The Works of Black Bird ~Ventangle二次創作~ 作:Reyo
ネットサーフィン
24世紀における情報ネットワークとはどういうものか。
端的に言えば、混沌の2文字である。情報生命体として再臨した神々の住処たる『電脳空間』は一般目線のユーザビリティでいえば22世紀の頃からまるで変化を見せず、専門家たちにとっては文字通りの『触らぬ/障らぬ神の住処』と化した。
特に情報や端末の規格となればまさに八百万を数えかねない勢いで増え続けており、神の縄張りをひとつ違えれば高級端末がスクラップ同然ということもままある。
だからこそ――『ブラックバード』鹿島・ユウのように情報処理技術に長ける者は重宝される。ネットワーク上での情報収集を専門にするハンターすら存在する中、荒事もこなせるとなれば得難い人材なのである。
そう、情報収集の専門家が存在するのだ。それほどに、複数の端末を使い分け、神々の領域を時には堂々と、時には密やかに訪問し情報を持ち帰るのは24世紀では技術なき者には到底なしえぬ所業なのである。
「……やけに報酬が安いと思ったら、そういうことかぁ」
その日、ユウが受けたのはいわゆる『掃除』の依頼であった。
半グレ集団が不法占拠した施設を24時間以内に奪還する。不法占拠者の生死は問わず。荒事の標準的な報酬からすれば2割ほど安い割には、制限時間がシビア。施設内での拾得物は自由に持ち帰っていいという条件が付いていても、割がいいとはとても言えない。
「まさか中継ぎでピンハネされてるとは。珍しいことじゃないけど……名前を騙るのはやりすぎだよねぇ」
そんな依頼をなぜユウが受けたのか……答えは非常にシンプルだ。
金が、ない。
根無し草で基本はホテルか適当な所に転がり込む日常。かつ銃使いとしてのランニングコスト。いかにハンターが仕事1回で大金を稼ぎ出すといっても、限度というものは出てくる。
だからこそ、相場より2割も安い仕事を受けた。裏取りついでにちょっとばかり情報の荒波を乗りこなしたら、依頼主から口止め料を貰えそうな情報に辿り着いたという次第である。
「深夜の夜襲で人数不利はどうにかするとして……もう9時過ぎかぁ」
ユウがこのインターネットカフェに滑り込んだのが18時前。3時間程の情報収集でざっくりと仕事の裏取りと不法占拠者の人数を割り出しを終え、ユウはぐっと背伸びした。
「軽く休んで、0時にここを出ればいい時間かな……」
そのひとり言を拾い上げてか、ユウの座るブース――24世紀でのネットカフェは、全席個室が基本だ――のドアをノックする者がいた。
「……! はぁい、誰?」
情報収集中の護衛を依頼した者とは、ノックのリズムを取り決めておいた。
加えて、何かブースまで運んでもらうようなサービスを頼んだ覚えもない。
それらの前提条件から、ユウは即座に臨戦態勢をとった。愛銃を音もなく構え、それと対照的にわざと手荒い動作でドアのロックを外し、しかしドアを開けるのはノックの主に任せる。
ドアの開く瞬間こそが機先を制すための要だからだが……。
「酷いなぁ、殺気を向けるなんて。キミの仕事中、見といてあげたのに」
周囲を慮って潜められ、それでもなお艶の消し切れない少年の声が聞こえ、ドアはあっさりと開いた。
「……もう、驚かせないでよ、酒呑。ノックのリズム、また忘れたでしょ? 今日こそ覚えてくれると思ってたのに」
ひょっこりを顔を覗かせた顔なじみの少年――の姿をした神のアバターに、ユウはげんなりした表情を隠そうともせず応じた。
「あはは、キミのその顔が見たくてさ」
