星を見るの、好きなんだ」
そういうと彼女は空を見上げる。
「だからドクターにも見せてあげたかったの」
そしてドクターにむかって笑いかけた。
「ありがとう」
彼女と星の話をしているとドクターはいつの間にか恐怖など感じなくなっていた。
しばらくして、ロドスの前に到着する。
「もう着いちゃった。ちょっと残念だなあ」
アンジェリーナは少しすねたように言う。そのまま二人はアンジェリーナの宿舎前まで歩いた。
「今日は楽しかったよ。ありがとう」
「うん、あたしも楽しかったよ!」
「それじゃあまた明日」
そういってドクターは踵を返す。
「……待って!」
だがその場を離れようとしたドクターの手をアンジェリーナが掴む。
「まだ……ドクターはあたしのもの、だよね……。だから、もう少しだけ……一緒にいてほしいの……」
きっとかなりの勇気を振り絞ったのだろう。ドクターの手をつかんだ体は小刻みに動き、声も震えている。
「わかった」
ドクターは一も二もなく了承した。
「ど、ドクターはちょっと待ってて。今日の荷物、片付けてきちゃうから……」
そういうとアンジェリーナは一人、部屋になかに入っていった。
(あたしあんな大胆なこと言っちゃったぁ……!)
扉を閉めた後、彼女は自分の行動に顔を赤くしていた。
(とりあえず荷物を片付けながら落ち着こう、そうしよう!)
それから数分後──。アンジェリーナは扉に手をかけながら固まっていた。
(ぜ、全然落ち着けないよぉー! どうしよう、どうしよう!)
彼女がこの状態になってからも既に数分が経過していた。
(でもここまで来たらあとは勢いだよね、よーし)
しかし意を決し深く息を吐く。彼女はそのままの勢いで扉を開けた。
「お、お待たせ、ドクター。どうぞ中に入って」
アンジェリーナはドクターを部屋に招き入れると扉の鍵を閉めた。そしてそのままドクターの背中に抱き着いた。
「ドクター、今日はありがとう。すごく楽しかった」
「ドクターとの思い出がたくさんできて、あたしすごく嬉しい」
鼓動はさっきと変わらないのに言葉がスラスラと出ることに彼女自身も驚いていた。
「だけどね、あたし、もっと欲しいんだ。だから──」
抱き着いた体に力が入る。
「だからお願いドクター。あたしと、セックスして」
「……」
ドクターからの返事はない。その代わりに彼はアンジェリーナを抱きかかえ、ベッドへと運んだ。ドクターは彼女をそっとおろし、その上から覆いかぶさるように近づく。ドクターがアンジェリーナの髪をなでるようにすくと彼女は嬉しそうに目を細める。お返しとでもいうように彼女はドクターのフードを脱がせるとそのままキスをした。はじめは短くついばむようなものだったが、次第に長く、下を絡め唾液を交換するような長さになっていった。アンジェリーナの瞳が蕩けたのを見て、ドクターは彼女の秘部へと手を伸ばす。
「ん、あっ……や……」
小さな水音を立てながら、アンジェリーナは声を漏らす。水音は次第に大きくなっていき、部屋に響く音に彼女は恥ずかしそうに体を強張らせる。
「ッー~~ー~~~」
口をつぐんで声を堪えながらアンジェリーナの体がより強く強張り、小さく潮を吹いた。ドクターが手を離すと彼女はだらりと足を投げ出す。
「ハァ……ハァ……。ずるいよドクター」
彼女は荒い息で呼吸しながら、腕で目を隠していたが、そこから片目でドクターを睨む。
「ごめんね」
ドクターはそう言って彼女の頭を撫でるのだった。
「ふぅ……じゃあ今度はあたしの番ね。ドクター、寝て?」
息を整えたアンジェリーナはベッドから降りると、彼に寝転がるように促した。ドクターは言われた通りにすると、アンジェリーナは彼の足の間に陣取って、慣れない手つきでドクターのペニスを取り出した。
「わぁ……、これがドクターのおちんちん……」
アンジェリーナは恐る恐る、両手でこねくり回すようにドクターのペニスを弄る。
「臭いとかは、そんな嫌じゃないかも……。ドクターのだからかな?」
そういうと彼女はドクターのペニスを口に咥えこむ。
「ほぅはなほふはー? ひぉひぃ?」
