朝、ロクサーヌに起こされる前に目が覚めた。みんなに抱きつかれて寝ていたせいで多分早くに目が覚めたのだろう。
部屋の外からエマとロクサーヌの声が聞こえる
ロクサーヌがエマに聞いている
「よろしかったのですか?」
「ああ、彼女達だって流石に迷宮に入ると言うことは、それなりの覚悟があるって事だろ?私がそれを強要したわけではない。ミチオに抱かれるチャンスはロクサーヌとは違ってそれほどないからな。最後に抱かれたのがコボルトじゃ可哀想だろ?」
「それはそうですけど……私達とは意味が違います。彼女達は人族です」
冒険者になると言うことは死も覚悟していると言う事
彼女達の顔を見るとそんな風に感じはないがきっと心の内にはあるんだな……
「そんなに結婚を意識しているのか?それならジョゼに頼めばいいのでは?彼女なら他の誰よりも私達を追い出す真似はしないだろ?」
「そういう問題ではありません!」
「我々が潜れる迷宮には限りがある。私たちは彼女達にも頑張ってもらう必要はあると思う」
「ある程度の所で代わって、最後は我々が落とすと言う事ですか?」
「ああ。ミチオ様では、また1階からと言い兼ねないからな」
「用心深いですからね……でも、12階は気をつけてください」
「盗賊か?」
「はい。ご主人様でなかったらハインツ一味に全滅させられていたかもしれません」
「迷宮に入っているのに魔物より盗賊の方が危険か……不合理だな」
外での立ち話が終わり、エマとロクサーヌが部屋に入ってくる。
俺は寝たふりをしてロクサーヌが起こしてくれるのを待つ
ロクサーヌは近づくと3人を俺から剥がして、キスで俺をおこす。
「毎日口づけで起こしているのか?……まったく」
エマよ……これは大事な朝の儀式なのだ。と心の中で思いながら起こしてもらった
「ほらみんなも起きて!今日から迷宮だぞ?」
エマが3人に言うと飛び起きたが、彼女達はマッパだ
「早く着替えて用意してこい」
「はい」
と言うと3人は俺に次々とキスをして部屋から出て行く。
「ほらミチオも用意して」
と言うと、俺はロクサーヌに着替えさせてもらっているのを見て驚いている。
「うっ!!」
俺たちが降りると、俺たちのメンバーは既に準備が終わっている
そのあとすぐにガイウス達も来た
6人パーティだが老練と言うのだろうか……ガイウスがどうやら一番年下らしい……
唯一の女性は綺麗だがどう見てもおばあちゃんの域だろう。「ガイウス……こんな子供達と行くのか?」
パーティ内ではガイウスと呼ばれているらしい。マキシムとカルロスは知っているが、もちろん俺は鑑定でみんなを既に調べているがみんなをガイウスが紹介してくれた。
「探索者のグリーナウェイだ。グリーンと呼んでくれ」
顔に傷があるが、気さくそうなおじさんだ
「魔道士のグレイグだ。今日一日よろしくな」
禿げて白い顎髭をたくわえている気の良さそうな老人だ
「司祭のスレイターよ。回復役をしている」
「スレイター?」エマが声を上げる
「エマ!!」と言うと2人は抱き合った。
「どうしたのこんな所で?あなた、軍は?」
「もうとっくに辞めて、今はミチオの所で世話になっている。また会えて嬉しいよ」
と握手した。どうやら前からの知り合いだったらしい。まぁ知り合いがたくさんいてもおかしくないだろう。おもしろエロおじさんのパルパはいないんだな。ちょっと期待していたのだが……まぁあんな奴がいたらサークルクラッシャーなのは間違い無いだろう
「エマがいるならたのしくなりそうだわ」
「ああ。今日一日だけだが宜しく頼みます」
俺のパーティも俺が紹介した。うちは11人パーティだ
スレイターは「うん?こんなにいて、2つのパーティじゃなくて、もしかしてクランなの?」
ガイウスが答えてくれた。
「ああそうだ、アルフレッドにクランにしてもらった」
「まだまともそうね。うちの国のクランはみんな頭狂っているからね?あなた達も気をつけてね」
どういう事?
