※この作品はR-18です。

異世界迷宮でハーレムを(仮    作:九白

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決着

 

 

あそこまでロクサーヌが感情的になったのを俺は見たことがない。その思いを俺は制止する事ができなかった。

 

ロクサーヌは倒れた騎士の剣を取るとヒシャームに迫る。

魔法で弱くなっていてもロクサーヌはロクサーヌだ

 

何度も攻撃する様は鬼気迫るもので

直情的なその剣はいつものロクサーヌの剣では無かった

「ロクサーヌ落ち着け!」

と声をかけるも届かない様に見えた

ヒシャームもまたその剣には殺気はなく

「ロクサーヌ待ってくれ。話を聞いてくれ!」と投げかける様に言うがロクサーヌは聞いていない……

 

完璧の守備からカウンターを狙うシャンタルの戦闘スタイルでは手出しする事はできなかった。

 

そこに騎士団の中から小柄な者がデスウォーリアーの頭上を槍を棒高跳びの様に使い超えて来た者がいた。

「ヒシャーム様お助けにまいりました」

と女性がロクサーヌとの間に入り込みロクサーヌを止める

「お前は……」とヒシャームが聞くと

 

「カマルです」その者はビキニアーマースタイルの女の子であった。

シャンタルは「ちょっとは骨のありそうな奴が出てきたね」

とカマルを威嚇するのであった。

 

 

 

その頃崖上では……

「はぁはぁ」エマが呼吸を整えているが、ハイコボルトとて、それは同様だった。

互いにだいぶダメージを負っているが決定打はまだ無い

ブルックの方は、リナとスペクターのケルスが戦っていてこちらはもうほぼ決着がついている様だったが

リナの圧倒的な打撃力でブルックは片腕を失った状態では反撃すらできなかった。

「…………アイアンファランクス」(鉄ゴーレム召喚)

とブルックが唱えるとアイアンゴーレムを苦し紛れに召喚した。

5メートルほどの巨大なゴーレムが崖に召喚されると

崖自体もかなり危ない。リナがパンチを避けるたびに崖の一部が崩れさらにヒビも入っていく。だがアイアンゴーレムが二人の相手をしてくれることでブルックには余裕が出て

「………………ビストウグレイスオヴザチャンピオン」(聖騎士也)

何やら長い呪文をみんながアイアンゴーレムと戦っている間にブルックは唱えていた。

崖はかなり危険な状態になり、すでに城の部分とはひび割れて接合しておらず、兵隊は恐れをなして崖部分に入ってこれないでいた。

 

エマは、早くミチオの元に行きヒシャームを倒すと何かが起こる事を伝えに行かなくては……と考えるもここを放っていくわけにはいかない

 

「ベスタ!あっちのブルックの方を頼む!!」

「わかった!」

ハイコボルトはなんとしてもミリアと私でなんとかしないといけない。ミリアの死角からのトリッキーな攻撃もアリビーナは見事にかわしてほとんどダメージを受けてないばかりか、カウンターすら決めている。

 

ブルックの方は今までルティナがダートウォールで攻撃を防いでいたが、ベスタの防御でアイアンゴーレムの攻撃を防げる様になった分、ルティナとケルスに攻撃魔法の余地が生まれ

「……ブレイズボール」とアイアンゴーレムに攻撃を入れる

 

リナはブルックと対峙していたが、片腕のブルックは剣を倒れた騎士から拾って構えた。彼は先程の呪文でパラディンになった様で、剣も使える様になったのだろう。

剣を使った事がない様には見えない。かなり高速かつ重厚な攻撃で攻める。

 

ブルックの剣戟もリナはまるでステップを踏むかの様に軽々と交わしていた。ブルックは何か勘違いしているが、直接触らなければ先程の攻撃は受けないと思っている様だった……

 

