(セリー、準備はいいか?)
(もう近くまで来ているのでしょうか?)
(ああ、リナが肉眼で確認した)
(リナがいるのですか?)
(ああ、どうしても一緒に来たいと言われて同行している)
(何か合図を頂ければ)
(わかった)
なぜリナが一緒に……
セリーは1立方メートルほどの檻に各々入れられて積み重ねられている
セリーは檻の格子をスキルで剣に変え、次々に武器を作った。
夜なのでみんな基本寝ている。幸運な事に私達はほぼ一ヶ所に集められているので探す必要もなかった
みんなの分の武器を手に取り渡した
「ベスタ行くよ」
「…………うん」
「どうした?」
「なんでもないです。脱出しましょう」
ドン!!ガラガラガラガラとすごい音がして、みんなが起きると
「なんだなんだ」と船内は大混乱になる
もちろん捕まっている多くの奴隷達は甲板に出ることはできないが逆に言ったら船員は全て甲板に集まっていった。
セリー達は20人近くいるがなんとか隠れながらも甲板の後部に出ることができた。
甲板では3本あるうちの1本のメインマストが折れて航行不能になっている。
他のマストにも負荷がかかってミシミシとすごい軋み音がしている
(セリー後ろから海に降りればすぐに船がいるはず)とご主人様からの連絡。
何人かに気が付かれても、ルティナが「スリープ」の魔法で眠らせている
「さぁ早く行きましょう」
泳げるものから船体後部から飛び降りる。
飛び降りるとすぐ後ろに帆のない船がピッタリくっついて来ている
次々にみんなその船に乗り移った
セリーがちらっと甲板を見ると、4人が船員と立ち回っている。
「あれは、ご主人様?!」
と小声でつい漏れてしまった……
海賊の格好をしたご主人様とミリア、リナ、キーカなのは顔を隠していても丸わかりだ
ご主人様は目で早く行けと合図しているが
いやいやそんな泳げない人もいるからね。それとそんなノリノリで海賊ごっこをやっているのをみて緊張感なくなるわーとセリーは思う。
当然だがセリーを客観的に見ると
ミチオは白い目でみられている……
泳げない者を泳げるものがおんぶして水面に落ちる。そこからは檻の上部分から拝借して来た板にしがみ付かせてなんとか船まで泳がせた
最後にセリーが降りるのを見届けると
ミチオは
「スナップドラゴンファイヤーワークス」と唱える
一面花火だらけになり、船員は何かの攻撃魔法だと思って大慌てになり、船上で煙が充満している隙に、海に降りて、ミリアに3人をかついでもらい水の上を堂々と走って行き、途中で船に拾ってもらった。
船の甲板で再会した。
俺は、海賊の格好をしたままだが、セリーが抱きついて来た。「とても長い間離れていた気がします……さっきはちょっとカッコ悪かったです。でも……助けに来てくれてありがとうございます」
ルティナも、ベスタもオレに抱きついて泣いていた。
俺は頭を撫でるだけだった。
「見捨てるわけないだろ?」
セリーが「ロクサーヌさんは?」
「多分彼女が目的だったのだと思う。まだ奪還はできていない。そばに、ジャッジがいた」
「ジャッジ……」ベスタが反応していた。
「それと……湖畔の館が襲撃されて使えなくなった……それとテアが亡くなった……」
「えっ……?」
みんなに緊張が走る
「テアが……犯人はわかっているのですか?」
「ああ、すでに尋問後死んでいる」
リナが明るく言う
「テアは私の中で生きてるよ」
「??」
「テアから彼女の力持ちのユニークスキルを借りてる。これを預かっているから、テアはずっと私の中で生きてるよ!!」
みんなは余計に泣き出してしまうが
「そうだね」とセリーも泣きながらリナを抱きしめる
マストがないガレオン船が見えて来た
「あれは?」ジョゼが聞く
「本物の海賊船だよ。ここにくる前に攻撃を仕掛けられたので拿捕して曳航してる」とキーカが説明する
「はぁ?」
「まぁそう言う事なんだけどな」
みんなこの小さい船でガレオン船を何隻も撃沈して来たのを聞いて驚きを隠せない
クワァバ迄の道のり(?羅針盤?)はレベッカに聞いたらすぐにわかった。星の動きで方角が分かるらしい。船の操舵もアデルと比べるとレベルが違うようだ
当然朝までにはクワァバに到着したが、海賊どもを上陸させる訳にはいかないので、食糧だけを置いて、陸地が見えないところで錨を下ろして海の真ん中に置いて来た
俺たちの船もわからないように、少し離れたところに停泊させて
「ハリューサナトリテレイン」いつもシェルターを隠している魔法で船を隠して港町を目指す
今までとは全く風景が違う。海岸線には緑はあるものの、ちょっと遠くを見ると砂漠地帯のようだ。
朝日が美しい海岸であるが、今はそんなこと言ってられない……潮風と波の音を聞きながら砂浜を歩きながらクワァバを目指す
昼までには街に着いた。もうすぐ冬なのにとても暑い。
街の雰囲気も全然違いアラビアンな町並みで市も出ていて活気があった。
レベッカの話ではここはカッシームの領土と言う事だった。全く建物の様式が違う
「どこで待ち合わせしているのでしょうか?」とレベッカに聞かれても、
「いや聞いてない」と言うしかなかった。うーん……残念な俺
するとすぐにセレが声をかけて来た
「ミチオ様お待ちしておりました。宿をとっているのでこちらに」
「セレ助かったよ」
「すでにみんなを救出済みとはさすがです」
宿に着くと、早速食事を用意してもらった。
みんなは奴隷船に乗せられて全く食事をしていないらしい
出て来たのは鳥と野菜の串焼きだ。今までにないパターン。
串焼きと言っても串は50センチ以上あり、いろんなものが串に刺さっている
それと、
