5日前……
イワンに腕を掴まれたタカシは
「離してくれないか?」と大声で言ってしまった。
ギルドの中での出来事だ。イワンも手を離さないわけにはいかない。ギルドの職員の人もやってきて「どうかしましたか?」
と声をかける
「いやちょっと話を聞きたかっただけなんだけどな」
「聞かれた内容はわからないと答えたと思うが?」
「そうか……残念だな」
「戦力を整えるために一旦戻るかな……とは言っていたが本当にそうしたかどうかはわからない」咄嗟の嘘にしては上出来だとタカシは自分でも思った
「わかった。ありがとう悪かったな」
と言ってイワンはギルドから立ち去った。
アンナは
「そんなこと言ってた?」
「ああ俺にはな」
「さぁ俺たちも早くここを離れよう。アナスタシアの家も必要だから」
クルーガーも頷く。
サボージャからギルド内のフィールドウォークサービスを使ってタカシたちはアイエナに向かった。
しばらくするとイワンはギルドに戻ってきて先ほどとは別の受付の女性に
「最近コボルトケーニッヒが出たって聞いたんだけど、俺も一旗挙げようと思って討伐に行きたいんだけどどこで出たの?」
「……その件は既に討伐されました」
「俺にケーニッヒは無理かもしれないけど、まだ残党とかいるかもしれないじゃん?少しでもあやかりたいでしょ?」
「……うーんそうですね」
「でしょでしょ?」
「もともとはシビル村で出ていた討伐依頼だったようです。なのでシビル村近辺だとは思います」
「そうか。本当にありがとう。ちょっとだけだけど……」
と言ってイワンは銀貨を3枚渡した
受付嬢はそのお金を懐にしまった
受付から離れて、イワンは独り言を言う
「シビル村か……態勢を整えるなら方向が違うな。その先はノーケルリンフ王国か……そっちか……運命的だな」
そして、現在
次の日の朝ロクサーヌがキスをして起こしてくれる。
ミリアは俺のを咥えて起こしてくれる
みんなとキスをすると
ミリアが「ロクサーヌ姉さん昨日は夜中大丈夫だった?」
「なんの話?」
「昨日夜急に外に出ていったからトイレかと思ったんだけど、なかなか帰ってこないから、後3分帰ってこなかったら探しに行こうと思ってたら帰ってきたけど……」
「うん?全然記憶にないけど」
「ミリア、ご主人様の前でそんなのダメ。どんなに可愛い人でも出すものは出すんだから」とルティナが横から意見する
「うん?」とミリアはわかったのかわからなかったのか曖昧な返事だった
「ルティナなに言ってるの?怒るよ」とロクサーヌ
「あっごめんなさい」とルティナ。
でもロクサーヌにはやはり記憶にはなかった。なんだったのだろうか?だが、その記憶が無いのはその日だけだったので特にその後も気に留める事はなかった。
俺はなんだか聞いてはいけない雰囲気だったので深くは追及しなかった。
今日は一日中馬車の旅になる。
中ではタダオに魔法を教わることになる。幸い俺も呪文の詠唱はいらないので、呪文名だけで覚えるのは良さそうだ。
俺は、紙にカタカナで書いて覚えていく。
5レベル呪文だけで50以上あるじゃん!!
こんなの覚えられるのかよ。
と文句を言いながら必死に覚える
タダオは口で言うだけなので暇なのか、隣にいた美しくなったルイーズに話しかけたがルイーズは言葉を失っている。
「喋れないのか?」
ルイーズは頷く。その隣にいた、エルフのマリーが
「昔は話せたし、リジェネレーションでその機能は戻っているはずだから話せるはずなんだけどね」
「そうか……喋れるようになりたいか?」
とタダオが聞くと、
コクッと頷く。手振りで口で綺麗になった事をご主人様に伝えたいと伝えた
「ちょっと最初気持ち悪いぞ?大丈夫か?」
コクッ
「今から俺が魔法を使ってルイーズに、憑依して話すコツをその体に直接試すから」
と言うとびっくりしていたが、昨日リナの目が見えるところを見ていたので信用する事にしたようだ
タダオは俺の目の前で「マジックジャー」の魔法を使った。
もともと動きのないタダオだったが本当に動かなくなったので、普通に骸骨の標本に見える。
ルイーズの体に乗り込んだようだが外見からはなにもわからない
「ルイーズこんな風に喋るんだ」と言ってルイーズが話し始める
タダオが話しているのか、初めて聞くルイーズの声にマリーと俺は驚く。俺はそのやりとりすら聞いていなかったので急に喋り出したルイーズになにがあったのかマリーに教えてもらった
「やってごらん」とルイーズが言うと、
すぐさまルイーズが「んんん……私の事……助けてくれて……ありがとう……ご主人様……私の事、綺麗にしてくれて……ありがとう」と途切れ途切れに話し始める。