「もらった!!」と剣での攻撃でリナを捉えたと思ったその瞬間リナはニヤッと笑った「牙城深層崩壊」と先ほどと同じ技を繰り出すと、ガントレットと剣がぶつかった瞬間もう片方の手が吹き飛び「まさか!!」と言って一瞬飛び退いたが遅かった。リナはわざと隙を作り誘っていたのだった

 

その次の瞬間「百撃乱舞!!」とリナが言うと、無数の手の残像がブルックのボディに僅かな瞬間に何度も攻撃を入れているのか、あの巨体が宙に浮くほど攻撃を受けて、みるみるその鎧が凹んで原形を崩していった。最後のアッパーカットを決めると

「ブハッ!!」とブルックは吐血すると5メートル程吹き飛ばされた。

それと同時にアイアンゴーレムもベスタのシールドバッシュで吹き飛ばされていた。アイアンゴーレムは崖を崩しながら崖下へと落ちていく。

ブルックは倒れるとすかさずケルスが後ろに周りその眉間にナイフを突き入れた。「死ね!死ね!」と何度も連呼し、ナイフを何度も頭を刺した。

すでにブルックの顔はぐちゃぐちゃになっていた……

「ふーふー」と息を整える……ケレスは冷静さを取り戻すと、泣き始めた……

 

エマは何度となくハイコボルトのアリビーナとの剣戟が続く

ハルバートの柄で藤乃の攻撃を遮る。エマは力でねじ伏せようとする「くたばれ!!このやろう」

と押すもハイコボルトも負けてはいられない。

それを弾くと「ビックハンド」と唱えると、エマは巨大な手で横から大きく殴られる。

大きすぎて、流石に受け身もかわしもできなかった。

 

エマが弾き飛ばされ床に何回転も転がると、そのままハルバートでトドメを刺しに「ガシン、ガシン」と地にハルバートの先のスピアの部分が突き刺さる。それもエマはそのまま転がって避け崩れた崖から落ちてしまうが縮地で地上に戻ってくる。

ミリアが後ろから攻撃するも、ハイコボルトに避けられてしまう。

「チッ」とハイコボルトが舌打ちすると、後ろ向きのままミリアにキックを入れる

ミリアの連撃もハルバートでパリィされてしまう。

がエマには少し呼吸を整える事ができた。

 

「エマそろそろ終わりにしよう。我々の苗床になるか、死か?」

「アホか?!そんな選択肢どっちも嫌に決まっているだろうが!!」

また激しい撃ち合いとなるが、ハイコボルトはハルバートの柄でエマの攻撃を受けている。

何度もその柄で受けていたためか、それがついに折れてしまう。

ハイコボルトは折れたことでハルバートを落としてしまう。そこをエマが横に一線入れるとハイコボルトの腹部に傷が付き血が流れるも浅かった

「貴様!!」

ビックハンドがエマを平手打ちするがギリギリで避けて後転した。

その隙に折れたハルバートの上の部分をハイコボルトは拾う。

ハルバートが片手斧の先にスピアーが付いているので刺突剣の様になる。

「うぉぉぉー縮地!!」とエマが一気に間を詰めると

ハイコボルトには完全に不意をつかれた形になったがエマの腹部にスピアーが突き刺さり藤乃を落としてしまった。

「あっああああっ!!!」と言うと最後の力を振り絞りスピアを持っていた手をエマは絡め取りハイコボルトを捕らえた。

 

「エマ!終わりだ!!」

 

ハイコボルトは左手で剣を取り出して跪いているエマに剣を振りかぶる

 

 

その時後ろからマジックウィップでその手をミリアが止めた。

次の瞬間咄嗟にそこに落ちていた折れた柄をハイコボルトの胸に突き刺したそしてそのまま打刀の『紅桜』に手をやると

「ゼロ距離でも抜刀はできるんだぜ!」と言うともう一本の打刀を引き出すと、そのまま最初に見せたソニックブームをゼロ距離でハイコボルトに浴びせた。

ハイコボルトの右手を掴んでいるので、避ける事が出来ずに

奴の体は腹部で真っ二つになった

エマはハイコボルトの手を離すと

「はぁはぁ……」全身から汗が吹き出し血まみれのエマを見て

「エマよくやった。我の子を孕ませるつもりだったのだがな……」

 