「えっ、はい」
今回はカミーユとエレーヌ、フリダ、ソフィーが我々のパーティ初参加なのも伝えた。
カミーユ 冒険者45レベル
エレーヌ 僧侶45レベル
フリダ 僧侶48レベル
もちろんレベルは教えてない。
今回はジョゼではなく、ソフィーに来てもらった。
なぜなら彼女は探索者だったからだ。いつもは俺がワープで移動しているからあまり必要としていないジョブだが、
みんなには俺は戦士で魔法はルティナのみで通すつもりだ
なので今回はルプリ村の近くの迷宮まで徒歩で行く。たいした距離ではないのでわざわざ魔法を使うまでもないと言う事だった
迷宮の入り口まで行くと案内人が焚き火をして二人組でいた
「今日は早いな」
「ああ。まだ夜更けだ、魔物には気を付けてな」
と言うと俺のパーティのソフィーとグリーンが一緒に迷宮に入る
しばらくすると戻ってきて俺たちのパーティも47階の入り口へと移動する。
正直めんどくさい。いつもならいきなりワープで行くのでこんな事で手間を取らないがガイウスのパーティがいるのでしょうがない。ここのルールで行くしかない
俺のパーティは今日はフルメンバーなので11人パーティだ。ガイウスのパーティは6人
セリーが俺たちに言う。
「ドリュアスがボスと言うことはアニマルトラップがモンスターです。火が弱点です」
迷宮はロクサーヌを先頭に進んでいく
ロクサーヌが
「アニマルトラップが3体来ます」
ルティナがブレイズストームを初撃で放つとベスタを先頭に直線状に進んでいく
ベスタとロクサーヌの一撃で2匹を落とした。エマが最後の一匹を攻撃して戦闘終了だ
ガイウスのパーティはあまり火力がない。ガイウスの持っているオリハルコンの剣が勿体無いくらいだ。ちなみに俺はシミターを使っている
俺は弓でも攻撃せず、シミターで攻撃する間も無く終了となった
まぁ俺は何もしていない。接近戦なら俺も何とか攻撃できるが、ロクサーヌとベスタがいたら俺のやる事はない
カルロスが
「すごい火力だ。あっという間に戦闘終了だな」
「この調子でどんどん行こう」
3回ほど戦闘をしたのちボス待機部屋まで来れた
「最短ルートと言っていたが本当に迷う事なく、真っ直ぐここまでこれた感じだな」
スキルでこのようにできているとは言わないでおこう。
ボス待機部屋でエマとミリアをガイウスのパーティに編成して、マキシムとグリーンをこちらのパーティに入れた
先にガイウス達が中に入ると、比較的すぐに扉が開く
「もしかして全滅?」
と思うほど早かった。
俺たちが中に入ると、煙の中からドリュアスが出てきたので、やはり突破したのだろう。
まぁエマとミリアがいたら瞬殺なんだろう。
こちらにはまだベスタとロクサーヌと言う強力なメンバーがいる。マキシムとグリーンが操られる前にさっさと終了させるのが良い。
俺もシミターで攻撃に参加するが
やっぱり巨乳の女性を剣で切るなどということは意識的に苛ませる
戦闘自体はあっという間に終わる。当然俺も精神攻撃耐性のスキルがあるので、魅了されることはないが心理的に疲れる
次の階層に行くと、ガイウスのパーティが
48階層入り口で待っていた
「早いな」と俺にガイウスが声をかけてくる。
「ドリュアスはどうだった?」と俺はガイウスに聞くと、
「胸のない女性を切るのは心が疲れる」
「んんん??」
どうやらガイウスには貧乳女性に見えているらしい
「巨乳だろ?」
「いや、貧乳だった」
「そんなもんどっちでもいいだろう!!」
とスレイターと、セリーが声を合わせて言う
「はい……すみません」
終始賑やかなパーティとなって難しそうな顔をしていたスレイターも笑顔が絶えなかった。
セリーが
「15階の魔物はグリーンキャタピラーなので、ここ48階層の魔物はホワイトキャタピラーで、ボスはレッドキャタピラーになります」
「いつのまに調べたの?」
と俺が聞くと
「入り口にいた探索者に聞きました」
もうルティナが嬉しそうだが、今日は攻略をメインにしているから、周回プレイはしないですよ。
「では先に進みましょう」と言うロクサーヌの合図で進む。
ボス戦ではエマとミリアはガイウスのパーティに入って攻略する。
48階層のボスも2人がいれば難なくクリアできる
ルティナが周回したそうな目をしていたが、
「また今度にしよう。今日はガイウス様の攻略が目標だからな」とルティナに言うと、理解してくれたようだ
我々もベスタとロクサーヌがいれば何の問題もなく攻略できた。
「49階層の魔物はパーンです。なのでボスはサテュロスになります」
「サテュロスなら問題ないな」
と俺が言うと、スレイターが
「わたしも一応女だよ!」と背後から頭をはたかれた。
ロクサーヌはビックリした。わたしのご主人様がよその女性に頭をはたかれている……
ロクサーヌがスレイターとの間に入り威嚇している。
「ご主人様の頭を叩かないでください」
「おっと、ごめんなさい。彼の事が好きなのね。でもほら、彼デリカシーがないでしょう?ちゃんとそういうところを教育してあげないと、あなた大変になるわよ」
