どれくらいの敵を倒しただろうか?ナジュドやバシルも気がついたら傷だらけで血まみれだった。
「ボス……」
「お前らは後退して少し休んでいろよ」
だが俺は全く疲れも怪我もなかった。
剣で敵を薙ぎ倒し、パンチするとそのパンチで鎧に穴が開くほどの力だった。後ろから剣で切られても、
痛くない……痛みすら感じない……
むしろ切り掛かってきた兵隊の方が驚いてた
俺の鎧ははじけて、そこから体が見えると、赤黒い体が露出すると逆に一気に力がみなぎってくる……
敵を倒す。
敵を倒す。
敵を倒す。
「うおっーーーーーーーーー!!」と俺が雄叫びを大声を出すと、辺り一面が暗くなり俺を中心に竜巻が発生する。
俺の体は熱くなり、全身に電気が走るような痛みを感じた
辺りのチリや砂が舞い上がっている
あまりに大きな竜巻と、俺の叫び声で周りの敵は怯んでいた。
俺はこの機を逃さず次々に
敵を倒す。
敵を倒す。
敵を倒す。
気がつくと俺の手が赤黒く大きくなっている。
これは?!俺の手なのか?
俺は手のひらで敵を叩くと騎士は鎧ごとグシャっと潰れて血の雨が降る。
敵兵が俺を見て指を刺していう。
「あれは……あれは魔王だ!!魔王が顕現した!!」
と1人の騎士が騒ぐと皆に伝播していった。
後ろに後退していたナジュドもバシル達傭兵団は
「奴らは魔王軍だ!」
と味方にまで言われると味方からも傭兵団は攻撃を受けることになった……
槍で次々に背後から刺されていく。
「ナジュド!!バシル!!」
俺がその姿を見て大声で呼ぶ
俺は飛ぶように自軍の傭兵団に戻ると攻撃した奴らを次々に殺していく
「おまえら!!」
魔王を見てナウファムの軍もその場から離れる。
俺はナジュドとバシルを見つけると「おら、立てまだ死ぬな!!」と発破かける
「すんません……ボス、俺らここまでです」
と情けないことを言うので
「まだだ!!考えろどうにかならないのか?」
すると、『眷族にしますか?』と表示が出てきた。
俺はこいつらが生き残るならYESを選ぶと2人は小さい竜巻に包まれる。
煙と竜巻がなくなると2人は俺の目の前で変身していく
バシルはワーウルフ、ナジュドはワータイガーに変身した。
「ボ、ボス?!これは?」
自らの変化に驚き、溢れ出す力に驚いている。
「ああこれからも俺のために戦ってくれ」と俺が言うと
黙って頷き彼らは
ナウファムの軍に向かって行く。
俺は瀕死のやつを探して、次々に眷族に入れていった
そして、ほとんどの奴がワーウルフに変わっていった。
彼らは人間の時の3倍のスピードと筋力、そして強い体を得てナウファムの軍をどんどん駆逐して行く。
俺もナジュド達の後を追いかけナウファムの眼前まで迫る。
ゼロが立ちはだかり「ユウヤ誤解だ。話を聞いてくれ」
「俺は俺の好きなようにさせてもらう。あんたの面倒はもう懲り懲りだ」
「待て待て待て!!金ならいくらでも払う!!」
「そんなもんいらねえよ。奪えばいい」
ナウファムを一撃で屠るとあたりは既に血の海になっている。
血は魔王の体にも沢山かかっているが、蒸発するように湯気が出ている
「はぁーー」
ゼロは大きくため息を付くと暗殺部隊に攻撃させる。
ゼロの暗殺部隊が俺にボーラを放ってくるが、そんな事で足を取られたりはしない。全てを避けると一撃で4人の暗殺部隊を殺し、次々とその原型をとどめないほどの力で虐殺して行く。
ゼロの胸元を捕まえゼロも眷族にする
「お前は殺さん。死ぬまで俺のために働いてもらおう」
ゼロを無理やり眷族にした。
ゼロはワーハイエナと変わる。
「お前らしいな。今後は我が眷属として働け」
「……はいかしこまりました」
そのまま帝国軍、イジューム公軍に向かって進撃する。
帝国軍、イジューム公軍は戦況の瓦解で撤退を余儀なくされる
結果カッシーム軍はほぼ全滅、帝国軍イジューム公軍は2万と言う大被害を受けて撤退することになった
その後イジューム公が撤退したことでノボルチェスク城は難なく手に入れることができた。
我々には30名ほどしか残っておらず、三十の数ではこの城を守ることすらできない。
俺たちは謁見の場に座り込み
俺は玉座に座り込んだ。
「城があってもこれでは……」
すると空中に野球ボールぐらいの目玉から数本の触手がついている気持ち悪いものが浮かんでいる。
(やっと気がついてくれましたか私は『下級悪魔ワラナス』と言うものです。私が魔王様のサポートをさせていただきます)と念話のようなもので話しかけてきた。
(まずは兵隊ですね。外によろしいでしょうか?)と俺をその空中をぐにゃりぐにゃりと浮かんでいるワラナスは外に出る
急にボスが謁見の場から外に出ていったのでみんなもそれに続く。
ユウヤ以外にはこのワラナスという存在は見えていないらしい。
ワラナスは外に出て平野が一望できるところに行くと、俺に呪文を授けてくれた。
俺はこの通りに呪文を復唱すると
大きな地震のように大地が揺れ割れていった。
ノボルチェスクの平原の地面が何かを開いたように割れて中からコボルト供が次から次へと湧いて出てきた。
ワラナスは(これでどうでしょうか?それと……ワーウルフ達は人族を眷族にすればワーウルフにする事ができます。ワーウルフは人に戻る変身もできます。いかがでしょう?)