「……ブファッ……全く私が可愛いからってしつこいんだよ。そう言うのは互いの同意が必要だろう?!ったく」血を吐きながらも文句を言う。

 

「それよりも、ロクサーヌに何をした!!!」

「……ヒシャームが死んだらロクサーヌも自死する強力な呪いをかけてやったよ。はっはっは。目の前でロクサーヌの死を見たミチオを見たかった……」

と言うとハイコボルトは絶命するが、エマの意識も朦朧としている。

「全くこいつ!!趣味が悪いな」

 

エマはスピアーを腹部から抜くと、持っていたハイポーションを直接開いた穴にかけた。

「ブハッ」と血を吐くが、傷口からの出血は止まるもまだ傷口は閉じていない。

 

こっちはなんとかなったみたいだな。それよりも早くミチオのところに行かないとな。

みんながエマの所に駆け寄る

「大丈夫か?リジェネレーションを……」とベスタが言うも

「いや、まだどうなるかわからない、大丈夫これくらいちょっと腹に穴があいただけだから」と強がる

「ほらそれよりもミチオのところに早く行かないと……」

崖はアイアンゴーレムを倒したあたりからどんどんと崩れている。

 

一方、崖下の広場でも……

カマルはシャンタルの猛攻をギリギリのところで凌いでいた。又シャンタルも盾を使いながらカマルの攻撃を避けるが

カマルはヒシャームの防御も視野に入れて戦っている。

ロクサーヌのレベルが元に戻っていたら瞬殺だったと思うが

なかなか攻めきれていない。

「ロクサーヌ!やめてくれ、俺の話を聞いてくれ!」

「私の一生はあなたに振り回さされているもうここで終わりにする!!」と、怒りを露わにヒシャームを攻撃するとヒシャームは更に防戦一方になる

 

「ヒシャーム様、今は彼女に何を説いても無駄です。ここは一旦引きましょう」

「だめだロクサーヌも一緒に来てくれなくては困る」

「何を言っているんですか?!」とカマルは何度も説得するもヒシャームはガンとして受け入れない。

俺もセリーもキーカも囲まれた騎士の相手で精一杯だ。

特にキーカはかなり押されていた。肩にダメージを受けている。

俺はキーカの前に「ブレイズウォール」を唱えると、キーカの方にまわり「癒し」を行う。

「大丈夫か?」

「僕が足引っ張ってるね」

「そんなことない。充分だよ。キーカは魔法使いだからな。前衛を呼ぶからな!」

「サモンモンスターⅩ」

の呪文を唱えるとガエルを呼び出した。

「ガエル頼むよ」と言うとガエルは頷く

電光石火のガエルは次々に騎士達を倒していく

「もっと早くに呼べよ」とキーカは減らず口を叩くもその顔は感謝の顔をしていた。

俺は魔法で次々に撃破する。

 

振り返ると、シャンタルとロクサーヌが二人と戦っている

ロクサーヌはヒシャームを追い詰めていく。

その背後ではカマルはシャンタルの盾にジャンプして蹴りを入れると、そのまま弾かれると言うべきかシャンタルの盾でさらにジャンプした。最初からカマルは狙っていたのか、その先にはロクサーヌがいる

「死ねぇぇー!!」

 

ロクサーヌと戦っていたヒシャームがロクサーヌを跳ね除けロクサーヌを庇う様に前に出てカマルの槍を受けた

そして、カマルを抱きしめる。「せっかく助けに来てくれたのにすまない」とカマルに言うも、カマルはその場で座り込んでしまった。

 

ヒシャームは倒れるも

「ロクサーヌ今まで申し訳ない。これを……これを」と言って血のついた手紙を差し出してきた……

 

