次の日から俺は奴らのボス、リーダーとなった。
小さい村を襲っては殺人と略奪、レイプを行なっていた。俺の中ではもうゲームとか夢とか関係なくなっていた。
罪悪感も次第に薄れてきた。
その中でも気に入った女は俺の手元に置いている。
最初こそピーピーと泣いていたが、諦めたのかおとなしくなっていった。俺の身の回りの世話や夜の同衾、食事の用意や掃除などをやらせて、他の男が手を出さない様に命じた。
すると献身的に俺の世話をする様になった。
その後、闇奴隷商人のバシルという男に奴隷を売って俺たちは金も得ていた。何回かバシルに売っていると、バシルの方から
「仲間に入れてもらえませんか?」と頭を下げて言ってきた。
闇奴隷商人も派閥があり、後ろ盾がないと商売もうまくいかないらしい。
「闇奴隷だけでなく闇金もやったらどうだ?」と俺がいうと
バシルはそれがどう言ったものかわからなかったので
説明してやった。
うまいこと取り立てて、闇奴隷落ちさせるまでがワンセットの話をしたらバシルは「そんな方法があるとは……」
「お前みたいな悪人顔のやつじゃ向こうも警戒するから、顔が美形で、物腰の柔らかい男を見つけるところからだな」
「わかりました。ありがとうございます」
とバシルは闇奴隷だけでなく町では闇金を始めた。
俺たちは大きい町は狙わずに小さい村をいくつか襲ってはしばらく働かないという生活を繰り返していた。
仲間の中には「もっとでかい山を狙いましょう」
と言ってくる奴もいるが……こういうのは大きくやって良いことはない。
それよりもバシルに言った「闇金で稼いでこい」と言っても
「そんなまどろっこしい事で……」
と言っているのは知っていたが、俺は奴らが大した実力もないのにその自信はどこからくるんだ?
そんな奴らが勝手に始めた略奪、蓋を開けてみたら、案の定騎士団に捕まっている
「アホか?!」と思ったが、勝手にやったのだからと俺は放っておいていいと思ったが、彼らは違った俺がいかなくても助けに行くとほざいている。
国家や族に所属する訳ではなかったからこそ、盗賊集団の奴らは仲間意識が高かった。
(はぁそんなもんかね?)と心では思っていたし、捕まえた女と世帯を持ちたいとかほざいている奴もいた。全く理解できなかったが、俺の兵隊が全て殺されてしまうのは困る。
救い出しに行くも何人にも囲まれて見たこともないボーラと言う足を絡ませる武器にやられてあえなく捕まってしまった。
俺は薄汚い小屋に捕まると水をぶっかけられ、起こされる。
気がつくと自分は頭を地面に当てられ、手足を縛られていた。
怪しげな全身黒のローブを纏っている男が近づくと
「こいつが例の盗人か?」と部下に聞くと部下は首を縦に振る。
「インテリジェンスカードを」と部下に言うと後ろに回って部下はなんかの魔法を唱えると、俺の左手からインテリジェンスカードが出てくる俺には見えないが出てきているらしい。
「ふーん。!!こいつは英雄のジョブではないか?」
「はいその様です。」
「……」
「私はゼロと言うものだ。ユウヤどうやって英雄のジョブを得た?」と
「知らねえ」
「なるほど……ユウヤ、ワシの部下にならんか?」
殺されるのを覚悟していただけに何を言い出すのかと思ったら
「はぁ?俺に何をやらせる気だ?」
「いや今まで通りだよ。街を襲撃して、略奪する。……それを敵国でやってもらうだけだが?」
「気に食わないな。全部事情を話してもらわないと、ただの使いパシリになっちまうからな」
「そうかそうか。ワシはな、カッシーム第一王子ナウファムの側近兼軍師をしておるのだが、王位継承者は第一王子にあると思うのだが、第二王子が王家の正統な血を持った奥さんを手に入れようとしているらしいのじゃが、だったら我々は英雄を味方につけて国力と国土を増やせれば、先王に任命されると踏んでおる。
ここよりも更に東の小国や小村を手に入れて欲しいのだよ」
俯いて聞いていた俺だったが
「まぁ他にも色々画策しているみたいだがそれはそれ。……いいだろう。いずれにしてもここで死にたくないからな」
「察しが良くて助かる」
俺たちはなんだかわからないが国軍に組み込まれた。
そして軍の中でもつまはじきものを押し付けられたが、むしろそいつらは俺たちとウマがあった。
アンジャルという街から更に奥に入って小さな村を襲撃した。
その近くの森で野営をしていた。
女は裸で鎖に繋がれている。
兵士同士で訓練という名のケンカをしていた。ナイフで戦い相手が参ったというまで戦い続けるものだ。中には死んでしまう者もいたが、そんな奴ここにいたらすぐに死んでしまうから早く脱落してもらって助かる。
でも最終的には殴り合いになり、それがみんなで殴り合いに発展すると最後はみんな顔がボコボコになるが、大笑いになって終わる。
略奪品の中には奴隷もいて、奴隷からしたら俺たちは解放者だった。闇奴隷商人はこう言った奴らを奴隷から解放して強い奴はそのまま俺たちの仲間になった。
