クーラタル52階にワープで移動してきた
昨日と同じ戦法で、数が多い時は魔法で、少ない時は接近戦でロールトロール達を次々に屠っていった
始めて1時間ほどで、ボス待機部屋まできた。
セリーの顔を見ると、セリーは阿吽の呼吸で話し始める
「ここのボスはルーキートロールです。今までのような猫背のトロールではなく、ムキムキのトロールでスピードもあります。もちろん一撃も強く雷撃の魔法も使ってきて戦闘能力も高いと言われています」
では「シールド」の呪文をみんなにかけておこう。
効果時間が短いので、ずっとかけっぱなしと言うわけにはいかない。効果がどれほどあるかわからないが「メッキ」もかけておこうか。
「セリー、やっぱり弱点は火なのか?」
「はい。そう言われています」
「じゃあ、やはり最初は魔法で牽制したのち接近戦で戦うことにしよう」と提案した
ボス部屋の扉が開く
中に入ると、ロールトロール2匹、一際でかい奴が2匹。あいつがルーキーか?!
俺は魔法で3連打するとその炎で一気にベスタが近づく。
「ストーム」を避けたのか?
そんなロクサーヌみたいな事できるのか?
ルーキートロールの右パンチをベスタが盾で受けた。
いやいやベスタでなかったら壁まで飛ばされていたぞ
セリーとラウラがロールトロールの1匹についた
もう1匹はロクサーヌがついた
ゴロンゴロンと転がり器用に攻撃を避けている
ルーキーの2匹は俺とベスタ、ミリア、エマ、ルシール、ルティナがついた。
呪文を唱え始めたら俺が処理を一人でしないといけない。
ミリアがバックアタックを一人にかけると、目の前に居たのにびっくりしたようだ
ベスタはジャベリンを投げて攻撃するが、みるみる回復している
エマが「1匹に集中攻撃をかけないとすぐに回復するようだ。みんなで攻撃を合わせよう」
最初にミリアが攻撃した個体に攻撃を集中させて、もう1匹はベスタが守備で攻撃を受けている
ルティナは矢にファイヤーエンチャントをかけてもらって
弓で攻撃をする。混戦だから魔法というわけにいかない
だが火矢は効果あるようだ
肩に当たった矢を引き抜こうとした一瞬の隙を見て、エマが片足を切断した。
流石に切断したものはすぐには回復しないようだ
みんなで一気に一匹に攻撃を集中させると
最後にエマが指輪のバーンボールでトドメを刺した
もう1匹はベスタが一人で受け持っている。
ロクサーヌ、セリー、ラウラもロールトロールを仕留めたようだ
後ろから攻撃すると、それがクリティカルになったのか回復が遅くなった。
ルティナの火矢が気になるのかチラチラと見て矢が飛んでくるとそれを掌で受ける
エマが
「ルーキー、かわい子ちゃんが目の前にいるのにチラチラと他の女を見てていやらしいぞ」と意味がわかるわけでも無いのにルーキーをからかった。
ロクサーヌが背後から大ジャンプして、頭にエストックを垂直に突き刺してルーキーは倒れる。
相変わらずすごいな。ロクサーヌ並みに動きが速いのにそれを見越してあの動き。一枚も二枚もロクサーヌの方が上手だった
セリーはドロップしたダマスカス鋼を見て嬉しそうに回収している
「そうきましたか〜鉄の次は鋼鉄かとぉ思っていましたが
ダマスカス鋼ですか~」と笑顔になっている
もちろん鉄も回収した
53階に移動した。
「53階はラフシュラブです。人型の灌木です。攻撃範囲が広いので注意が必要です。数も多いので、目の前の敵だけではなく、周りにも注意しないと後ろから攻撃受ける心配もあります。弱点は火です」
