リタに来てもらい、いつもポーションを作る時に使う寸胴鍋を持ってきて、みんなにはホワイトシチューを作ることにした(もちろんよく洗ったよ?)
パンはマロルに沢山あるのでその一部を分けてもらった。
マロルはパンをいつでも増産できるようだ。我が町の僧侶部隊恐るべし。
エステル男爵が隣に座り
「ミチオ殿、見事な采配です。感服しました。所払いで我が領土の村民を受け入れていただきありがとうございます。知らない間にこんな事になっていたとは、本当に村民にも謝らないといけない」
「このままお咎めなしにしても、街道から外れてしまったこの村はダメになっていく一方だったのかもしれません」
「ミチオ殿の言う通りかもしれません。元々街道に面していない農村はそれなりの方法で食べていく術を持っていたが、宿場町としての農村は街道から外れると、不幸な事になるのかもしれないな」
「目の行き届かない所にちょうど盗賊が目をつけた……という事ですね。アントン騎士団の方はどうでしたか?」
「アントンの騎士団は正規軍でいきなり訪れて一斉に詰所を包囲したらもう逃げ場がないからな。ヴィーというやつを見に騎士団総長と一緒に行ったらこんなやつ知らない!!という事で即捕縛だったな」
「そうでしたか……」
「ミチオ殿はこの後どうしますか?」
「俺たちはエステル様の領土を通り、ドブロー、サボージャを通る予定です」
「うん?!その道だと峠越えですか?」
「あっそう言っていたな。そうだと思います」
「それはそれは冬になると通行止めになるので早く通ることをおすすめします」
えっ、そんなにかかるの?
「ここからそんなに遠いのですか?」
「いえ、ミチオ殿は色々持っておりますからな」
「ははははっ」
返事できない……
「でしたら我が領地に向かわれると言う事であれば
インテリジェンスカードをお預かりしましょうか?その間に換金しておきます。併せてギルドの報奨金もあると思いますので、立ち寄った時にはぜひ屋敷に来てください」
うーんでもここは信用して渡した方が漢気あるよな……
ちょっと一瞬考えたが、エマから預かっているインテリジェンスカードも一緒に渡した
「では、お願いします」
ロクサーヌいまの見たよな!!インテリジェンスカード渡したぞ!!心の叫びとは裏腹にもうすでにロクサーヌはお酒を飲んで出来上がっている
「かしこまりました。お預かりします。今日の宴が終わり次第、盗賊の亡骸はこちらで焼却します」
「頼みます」
宴の途中だが、
マキシムがやってきて
「連絡が取れました。いまなら会えるそうです」
と言ってきた。
ロクサーヌは
「えっ、またどこか行っちゃうんでしゅか?」と完全に飲まれている
「ああ、皇帝陛下に会ってくる」
「がいうすしゃまですか?」
「エマ、ロクサーヌを頼むぞ。ガイウスに会ってくる」
「はい、了解です」
ベスタはさっきプリンを一緒に食べていた子とシチューを食べているので護衛は頼めないな……
セリーはガイウスの人が変わってしまうしな……
ミリアでは空気は読めるが話は理解できないだろうから……ルティナはボディガードとはいかないし、
ジョゼにしよう
「ジョゼ。一緒についてきてくれ」
「かしこまりました」
ロッジへとジョゼを連れていく。
セバスチャンが挨拶をする
「ようこそいらっしゃいましたミチオ様。マキシム様。こちらは?」
「ジョゼと言います。よろしくお願いします」
「かしこまりました、ジョゼ様ですね」
どうぞ2階でお待ちです。
俺たちは2階の個室に案内された
「おお、兄者。先日は手伝ってくれてありがとう。無事にルプリ迷宮を攻略できた。パーティのメンバーもすごく喜んでいたぞ」
「役に立ててよかったです」
「朕に話というのは?」
「今日エステル領のハーフテルの村という所に行ったのですが、実はそこ盗賊の隠れ蓑になっていました。本日殲滅したのですがエステル殿と協議の上、村民はマロルに一時預かりという事になったのです。また引っ越しする事になったので、明日、冒険者を30人ほど貸してもらえませんか?」
「ミチオ殿……また引っ越しか?」笑いながら答える
「流れで……そういう事になりました」
「ああ構わん。マキシム、頼んだぞ」
「はっ」
「それともう一つお伺いしないといけない内容がありまして」
「なんだ?まだあるのか?」
「はい。実は……ジョゼ、なんだっけ?隣の領土の名前」
「ラーゲル領です」
「ああそうだった。ラーゲル領の民から圧政に困っているので助けてもらえないか?という旨の案件がきまして、私が介入してもいいものかとご相談したいと思いまして」
「えっ?いいよ」
軽っ!しかもレティシアが言った通りの二つ返事じゃん
「そのかわり、民の命がなるべく奪われる事がないように気を付けてくれ」
「ははっ」
レティシア凄い!!ガイウスの事が読めるんですか?
