「おーい? どこにいるのー?」
今日はレッドが所有権を申請した日なのだが、肝心のレッドが居らず、ドクターはロドス艦内を歩き回っていた。
「全然見つからない……」
彼女を探し始めてからかれこれ2時間ほどが経とうとしていて、もうすぐ正午を回ろうとしていた。
「あれ、ドクター。なにしてるの?」
ドクターが通路で途方に暮れていると背後からアンジェリーナの声が聞こえた。
「それが、今日は他のオペレーターが僕の所有権を申請した日なんだけど、全然見当たらなくて……」
「そ、そうなんだぁ。へー……」
所有権という単語を聞いた途端アンジェリーナは少しそわそわし始める。
「さ、探しても見当たらないならさ! 一緒に食堂にいかない? とりあえずご飯食べようよ」
彼女はそんな所作をごまかすように明るく言った。
「うーん……。そうだな、もしかしたら食堂でばったり会えるかもしれないしそうしようかな」
ドクターが彼女に同意すると、アンジェリーナは急かすようにドクターの手を取って食堂に向かうのだった。
「このあたりにもいないなぁ」
ドクターは料理を受け取って席についてからもきょろきょろと周囲を見渡していたがそれらしき姿は見当たらなかった。あまり挙動不審にしていても他の社員に申し訳なく思ったドクターはいったん食事をとることにした。
「んー、ドクターの頼んだ料理もおいしそうだなー。一口もらってもいい?」
会話もそこそこにアンジェリーナと食事をしていると、彼女はドクターの食べている料理に興味を示した。
「うん、いいよ」
ドクターは二つ返事で応えると料理を少女の一口大にスプーンですくってアンジェリーナに差し出した。
「どどどドクター!?」
「?? どうしたの?」
アンジェリーナの動揺の意味が分からずにドクターは首をかしげる。彼女も少し固まっていたが意を決した表情で差し出されたものを口に含んだ。
「どう?」
(ぜ、ぜんぜんわかんない……)
耳まで赤くしながら食べた料理の味などわかるはずもないが、アンジェリーナは笑顔ですごくおいしいと言ったのだった。
「じゃ、じゃあお礼にアタシの頼んだ料理もひ、一口あげるね?」
そして彼女はそういって料理をスプーンですくうと震えながらドクターへと差し出す。彼は特に気にした様子もなくぱくりと口に咥えると、これもおいしいね。とアンジェリーナに言った。
「?? どうしたの、アンジェリーナ」
緊張が解けたのか、大きく息を吐くアンジェリーナをドクターは不思議そうに眺めるが、一瞬、コートの裾を強く引っ張られたような感覚がして後ろを振り向く。しかしそこには誰もおらず首をかしげるのだった。
「ありがとう、アンジェリーナ」
「ううん、こちらこそ。すぐ見つかるといいね」
食事を終えた二人は食堂の外で別れるとアンジェリーナは手を振って離れていった。そしてドクターはケルシーならなにか知っているかもしれないと考え、彼女の研究室へと向かった。
「何の用だ」
研究室に入ると彼女はこちらを視界に入れることなく声を発する。
「レッドが見当たらなくて……どこにいるか知らない?」
そもそもレッドの名前で所有権を申請したのはケルシーだったからだ。しかしドクターが要件を言うとケルシーはこちらにチラリと視線を送ると大きくため息をついた。
「……でてきなさい、レッド」
ケルシーが一言声をかけるとレッドはドクターの陰からするりと姿を現した。
「レッド! 今までどこにいたの?」
「レッドは、ずっとドクターのそばにいた」
彼女はそういうと言葉をつづけた。
「今日は一日、ドクターといなさいって、ケルシーに言われた。だから、ドクターと一緒にいて、守ってた」
彼女の答えに呆気にとられるドクターを見てケルシーはまたため息をつく。
「レッド、今日は彼を守らなくていい。今日一日、ドクターになんでもお願いをするといい」
「?? わかった」
レッドはあまりわかっていなさそうに首をかしげながら返事をする。
「要件は済んだだろうか」
「あ、うん……」
ドクターが返事をするとケルシーは、そうか、とだけ言って視線を資料に戻した。
「ありがとう、ケルシー」
ドクターはそんな彼女にお礼を言って二人は研究室を後にした。
「レッドはなにかやりたいことはないの?」
