ピロートークにする様な話ではないが、ロクサーヌはここ数日の話をしてくれた。
ロクサーヌにはタダオが悪いと言う事でなんとか納得してもらおう。でないと、俺の殺害未遂という彼女の行動は自分自身がいちばん気にしているだろうから。
「銀色のオオカミが戦い方や体の使い方などを教えてくれました」
「オオカミが?」
「はい。私達にとっては喋れるならオオカミは元は同一種なので」
「まぁ確かにそうかもしれないな」
「精霊界では時間の感覚がおかしく、私は精霊界に1年以上いた気がするのですが、こちらに戻ってきたら、3日しか経っていませんでした」
「どうして戻ってくる様になったの?」
「はい。銀色のオオカミが魔王を倒しに行きたいと言うので、ならば私も一緒にと言う話になりました」
「魔王というのはユウヤの事だよな」
「知っているのですか?」
「俺たちがカッシームで戦っている時に現れたらしい。場所はノボルチェスクということしか知らないが……」
「……ご主人様はどうなさいますか?」
「うーん。そのうち対峙する事にはなる様に思う」
「そうでしたか。魔王は着々と用意を進めていると思います」
「そうだな。そう聞いている。コボルトを集めているそうだ」
「やはりあまり時間はありませんね」
「その件はもうちょっとだけ時間をくれないか?」
「はい。ご主人様の最良のタイミングで」
なかなかロクサーヌもプレッシャーかけるな……
「ところでオオカミは一緒に来ているのか?」
「はい。今は使役している形になっています」
「ヴィンティス以外にも?」
「はい」
「オオカミの名前とかあるのか?」
「はい。フェンリルと言ってました」
というと、びっくりして、飲んでいた水をゴホゴホッとむせる
「フェンリル?!」
「ご主人様はご存知なのですか?」
「俺が知っているのと全く同じかはわからないが、俺が知っているのだから結構有名なのではないか?」
よくゲームやら漫画で出てくる魔獣だよな……ロクサーヌ……やっぱりお前は何か突き抜けているな……
いやまて、もしかしたら偶々同じ名前という事もあるからな。うんうん
ロクサーヌの話が終わりコップを取りあげられると
「ご主人様。ロクサーヌは1ヶ月間操を守って参りました。なので今日はまだまだ愛してくれますよね」と俺に跨ぎお尻の尻尾を揺らしている。ロクサーヌが尻尾をかなり動かせる様になっていることに驚いた。
「そ、そうだね」
と俺が言うと俺を押し倒した。
「もう我慢できません。淫らなロクサーヌをお許しください」と恥ずかしそうに言う。
そこから、ロクサーヌとの時間が過ぎていく。
これからの多くの不安と、愛する者を守っていく決意はより強くなったが、悩みを巡らしていても仕方がない。
悩んで無くなるなら悩むが悩んでも結果が出ないなら悩むだけ無駄な行為だから。
今はロクサーヌと楽しもう
朝、いつの間にか寝てしまったのだろう。俺が目を覚ますとロクサーヌも目を覚ましたのか微睡の中からロクサーヌがキスをして俺を起こす。
俺はロクサーヌに起こされてもそのまま朝の矜持を刺激されたのかそのままロクサーヌを押し倒した
当然みんなはすでに朝食を取るために宿の食堂に集まっていた。セリーは「いつまでここにいるつもりなんでしょう」
と愚痴をこぼしていたが、
ロクサーヌが部屋から出て食堂に来ると当然にこにこで肌もツヤツヤしていてみんなに「おはよう」と声をかける。
「どうしたの?」とロクサーヌが聞くも、
当然みんなは夜通しで賞金稼ぎと戦っていたからね
お疲れのご様子
「いえ大丈夫です。さぁ我が家に帰りましょう」
俺か?俺は多分2キロくらい痩せていると思う。
宿屋の代金を支払うと
俺たちは賞金稼ぎをそのまま放って置いてワープで帰ってきてしまった。
ダイニングホールに到着すると、リタが迎えてくれた。
「ロクサーヌさん!!おかえりなさい!!」
とリタはロクサーヌが帰ってきたのを喜んでくれた。
「じゃあ今日はご馳走を作らないと!!」と張り切っていた。
「じゃあ迷宮は明日からだな」
とエマも今日はお休みにすると言う話だった
「ここは?」とロクサーヌが聞くと、