(ああ、助かった。)
「おまえら、人を攫って来い。お前達と同様眷族にすれば問題ない。まだまだ暴れるぞ!!」
「オー!!」
気がつくとワラナスは消えていた……
その後みんな近くの村に向かって人攫いに行く。
ナジュドだけ呼び止め、「隠れ家に行って前に捕まえた奴達もお前が連れて来い」
と命令した。
「わかりました」
「ああ、頼む」
ノボルチェスクの平原にコボルト達が自らの住む家を作り出し、そしてそこに沢山のコボルト達が住み着いて行く。
次の日の朝、1人の男が入ってきた。
「コンコン」
「あっこんにちは。こちらで戦争があるって聞いて応募しにきたんですが……全然人がいなくて……コボルト達がメチャクチャいて見つからないように来ました。あいつらと戦うんですよね」
俺は元のユウヤの姿に戻っていたが、その調子の良さそうな男は武器や鎧すら持ってきていないようだった。
「装備もなしで、戦争に来たのか?」
「あっここで借りれると聞いたので……」と謁見の場にその男は入ってきた。
「名前は?」
「名前はガルバンです。こう見えて傭兵だったので戦闘経験は豊富です」
男はヘラヘラと笑いながら近づいてきた。
「残念だがもう戦争は終わったので、お引き取りいただけないか?」
「えっ?そうなんですか?急いで来たのになぁー………だから誰もいないのかぁ?」
俺は奴が全く止まらずに近づいてきた為もう飛び出して攻撃する寸前でガルバンはピタッと止まった。
「では私を雇っていただけませんか?」
なんだ……こいつも眷族にしてしまえばいいかと逆に俺はゆっくりと立ち上がり彼に近づく……
その瞬間ガルバンは手元から剣を取り出して顔面を攻撃すると
俺は瞬間的に変身してその攻撃を避ける
一撃に見えたが7撃ぐらい攻撃してきた。
俺は奴にボディを入れようとパンチすると、ガルバンはふわっとそれを避ける。
「やっぱりそんな不意打ちじゃ倒せないよね。うん!?パワータイプ?キメラタイプ?いや、ゾイック系か」
ガルバンは俺の姿を見てそう感想を述べた。
「はぁ?お前なんなんだ?」
「俺?言葉通じるんだ俺は魔王専門の討伐請負人ってところかな」
と剣を構えて答える。
「なるほど。まだ魔王になったばかりだから手加減してくれないか?」
と俺は連続で攻撃するもガルバンはそれを全て避ける。
避けても建物自体はあちこちダメージをおう
「うちそういうサービスはしてないんで」
とガルバンは反撃をする。当たってもほとんどダメージにならなかった。
「すごいパワーだなぁ」
接近戦で目に見えないほど激しい攻防があるが互いに互角に見えた。
互いに少しづつ傷が少しづつ増えて行く。
こんな強い奴がまだいるとは……正直驚いた。強くなった俺に互角でやりあえるとは……俺も剣フラガラッハを出す。
剣を構える姿を見てガルバンは剣をあまり使ってこなかったのを知った。「我流か」
もちろん剣技ではガルバンに勝てるはずもないが
片手で剣を使ってパンチを繰り出すケンカ殺法にはガルバンも驚いた。
奴の剣を片手で受けるのはパワー的に無理だった。だから両手で持って受けると、反対の腕でパンチをしてくる。奴にとっては小パンチでも一撃喰らったらやばい。ガルバンはそう思いつつ後ろに下がった
あくまで素手の攻撃がメイン剣は牽制で使う。
奴も少し離れて距離をとった。
ガルバンが一呼吸を入れると大振りで攻撃を仕掛けてきた
「深層牙城崩壊」
上段からの袈裟斬りでこれを受けてパンチをすれば避けれまい
奴の剣をフラガラッハで受けると、なんだこの違和感は?!