二人は艦内の廊下を当てもなく歩いていたが何も言わないレッドにドクターは尋ねる。
「やりたいこと……」
レッドは首をかしげるとなにか思いついたのかドクターの顔を見る。
「レッド、やりたいこと、あった」
そういうと彼女はドクターの袖をつかむとそのまま引っ張って歩き出した。そしてしばらく艦内を歩くと、目当ての場所についたのかレッドは立ち止まり、指をさす。彼女の指の先には談笑している医療オペレーターとプロヴァンスの姿があった。
「レッドは、みんなのしっぽを触りたい。でも、みんな、レッドを避ける」
そういったレッドのしっぽが心なしか垂れているような気がした。
「だから、レッドがみんなのしっぽを触れるように言ってほしい」
「うん、いいよ」
「ありがとう、ドクター」
彼女の表情にこそ変化はないがしっぽは嬉しそうに左右に激しく揺れていた。そうこうしているうちにプロヴァンスは医療オペレーターとの会話を終えこちらへ歩いてきていた。
「あれ、ドクター。こんなところで奇遇だね」
こちらに気づいたプロヴァンスは嬉しそうに手を振った。レッドは気配を消して隠れたのか、彼女には気づいていないようだった。
「やあ、プロヴァンス。実は君にお願いしたいことがあって」
「お願い? なにかな、何でも言ってよ」
「実は……」
そしてドクターはレッドのお願い事を彼女に話した。
「あー、あの赤い子……」
案の定彼女の反応は良くない。レッドのウルフハンターとしての風格がループスとして本能的に恐怖してしまうらしい。
「なんとかお願いできないかな?」
「うーん……、わかった、その代わりドクターもそばにいてよ」
「それくらいならお安い御用だよ。レッド、でてきて」
プロヴァンスの許可が下りるとドクターはレッドを呼ぶ。すると彼女はドクターの陰から姿を現す。
「うわああああああ!!」
目の前に突然レッドが現れ、驚いたプロヴァンスは勢いよくドクターの胸に飛びついた。
「レッド、しっぽ触ってもいいよ」
抱き着かれたドクターはそのまま彼女の背中に手を回してプロヴァンスを落ち着けるように頭を撫でている。レッドはそのままプロヴァンスのしっぽをもふもふと遠慮なく触る。本能的な恐怖とドクターにあやされている状況にプロヴァンスの顔は感情がごちゃ混ぜになった複雑な顔をしている。
「ど、ドクター、もっと強く抱きしめて……」
しかし恐怖で震えが止まらないのか、服にしがみつく彼女の手の力は強いままだった。
それからドクターが数分ほどプロヴァンスをあやし続けていると、満足したのかレッドはプロヴァンスから離れた。だが彼女はレッドが離れたことに気づいていないのかドクターに顔をうずめたままだった。
「プロヴァンス? もう終わったよ」
「えっ……? あ、あぁごめんね」
ドクターが彼女に声をかけると驚いたようにドクターから離れた。
「よっぽど怖かったんだね」
「あ、あはは……」
ドクターの言葉にプロヴァンスはごまかすように笑った。そんな風にプロヴァンスと会話しているとレッドが急かすようにドクターのコートの裾を強く引っ張る。
「ん、もう行くか。それじゃあプロヴァンス、協力してくれてありがとう」
「大丈夫だよ。またね、ドクター」
ドクターはレッドに引っ張られるように歩きながら彼女に手を振り返す。
「次はテキサス?」
「うん」
ドクターが訊くとレッドはうなずく。そこから特に会話のないままだったが少し歩くとレッドが口を開いた。
「ドクター。ドクターも、プロヴァンスのしっぽ、触りたかった?」
「うーんそうだなぁ、確かにちょっと触ってみたいかな」
「そう」
ドクターは答えるもレッドの反応はそっけないものだった。そうこうしているうちに二人はテキサスの元に着いた。
「そうか、わかった」
彼女に事情を話すと快く引き受けてくれた。
「いつも助かるよ、テキサス」
「別に、これくらいはお安い御用だ」
レッドがテキサスのしっぽを触っている間、彼女とドクターは軽く世間話をしていた。そしてレッドはしっぽを触りながら、テキサスと会話するドクターを眺めていた。
「協力してくれてありがとう、テキサス」
レッドがしっぽに満足して離れるとドクターはテキサスの頭に手を伸ばす。
「バカ、あまり撫でるな」