まるで反省していない表情と声のまま、少年……酒呑童子がユウのブースへと踏み込む。ユウも、それを止める素振りは見せない。
「そろそろ一区切りみたいだから、お礼を貰っておこうと思ってね」
情報収集中の暇つぶしにとユウが積み上げていた物理書籍をブースの端に追いやりながら、酒呑童子が用件を告げる。白皙の美少年が満面の笑みを浮かべる姿は、少年性愛の嗜好がなくともコロリと転んでしまいそうな魅力が満載だ。
一方、構えていることを咎められもしなかった銃を安全な場所に置きながら、ユウは「まったく、心臓に悪い」と呟いていた。
「あれ、ちょっと元気がない? ……それとも、そういう気分じゃない?」
「どっちでもない!」
揶揄うような口調の酒呑童子に、ユウが拗ねたように小声で吠える。
水干を雑に脱ぎ捨てた酒呑童子が纏うのは肌着のみ。24世紀という堕落の時代であっても、肌着のデザインはどちらかというと煽情的な部類だ。酒呑童子の細い体にぴったりと張り付き、胸元から股間にかけてをVの字状の布地が覆っている様はコスプレを思わせた。
「単に、せっかくの美少年なんだから、もっと素直におねだりしてくれればなって」
「獲って喰おう、ってわけでもないしねぇ。これでも、素直なつもりだよ?」
「それは、そうかもしれないけど」
元は一人用のフラットスペースに我が物顔で寛ぐ酒呑童子。そんな彼の腰にすり寄りながらユウは唇を尖らせた。
「お礼が欲しい、じゃなくて。お礼をしろ、でいいのさ。お互い、知らない仲じゃないんだから」
2人の付き合いは、そのままユウが堕天特区に根を下ろしていた期間と等しい。本来ならば畏れ多い神の一柱たる酒呑童子に対するユウの気安さもその年月から来るものだ。
「それに、ボク好みの顔なのは昔っから変わらず、さ」
ちゅ、という接吻の音とともにユウの唇が酒呑童子の腰に触れた。
てろり、と薄い舌を押し付けるように這わせるユウ。その頭を慣れた手つきで撫でる酒呑童子。ブースの中を、しばらく湿った口付けの音だけが支配して。
「……ところで、これ、どうやって脱がすの?」
「ああ、これ?」
腰から股間へとゆっくりと舌先を移し、唇で留め具を外そうとしたユウの疑問の声。
応じた酒呑童子は何でもないことのように首を傾げ、魔力で編まれたその装束をはらりと霧散させた。
瞬く間に全裸になった酒呑童子。ユウの目前に晒された肉棒は包皮こそずるりと剥けているが、少年らしい体躯に見合ったこぶりなサイズ。色合いも、酒呑童子の好色具合からは考えられないほどに白い。
「……お礼が欲しい、って言いながら。まだ準備できてないじゃないか」
それを見たユウが、不満げな鼻息を漏らしながら酒呑童子の股座に顔を埋めた。
舌先を這わす先は、肉棒よりも下。鼠径部を辿って玉袋の横合い、裏側へと唾液を塗し、そこから延びる竿は掌で愛撫していく。
くすぐったそうな吐息を漏らしながら、酒呑童子が何処からともなく朱塗りの酒盃を呼び出した。尽きることなく酒精を生み出すそれを傾け、零れ出る酒精に己の肌を伝わせる。胸元から臍を経由して上を向き始めた竿で流れは2つになり、精を溜め込んで張り詰めた陰嚢の裏でまた1つに。そして最終的にユウの口元へと流れ込んだ。
「――ん、美味し」
注がれた無色透明の美酒か、あるいは酒呑童子を評してか。とろりと蕩けた声を漏らしながら、ユウは事前準備の奉仕を終えて酒呑童子の上へと覆いかぶさる。少年姿の酒呑童子を組み伏せるようなその姿勢は見方によっては犯罪スレスレだが、実際に主導権を持つのはその『少年』の方だ。