「ラーゲル領は確かに困っていた領土で、なかなか特産物もなく、迷宮の攻略も後回しになっているからな。ミチオがなんとかしてくれるならそれに越した事はない」
なんか上手く厄介事を任されたのか?
「それだけか?それより早くギョウザパーティとやらに招待しろ」
覚えてるのかよそんな事
「次回のギョウザパーティには必ず。今日はありがとうございました」
「エステル領の件ありがたく思うぞ。よくやってくれた」
「ありがとうございます」
と言うと俺たちは退席した。
ジョゼが小声で
「次回のギョウザパーティには皇帝陛下が来るのですか?」
「まぁそういう事だな」
「ええっ!!」
「なるべく先にしよう」
セバスチャンに挨拶すると元のハーフテルに戻った
宴はまだ続いていたが、みんな最後のハーフテルの村を楽しんでいた
その日はみんな宿屋で泊まる事にした。
俺も疲れていたのか、ベッドで横になるとすぐに寝てしまって気が付かなかったが
深夜には盗賊の亡骸を騎士団が焼いていたので、街が燃えているように赤かったそうだ
また俺を揺らす者がいる。セリーか?
「ご主人様起きてください。迷宮の時間です」
ロクサーヌだ
なぜ今日はキスで起こしてくれない……??
「うん?ロクサーヌ?おはようのあいさつは?」
「申し訳ありません。昨日お酒を飲んでしまったので、今日はお酒臭いかと思い、このように起こしてしまいました」
「そうか。昨日はかなり飲んでいたみたいだからな」
「申し訳ありません」
俺は体を起こすとロクサーヌが俺の装備を装着してくれる
俺はまだ半分夢の中だがロクサーヌがテキパキと用意してくれる
俺たちが1階に降りるときにはすでにみんなの用意は終わって待っていた。
今日はジョゼとルシール、ラウラが参加している
「さぁ迷宮に行きましょう」
「何階からだっけ?」
「52階からです」
52階にワープで来ると
セリーが説明してくれる
「52階はロールトロールです。雷魔法を使ってきます。火が弱点です。強烈な一撃があるので気を付けてください」
ロクサーヌが
「早速6匹のトロールがきます」
「えっ?まだ入り口だぞ?」
「速攻で倒すか?それとも……」
「6匹だろ?速攻というわけにはいかないだろ?」
ルティナが
「土の壁を作りましょう。雷撃は防げるはずです」
ルティナが土壁の呪文
「*****グラウンドウォール」
俺は魔法の3連打
「ブレイズストーム」「バーンストーム」「ファイヤーストーム」
エマも指輪でバーンボールを使う。
魔法の撃ち合いになるが、こちらは土壁に隠れて撃つ。
相手を少しずつ減らしてチクチクと攻撃する。
ロールトロールがゴロゴロと転がってこちらに向かってくる。
俺たちの横に現れたロールトロールは弓矢で集中攻撃。
これを繰り返してなんとか勝てた。
鉄の塊が5個落ちていた。
「えっ?!ドロップ率高いね」
と俺が言うと、
セリーがちょっと嬉しそうな顔をした。
次はピッグホッグ2匹とロールトロール4匹の組み合わせで来た。
同じように土壁を作ったが、ピッグホッグが突撃して土壁を削る。通路の反対側にルシールが土壁を作ると
ベスタがそこに回転しながら移動して斜めからアイスジャベリンをピッグホッグの脇腹に投げ突き刺す。
俺は魔法を連打する事で相手を殲滅する事ができた。
この戦い方だとMPがすぐにつきそうだ……
ロクサーヌが
「少ない数なら魔法を使わずにいってみましょう」
確かにこのままなら接近戦をする彼女らは何もする事がない。
今度はロールトロール3匹にエンカウントした。
俺が「グラウンドウォール」を作ると、マジックユーザー達はそこに隠れて弓矢で攻撃する。
俺は遅れたが、ベスタ、ロクサーヌ、エマに続いた。
セリーも強権の鋼鉄槍で接近戦に参加している。
ベスタ並みの大きさで、ものすごく拳が大きくアンバランスだ。
ドカッ
ロクサーヌがロールトロールの攻撃を避けたら壁にその拳が当たる。
いや、あんなのに当たったら一発で死ぬだろう?迷宮の通路が少し凹む。
ミリアはいつのまにか奴らの後ろに回り、背後からクリティカルをキメる。
ロールトロール達はいつの間に後ろに?と思うと背後を見てしまう。
エマとベスタはすかさず攻撃を入れる。俺もMP回復のために頑張らないといけない。
この近距離から魔法の攻撃をするつもりか?