「じゃあまずは火炎で攻撃だな。とりあえずロールトロールと同じ戦法で行こう。数が多かったら魔法で、数が少なかったら接近戦で」
「はい」
ロクサーヌが
「ラフシュラブが3匹です」
俺は初撃でブレイズストームで3匹にイニシアチブを取る
炎の中で枝がメラメラと燃えて、蠢いている……
ある程度落ち着くまで、俺は「マジックミサイル」を撃ち込み一番手前の魔物に攻撃した。
バキバキと音を立てている
「行くぞ」と俺が声をかけると、ベスタとジョゼが先頭を走って間合いを詰める。俺もデュランダルを装備してみんなと一緒に走っていく。ロクサーヌとエマは足の速いベスタにピッタリとくっついて行く。俺はジョゼの後ろに立つ
いや、ジョゼもかなり足は速い方だと思う。
俺もついていくのがやっとだ。本体に近づくには周りの枝を伐採しないと後ろから攻撃を受けることになるので周りの枝をまず薙ぎ払っていいく。やはり、まだ俺は何発か反撃を受けてしまうがHP吸収があるから当然打ち合いでは俺が倒れることはない。ロクサーヌとエマは全く攻撃を受けていないようだ、ミリアは全くどこで戦闘しているのかわからないが、気配を消して戦闘してるのだろうが、そもそも姿が見えにくい。ある意味すごい攻撃だ、認識されなければ攻撃を受けることもない。
ある時は天井にいたり、背後にいたりと、他のメンバーの射線に入らないように気をつけながら攻撃している
ラウラも槍で攻撃するが彼女の攻撃も素晴らしい。
棒高跳びのように空中を舞い、あの大柄な体でも軽々と空中から攻撃をしたり間合いを一気に詰める戦い方だ、特に連撃突貫は射程攻撃スピード共に十分な攻撃だと思う
多分槍術はセリーやベスタよりも上であろう
あっという間に戦闘は終了した
「ラウラすごいな」
「ありがとうございます」
と相変わらずコミュニケーションは得意ではないようだ
彼女はベスタにのみ心を開いている、
ベスタに聞いても、
「えっ!?とてもいい人ですよ。私より凄いのに竜人族として出来ている方なのだと思います」
と要領を得ない
まぁそういう人なのだろう。俺の奴隷なのだがもちろんキスもしたこともない。
まぁ無理やりすることもないからな。
4時間ほど戦闘をして、削り掛けが沢山とロールトロールも出たので、鉄も少し手に入った
ロクサーヌの号令で終了とした
ワープで川のほとりに立てたコテージまで戻った
マリーが声をかけてくる
「ちょっと困った事が起こっています」
「うん?どうした?」
「たぶん野良の猫人族だと思うのですが、まだ子供で、このコテージの周りを囲んでいます」
「見えていないんだろ?」
「はい、見えてはいないとは思いますが、食事の匂いで近づいてきたのだと思います。どうしますか?」
確かにキョロキョロとしている
「うーん……でも子供ってことは親も近くにいるかもしれないということだろ?」
「ううん」とミリアは首を横に振る
「この子達、野良なら親は近くにいないと思うよ」
「捨ててしまうということか?」
「いえ、猫人族は15歳に成ったら家からでてしまうので……」
ニート、ダメ絶対ということか……厳しいな。ミリアもそうだったのだろう
「だから魚が居そうな所に集まるのか……」
コクッとミリアは頷く
夏に川に遊びに行った時、他に誰も居なかったのは、もしかしてこういう事も原因だったのか?