と感じるとフラガラッハを手放したにもかかわらずその振動は剣から伝わり腕に登ってきた
右腕が大きく膨れ上がり破裂したが、怯まず左手でガルバンにボディを入れるとガルバンに直撃した。
そのまま壁まで吹っ飛び壁にヒビが入る
すかさず壁際に追い詰めたガルバンを何度も左手でパンチ入れた。「……スウォード」とガルバンは殴られながらも呪文を発動させるとその剣を頭突きで俺の頭を狙ってきた。
俺は咄嗟に避けるも俺の右眼をかすった。
俺の右眼の視力はなくなり、最大パワーで左パンチを入れると壁は崩れガルバンは外に投げ出された。
あんなん食らって生きてたらそれこそバケモンだ
俺は右手と右目を失った。
「あーちくしょう!!」痛みを抑えるために大声で言う。
布で右腕からの出血を止めた。
「確か……回復アイテムがあったはず……滋養錠これまずいんだよな。水無で飲むのかよ……」
ムッ
なんとか飲み込んだが……
「早く誰か戻って来い」
一瞬俺は眠っていたのかそれとも気を失っていたのかもしれないが、ナジュドが戻って来た。
「ボス、これは?」
「ああみんながいない時に魔王討伐請負人とかふざけた野郎が来て右手と右眼をやられた」
「そうでしたか。それで奴は?名前とか言ってましたか?」
「名前はガルバンと名乗っていたが、あそこの穴から吹き飛ばしたが死体は見てない確認してきてくれるか?」
「わかりました見てきます。
とりあえず今日は休んでください」
とナジュドが言うと俺は自室に案内されてベッドに横になった。
横になっていると、またもやワラナスが現れた。
(さっきは危なかったですね)
(あんな奴がいるとは驚いた。まだまだあんな奴が沢山いるのか?)
(そうですね何人かはいますね。いつかは目の前に現れるでしょう)
(俺が強くなる方法はあるのか?)
(ありますよ私を食べることです)
(はぁ?お前みたいな気持ち悪いのを食べるのは遠慮したい。他にあるか?)
(ええ〜、ダメですか?ならまずは手を直したらどうでしょう?)
(確かに……)
(法王にはリジェネレーションという魔法があります。それで治るはずですが?誰にやってもらいますか?)
(どこにいるんだよ?)
(それは私は知りません)
(使えねぇなぁもういい。とりあえず今は寝るわ」
特に休息を取らなくてもいい体になったのだが、なんとなく横になって目をつぶってくつろいでいるだけだ。
まだ人間だった時の癖はそう簡単に無くならない。
元の人間の姿に戻っても俺の腕は無くなっていた。
何かの夢を見ていたのだろうか……
「ゆい……」
俺は無意識にその名前を言っていた……
すると俺の手をガシッと掴む感覚がある。
驚いて起きると「ユリーナがここに」と奴隷であった彼女が
俺の手を持っていた。
彼女は身の回りの世話をしてくれる奴隷の1人だ。
「ああ、お前か……法王というのはどこにいる?」
「法王様ですか?この近くだとリセリカ聖王国の法王でもあり、聖女様のエレオノーラ様ではないでしょうか?」
「なるほど、お前は本当に役にたつな。よしこっちにこい」
やはり片手ではうまくひん剥けない……
ユリーナは自ら脱いで俺に抱かれた。
ナジュドにガルバンの死体を確認に行かせたが死体はなかったそうだが、ナジュドが言うには
「城の外に落ちたならコボルトがくっちまったんじゃないですか?」
直感的にまた戦うことになるな……と感じた。
俺は自分専用の馬車で目を覚ます。
俺の目の間にはワラナスがウニョウニョと浮かんでいる
(魔王様お身体は大丈夫ですか?)
(ああ問題ない。右腕と右眼も元に戻った。)
(だいぶやられてしまいましたね)
(……お前を食べればスキルや魔法が使えるようになるんだったな)
(はい)
(俺はお前に何か影響されたりしないのか?)
(私の意識は消えてしまいますのでより純粋な魔王になるでしょう)
(わかった)
俺はワラナスを鷲掴みにすると一気に口の中に入れて飲み込んだ。
体に激痛が走り、頭が割れそうになるくらい痛かったが、それはすぐに痛みは引いた……
自分でも強くなったのがわかる。
「もうあいつらには負けない!!」
読んでいただきありがとうございます。
夏休みを頂きます。
次回の更新は8月30日金曜になります。ユウヤの回想が終わり、次からはミチオの話が始まります。
ユウヤの回想はユウヤが初めて出てきた時には既に出来上がっていたんですけどね。加筆しましたが、一年以上前だと思います。いつ出すかずっと迷っていたのですがこのタイミングで出させていただきました。
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