まぁもちろん気に食わない奴はそのまま俺たちの奴隷になるだけだが、売られる奴もいれば俺たちの奴隷として働かせる奴もいる。
俺達の仲間になったやつには分前と女をあてがってやった
今まで奴隷だったわけだから奴らも死ぬ気で頑張る様になり
いつしか、1000人の傭兵部隊となっていた。
カッシームのずっと東を侵略の手助けをしていたが、1000人の傭兵部隊とは思えない活躍ぶりに、カッシームの騎士団からは少し煙たがれていたのはわかっていた。
まぁでも関係ない。俺らは俺らで勝手にやっていく。
仲間と一緒に面白おかしくやっていた方がいいと思っていた。
が、第二皇子がその婚約者を連れて来たというのを受けて、俺だけ本国に呼び出された。
ゼロは「これはまずいな……」とだけ言っていたが、
「何がまずいんだ?」
「もし、第二皇子が世継ぎに選ばれれば我々は解散になる。特にお前のところは略奪とレイプだからな……悪ければ皆絞首刑だろうな」
「ふーん」
宮殿を歩いていると、その女が歩いている。
「あの女か?」
「ああそうだ」
「あの女は俺がいただきたい」
「今は無理だ。まずはナウファム皇子が王になってからだな」
「なるほど。何をすれば第二皇子に勝てる?」
「そうだなもっと領土を広げ、カッシームを世界に知らしめる必要があるな」
「じゃあカッシームの西側を攻めてみたらどうだ?」
「そうだな。ナウファム様に進言してみよう」
その数日後には西側侵攻が決まった。
第一皇子は勝手に
宣戦布告をイリジューム公国、リセリカ聖王国に発布した。
シャームからイリジューム公領地ノボルチェスクに侵攻することとなった。
カッシームからペルマスクには道では繋がっておらず、海や深い森、湿地帯で道はなく通れない。
その為ここは徒歩で西側につながる要所になる。
ノボルチェスク城は質実剛健で飾り気はないが実用的な城であった。まずはこれを落とし、この城を橋頭堡とする
と言う作戦となった。
俺は侵攻前に初めてナウファムとやらに謁見した。
「貴殿がユウヤか?噂は聞いているぞ!!最近の活躍に朕も満足している」
ゼロは「こちらのユウヤは先月神から選ばれた様で勇者となりました」
「そうか。そうか。勇者が我々の味方ならこの戦いも揺るぎないぞ。ゼロよくやった。」
「とんでもございません。ユウヤの名前はこの戦いで更に広まりましょう」
「その勇者が部下になってくれているとは、朕も鼻が高いぞ」
ナウファムは有頂天で話している。
俺は頭を下げて話を聞いているだけで良いとゼロに言われたが、まぁとんでもない皇子だ。
「これで弟に負けずに王となれるのだな?」とナウファムはゼロに聞く。
「はい。間違いありません」
と嬉しそうにゼロは答える。
「よし、では必ずやノボルチェスクを陥落させようぞ」
とナウファムはみんなに言うと、みんなは
「ナウファム様バンザイ!!」と手放しで喜んでいる。
俺とゼロは謁見の場から離れると、「ゼロあれで大丈夫なのか?」
「ああ、問題ない。神輿は軽い方が扱いやすいからな」
としたり顔で俺に答える。
恐ろしい奴だ。
その次の日には進軍が始まった。そして侵攻を始める日は第二皇子ヒシャームの結婚式でもあった。
兄として結婚式はいいのかと思ったがナウファムはナウファムで必死なのだろう。
俺は自分の傭兵部隊と離れてはいるが同じ軍に編成されていた。
俺は勇者として、ナウファムの近くに用意していた。
まるで子守だな……と小声でぼそっと言うとゼロには聞こえていたらしく、首を振って制止した。
これだけの軍を動かすのだから、相手も気が付かないわけがない。
ノボルチェスク城の手前の平原で互いに睨みを利かせる。
相手はすでに山の上に陣を張っていたがこちらは丘の上に陣を張ることになった。
こんな大軍と大軍では潰しあうだけではないか?と思いつつもこれがこいつらのやり方なんだなと呆れるばかりで待っているだけでつまらない。
その点ゼロは何を指示しているのかわからないが騎士に数多く何かを指示して忙しくしている。
「ゼロ、俺は何をする?」
「ユウヤ様はここでお待ちください」
とただ待機しろと言う命令だった。
1時間待っても何も変化はなかった……
すると、俺からみて一番右手から敵の騎馬隊が平原を突出して来た。
「始まったか?」
「はい」
俺はなんで守っている方が先に攻撃してくるのかわからなかった。奴らの方が断然有利なはず。
よく見るとその受け手は俺の傭兵部隊がいる陣ではないか。
「あれは帝国軍です」とゼロは冷静にナウファムに言う。
「帝国も出てきているのか?ゼロ大丈夫なのだろうな」
「はいこれも想定内です。奴らはほとんど戦争をしたことない若い騎士達です。百戦錬磨の部隊が当たりますので」と飄々とゼロは答えるが
こいつわざと俺の部隊をぶつけてきたな?