「喋れているよ」と俺が言う
「タダオさん……ありがとう……タダオさん?」
もう既にルイーズの体から離れて、自分の体に戻ったようだ
「タダオ凄いな」
「実際どうしてもできない場合はこうやって幽体離脱して、憑依する方法もあるな」
「簡単に話すなぁ……」
「魔法を使えばなぁ」とタダオ
そんなアクシデント?!もありながらも、2日間馬車で移動した。結局呪文は当初タダオが言っていた倍の200近くあり、俺の頭はパンクしそうだった。だが、その中には強力な攻撃魔法もあったので、使い所に悩む。
3日目の午前中には目的地のポルトゥナに到着しそうだった
タダオは「ここらでいい」と言って馬車には乗らなかった。
「まぁまたすぐ会えるさ」と片手を少し上げ俺たちを見送った
ルイーサ(ミラ)も同様に降りて、タダオについていくと言っていたらしいが、タダオに断られたみたいだ
ルイーサは町の手前で降ろしてほしいと言う事だった
「一緒にいたら迷惑をかけるかもしれないから」と言われた。
俺は「迷惑なんて事ないよ」
「うーんそうは言ってもね。あちこちでいろいろやらかしちゃってるしね」
「なら、街に入ったらまた合流しよう」
「うん」
と町の手前で馬車を降りた。
「ここからは自分で歩いて行くから」
「わかった。無事町に入れたら連絡しよう」
「うん、またね」
とルイーサは降りていく
ポルトゥナの
町の前にたくさんの人が並んでいる。
かなり混んでいるようだ。待つしかないか……
ソフィーが一番前の様子を見に行った
馬車の中では、待っている間ロクサーヌ、エマとセリーで馬車の中で話すことになった
エマはタダオを最後まで信用できなかったみたいで、なんで急に我々と一緒に行きたいと言ってきたのか?
なぜ手前で降りたのか?
と色々俺に聞いてきた。
「そりゃ可愛い子が沢山いるから一緒についてきたかったんじゃないか?」「そりゃあんな骸骨の標本みたいなのが町に入ってきたら魔物だと思うのが普通じゃない?」
「なんだその理由」とエマが呆れている
「絶対何かある。悪い事が起こらないといいが……」
エマがぶつぶつ言っているが、俺はハーフリングが言っていた金山の話をセリーにした
エマが「話していいのか?」と聞いてきたが、
「隠しておく必要はないだろう?」
「金山がどうしたんですか?」とセリー
「実はハーフリングの村を俺の領内に作ったんだけど、その近くに金脈があるって話をされたんだ」
「えっ本当ですか?」
「で、横穴を掘ってくれれば金を吸い上げる事ができると言っているんだけど、セリーどう思う?」
「それは魅力的ですね。でも、それって勝手に掘っていいものなのですか?それと、いろんな人が携わると、いざこざの原因になりそうですね。ハーフリングの村が近くにあるのに」
エマが答える「金山自体は見つけたら見つけた領主のものだから問題はない。確かにいろんな人が入ってくると情報が漏れる可能性はあるな………」
「じゃあ私達のドワーフグループの家を作ってください。私達がこっそり掘っていきます」
「グループって?」
「私と、リナ、アドラ、マノン、ひまりと最後に弟のニコの6人です」
「えっ?その6人で?」
「6人もいれば十分です」
「じゃあセリーが村長?」
「いいんですか?」
「ああそうなるなら。って暇あるの?」
「時間は作るものです。それにロージーさんと、フィーネさんに掘削ゴーレム作ってもらえばいいだけですから。問題ないです」
「なるほどな。ゴーレムなら安心だな」とエマも言う
「わかった準備をしよう」
「はい」とセリーも嬉しそうだった
ソフィーが血相を変えて帰ってきた
「大変です」
エマが「どうした?」
「ノ、ノーケルリンフ王国は先日同将軍がクーデターを起こしノーケルリンフ王国は瓦解、今はクーデター政府が取り仕切っているようで、入国審査が遅れているそうです」
「どういう事だ?」
すぐに兵隊がこちらにきます。
俺は胸騒ぎがして咄嗟に
(ミリア隠れるんだ!)とミリアにESPを使って連絡する
すぐさま兵隊がきて
「すぐさま馬車から降りろ」と兵隊に言われる。
「はぁ?」と思ったが、エマが「今どんな状況なのかわかりませんが、一旦ここは外交問題にならないように私が交渉します」
10人くらいの兵隊がすぐさまやってくる。
この兵隊たちを倒すのは訳ないが、手を出すと帝国と戦争に発展する場合があると言われれば確かにそうかもしれない……
俺たちは武装解除して言うことを聞く。
全員連れていかれ、インテリジェンスカードを調べられた。
各々連れていかれる。「ロクサーヌ!!」
「ご主人様」
