美しかったであろうリセリカ聖王国の街は至る所が破壊されて
略奪されている……そして城に続く橋も落とされ崖のような所で反対側から返事を求められた。
カミラを見つけたリセリカの兵士たちは、一様に安堵の表情を見せた。
エマは大きな声で叫んだ。「クワガ王国所属エマ、救国の為参上した!」対岸からは歓声が沸き起こる。
たくさんの人が城に避難していたのであろう。
だが、俺たちがリセリカ聖王国の城に入るのには
橋が無いため2.3日かかると言われたが
ルティナが「橋をかければいいんですか?」と俺に聞いてきた為
「ああ、法王にあってこの国での戦闘許可を得てから魔王を追った方がいいだろうしな」
「わかりました」と言うとルティナは詠唱を始めた。
「………………エラ・ブリッチ」
とルティナが魔法を唱えると、石でできたアーチ橋があっという間に出来上がった
「うおっ!ルティナそんな魔法あったんだ」
「私にできるということはご主人様にもできるはずですよ」とニコッと笑うと嬉しそうに返事する。
ルティナは本当に呪文を全部覚えていそうだなぁ
俺とは違い詠唱も覚える必要があるから彼女はやはりすごい記憶力だ。
橋がかかると自軍の兵士たちも反対側にいる兵士たちも
突然のことでみんなが驚く。城の開門がされ拍手で俺たちを向かい入れてくれた。
支援物資の部隊と俺たち旅団は入城した。その他は城の外で待機となった。
たくさんの避難民がここにいるのだろう。
支援物資は教会前運にばれて、早速配給の手筈を取っている。
俺達旅団はそのまま天守がある所まで進む。
入り口にはレイノルドが待っていた。
俺たちが馬車から降りると
「青騎士団団長レイノルドです。リセリカを救っていただき、ありがとうございました」
と言ってきた。
エマが挨拶をする「クワガ王国所属エマ、こちらが国王のミチオ様だ」
レイノルドは一礼すると
「クワガ王国……ミチオ様ありがとうございます」
と握手を求められ握手した。
そりゃ最近できた国だから知る訳もないだろう。
「帝国自治領バーサバラのイリナ、カミラから救援要請で参上した。」
「救援ありがとうございます」と握手をした。
エマは「早速だが、法王様に謁見を求めたい」
「もちろんです。お入りください」
カミラはレイノルドに「よくやった」と褒められていた。
「ルドルフ様は……」
「負傷していま手当をしてもらっている」
2人は移動中に小声で色々カミラに話していた。
謁見の間では
エレオノーラと多くの神官、そして、片腕が無い老練そうな騎士が立っている。
カミラはその姿を見ると「ルドルフ様!」
ルドルフは「御前であるぞ」とカミラを叱責する。
エレオノーラは1人オーラが違う。
俺たちはエレオノーラの前に跪く。
「クワガ王国ミチオ、救援の為リセリカ聖王国に参りました」
エレオノーラは大きく横に手をやると
「ミチオ殿、此度の働き……誠に素晴らしいものでした。
期待以上……想像をはるかに超える働きでした。感謝いたします」と感謝されたが……
現状を見るとエレオノーラも深刻だった。
食料はかなり切り詰め、みんな痩せエレオノーラもあまり食べていないのだろう。痩せ細っているように見えた。
「食料と水の問題はもう大丈夫です。私達がご用意します。回復薬もたくさん持参したので、お譲りします」
「……感謝します。ですが今私達が返せるものがないのですが……せめてこれを……」
と言って取り出したのは古びた本であった。
周りの神官が「それは!」
「これは我が国に古くからある本で『聖星の魔導書』と言うものです。我が国を救っていただいた賢者に渡すように言われています。これを是非お納めください」
神官の1人が
「法王様!それは国宝です。未曾有の危機に使う物とされています。そんなに簡単に差し上げて良いものなのでしょうか?」
「今、未曾有の危機で無かったらいつが未曾有の危機なのでしょうか?これはミチオ様に渡す運命だと思われます」
「これは?」