数回頭を撫でられたあと、彼女は表情も変えずにドクターの手を軽く払いのけた。
「わかった。それじゃあ、また何かあったらよろしくね」
「ああ」
ドクターが手を振ると、テキサスは少し口元を緩め、二人と反対方向に歩き出した。
「満足できた?」
「……わからない」
ドクターがレッドに尋ねると彼女は少し困惑した表情をする。
「一度、部屋に戻る」
レッドはそう言って歩いていってしまう。ドクターはその背を追って歩くのだった。
レッドの部屋に戻ってきたドクターは手近にあった椅子に腰かけた。レッドは一息つく彼の正面に立ち、不安そうな表情をしていた。
「ドクター、教えて……。もし、ウルフハンターじゃなければ、レッドは、違う人生を過ごせたか……?」
しっぽは垂れ下がったままでも、真っすぐにドクターを見つめてレッドは問う。
「……その答えは、きっとレッドの中にあるよ」
「そう……か」
ドクターの曖昧な回答にレッドは少し考え込んでしまう。レッドは思っていた。テキサスやプロヴァンスのような肩書であったなら、もっとドクターと話せるのではないかと。プロヴァンスとテキサスのしっぽを触れて満足なはずなのに、ドクターが彼女たちと楽しそうに話しているのを見て少し苛立ちを覚えた。その苛立ちが何かわからず、レッドは困惑していた。
「……ドクター、さっき、プロヴァンスのしっぽ触りたいって言ってた。代わりに、レッドのしっぽ、触ってもいい」
思考する最中に、ドクターのさっきの言葉を思い出したレッドは、彼にしっぽを差し出す。
「どうしたの、レッド?」
「はやく……」
彼女の行動に困惑するドクターにレッドは早く触るように催促する。ドクターが言われるがままに彼女のしっぽに触れるとレッドの体がビクリとはねる。レッドに気を遣うように優しくしっぽを撫でると表情こそ変えないがくすぐったそうにしっぽが動く。手入れなどは全く興味がないであろうレッドのしっぽは少しごわついた触り心地だった。
「っ、フー、フー……」
ドクターがしっぽを撫で続けていると次第にレッドの呼吸が大きくなっていく。それに気づいたドクターが手を止めると、レッドのしっぽは残念そうに垂れ下がった。
「レッド、大丈夫?」
「大丈夫、だけど、レッドは、レッドの気持ちがわからない……」
振り返ってドクターを見る彼女の頬は紅く上気していて、ドクターは彼女の状態を察する。
「わからない……体がふわふわして、怖い。だけど、いやではない……」
彼女が発情しているのは間違いないのだが、縁遠いところを歩んできた彼女は自身の体の状態がどういうものかわからず戸惑っているようだった。
「ドクター、レッドに起こってること、教えて……?」
レッドの縋り付くような眼差しにドクターは静かにうなずくと、彼女の頭をひと撫でして抱えあげると、レッドをベッドまで運んだ。
彼女をベッドに下ろすと、レッドに背中を向けさせて四つん這いにさせた。ドクターは再びレッドのしっぽを触り始めると彼女の息はまた荒くなった。
「なにか、くるっ……! ドク、ター……」
そのまましっぽに強く刺激を加えるとレッドの体はビクビクと反応する。
「気持ちよかった?」
「きもち、いい……?」
ドクターがそう尋ねると彼女は少し惚けたような表情で呟く。
「もっと、してほしい……」
そう言いながら彼女はしっぽをドクターの腕に絡みつける。頷いたドクターはレッドの服を脱がせ下着に指をかけて、下ろしていく。
「?? ドクター、なにをしてる?」
ドクターの行動に彼女は不思議そうに首を傾げた。
「レッド、今からセックスっていうことをするんだ。これは子どもを作る時にする行為なんだけど、しっぽを触られるよりもっと気持ちいいことなんだよ」
「うん、教えて、ドクター……」
ドクターが説明をしている間もレッドは待ちきれないと言わんばかりにしっぽをドクターの腕に絡みつけては自らを慰めるように激しく動かしていた。
「うん」
ドクターは返事をすると彼女の秘所を確認する。先程軽い絶頂を迎えたこともあり、すでに十分なほど濡れていた。そこにドクターが指を這わせるとレッドの体が大きく跳ねる。そしてドクターはペニスを取り出し、レッドの秘所にあてがった。
「レッド、君のいまの感覚は、発情って言って、気持ちいいことをたくさんしたくなることなんだ」
