「えっ?それは本当か?」
「見かけただけなのでご本人がどうかわかりません。ただ遠くだったのでミチオ様の作戦中だと思いその者も声をかけなかったのだと思います」
「そのアデルというのは遠いのか?」
「ここからは遠いです。ブルガ王国の先になります」
「エマ解るか?」
「それって本当にロクサーヌだったの?」
「申し訳ありません。正確な情報ではありません」
「うーん……ベスタの背中に乗っていけば1時間で着くけど……ロクサーヌじゃないかもしれないよ」
「でも他に何も情報が無いから……一つでも情報があればそれを拾いたい」
「……そっかそうだよね。じゃぁ今日は一旦戻ってロクサーヌを探しに行こうか?」
「ああ、そうしてくれるか?」
「エディングありがとう」
と俺は言葉少なげにエディングの家を出ると
フィーネはエディングに「お父さんその情報大丈夫?!」と言って俺を追いかけてくる
アーダは「……違ったら問題になるよ……」と吐き捨てる様に父に言う
「えっえっ?!だって知らなかったから」
「私も、しーらない」と言ってアーダも俺を追いかける
俺はワープで一旦家に戻ると、エマとルティナにベスタとシャンタルを呼んでもらった。
もちろんシャンタルは場所を知っていた。
「アデルか……」
「何か問題でも?」
「うーんアデルはちょっと変わっているところにあるんだけどね」
「うん」
「橋の上にあるんだ」
「は?」
「ブルガ王国とカッシームの大陸をつなぐ巨大な橋の上が国家になっていて商人が作り上げた都市になっている」
「へぇー」
「ブルガとカッシームは何度も戦争をしているだが、その橋に国境が昔定められていたんだけど、戦争になるとすぐに国境は封鎖され、戻るに戻れない商人がその巨大な橋の上で商売を始めてしまったのがきっかけで、両国から独立した商人国家として傭兵を大量に雇ってその橋の運営と防衛をしているんだけどね」
「そんな大きな橋なのか?」
「そうね大きいね。いくつもの魔法術式で守られているから自然災害では落ちたりはしないね」
「たださっき言った様に場所が場所なんだよね。当たり前かもしれないけど、ブルガ王国にも、カッシームにもミチオさんのクビに賞金かけられているんだよね」
「あーっなるほどね」
「それで、私はアデルには入れないよ」とシャンタルが続けて言う。
「どうして?」
「私は指名手配されているからね。カッシームの命令でそこと戦ったことあるからね」
「そうか」
「でもカッシームから入った方がいい。国境ではまだ顔が利くと思うわ。セウロスという街からアデルに向かう」
エマが「じゃあこれから行くんだよな。選抜しよう」
シャンタル、ベスタ、セリー、エマ、ミリア、ルティナ、メーア
となった。
キーカはハイエルフという存在なのでバレると色々まずいし、拘束される可能性がある。リナと一緒に残るそうだ。
アナイシャが手を挙げる「私も行きたいです」
未来視の結果が気になるのだろう。ただ、アナイシャはロクサーヌを知らない大丈夫なのだろうか?
「わかった。迷宮の外では連れて行くメリットが大きいだろう」
シャンタルの言う通り1時間で到着した町はずれに着陸した。
セウロスは港町でそこそこ大きいし、街並みも綺麗で賑わっていた。
港にはたくさんの船が停泊していた
ゆっくり散策していると、シャンタルからは
「一応カッシームでは賞金首ですよ」
と注意を受ける。外套を被りそのまま街を抜ける
砦まで来ると兵士が立っている。
シャンタルが前に出て「少々お待ちを」と言うと一人砦に向かう
兵隊達はシャンタルの顔を見ると敬礼をしている。
兵隊はすんなりと砦を通してくれた。
「アデルは全て遮蔽セメントが塗られていますのでワープには注意を」と小声で言う
「シャンタルは?」
「私は祖国に送って帰ってこない私の兵隊のところに行きます。何かあったのかもしれません。ここからすぐなので、何かあればESPで呼び出してください」
「そうか」
シャンタルのここからすぐってどれくらいなのだろう。シャンタルに行かせればどこだってすぐだろ?と思いつつシャンタルと別れた。
別れ際ベスタとシャンタルはハグをして別れた
砦を出ると海峡に2本の巨大な橋がかかりその真ん中に島があり、島には巨大な塔が2本の橋と繋がっていた。島の周りに浮島が密集してたくさんの船が停泊している
「こんなに大きいとは……思っていたよりも探すは難しいかもな」
「すごい」とみんなは見たことのない風景に驚いている
橋の真ん中までくる間にもたくさんの商人が露店を出している。人通りも多く、ものすごい人の往来だ。
「これでは護衛が厳しいな」とエマ
アナイシャが「私が」と言うと巨大な馬に変身すると、ミチオは大きな馬の上に乗る。
これでとりあえず急に刺される事はないだろう。