「ああ、そうだなロクサーヌはここに来るのは初めてだったな。湖畔の館が襲撃されて、マロルの家だ。孤島になっているので島全体が俺たちの家だ。もちろんロクサーヌの部屋もあるぞ」
と俺はロクサーヌを案内する。
俺の隣の部屋がロクサーヌの部屋になっていたが、今まで主人のいない部屋だったのでやっと使われる事になった。
「ここを私に?」
「ああ。ここがロクサーヌの部屋だ。隣が俺の部屋だが」
扉を開けると、掃除もきちんとされており、白を基調にした綺麗な部屋だった。ロクサーヌの部屋にもシャワーが付いている。
「私はご主人様と同じ部屋でよかったのですが……」と言う始末だ
「あと、レティシアの所に行きたいです。色々確認したいこともあるので」
「そうか。そうだな」
俺は俺の部屋を見せると、ロクサーヌから
「今日はもうお疲れでしょうから、少しお休みしていてください」と言われて自分のベッドに寝かされてしまった。
「レティシアの所に行ったらすぐ戻ってきます」
と言って頬にキスをされると俺の部屋のカーテンを閉めて暗くし、出掛けて行った。
ロクサーヌはダイニングホールに戻ると、まだみんなはいた。
「誰か、レティシアの所に連れて行ってくれませんか?」
「ご主人様は?」とルティナが聞くと
「お部屋でお休みになっています」と一言
メーアが「ロクサーヌって強いんだろ?よかったら稽古つけてくれないか?」
「??!!!」みんなが固まる……
エマが「お前怖いもの知らずだな?!」とびっくりしてる。
「えっ?!えっ?!」
エマが二人を紹介する「その前に紹介するわ。こいつはメーア、こっちがアナイシャ、それと、シャンタルと言うのが仲間にいるんだが、その人は私たちとは違って、ベスタの母親だ。シャンタルは祖国に一時帰国しているんだが、アデルに連れて行ってくれたのはシャンタルだ」
メーアとアナイシャが頭を下げる
「そうでしたか。ベスタはお母さんに会えたのですね」
とベスタに言うと「はい。優しい母です。戦闘メンバーにも入っています」
「それは頼もしいですね」
「メーアはステーラで奴隷をしていたが自分から売り込みに来たちょっと変わった奴だ。アナイシャはカッシームの戦いでヒシャームとロクサーヌが戦っていた時に助太刀に来てくれた人物で沙門の最上位職のクシャトリアのジョブについている者だ
迷宮以外の外の活動では同行してもらっている」
アナイシャは掌をギュッと握りしめる。
「私は一番奴隷だったロクサーヌです。よろしくお願いします。みんなでミチオ様をお守りする為、共に盛り立てていきましょう」ととても前向きなことを言われて、二人は「はい」と拍子の抜けた返事をするだけだった。
「レティシアの所に行く前にじゃあ、そこでちょっと稽古しておきますか?」とメーアに言った
「えっいいんですか?レティシアさんに会いに行けなくなっちゃうかもしれませんよ」とメーアはロクサーヌに警告する。
「!!!!!」みんな固まるだけで何も言えない……
「ふふふっお手柔らかに」とロクサーヌは笑みをこぼすと
ダイニングホールから庭に出た
ロクサーヌが「普段はどんな得物を?」
メーアは「私は大剣ですが……ロクサーヌは好きな物を……」
「いえ、じゃあ私も大剣で」
「は?なめてるの?」
「なめてませんよ」
両者構えて、エマが「はじめ」と声をかける
メーアの攻撃に合わせてロクサーヌはその攻撃をいなす
「なるほど大剣とは使い方が難しいですね」とロクサーヌが言うと、「今更許しませんよ」とメーアが煽る
メーアの剣戟が更に早くなっていく。
それに合わせてロクサーヌも早くなっていくが少しづつ後退しながら受けている。
「うらうらうらっ!!!」とメーアは最高速度で連撃をしていくがついにロクサーヌは片手で大剣をまるで鞭を扱うかの様に流れるような動きで攻撃をかわし、更にそこから攻撃もするようになる。今度はそれをメーアが防御する番になったが、大振りでロクサーヌが上段から攻撃する。
それをメーアは重い攻撃だがなんとか受け止めた。
(きたーー!!)メーアは昨日賞金稼ぎに使ったその技をそのままロクサーヌに使った
メーアは間合いを一気に詰めてロクサーヌの大剣を上に弾いた、
「もらった!!」
メーアは射程距離に捉えて、最高速で鋭い横薙ぎの攻撃を入れる。