「今日の式が終わったら渡すつもりだった……」

「ヒシャーム何を言ってるの?」

「今まで本当に申し訳なかった。これだけは言いたかった。ブハッ」

崖の上からアイアンゴーレムが落ちてきて多くの騎士団が下敷きになった。もうすぐこの崖も崩れそうだ

 

 

「あなたに何がわかるの?」とロクサーヌがヒシャームに言う

「そうだな俺は浅はかだからな……ごめんな色々振り回してしまって……それにロクサーヌには一回も勝てなかったな……これだけは持っていってくれ」と血のついた手紙を握りしめる

ロクサーヌはその差し出されたものを受け取った

 

タダオが「ここはそろそろ崩れそうだ。あっちにディメンジョンドアで移動しよう。ヒシャームを倒したのなら、俺たちはもう目もくれないだろう」と提案してきた

 

「わかった!」

俺はロクサーヌの手を取ると後ろ髪引かれる思いでロクサーヌも離れたが、カマルはまだその場に座り込んで呆然としていた。

俺はロクサーヌとシャンタル、キーカとセリーを連れて広場の崖から離れたところに移動すると、タダオもディメンジョンドアで移動した。

あの場では、2体のデスウォーリアーとガエルが戦って陽動をしてくれている。そしてシャーマンの人たちも俺たちがこちらに移動したのに気がついた様でこちらに向かっている

 

ヒシャームにたくさんの騎士が集まっている。人だかりでカマルの姿は見えない……

 

「キーカ大丈夫か?」

「なんとか……大丈夫。」と言って横になっている

キーカは自らを「リカバリー」の呪文で癒していく。

 

「エマ達は?」とセリーに聞くと鳥ゴーレムから送られて来る視覚を見た上で

「崖の上の戦闘も勝利して今くると思います。準備しましょう。援軍を出してくれたシャーマン達はどうしますか?」

「ああ、ここに置いていくわけにはいかない。連れて行こう。」

「どうやってですか?」

シャーマンの長が我々のところに到着すると、自分たちはオオワシになれるから大丈夫と言うことだった。

 

「そうか。じゃあ撤収しよう」

シャンタルはドラゴンとなりみんなを乗せる準備をして

みんなが安堵していたその時だった。

ロクサーヌの目つきが変わりスゥーっとミチオに近づくと、

 

ドンッ

後ろにロクサーヌがピタッとくっ付いてきた。

「ロクサーヌどうした?」

と聞くと、俺は急に体に力が入らなくなってその場で倒れた……

 

ロクサーヌはその光景を見て悲鳴を上げる

「キャーーーーーーー!!」と言ってナイフを落とした。

みんなはその悲鳴に驚く。

「どうしたんですか?」とセリーが言うがロクサーヌは何も言わない。セリーはロクサーヌが、純白のドレスが血だらけになっているのを見てミチオに目をやるとミチオは血だらけで倒れている。

 

まさかロクサーヌがミチオを刺すなど全く思っていなかったので理解が追いつかない

 

少しずつロクサーヌは後退りしていく

「あっ……あっ……どうして…………」とロクサーヌは混乱して頭を抑える……

 

俺は声をあげれなかった。手を伸ばすがロクサーヌが泣きながら少しずつ後退りして離れていくのだけが見える

タダオは俺を見ると

「…………」

ロクサーヌの肩に手をかけて、「レストレーション」と呪文をかけるそして、「グレーターテレポート」と唱えると二人の姿は消えた……

 

俺の意識も混濁していく。

セリーが俺を抱えて出血場所を手で押さえてセリーは血だらけになって泣きながら

「死なないで、死なないで、お願いご主人様こんな所で死なないで」と何度も叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




2023.11.06改編

今回のお話で2章は終わりです。
ロクサーヌが帰ってくると思っていた方スミマセン。もうちょっとロクサーヌ帰ってこないです。タダオは何者なのか?タダオはロクサーヌをどこに連れて行ってしまったのか?
そして、ジャッジはどこに行ったのか?
この先も楽しめる様にお話は続きます。
3章は1回お休みして次回は次の月曜日になります。
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