「アハ、いい顔……」
おいで、と囁きながら酒呑童子がちろりと舌を覗かせる。鬼神であることの証左のような長い舌。
ユウが応じて唇を開けば、何の遠慮もなく酒呑童子の唇がそこを喰う。
じゅるり、べちゃり、びちゃり――およそ考え得る淫らな音の大半をたてながら、ユウの口腔だけでなく、顔全体を酒呑童子が蹂躙していく。
どろどろの唾液を塗りたくられて、しかし嫌な表情をするどころか更に蕩けた様子を見せるユウ。苦労しながら片手で脱いだスパッツを片足に残したまま、発情期の雌犬のように酒呑童子の体へ股間を擦り付けて愛液でマーキングしていく。
「んっ♡ じゅるっ……♡ 濡れてる、ねぇ?」
「それくらいの、ハンターでないと、酒呑にお礼ができないでしょお♡」
長い舌による蹂躙から解放され、息も絶え絶えになりながらユウが嘯く。
そんなユウの様子を、どこか挑発的な眼で眺める酒呑童子。
(ああ――今日はそういう趣向、ね♡)
その目線で、何が求められているかをユウははっきりと理解する。酒呑童子からの愛撫がわざとらしい拙さを伴う乳首へのタッチだけで、あくまで焦らすのみというのもその理解を後押しした。
つまりは。
「酒呑の、可愛いおちんちん、いただきまぁす♡」
(こういうことだよね、酒呑?)
礼として楽しませろ――全ては、ユウが主体となる奉仕で。
とろとろの膣肉で酒呑童子の幼い肉棒を咥え込むユウ。根本まで一息で呑み込み、ハンターとしての鍛錬の副産物たる締め付けを披露していく。
「んふっ♡ いいよぉ、好きなだけ、食べて、よっ♡」
そしてユウの行動が正解であるとでもいうように、酒呑童子は艶やかに笑った。
鬼神としての剛力は振るわず。むしろ、外見通りの年頃であるかのようにぎゅっとユウにしがみ付き、ユウが己の上で踊るのを楽しむ酒呑童子。
ただ、濃厚な口づけや唾液を擦りこむような動作だけは遠慮がない。その範囲も顔から首、鎖骨、そして胸元へとどんどんと広がっていき、ユウの上半身はまるでぶっかけプレイの後のように唾液でどろどろになっていく。時として噛みつくようなキスマークを残すのは、酒呑童子なりのサービスというやつだ。
「あはっ♡ 酒呑の、つば――お酒と混じって、いい、匂い……♡」
性技の大半を酒呑童子ら鬼たちに教え込まれたユウにとって、その臭いは興奮のブースターでしかない。ぐりぐりと股間を押し付け、酒呑童子の竿をマドラー代わりに愛液を肉壺でステアする動作はどんどん早く、激しくなっていく。
「我慢、出来なくなったら、ぜぇんぶ、中でいいから♡」
「は♡ ァ♡ なら、遠慮なく、いく、よっ♡ おっ♡」
最後は、ユウの言葉を引き金に。まるで攻守交替のような言葉と共に、しかし示すのはこれまで以上に密着した抱擁。ユウの乳房に顔を埋め、その谷間の香りを吸い込みながら――まったく遠慮のない吐精が始まる。
びゅるびゅるという射精の音が肉壺に包まれた肉棒から漏れ聞こえてきそうな程の勢い。量もまた、鬼神であることの証のようにとんでもない。
「んっ、んぅ♡ ん~~~ッ♡」
脈動と共に注がれる白濁に、ユウが絶頂の呻き声を漏らす。酒呑童子の抱擁に応えるというよりは、場所を慮って声を抑えるための我慢の姿勢。同時に、ユウが本格的にイく時の癖でもあり。
「あっ――♡」
その癖を覚えていた、とでもいうように酒呑童子が軽く腰を揺すれば、それに追いやられるようにもう一段深い絶頂へと至る。
ユウの絶頂がひとつの波を越えるまで酒呑童子の射精は治まらず。
そのままどちらからともなく口付けをして……抜かずの2回戦が始まった。