「古くからある文字で私たちには読めませんでした。もしかしたらミチオ様に読めるかも知れませんので」
と言われ魔導書を受け取った。
「今見てもよろしいですか?」
本は壊れないように頑丈にできていた。
表紙の文字は俺も読めない……つまり読めないのでは?と思ったがロックを外して開くと、眩い光と共に、何かが俺の頭の中にインストールされるように入ってくる。
すると俺にしか見えないウィンドウが強制的に出てきて
『聖星の魔導書:魔法波動共鳴理論』
『スキル:増幅魔法』
『魔法の効果範囲が増大する』
を獲得しました
『聖星の魔導書:魔法の自然調和』
『スキル:詠唱省略』
『魔法の詠唱が必要なくなります』
『聖星の魔導書:魔力の微粒子理論』
『スキル:魔力の精密制御』
『魔法の精度と効果が高まります』
『聖星の魔導書:魔法の基礎原理』
『スキル:魔法の基本理論』
『全ての魔法のMP消費が軽減される』
と次々に現れ俺の中に入っていく。
周りの人から見たら俺は本を開くと上を見て固まっておるようにしか見えず
「大丈夫ですか?何かありましたか?」
とエレオノーラに聞かれた。
「はい大丈夫です。素晴らしいものをありがとうございます」
「我々が先祖代々から受け継いできたものです。大事になさってください」
「世の中には他にもこう言った魔導書と言うのはあるのでしょうか?」
「それは私もわかりません」
「それとお願いがあるのですが、私達はこれから魔王軍を追いかけ、討伐するのでリセリカ聖王国での戦闘もある事が予想されます。その許可をいただきたい」
「それでしたら問題ありません。戦闘に使われる可能性がある場所は魔王軍にすでに壊滅的にやられて、ほとんど人は残っていないと思われます。もし人々を助けられたら是非助けてください」
「はい。ありがとうございます。それと、これから魔王軍と戦うためにお願いがあるのですが、クランと入魂の儀、そしてビーピーの儀式をしていただけないでしょうか?」
「かしこまりました。ご要望とあらば承ります」
「まずは食事を……」
「とは言っても私たちに今あなた達を歓迎できるような食事は……」
「いえ私達が用意させていただきます」
と俺が提案した。
ガイウスはこの場でもちろんエレオノーラに合ったことがあるが20歳も若返っているのは知らないので、紹介はしなかった彼もここには皇帝としてきているわけではなく、冒険者としてきているのだから余計なことは俺が言う必要はないだろう。
馬車の後方につけたマグニフィシャント・マンションの扉に案内すると当然ながらみんな驚いている。馬車の後ろについている扉から巨大な家につながっているんだから。
みんなが席に着席して、周りをキョロキョロと見ている。
エレオノーラはこんな時でも国民みんな食事にありつけているのだろうかと心配していた。
「支援物資はたくさん持ってきておりますので安心してください」
そう言うと他の神官達は目の前にあるご馳走に目移りしていた。
「ではお祈りをしてからいただきましょう」
と言ってお祈りをしてから食事を食べ始める。
リタは「今まで食べていなかったのにそんな勢いで食べたらお腹痛くなっちゃいますよ。ゆっくりお食べください」
と言われ同席していた神官達はハッとしたのか、「ありがとうございます」と言ってゆっくりよく噛んで食べるようになった。
俺は「法王様と同席で申し訳ありません」
「いえ、こちらこそ申し訳ありません」
と遠慮していたが1人太った神官がこれみよがしに食べていた。
「もっとこの料理をもらえますか?」と遠慮がない。
神官も色々だなっと思いつつ食事を終えると、そのまま俺たちの作戦を伝える。
先程の太った神官はどうやらミゲーラというらしい
俺たちの作戦ではノボルチェスクの方向に聖王国軍と共に侵攻してムエバズカとクオスキュアの間に要塞を作って奴らの再侵攻を食い止める
と言うものだが、ミゲーラは
「こちらにはそんな余剰戦力も金も残っていない」
と言ってきた