そのままレッドに説明しながら腰を沈めていく。
「ん、くっ……」
自慰すらしてこなかったであろう彼女の膣内はあまりに狭く、レッドは挿入に苦悶の表情を浮かべる。
「偉いね、レッド」
奥までペニスが入るとドクターは彼女の頭を撫でる。レッドの呼吸は先ほどまでよりさらに荒くなっていた。
「フーッ、フー……、ドクターっ、もっと……」
本能がそうさせているのか、彼女は止まっているドクターに催促するように腰を少しだけ動かす。レッドに答えるようにドクターは体を動かす。
「ひゃうっ」
ドクターが少し腰を引くと、普段のレッドからは到底でてこない声が漏れる。彼女の少女らしい声にドクターの興奮も高まっていく。次第にピストンのスピードが上がっていき、ドクターは動物のようにレッドの上に覆いかぶさり、彼女の頭を軽く押さえつける。
「レッド、イクよッ……」
「フー……、フゥ、フゥ……」
そしてそのままレッドの体に腰を強く打ち付け、ドクターは絶頂の直前、彼女からペニスを引き抜く。
「ッ~~~~~!!!!」
彼女の背中に精液がかけられるのに合わせるようにレッドの体もビクリビクリと反応する。
「フ────ッ……フ────ッ……」
絶頂が終わると二人は息を整えるように余韻に浸っていた。
「レッド、どうだった?」
一呼吸ついたドクターは彼女に声をかけながら、背中にかけた精液をふき取る。しかしレッドの発情がそれだけで治まることもなかった。
「ねぇ、ドクター。もっと、セックスしてほしい……」
レッドは仰向けになってドクターにお腹を見せると、足を開き自らの秘所を手で拡げて見せた。その愛らしくも色気のあるしぐさと表情にドクターのペニスは硬くなっていく。
「……わかった」
そして再び彼女の秘所にペニスをあてがうと、ゆっくりと挿入していく。
「うぁ、あう……」
そのまま緩やかな速度でピストンを繰り返していると、レッドはドクターの首に腕を回してきた。そのまま顔を近づけ甘えるようにキスをする。
「ドクター、もっと、強くして……。激しくしてほしい」
彼女は両足でドクターの体をがっちりとホールドするとそのままもっともっとと催促するように腰を持ち上げて自ら快楽を貪る。レッドが腰を持ち上げると同時に彼女の膣が強く収縮してドクターから精液を搾り取ろうとする。その刺激に耐えながら、ドクターは彼女に合わせるようにピストンを繰り返す。
「レッド、家族ほしい……。ドクターとの、家族……」
「っ……レッド、もう……」
ほぼ限界だったドクターはレッドの言葉にこれ以上耐えられなくなる。
「ちょうだい、レッドの家族……! ドクターの、子供っ……!!」
レッドの足にいっそうの力が入り、ドクターの体を引き寄せると同時に彼女の膣も蠢く。その瞬間、ドクターも絶頂を迎える。
「っ、はぁ……。レッド、わかる……。ドクターのおちんちんがナカでビクビクしてる……」
レッドも同時に絶頂を迎えるが彼女の力は弱まらず、さらにグリグリと体を押し付けた。
ドクターの射精が終わってもレッドはしがみついたまま離れず、ドクターは息を整えながら彼女の頭を撫でてキスをした。レッドも甘えるようにそれに応えるのだった。
後日──。
それからドクターはいままで通りの過ごし方をしていた。しかし一つだけ変わったことがあった。
「ドクター。レッドは任務に行ってくる」
書類仕事をしていたドクターの隣に突然現れたレッドはそのまま返事を待たずにドクターの頬に口づけをする。そしてドクターが返事をする間もなく、どこかへ去っていってしまった。
「いってらっしゃい」
レッドに届くかはわからないが送りの言葉をドクターはつぶやく。そして目の前にいたケルシーの視線に気づく。
「あー、いや、これはその」
「……君とオペレーターが信頼関係を築くのは悪いことじゃない」
と彼女はため息交じりに言う。ドクターは安堵するが、彼女はただ、と言葉をつづけた。
「今後は君の周囲に人がいない時にだけするよう伝えておこう」
ケルシーの言葉にドクターは「お願いします……」と小さくなりながら言ったのだった。
読んでいただきありがとうございました!
そろそろ普通のほのぼのしたのも書いてみたいですね。あとブルアカのエッチなやつとか……。