「猫人族のみんながみんなこうじゃないけど、野良同士で子供ができてしまうと、こうなってしまうかもしれません」
「襲ってくるとかはないの?」
「そういう事はいけないと思っているのでそれはしないと思います。ただ匂いに釣られてどんな物かを見に来たのだと思います」
まぁ5,6人とは言え見られていると気が引けるな
「一緒に食わしてやるか?」
エマが「大丈夫ですか?今回食事を与えても彼らの生活は変わりません」
ミリアもそれはわかっているようだ、だから賛成も反対もしない
「彼らはどうして、漁師や海人なのに内陸に住んでいるんだ?」
「それは川魚もいるからではないでしょうか」
「それでは生活ができないということか?」
「どうでしょうか……それは本人達に聞いてみないとわかりません」
「じゃあ話を聞くためにも一緒に食事しないか?話すだけだから」
「わかりました。食事の量はたぶん問題ないので」
とりあえずシャワーを浴びよう。
木に特製ジョウロをつけて魔法をかけてお湯を出す
周りから見られている感じがあるが向こう側から見えていない。みんな普通に裸になっている
シャワーも終えて食事の用意もできたので、ミリアが彼らを呼びに行く。
急に現れたミリアにとても驚いていたが、同じ種族でバーナ語で話しているので受け入れられたのだろう。何の話をしているかわからないが問題ないようだ。
ルティナに「タンズ」という呪文がある事を進言された。
「なんだっけそれ?」
「これで、バーナ語とブラヒム語を同時翻訳してくれます」
「そうだったか」
俺とルティナはその呪文を唱えるとミリアが話している内容も理解できた
どうやらみんな兄弟らしい
ミリアが俺の方にやってきて
「彼らはみんな兄弟のようです。税金が払えないので街の外に住んでいるようです。他にも4人兄弟がいるようです
どうしますか?」
「他のも呼んできてもらっていいよ」
と俺がいうとミリアは少し安心した笑顔で
「はい。伝えてきます」
しばらくすると10人の猫人族の兄弟がきた
上は17歳から12歳までの10人だ。男3人であとはみんな女だった
一番年上の女の人が言った
「本当によろしいのでしょうか?私たちには何もお支払いできるものはありませんが……」
「ああ」
ミリアが「大丈夫ですよ。ご主人様は優しいので、何かを要求することはないですよ」
ミネステローネとベーコンエッグ、そしてパンが今日の朝ごはんだ
みんなの前に用意される
「うぁー美味しそうだよおねえちゃん」
「うんそうね。美味しそうね。みんなで一緒にいただくのでまだ少し待ってね」
と言ってみんなに配り終えるまで待っている。
このみんなによそうのは俺の仕事だ
ちゃんと待っているということはちゃんと教育を受けている証拠かもしれない。
「いただきます」
と俺が言うと我々はみんな合掌して「いただきます」と言う。俺が「どうぞ」と言うとゲストの猫人族の子供達も食べ始める。
急いで食べるから、小さい子は喉を詰まらせる。
水を渡して、ことなきを得るが、やはり食事は食べていないようだ。
「見たところちゃんと親からの教育を受けているみたいだが……」
と俺がバーナを話したので
みんなが驚いている
ミリアは
「ご主人様、バーナ語話せるのですか?」
「ああ、さっきな。魔法で」
「はい。私たちは近くの小屋に住んでいたのですが、盗賊に襲われて、両親は殺されてしまいました」
ああ……あいつらか。色々問題を周辺で起こしているんだな
「こんな所に住んでないで町や村に住んだ方が安全じゃないか?」
「でも、人頭税が払えないので……結局それでは奴隷になってしまいますので」
「何か働いているのか?」
「木を切ったり、魚や山菜を捕って生活していました」
「お金は?」
「持ってません」
「じゃあ冬はどうする気だった?」
「わかりません。父親が行商の人に魚を売ることでお金を得ていましたが、街道が変わってほとんど家の方に人通りがなくなったのでそれももうできないので……」
詰んでいるな……
「ジョゼ、どう思う?」
ジョゼはバーナ語が少しわかるらしいが俺が事情を説明してやった。
「根本的な解決はできませんが、ロラン様の案件だと思います。猫人族なら漁師としてやっていけます、ロランに職業の斡旋をしてもらえば解決できるかと……それと、イサキオス様にお願いして、女性は僧侶又は巫女になってもらえば……ただ、それは無限ではないので」
「なるほど」
流石だ、でも問題もある。ここから離れると言うことだ
「兄弟と一緒に住みながら生きていく方法があるが、それは働くと言うことだ。男は漁師、女は海女又は僧侶になってもらう。そして何より、この場所から離れることになる。環境も変わるが、そうしたらみんなで食べていける保証はしてやるが……どうだ?」
大きな子達同士で見つめ合って、顔を見合って頷いている
「はい。とてもありがたいお話ですが、なぜ私達にそこまで?」
「うちのミリアがなんとかしてほしいって顔をしているからさ」
とミリアを指差すと、ミリアは恥ずかしそうにする
「ありがとうございます。ぜひお願いします」
「じゃあ食事が終わったら、始めようか?ここから近いの?」
「歩いて20分くらいです」
「結構あるんだな」
「じゃあジョゼとミリアで一緒に馬で行こう」
食事が終わると、一番年上のお姉ちゃんだけが残り、後の子供達は自分の足で帰っていく。歩きと言っても、俺には走っているように見えるのだが?