「ほらこっちに移動して!!」と兵隊が次々に移動を命じる
俺が連れてこられた部屋にはエマと俺だけが連れてこられた。
随分と待たされた後に、
偉そうな兵隊長らしき人族がやってきて
「これは、どういうことだ?」とエマが兵隊長に詰め寄る
「いや、私たちも上からの命令でやっている。従えないならどこの国の誰であろうと牢屋に入ってもらうことになる。」
「ならば戦争も辞さないと言うことか?」
「ああそうだな。そんな脅しには屈しない。おまえさんたちが誰かは知らないが……我々の新政府では獣人、亜人を人族が奴隷にする事を禁止して解放する政策をとることになった。人族は人族同士を奴隷にする事は認められているが、他国から来た奴隷は全て新政府が徴収させてもらう事になる」
エマは「徴収?何言ってるんだ?」
「先ほどインテリジェンスカードを改めさせてもらった時にパーティを解除、全ての奴隷を解放して、現在連れていた奴隷は徴収させてもらったハッハッハッ」
俺は
「はぁ?調子乗ってんなよ。黙って聞いていれば……」と俯きながら小声で言うとエマがそれを聞いて
「ミチオ、ダメだ落ち着け。まだ手はある。ここで手を出したら取り返しがつかない」
「金なら払う。我々が連れていた奴隷を買い取るから、そしてすぐにこの国から出ていくから。それでいいだろう?」とエマが交渉する
「そういう所がよくないぞ。金でなんでも解決して、奴隷を酷使するのは良くないな。そもそも国から出ていく?どこにいくんだ?」
「帝国だが?!」
「何もわかっていないんだな、帝国でもクーデターが起きているぞ」
「はぁ?」
「第一皇女ジゼルがクーデターを起こして臨時政府を樹立しているぞ。はははなんも知らないんだな。同じように、亜人と獣人の奴隷解放をして、共存共栄で奴隷制度を廃止したんだ。残念だったな」
「は?帝国が?ジゼル様が?何かの間違いだろ?」と目が点になっている。ジゼルはエマの前の主人だ
「……だからってなぜ奴隷を徴収されるんだ?財産の剥奪ではないか?」とエマが聞く
「奴隷を囲っている奴はだいたい金持ちだからな。問題ないだろう?それを新生国家の礎にさせてもらう」
「つまり売り飛ばすんだろ?なら私たちに売っても問題ないだろ」
「そういう根性が気に食わん。おまえさんは奴隷じゃないんだろ?なんでそんなに奴隷にこだわる?それとも俺の情婦になるなら考えてもいいぞ?はっはっは」
「エマもういいだろ?こいつらと話しても解決しない」
エマは下を向いて泣いているのかワナワナと震えていると不意に
「おまえ如きが私の男になれる訳ないだろうがぁぁ!!!!」
と兵隊長を殴り飛ばすと乱闘騒ぎになった。
「はぁ?!!」
すぐさまたくさんの兵隊がやってきて、俺たちは拘束されて牢屋にぶち込まれた。
「エマ大丈夫か?」と隣の牢屋にいるだろうエマに話しかける。
突然乱闘騒ぎを起こしてボコボコに殴られたのかエマは口を切って血も出した。
「ああ大丈夫です。あんなの魔物の攻撃比べればなんて事ないです。私が止めていたのに勝手に手を出してすまなかったです」
「いや、ありがとうな。もし、エマが殴っていなかったら俺が新呪文でアイツを粉々にしていた」
「あいつ命拾いしましたね。とりあえず顔はボコボコにしてやりましたからね。今日中にここを出ないと殺されますね」
「よし、じゃあここから出よう」
ESPで(ミリア)と、呼ぶと、(ご主人様)
とすぐに返事が返ってきた。
(無事か?)
(はい)
(捕まっていないようだな。助けてくれないか?)
(すぐそばに居ますよ)
(どこ?)
(天井です)
ミリアは認識阻害を解除して、天井から降りてくる
ミリアに手枷を解除してもらうと
「ロクサーヌ達は?」
「はい。ロクサーヌ姉さんだけ違う船に乗せられています。他のみんなは同じ船に乗せられて、先程出航しました」
「行き先は?」
「船員がステーラと言ってました」
隣の部屋に「パスウォール」と言う呪文で隣のエマの牢屋に二人で移動した。見るとかなり大怪我している。
「大丈夫じゃないじゃないか?」
「大した事ないですよ」
パーティを二人に申請する。
ミリアは確かに奴隷じゃなくなっている……
「ミリア俺を助けてくれるか?」
「ん?なんでそんなこと聞くの?もちろんだよご主人様」
ミリアは笑顔で応える。
「当たり前だろ」とエマも答える
エマに肩を貸してイサキオスの所にワープした。
2章の山場になってきました。ロクサーヌファン的にはいただけない部分もあると思いますがお付き合いくださいませ。
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