薄いパンに鶏肉と温野菜が挟んであるハンバーガーと言うよりは丸いサンドイッチみたいなものだった
食べてみると、どれも香辛料が効いていて美味しい。
ここの人たちはほとんどの人がバーナ語を話すようだ
食事中ベスタが思い詰めた顔で俺に聞いてきた
「今後の予定を聞かせてもらってもいいですか?」
「これからか?帝国もジゼルが武力蜂起しているらしいので、皇帝に協力して帝国内のクーデター阻止と、ロクサーヌの奪還だな。ノーケルリンフのクーデターもタカシ達と協力できるなら阻止する必要があるな」
「……でしたら……しばらくの間お暇を頂けないでしょうか?必ずそれが終わり次第合流しますので……」
「どうした?」セリーも先程奴隷船から脱出する時からベスタの様子がおかしかったのが気になっていた
「ステーラには私の母がいます。ジャッジが言ってました。俺が私の母シャンタルを救ってやろうか?と、そして、ジャッジが私を見逃した理由は、お前はまだやるべき事をやっていない……と」
「言っていたな」
「ステーラに近づくと余計にその言っていた真意を確かめたいと言う気持ちが抑えられなくなりました……」
「そうだな。じゃあみんなで行こう」
「えっ?」
「だってもうみんなは俺の奴隷じゃない。だから俺にはそれを止められないし、1人で行かせるには気が引けるから一緒に行こう!」
「だってそれじゃ……ロクサーヌさんが……」
「まぁ今すぐ行っても、ジャッジに勝てる見込みが全くないし、今すぐロクサーヌがどうなるとかはないみたいだから。今すぐ目の前にある仲間の困難を見捨てて行くわけには行かないよ」
「うっうっ……ありがとうございます」とベスタは泣きながら嬉しそうに俺の手を握り締めて答える
食事後、ほとんど休憩する事もなく出発する事にした
セレと一緒に一旦船に戻る事にしたが、ラクダのような生き物に乗って砂浜を歩く。ベスタは嬉しそうに先頭を走るが、セリーが俺の横につけて歩きながら話す。
「でもご主人様、ベスタの母上に会ってどうするのですか?」
「いやわからない」
「売ってくれと言っても売ってくれないかもしれないです。略奪するわけにはいきませんし……奴隷は合法です。ステーラのやっている事は私から見たら良くない事だと思います」
「どこが?」
「うーんあまりベスタには言えませんがステーラでは人を繁殖しているようなものです。奴隷の子は奴隷ですから。増やして、教育して15歳になったら売ると言うのは、私にはちょっと問題だと思います。特にベスタのような竜人族は高値で売れます。お金を払って買い取ってくれると言うステーラの評判は裏を返せば繁殖場ですから」
「誰もそれを問題だとは思っていないのか?」
「うーん思っていても、どこの国の奴隷商人も高値で売れる奴隷を手に入れたいですからね。またどの国もそう言った人材が金で買えるなら買いたいと言うのは心のうちでは思っていると思います、美男美女からは美男美女な生まれてくるだろうし、そう言った交配も行われている一方で、周辺諸国では罪人を収容する施設を作らずに現金化できる奴隷制度はどこの国からも重宝がられているのではないでしょうか?」
「なるほどな……死罪以外は奴隷だからな」
そう考えると、執政者にはとても便利なシステムのようにも感じられるな
確かに俺の世界の感覚ではどう考えてもアウトだが、安い労働力を手に入れれば貴族は栄える
「倫理的にはどうなんだろう」
「うーんご主人様は、やはり難しい言葉を知っておいでですね。倫理的には、みんなの意見は一つではないと思います。牛や豚、鶏を増やしても誰も悪いとは思わないですよね。それが食べるためだとしても。だから奴隷を増やしてもちゃんと衣食住を確保してあげているのだから家畜と同じように増やしても問題ないと考えるものは少なくないです。ましてや戦闘奴隷は魔物と戦う奴隷ですから数はいた方がいいと言うのが大半でしょうか……ご主人様によっては擦り切れるほど戦わせるご主人様もいると聞きます。その点は私達はかなり恵まれていると思います」
「まぁそれは良かったんだが……このままみんな俺に着いてくるのだろうか?」
「私はこの間お話をもらった村長になる気ですから着いていきますよ。それに色々面白い事たくさんあるし、本ではわからない事を体験できるので、しばらくはご一緒させてもらってもいいですか?」
「ああ、ありがとう。セリーがいてくれたら助かるよ」
セリーは嬉しそうにしている
だが確かにステーラに行ってシャンタルに会えなかったらどうしよう……それと昨日の海賊との戦闘で
奴隷豪商Lv1
効果 知力中上昇 精神力中上昇
スキル インテリジェンスカード操作 カルク 奴隷解放 戦争奴隷 使役奴隷
鑑定士lv1
効果 知力小上昇 精神力小上昇
スキル 鑑定
2つのジョブが現れた。どちらも生産系のジョブが50になったからだろう
でも、今この話しにくいな……よりたくさんの奴隷を手に入れることができるようになったみたいだし、奴隷解放って俺がやられたみたいなやつを道具を使わなくてもできるようになったみたいだが、今誰も俺の奴隷じゃないから試せないしな、それにしても、なんてことのない戦闘でレベル上がったとはみんなに言いづらいな……
一度船のところまで行きジョゼとラウラ以外のみんなは船でマロルに戻ってもらい新しい俺たちの家の準備をしてもらいエマのフォローをしてもらう事にした。
俺とセリー、ミリア、ベスタ、ルティナ、リナ、キーカ、ジョゼ、ラウラ、セレの10名が陸路でステーラを目指す事にした。
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