この橋は反対の谷までつながっている。橋の長さ1キロ幅20メートルほどあるだろう。橋は3層構造になっており下の階層ではまた違うものを売っているので、さながらショッピングモールの様だ
橋の中央まで来ると塔まで橋が掛かっており入れるので中央の島を目指す。
中央の島と塔の中、浮島には露天ではないちゃんとした店舗があった
セリーが「全部の店を巡ったら楽しそうですがすごい時間かかりそうですね」
島には案内所もあり、宿泊施設は30以上ある。その全てを探すのは困難ではないか?と言うことになった……
「ここまで来たのに手ぶらで帰るわけには行かない」
「そもそも、2日前に見かけたと言う情報ですし、もう移動している可能性だってありますから」とルティナがフォローを入れる
セリーが「うーん」と唸っていると、
「私が誘拐された時に私をどうやって探したのですか?」
「?えっ?」
白い目で俺を見ているけど……
「ほらリナと間違えて私が誘拐された事件ありましたよね」
「あ!!襲撃があった時だな」
そうか、その時セリーは誘拐されているから家が襲撃されたのを知らないのか
「ボロ爺がロケートオブジェクトで探せばいいって……!!、てっ!それだ!!」
「えっ?でも今でも、持っているものなんてあるのか?」
「えっ?今でも持っているもの??……ESPリング?」
「喜んでもらっていましたからね。って……そもそもESPで連絡してみましたか?」
「もちろんしているけど、反応なし」
「まぁいいじゃんやってみよう」とエマ
案内所から街の地図をもらい
「ロケートオブジェクト」
俺はESPリングを渡した時の事を思い出しながらリングを思い出す
すると、一つの光点が現れる
案内所のおねーさんに
「ここは何がある所?」とルティナが聞くと
「えっーとここは……ウォルム亭ですね。宿泊もできますよ。ミネステローネのスープが美味しいですね」
と丁寧に案内してくれる。
早速行ってみよう。
「ミリアまずは先に行って出かけないか見張っていてくれ。出てきたら尾行して教えて」
と伝えると、「はいお任せください」
と言うと先にそのウォルム亭に向かった
人通りが多いためなかなか前に進めないが、やっとウォルム亭の前に到着した。ミリアと合流するとまだ中にいるということだった。
エマが「さぁこんなところで立ってないで入ろう」と言うと
「いや、ちょっと待ってくれ」
と俺が呼び止めてしまう。
何故こんなところにロクサーヌがいるんだ?考えてみろ
誰か違う奴と一緒にいると考えた方が自然では?
俺との奴隷契約はない、だからこれは……別れた男のストーカー行為なのではないだろうか?と思うと急に足が止まった
女性と付き合ったことがないと言う事はもちろん別れた事もない。ナイフを刺されて何も言わずに去ってしまった女性を追いかけている「キモい男」とか思われたらどうしよう……このまま素直にマロルで待っておくべきではなかったのか?
もし俺への気持ちがあるならまずマロルに来るのではないか?そんな事を考えると吐きそうになる。
会った時なんて言う?「まだ帰ってこないのか?」「俺と一緒に来い?」何て言えばいいんだろう……
隣でぐるぐると回った思考を見ていたエマは、何かを読み取ったのか、「大丈夫だって。なる様にしかならないから。何があっても私たちが支えるから、難しく考えるな」
と俺の肩を掴むと一緒に歩き出す。
するとウォルム亭の扉が開く
中からロクサーヌが現れた。俺はどうしたらいいのだろう。今俺はどんな顔をしているのだろう……
「あっ……」
と声をかける瞬間その後ろから見知った顔が出てきた
その後ろに歩いて出てきたのは……
タカシ?!……
はあ?!どう言う事だ?
その後タカシのパーティのみんなが後から出てくる。
俺は完全に声を出すタイミングを失った……
その代わりにセリーが声をかける
「タカシさん!!おーいタカシさーん」とセリーが多く手を振ってタカシにアピールする。
もちろんその隣にロクサーヌもいる。
タカシは
「ああっ!!ミチオさん、セリーさん。えっ何でアデルに居るの?えっびっくりなんですけど!!」
とタカシは嬉しそうに俺たちに近づいてくる。
俺にはタカシのことは目に入らず、雑多な中でずっとロクサーヌを見ていた。ロクサーヌも俺をずっと見ていた
……
「ミチオさん!ミチオさん!?」
とタカシ言われてやっとタカシが目に入る
「タカシ、これはどう言うことだ?」
「えっ?」
「だからどう言うことだって聞いてるだろ?」
「どうって?」
「テメェ!何でお前のパーティにロクサーヌがいるんだよ。何俺を出し抜こうとしてんだよ!!」
と俺は飛びかかるのをエマとベスタが止めた
俺は冷静さを失ってしまった。そんな姿を見たのはみんな初めてだったのではないだろうか?