頭を上下に動かしながら献身的にペニスを咥えるアンジェリーナの言葉にドクターはうなずく。もぞもぞと動く唇が刺激となって射精感が募っていく。
「アンジェリーナ、ごめん」
「ふぇ?」
ドクターは一言謝るとアンジェリーナの頭をつかみ、彼女に腰を打ち付けた。ペニスが脈打ち、彼女の口内に精液が吐き出されていく。
「ンンン──ー~~!!」
彼女は驚きながらも、のどを鳴らしてそれを飲んでいく。ドクターのペニスが脈打つたび、それに合わせてアンジェリーナの体もビクビクと痙攣していた。ドクターの射精が終わり、彼女が精液をすべて飲み干すと口を離した。
「ぷぁ……。もうひどいよドクター!」
「ごめんね、でも全部飲んでくれてうれしいよ」
「う……。ま、まぁちょっと強引なドクターも悪くないなぁって思ったり……」
後半は蚊の鳴くような声でドクターにはほとんど聞こえなかったが、感謝されて嬉しそうなことは見て取れた。
「それで、飲んでみてどうだった?」
「うーん、変な臭いだし、味は苦いしすごくのどに絡みついてきたけど、ドクターのだからいやじゃなかったかな?」
すこし恥ずかしそうに答えるアンジェリーナの姿が愛おしくてドクターのペニスはまた硬さを取り戻していた。
「わ、ドクターのおちんちんまた大きくなった」
それを見ると彼女は嬉しそうに笑う。
「あたしでこんなふうになってくれてるんだよね、えへへ」
そういうとアンジェリーナはもう一度、ドクターの股に顔をうずめる。
「そうだ!」
何かを思い出したのか、彼女は突然自身の髪をペニスに巻き付け、その上からペニスを握った。
「どうかなドクター? カミコキ? っていうんだって。雑誌で見たの」
どんな雑誌なんだろうと疑問を抱くが、丁寧に手入れのされたアンジェリーナの髪は絹のような肌触りで、そこから与えられる刺激でそんな疑問など吹き飛んでしまった。
「うふふ、ドクター、ベッドのシーツぎゅって握っててちょっとかわいいかも♡」
ドクターの余裕のない姿に彼女は嬉しそうに言う。実際、ドクターは彼女から与えられる刺激と彼女の綺麗な髪を汚している背徳感から今にも果ててしまいそうだった。
「いいよドクター。さっきみたいにたくさん出して♡」
「ぐっ、出る……!」
吐き出された精液はアンジェリーナの髪と顔を遠慮なく白く汚していった。
「わぁ、すごい臭いだよドクター……」
そう言って頬についた精液を指で掬うとそれを口に運ぶ。
「うーん、やっぱり変な味だけど、これちょっとクセになりそうかも」
そういってアンジェリーナは無邪気な笑みを浮かべる。そして大きいままのドクターのペニスを見ると、おもむろにショートパンツと下着を脱ぎ、ベッドに座って足を開く。
「ねぇ、ドクター……。そろそろ、お願い、します……」
どんどんと細く小さくなっていく声で緊張しているのがわかる。ドクターはフードを脱ぎ、抱き合うようにアンジェリーナに覆いかぶさり、ペニスを彼女の秘所にあてがう。
「体の力、抜いて」
できるだけ痛みのないようにゆっくりと腰を沈める。体を貫いていく痛みと異物感に彼女は仰ぐように深く呼吸をする。ドクターの背中に回された彼女の手に力が入り、爪がすこし食い込んでくる。
「大丈夫?」
「こんな……の、普段の戦闘に比べたら、ぜ……ぜんぜん、だよ。それに──」
「大切な人に、大事な初めてをもらってもらえたんだもん。すっごくうれしい……」
額に汗を浮かべ、目に涙をためながらそれでも笑顔でいようとする健気さに、ドクターは愛おしそうに彼女の頭を撫でた。
「もう、動いてだいじょうぶ、だから。お願い、ドクター」
アンジェリーナを気遣って動かずにいると強がった声で彼女が言う。ドクターはうなずくと痛みが少ないようゆっくりと腰を前後に動かした。気を紛らわせるために舌を絡める。始めは苦悶の表情を浮かべていたアンジェリーナだったが、痛みが薄れてきたのか次第に甘い吐息を漏らすようになってきた。
「んくっ……んっ、ふぅ……」
それからすこしして、既に痛みはなさそうで、ドクターが腰を引くたびに結合部からは愛液を溢れ出させていた。それが恥ずかしいのかアンジェリーナは口をつぐみ、首を振る。
「アンジェリーナ、我慢しないで声を聞かせてほしい」