俺とルティナが馬で彼女達の家に行くことにした。
ジョゼとミリア、そして俺とお姉ちゃんが騎乗することになった
「俺の名前はミチオ。君の名前は?」
「私の名前はアデリナです」
「いい名前だな」
と言うと俺は馬を操舵して彼女の道案内に従う
彼女の胸は大きく俺に密着するので背中でその柔らかさを堪能した
橋を渡り、進むべき道を反対方向のハーフテルの村に続く道を進む
「あっここです」
と言われてもそこには何もなかったが彼女はその獣道のような所に入っていく
俺たちも馬を置いて歩いて中に入っていくと少し開けていて、そこにはたくさんの花が咲いている
この一角に小さな家がある。
「あそこです」
「では用意してきますので、少々お待ちください」
「いや、そのまま家ごと持っていくから大丈夫だよ」
「え?」
「逆にここに置いていく物を出してくれ」
「え?あっはい。ですが父と母のお墓ぐらいでしょうか?」
「そうか」
他のチビ達も家に到着して、みんなで両親の墓に手を合わせる
「家族が食べるために、大好きだったここを離れますがお父さんお母さん許してください。私が必ずみんなを育てます」と言うとアデリナは涙を流して俺たちとは違う手の合わせ方だがこちらではこうするのだろう。
みんなお墓にお別れをしている。
ジョゼとミリアには馬で帰ってもらって、家は「アイテム」で小さくすると、子供達はみんなビックリする
まぁそりゃそうだよな
みんなをパーティに入れてマロルにワープする
「しばらくついてきてもらっていいかい?」
ロランのいる組事務所?屋敷?家?にみんなで行く
「ロランは居る?」と玄関先で若い人に聴くと
「はぁ?」と声を出すが、俺の顔を見ると慌てて
「ちょ、ちょっとお待ちくだせぇ……いや……さい」
組長〜と大きな声で奥に走っていく
「すまねえ、待たせたな」とロランが奥からやってきた
「公衆浴場はどうだ?」
「いや、それが控えめに言って最高だな。いいもん作ってくれて本当に感謝してる。後100歳くらい生きれそうだ。……それで今日はどうした?」
「今日なんだが……」と今日の経緯を話した。
若いのが「ここは職業斡旋所じゃねえぞ」というが
当のロランは涙を流して、
「いい話じゃねぇか。こんな小さいのまで……そりゃ大変だっただろ」
とても気持ちよく話を受けてもらった。イサキオスにも話してもらって、ちゃんと自立できるようにお願いした。
家を建てる場所もスラムがなくなったので、ロランの家の近くにいい所があればと思って案内してもらった。
湖の近くでいい場所を選んでくれた。使っていない小舟と釣り道具を譲ってもらった。周りの漁師にも話をつけてくれたみたいだ
「困った事が有ったらロランに相談してくれ」
「今日は俺んとこで飯食っていけ」とロランが言ってくれた
「後、これ」とアデリナに金貨1枚を渡した。
「これで服を買ったりしてここでの生活の準備や食事のお金として使っててくれ」
「ありがとうございます。必ずお返しします」と俺の手を両手で抱きしめて涙を流している。
「アデリナはあんまり頑張りすぎないようにな」
と言うと、涙が益々止まらないようだ。
小さい子がアデリナの頭をヨシヨシと撫でている
「ありがとうございます。ありがとうございます」
と何度も言っていた。よほど苦しかったのだろう。アデリナだってまだ17歳だ、決して大人ではない。
「じゃあロラン、あとは頼むよ。俺はこの辺で」と言って元の河原に戻った
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