「いや、誤解です。誤解ですって!!」
「そうだ、ミチオ。ちょっと落ち着け」
とエマが完全に俺をハグして止めた
「落ち着け。ちゃんと話をしよう」
とエマは俺を完全に静止させた。
ウォルム亭に戻り角の席にみんなで座った。
この間ロクサーヌは俺と一切喋らない
まずはタカシから事情を説明してくれた。
「あの後しばらくはノーケルリンフ王国でルナのレベル上げを行ってからブルガ王国のギルドの依頼などをこなしていた。アデルからカッシームに行こうと思って移動中、森の脇にロクサーヌさんが座っていたので
『ロクサーヌさんどうしたんですかこんなところで?』と声をかけたら、僕のことはわからなかったみたいですけど、放って置けないので一緒に街まで行きましょうと言って同行してもらった。」
「ロクサーヌは自分の名前をわからない?」
「今は名前は思い出した様ですが、それ以外はまだのようです。一刻も早くミチオさんのところに連れて行こうと思ったのですが、ロクサーヌさんが嫌がるので……もうちょっと時間が必要かなって思っていたところです」
「それならそう言えばいいじゃないか……いや、急に怒り出してタカシごめん」
と俺は謝るとタカシはすぐに許してくれた。
ガンちゃんの未来視を聞いていなければすぐに怒り出す事もなかったかも知れないが、どうしてもロクサーヌを奪われたという気持ちが先に出てしまった
「ロクサーヌ……ミチオだ。一緒に帰らないか?」と俺がロクサーヌ言ってもロクサーヌは震える子供の様に俺を拒否した。
セリーが横から俺に小声で「自分が刺してしまった相手への懺悔の気持ちが記憶を失わせてしまったのかもしれません」
セリーがロクサーヌに聞く「タダオさんは?」
「タダオ?誰?知らない……気がついたら1人だった……」
一人だった?!タダオが一緒に連れて行ったはずなのに。
「最初の記憶は?」
「森に白い服を着て、一人で倒木に座っていた……」
俺はセリーが色々聞いている間に鑑定すると
ロクサーヌ16歳♀
幻獣戦士 Lv16
んんっ?幻獣戦士??百獣王ではなく上位職になっている
幻獣戦士
効果 敏捷性大上昇 体力大上昇 器用大上昇 腕力大上昇
スキル 警戒 視力、聴力2倍 ファンタスティックビースト 百獣王スキル 瞬間移動 精神攻撃無効 一瞬の死無効 状態異常無効
ちょっと見ない間に急に強くなっている
何があったんだ?
ガンちゃんが言っていた
「精霊界にはどうやって……」と俺が聞くと
「……それは言えない」と両手で口を塞ぐ
以前のロクサーヌなら迷わず答えてくれただろう
セリーと一緒に色々記憶を呼び起こす為に話をするが、ロクサーヌに触ろうとすると離れて触れさせない様にするし、
「魔王を倒す為に戻ってきた」と言うのが森から出てきた理由らしい。
タカシが「僕もいずれ魔王を倒そうと思っている」と伝えたらロクサーヌがついて行くと言い出したらしい。
魔王ってあれだよな。
いくら質問しても会話していても糸口は手繰り寄せれなかった。しばらくはタカシにロクサーヌを預けるしかないか……と思うしかなく。落ち込んだ
時間はすっかりたっており、夕食も一緒に摂ったが、タカシは俺たちに気を使い。みんなは、どうすればいいのかという重い空気だった
「俺たちも明日の昼には戻るよ」とタカシに告げた。
俺たちは明日以降のことを話す為、席を離れて話し始める
しばらくの間誰がみんなをまとめていくのか?