「大変でもいいです!!」
「愛されてるねー。でも男は若い女が良いのよ。年を取っても愛される女になりなさいな」
「えっ?!うん。はい。ご主人様はわたしが年を取っても捨てたり、売ったりはしないですよね!?」
「ああ、もちろんだよ……」
「ほら!」
「ふふふ、そうだね。大事にしてもらうんだよ」
ロクサーヌはスレイターに肩を掴まれて小声で色々アドバイスしているがロクサーヌはどこまで理解しているのか……
「ああいう男は狼だからね、気をつけるんだよ?」
「えっ?!そうなんですか?わたしも狼人族なのですが?結婚できるという事ですか?」
「そういう意味じゃないよ。この子は……可愛いね」
「ほらご主人様。大事にするんだよ」
と俺に言ってくる
「えっ!?言われないでも大事にしているが……」
「嫌なことされたら私の所にきなさい。私の娘にしてあげるから」
「スレイターさんも狼人族なのですか?」
「……違うよ人族だけど。私が面倒見てあげるってことよ。このご主人様から買い取ってあげようか?」
「あっ、ありがとうございます。でも、今のご主人様がいいので遠慮させてもらいます」
俺は、「スレイター!!ロクサーヌは譲らないよ」
「お熱いことで」
「ご主人様、熱があるのですか?」
「%*?!#〆……」
「俺は元気だよ。スレイターはいい人だけど、エマより茶化したり、煽ったりする人なんだね」
「そうなんですね。エマよりも……それはいけませんね。エマもスレイターさん譲りかもしれませんね」
スレイターは大笑いしていた。
セリーが
「あの……ここ一応迷宮の49階層なんですけど?もっと気を引き締めないといけないんですけど!?」
「すまん」
「ごめんごめん。いつも嫌味なおっさんと爺さんとしか話してないから新鮮で、申し訳ない」と笑うのを我慢しながら話している
49階層も終わりが見えてきた。
パーンとの戦闘もエマとミリアがバックアタックを決める。バックステップをしながら俺たちの方へと後ろ向きでやってくる。その後、カルロスとマキシムが攻撃を入れる。
これを繰り返して戦闘は終了するが、カルロスがある事に気がついたらしい。
「このバックアタック攻撃をしないでベスタが前に出てベスタが攻撃をよく受けているように感じたのだが、ベスタはあれほど攻撃を受けても大丈夫なのか?どうして魔物は他のものを攻撃せずにベスタばかりを攻撃するのか?わざと攻撃を受けるように何かをしているのか?」と捲し立てるように質問をしてくる。
みんなは顔を見合わせる。エマが
「そう!ミチオそれが世の中の常識だよ」
俺は渋々答える
「俺たちのパーティではロールというのを設定して連携を取れるようにしています。人数が多いほどこのロールが必要になります。たとえばスレイターさんはヒーラーですよね。みんなのダメージ管理大変じゃないですか?」
「そうね。攻撃受けたらみんなに回復をかけないといけないからね」
「それが1人でよかったらどうですか?」
「そりゃ楽になるね……なるほどね……あなた賢いわね」
ロクサーヌはすかさず、「ほら!うちのご主人様はすごいんです!!」と言ってくれる
「ベスタは竜人族なのですか。元々体力はあるし大盾持ちなので、基本ベスタに攻撃が集中するようにしてますが」
ベスタが答える
「私にはダメージ入っていません」
「なんと!!あれだけ攻撃受けていて!?」
「盾役のベスタ。攻撃力を特化させたロクサーヌ、エマ、ミリア、ルティナは波状攻撃がかけられます。他の人に魔物の敵対心が向かないようにする事をヘイト管理と呼んでいます」
「なるほどな」
「他にも色々あるのですが、今のところこれくらいで精一杯です」
「えっ!?まだ他にも色々あるのですか?」
とロクサーヌが俺に言う
「ああ。でも今は必要ないから」
「じゃあまた今度勉強会ですね」
「えー」
とエマは勉強会は得意じゃないらしい。人を動かすのは天才的だが、それは天賦の才能なのだろう。頭で考えているわけではなさそうだ。
49階層のボス待機部屋の前まできた。
ガイウスが俺に言う
「今日はここまで連れてきてくれてありがとう。普通に来たらあと10日以上ぐらいはかかっていたと思う。とても勉強になった」
カルロスも
「最後の話は為になった。ロールという戦い方は今日はできないかもしれないが、帰ったら色々研究してみよう。貴重な情報をありがとう」
みんなと握手して別れる。
スレイターは「お前さんいい奴だね。私ももうちょっと若かったら惚れていたかもね。ロクサーヌを大事にしなさいね。あと、エマも」
「えっ?私はついでかよ」
「ああ、今日は楽しかった。また会えるのを楽しみにしているよ」
最後にスレイターと握手をして扉の中に入っていった
みんなが扉の前で立ち止まっている
セリーが「ガイウス様大丈夫ですよね?」
「ああ大丈夫だよ」
「そうですよね。丈夫そうですからね」
セリーが言うと重みがあるな。
「じゃあ帰ろうか……」
「はい」