ルティナは「でも私達がやられれば、ここも終わりですけど?」と挑発的に返した。
「ぐぬぬぬっ……そうなったらそうなったで新しい活路も見えてくるでしょう」
「どんな活路よ!!」とバンとテーブルを叩くと
「このままでは世界はコボルトだらけで全ての種族が駆逐されるわ!!」
と息巻いている。
ミゲーラは「私達の役目は民を守るのではなく、法王様を守ることです。」とキッパリと言った。
エマが途中から「では話は簡単だな。エレオノーラ様、あなたの守るべきものはこのリセリカでしょうか?それともこの国の民でしょうか?」
と言うとエレオノーラは「もちろんこの国の民です」と即答した。
「でしたらエレオノーラ様も一緒に参戦された方がこの国の行末の為にも」
「わかりました。ご迷惑では無かったら私も参加させてもらいます!!」と言うと
ルドルフ、ミゲーラは驚きを隠せなかったが、彼女の言葉はそれを踏みとどませるのは無理のようだった。
他にも色々と揉めるところはあったが、ルティナが煽り、エマが核心をついてぐうぅの音もでないど正論を言われると、反対するものはいなかった。全てはエマが描いていた通りになったと言うところか……俺は特に発言はしなかったが、今日の午後には追いかける予定だったが、
ロージーに連絡すると敵の移動速度はそれほど速くないので次の日でも問題ないと言うことで、明朝に進軍する事が決まった。
やはり軍となるとそんなすぐには動かせないらしい。
リセリカ軍は早急だったので明日の午後からの出発ということになった。
となると、みんなの兵舎を出す為に平原に案内してもらい
昨日の兵舎を出すとみんなも喜んだ。
俺たちもそちらに移動して今日の宿泊の用意をした。
その間にも水の減らない水瓶をルティナと作って
重労働の水汲みを無くしたり
クーラタル80階でもらった『豊穣の石臼』を教会に設置して
いくらでも小麦粉が出てくるマジックアイテムを貸し与えた。
起動すると次々に小麦粉が溢れてくる。
みんなは目を丸くしてその様子を見ていた。
教会の司祭もただただ俺に感謝をするばかりだった。
「ご主人様今日はこのままここで宿泊でよろしいのでしょうか?」とロクサーヌが聞いてくるも
「しょうがない……俺自身目論見が甘かったが魔王軍も移動は遅いみたいだ」
時間ができたので
道具の整備とみんなのレベルを確認したが
レベルは上がっているが、上位ジョブが出ている者はいなかった。
連戦続きなのにやはり迷宮ではないからか?
だが聖星の魔導書は魔王戦の前に手に入れられてよかった。
それとクラン4位になったのでまぁそんなに組むことはないが21人パーティが可能になった
俺、
ロクサーヌ、セリー、ミリア、ベスタ、ルティナ
エマ、メーア、リナ、アナイシャ(キーカはお休み)
ジョゼ、ラウラ、ルシール、コレット、ヴィクトリア
あと5人をみんなで話し合う。
今回はタカシ達をパーティに入れたらどうだろうと言うことになりそれで落ち着いた。
タカシ、アンナ、クルーガー、ミラ、ルナの5人だ。
あとメンバーではエルフのマリーがリーダーとなってグループを組んでくれた。
この話はガイウスにはしていない。ガイウスには残ってイリナ、エステルやブルーノと共に連合軍(エルフと俺の国の騎士達、帝国の騎士や兵隊達、そしてリセリカ軍)
と共に行動してもらいたい。
「それと……」とロクサーヌが俺に小声で相談する。
「夜ご主人様と皆で同衾後にルティナが部屋から脱げだしているようです。どうなさいますか?」
「トイレではないのか?」
「1時間以上戻ってこないのですが……」
「わかった。今晩直接本人に聞いてみよう。動き出したら俺を起こしてくれ」
「わかりました」
「とりあえず俺1人で聞いてみるよ」
「はい」
夜の俺はハーレムプレイを楽しむといつの間にか寝ていた。
するとロクサーヌに起こされ、
「今、ルティナが部屋を出ました」
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