するとロクサーヌは大剣を弾かれた時に「パッ」と大剣を手から離す。
大剣は宙を舞ったが、ロクサーヌはメーアの横薙ぎを屈んで避けた。
「なにっ?!」
懐に入られたメーアは腹に一発パンチをもらいそのままその場に倒れ沈む……
「ロクサーヌお前、メーア殺してないよな」
「手加減はした」
メーアに向かって「もう終わりじゃないよね」とロクサーヌ
完全にのびているが、ロクサーヌは襟首を持って、そのまま「スタン解除」の魔法を使い叩き起こす。
メーアは「は?」と起きるがロクサーヌは「続き。」
とメーアに微笑みかける。
メーアは自分がスタンしたことを覚えていないのか
「おうよ」と嬉しそうに元気に答える
「でもやっぱり大剣は難しいわね」とロクサーヌが言うと
「そうでしょうそうでしょう」とメーアが答える
普段使っている細身の剣ではすぐに折れてしまうので、
ノーマルソードと小さい盾のスタイルに変更した
完全に大剣の動きを見切っているロクサーヌには一回も当たることなく、
「バタっ」
「バタっ」
「バタっ」
と何度となくメーアは倒れた
もうすでにズタボロのメーアだが口だけは一端だった
「ロクサーヌ、今日はこれくらいで」
倒れたメーアが言う
それを聞いたロクサーヌはまたも襟首を掴むと
「ロクサーヌさんでしょ」
と笑顔で言う。
「あっはい。ロクサーヌさん今日はありがとうございました」
というと手を離すとメーアはそのまま気絶した
「メーア!!ロクサーヌ、殺してないだろうな」
「当たり前でしょう。稽古をつけてくれと言うからやってあげただけで、彼女のガッツは素晴らしいわ」
とロクサーヌが言うとみんなメーアの元に駆け寄る
「では、レティシアさんの所に行ってきます。ルティナよろしくお願いします」
「はい!!」
ロクサーヌはルティナと共にレティシアの所に移動する。
メーアとの稽古を見ていたアナイシャはとても闘いではロクサーヌを凌駕するのは無理だと判断せざる得ない。
アナイシャはその後こそっとミチオの部屋に入る。
そして、よく眠っているミチオのベッド横に来て裸になると、そのままミチオのベッドに入り込む
ミチオが寝返りをうつとアナイシャはその胸元でミチオの頭に
ゆるく抱きつく。
「ミチオ様……」
ロクサーヌがレティシアに合うと
レティシアは驚いていた。
ヴィラントをロクサーヌに紹介すると、
「珍しい……男性をよくミチオ様が登用しましたね」
「その件につきましては直接ミチオ様に聞いてください」
魔王について色々と質問をしていた。
官邸のベランダから
今の状況を説明してもらった。
「すでにマロルの人口は45万人を超えており今現在も増え続けています。それに合わせて、住居の建築を急ピッチで続けています。まだ15万近くが城壁の外でテント暮らしなので、疫病が発生しないようにしております。魔法学校は新年からスタートさせる予定になっています」
「まぁレティシアさんに任せておけばうまくいくでしょう。私は騎士団を見に行ってきます」
騎士団も1000名まで増えていることに驚いたが
実際は古参の騎士達がロクサーヌの姿を見て悲鳴に近い声で号令をかける
「きをつけぇーーー!!」と古参の騎士達は一糸乱れぬ整列で周りの騎士達がその雰囲気に驚くほどだ
1000人のうち7割がそこに集まっている。
整列すると静寂に包まれる。
ロクサーヌはその前を歩いている
古参の騎士はみんな緊張で震えている。
「こんな事で震えてどうする」とロクサーヌが声をかけると
「申し訳ありません!!」
「しばらくぶりだ。ちょっと模擬戦をしてみよう」とロクサーヌが、提案すると
最近入団した者がこぞって手を上げて稽古をつけてもらうことになった
100人近く次々に撃沈させるロクサーヌを見て、こう言う事だったのか……と後悔と恐怖が入り混じった強化訓練となった。
「ほら、立ち上がれ、まだ終わってないぞ」とロクサーヌが檄を飛ばして
「マジかよ……」とうつむきながら「今日俺死ぬかも……」と覚悟する者もいた。
しかしながらなぜみんなロクサーヌさんの攻撃を防ぐことができないのだろうと疑問に思う者が沢山いた。
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