そんな彼女にドクターは耳元で囁き、ピストンのスピードを上げる。
「ふーっ、ふーっ……どく、たぁ……」
ドクターの言葉にタガが外れてきたのか、アンジェリーナは少しずつ嬌声を大きくしていく。
「どくたぁ! どくたぁ!!」
ドクターの首に腕を回し、彼女は好意を寄せる相手の名を繰り返し叫び限界が近づいていく。ドクターも絶頂に向けてピストンの速度を上げる。
「ッ、くぅ──~~~!!!!」
アンジェリーナが大きくのけぞり絶頂を迎えたのと同時にドクターも絶頂に達し、彼女の膣内に精を吐き出した。ドクターがペニスを引き抜くと彼女の秘所からどろりと精液が垂れ落ちた。
「なんか、おなかの奥がジワーってあったかくて……、あたし、この感覚好きかも……」
絶頂の余韻で呼吸が荒い中、子宮の位置をさすりながらアンジェリーナが言った。その姿にドクターのペニスは大きくなった。
「えへへ……まだまだ元気だね。じゃあ今度は……」
ドクターが再び勃起したのをみたアンジェリーナはドクターに寝そべるように言う。そしてその上にまたがると──。
「今度は、あたしが動いて、あげるね」
そういって彼女が腰を沈めると、ペニスは彼女の中に飲み込まれていった。
「っ、ドクター、きもち、いい?」
ドクターと指を絡めて彼女は献身的に腰を上下に振る。与えられる快感にドクターはすぐに絶頂を迎えそうになる。だがそれはアンジェリーナも同じだったようで、上体を起こしていられなくなった彼女はそのままドクターの上に倒れこむが、それでも腰の動きは止めなかった。
「んっ……ちゅ、ぷぁ……。どくたぁ……」
限界が近いのか、アンジェリーナは舌を絡めながらスパートをかけていく。ドクターも彼女に合わせて腰を振り、絶頂へと昇っていく。
「ン~~──~!!」
絶頂と同時に、ドクターは彼女の頭を引き寄せ深く舌を絡める。彼女の体は吐き出される精液を受け止めながらビクビクと絶頂のけいれんを繰り返していた。そして射精が収まるとドクターはアンジェリーナの唇を離した。
「ぷぁっ、ハァ……ハァ……ねぇ、ドクター……」
解放されたアンジェリーナは乱れた呼吸のままでドクターに語り掛ける。
「もっと、して?」
アンジェリーナらしい真っすぐ、それでいてどこか艶っぽさを含む声にドクターの理性は蒸発した。
それからは何度もお互いの体を貪った。体位を変えたり、シャワールームに移動して壁に手を着かせたり、何度も何度も何度も、時間を忘れてお互いの体と快楽を貪った。二人が力尽き、眠りに落ちた時にはすでに日が昇っている時間だった。
「あ、起きた? おはよう、ドクター。といっても、もう夕方だけどね」
次に目が覚めた時、ドクターの目に入ってきたのはいつもと変わらないアンジェリーナの姿だった。自分の姿が裸でなければ夢だったと錯覚するところだっただろう。
「さ、ドクター。早く服着て、アーミヤちゃんのところいかないと」
「……行きたくない」
アーミヤなら多少のことは慮ってくれそうではあるが仕事のことを考えると頭が痛くなった。
「そんなこと言わないで、ほら、起きて起きて」
シーツを剥がされ、渋々と着替えを済まし二人は部屋の外に出る。
「ドクター」
部屋を出たところでアンジェリーナがドクターに腕を絡める。
「きっとまた、ドクターをあたしのものにするから。その時はよろしくね」
彼女はそう言ってドクターの頬にキスをするとそのままアーミヤのいる方向とは逆方向に歩いていく。
「アンジェリーナはアーミヤのところにいかなくていいのか?」
「あたし、今日お休みなんだー!」
振り返ったアンジェリーナはいたずらっぽい笑顔でドクターに手を振って、髪留めの造花を揺らしながらまた歩いて行ってしまう。取り残されたドクターは一人でトボトボとアーミヤのもとへ向かうのだった。
閲覧ありがとうございます。
3000文字くらいで落ち着きそうかなって思ったら倍近くの文字数になってびっくりしましたよね。ラストが思ったよりぶつ切りになってしまいました。もっと細かく書きたいけどきりがなくなっちゃいますからね、しょうがないね。こういう時に絵の情報量ってすごいんだなって思います。