若い騎士達はこぞって一番槍を取るためにかなり接近してきていた様だった。その為カッシーム軍が挑発するとすぐに突撃をかけてきた。
俺は「ここでこまねていても仕方ない。加勢してくるがよろしいか?」とゼロとナウファムに進言する。
ゼロは「いやまだだ。なるべく奴らがこちらに噛み付いて来たところで叩きたい」
「ゼロ!!」
小声で「奴らは俺の傭兵達だぞ。噛ませ犬じゃないんだぞ?」
「もちろん噛ませ犬なんて思っていません。戦闘経験の豊富な兵隊達の方がいいでしょう。ただタイミングがありますから」
わざと俺の部隊を当てた証拠はなかったが明らかに最初に攻撃を受けているのは俺の部隊だった
充分帝国軍が突撃をかけてきて混戦になったところでゼロは
「今です」と俺に言うと俺は奴らのところに馬でかけていくしかなかったが「ゼロ覚えていろよ!!」と言うと
ゼロとナウファムは何の事かわからない顔をしていたが、ゼロは確実にわかっていた顔をしていた。
ゼロは騎士団に「よくやった。あのゴロツキ供を何とかしたかったからな」
俺がついた時には1/3が既にやられていた。
俺は剣を出すと次々に騎士達を切り裂く、
「ナジュド!!」俺はナジュドを見つけると大声で呼ぶ。
俺たち傭兵団は騎士団と違って装備が貧弱だ。こう言う大規模戦闘には向かない。
ナジュドは俺に気がつくと近づいてきた。
「ボス、これはどういうことですか?」
「話は後だ。陣形を整えつつ後退させる」
「お前らこっちだ!!」と大声で言うと
陣形を保ちつつ少しずつ後退した。
長く伸びた敵の騎士団陣営は、カッシーム軍の横からの攻撃に寸断された。俺はここで「巻き返すぞ!!」と今度は攻撃に転じて寸断された軍を撃滅させた。
既に手や鎧には返り血ですごい事なっているが、俺たちの部隊で返り血を浴びていない奴は居なかった。
ナジュドが「これはどう言う事ですか?」と聞いてきたので
「ああ、ゼロの野郎に嵌められたのかもしれない。戦況が危なくなったら俺たちはこの戦場から逃亡することも考えないといけない」
「ですがボス、俺たちの女が人質に取られています」
「そうか。なら勝つまで戦うしかないな……全くお前らは戦争と女のことしか考えていないんだな」
と俺はぼやくと、「お頭ほどではありませんぜ」と笑いながら答える。
敵軍の第二波が突撃してくる
俺たちは味方の騎士団にぶつかってもらって更に大回りしてサイドをついた。
700名ほどになってしまったが、全く息を切らしているものは居なかった。
次々に騎士達を倒したが、むしろ体が軽くなってきているようだった。
そこに更に大回りしてやってきた敵軍がいた。大将は真っ黒なフルアーマーで斧を装備していた。
その斧を軽々と振り次々に仲間がやられていく。
俺の方まで進軍してくるのかと思いきや、味方の騎士を引きずって戻っていく。
「おいこら待て!!」と声をあげるも無視されている。
すると小さい斧を俺に投げてくると咄嗟にそれを避けるがヘルメットに命中するとそれが弾け飛んだ。
「野郎!!」
俺が飛び込みそうになったところをナジュドが止めた。
「ここは生き延びる方法を考えましょう」とナジュドが言うと俺は急に冷静になれた。
ナジュドが俺の顔を見て
「大丈夫ですか?」と聞く。
「はぁ?どういう事だ?俺は何ともない」
ヘルメットが取れた俺の顔をみんなが見て驚いている。
「お頭、それは絶対ヤバいです」とナジュドが言う。
「俺は何ともない!」と断言すると戦闘を続けた。
むしろ俺は調子いい。
体は軽く剣を振るその腕は更に力強く剣を振ることができた。
読んでいただきありがとうございます
今回の投稿で丸3年経ちました。読んでくれている方にお礼を言いたいです。
まだちょっと続きそうですが、よかったら続きも読んでください。
150万文字近く書いているので1年で50万文字となります。
原稿用紙1250枚分1年で書いているんですね。
感慨深い、、、、
これからもよろしくお願いします!!
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