ロールトロールの一帯の足元から魔法陣が発現する。
そこはセリーが攻撃する事で魔法をキャンセルさせる。
とてもいい連携だ。
ロクサーヌが最後の一匹を倒すと戦闘終了となる。
セリーが鉄の塊を見つけて
「やった!これで一個インゴットにできる」
と言うと先ほどの鉄の塊らと一緒にスキルでインゴットに加工する。
よく考えると、まぁセリーはやる事が沢山だ。
魔法戦闘の時は弓矢で牽制してゴロゴロ転がってくるのを防ぐ。接近戦では魔法を使おうとしている奴らに積極的に近づいてマジックキャンセルをする。戦闘終了後はアイテムを加工する。
そんな中、俺はセリーに
「ロクサーヌの剣に兎のスキルをつけたらどうか?」
「うん?必要ですか?」とセリー
「今のところないが、2匹同時に魔法攻撃が出たら、セリー1人では対応できないだろうから、ロクサーヌにもあった方が良くないか?」
「ロクサーヌさんはどうですか?」
「ご主人様がおっしゃるなら私は構いません」
「じゃあセリー、このオリハルコンのエストックに、コボルトのカードと兎のカードでスキル合成を頼む」
「はい」
強権のオリハルコンエストックができた。
これで、魔法のキャンセルがセリーとロクサーヌ、俺でできるようになった。
少ない敵の場合は接近戦で、多い時は魔法戦で対応する事をしばらくこの階層にてエンカウントしながら対処した。今日はこの後には引っ越しもあるので、昼前には迷宮攻略を終了した。
結果、鉄のインゴットを7個手に入れることができた。
ハーフテルの村に帰ってくると、すでに帝国から機動部隊の30人が集まっており、準備を始める。以前にこの任務をした事がある者のみで構成されているので話は早かった。
ジョゼは他のメンバーを連れてすでにマロルに行っている。向こうは向こうで準備があるだろう。だって俺何も言っていないから……
レティシアも慌ただしく動いてくれている事だろう。
50軒ほどの家の移動もルティナと一緒にすればあっという間に「アイテム」の呪文で小さくできた。
後は村人達と一緒にマロルに行くだけ。
エステル殿ともここで別れた。
「ハーフテルの村民をよろしくお願いします」
と頭を下げてお願いされた。
「はい。
お預かりいたします」
すでに場所は用意されていて、騎士団も準備をしている。
流石に2回目なのでスムーズに終了した。
村人達は度肝を抜かれたようだ。家ごと引っ越しだから無理もない
ものの30分で全ての引越しが完了して、機動部隊の方々にお礼を言って解散した。騎士団から村民に色々レクチャーをしている。
騎士団の指揮はロクサーヌが執っており、以前よりスムーズだ。ダラダラしている感じが微塵もない。
レティシアに以前話した隣の領土についてGOサインを出した。レティシアはそれに対して
「かしこまりました。準備していきます」
また、進展があったら連絡してもらえるように言った。
有能な部下を持つと話が早い。
じゃあ俺は馬車の旅の続きを……
「うん?馬車って今どこにある?」
「アントンですね」とエマが答える。
「ああ……そうか……置きっぱなしね」
おやすみありがとうございました
毎週月曜日、金曜日の21時頃に更新してます
ーーお願いーー
どれくらいの人が読んでいるのか知りたいので、高評価と読み終えたらしおりもお願いします。
沢山のお気に入り、しおりをありがとうございます