騎士団はどうするのかなど実務的なことを今まで話したことがなかった。
今までもいなかったけど、話しにくかったのでミチオの前で話すことができなかったからだ。
色々見かねて、
エマが「もう、いいじゃんロクサーヌなんて……」と言ってセクシーな服に着替えてきたエマが俺の上にむかい合わせに座り俺に胸を押し当てる。
「私が沢山楽しませてあげるし、気持ちいいこと沢山してあげるから」と言いながら顔に胸を押し当てる
アナイシャもピタッと後ろから俺にくっつく
「はぁ?えっ?なにしてんだよ」
「えっ?!ほらロクサーヌの方を見て」
と言われたのでみると、
「バギィ!!」
ロクサーヌは握っていた木製のスプーンを握り折っていた
バンっとテーブルを叩くと自分の部屋に帰ってしまった。
自分の部屋の扉を閉める音が遠くからでも聞こえる。
「後ちょっとだったなぁ」
とエマ。
「何してんだよ」
「普通に会話してもダメなら、刺激してあげないとな」
ロクサーヌが自分の部屋に行ってしまったのなら仕方ない
俺たちも引き上げるとしよう。
ルナと、ルイーサとちょっと話をして、タカシのパーティでよくしてもらっている様だったので安心した。
まぁしばらく記憶を取り戻す為にロクサーヌを預けていいと本気で思っていた。
自分の寝室に戻ったが流石に今日はみんなと体を重ねることはできなかった。
いろんなロクサーヌとの思い出が目を瞑ると蘇る
なかなか寝付けなかったが、気がついたら朝だった。
起きたら、みんないなかった。買い物にでも行ったのだろうか
俺は一人で食堂に降りた。
タカシ達のパーティがすでに食堂で朝食を食べていた。
「ああ、おはよう」
と声をかけるもロクサーヌは見向きもしない。
「しばらく、君をタカシに預ける。何かあったらこれで呼んでくれ。としていたESPの指輪を指刺した。
タカシもそれにそんな機能がついてるとは知らなかった様だ。
「知らない。あの人たちとイチャイチャ楽しく生活すればいいんじゃない?!私たちは魔王を倒すための旅をしている。あなたとは志が違う」
とロクサーヌは言い放った。
ルイーサは「それは言い過ぎじゃない?」と言いかけたが俺が止めた。
「そうだな」と言って俺は少し離れた日差しが差し込むテラス席で食事を取るとともにみんなが帰ってくるのを待った。
パンとミネステローネのスープの朝食だった。
案内の人がミネステローネが美味しいと言っていたな。
確かに美味しい。食事中もチラチラとロクサーヌはこちらを見てるが目が合うと逸らしている
そんな時、テラス席から入ってきた人物に肩を叩かれた。
振り返った時に人差し指が俺の頬に突き刺されたが
「ミチオみっーけ」
と呼ばれた。
その人物の顔を見た途端、俺は席から崩れ落ちる様に下に落ちた
「ガ、ガルバン……!」
俺は目の前が真っ白になった……
「姫を追いかけたら会えると思ってな」
やばい、やばい、やばい、やばい、やばい、やばい
やばい、やばい、やばい、やばい、やばい、やばい
今回も何も用意していないし、ここで戦ったらたくさんの人が死んでしまうかもしれない……
と瞬間的に色々巡ったがガルバンは俺を上から見つめている。
俺が倒れていると、目の前からガルバンが吹っ飛んだ。
テーブルの上にロクサーヌが立っている
「ガルバン!!貴様!!お前は絶対許さん!!」
テーブルから追いかける様にガルバンに追撃を始める。
ガルバンは橋の反対側まで吹き飛ばされている
ガルバンは剣を抜くとロクサーヌの攻撃を交わすのが精一杯だ
「早く早く!!早く助けて!!まじでやばい!次、同じのくらったら絶対死ぬ!」
とガルバンは後ろに下がりながら、ロクサーヌは猛攻を続ける
ルティナが「わわわわわわっ」と慌てて「キャンセル!!」
と言うと、ガルバンは、エマに変わったと言うか、魔法で変身していたのが解けた
その瞬間こぶしを振り上げているロクサーヌが立ち止まり、固まっている。
……
プルプルとロクサーヌが震えると、エマの方は見向きもせずに
「ミチオ様!!」と俺に向かって走ってくると俺は何が起こったのかまだ理解できていなかったが……ロクサーヌがジャンプして飛びついてきた。
同じ題名がありましたので「ロクサーヌの記憶」に変更させていただきました
遅くなってすみませんでした。すっかり連続忘年会のことを忘れていて、投稿できませんでした。ちょっと今回のお話は書くのに時間かかりすぎました。
しかも今日も忙しい、、、
間に合うようにがんばります。
遅れる時は『X』でつぶやいたほうがいいですかね?
一応活動報告には書いたのですが、気が付かないですよね
うーん
毎週月曜日、金曜日の22時頃に更新してます。
誤字報告していただけると大変助かります
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