※この作品はR-18です。

異世界迷宮でハーレムを(仮    作:九白

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勝利

 

2日前……

 

マロル城で兵士が駆けている。

執務室に到着するとレティシアが対応した。

「レティシア様大変です!!ナバ平原に複数のブルガ兵が進行中とのことです」

「こんな時に……」とレティシアは頭を抱える

「兵の規模は?」

「現在確認中ですが間者の報告では3000を超えているそうです」

「今まさに人類の存亡をかけて戦っている時に……愚かな……」

隣で聞いていた将軍ヴィラントは

「この可能性があるから私をここに置いて行ったのではなかろうか?」とレティシアに問いかける

「そうなのかしら?」

「ミチオ殿のようなニュータイプの戦争には全くついていけないが、オールドタイプにならなんとかなるしな」

「どれくらいでナバ平原に?」

「明日の昼間には……」

「情報が遅かったですね」

「すみません。モンベルト領での監視はできず、街道での監視のみになるので時間がかかってしまいました」

「そうね。モンベルトから全て持ってきてしまったらね。そこにポツンとスパイだけ残してきてもバレるでしょうね」

 

「いずれにしてもレティシア殿出陣だな」

「そうですね。すぐに用意しましょう」

普段の訓練の成果かすぐに出発の用意は完了した

ヴィラントはレティシアに聞いた

「あれは?」

「ああ、あれ?」

何台かの馬車いっぱいに何かを詰められて布が被せてあった。

「食料かなにかか?」

「秘密兵器かな。向こうに行ったら説明させてもらいます」

「ああ、そうか。なら構わんが……」

レティシアは「それと、この件はミチオ様には連絡しておりません」

「ああ、事後報告でいいだろう。あっちは忙しいだろうから。これくらい我々で」

 

 

ミチオの説明では、マロルは帝国からの独立でブルガ王国との停戦条件はなくなり、国交のないマロルをいち早くかすめ取りにくる可能性がある。とレティシアは聞いていたが、独立してここまですぐにくるとは思っていなかったし、ブルガ王国とて、魔王との戦いを我々がしていることくらい知っているはずなのに……

 

ブルガ王国との国境ペルバ村の砦近くで野営すると次の日の昼にはナバ平原に到達した。レティシア達は定番の丘の上に布陣した。

 

ヴィラントの元には両陣が相対すると書状が届いた。

そこには宣戦布告状と書いてあったがそれを見て

「なんだこれは?」

とヴィラントが言うと

「ここまで来てご丁寧に宣戦布告状だって。まさかここでお遊戯するつもりは私たちだってないわ」とレティシア

「難癖つけてまぁ、要は目障りだから消えろと言う意味のようだな。で、どれくらいで戦いは始まるのだ?」

「それは私にもわかりません」

「じきに夕方だ。昨日の言っていたやつを試すなら夕方の方がいいぞ」

「そうなのですか?」

「夕方の方が見えにくいからな」

「それは、老眼ではなくて?」とレティシアは意地悪で言った

「違うわ」と言うとレティシアは笑っていた。

 

 

夕方には用意が出来上がった

20人ほどがレティシアの合図を待っている。

ヴィラントは「これで効果あるのか?」

「どれくらい効果あるのかは初めてなのでやってみないとわかりません」

「戦争も変わったな」

 

「よし、始めよう」とレティシアが合図をすると

20人が一斉に棒を掲げる。

すると、それは20メートルほどの大きさの土色のハリボテだった。一つ一つのパーツではそれが何かわからないが20人が連携してそれを持ち上げると、まるでハリボテが動いているように見える。腕や顔が大きくモーションをしている

騎士の中で魔法学校の教師になる予定の者が

拡声魔法を唱えるともう1人がうねり声をあげる

「うぉおおおーーーー!!」

それが魔法で拡声されると相手陣地まで聞こえるほどの大音量であった。

ヴィラントは近くで見ているので

「これで効果あるのか?」

と疑うばかりだった。

 

だが相手側では大騒ぎになっていた。

「敵陣を見てみろ!!」

敵陣には巨大なロックゴーレムが雄叫びを上げている

兵士の間には「あれはゴーレムではなくて噂の奴でないか?」

「えっ?!一瞬でブルガ兵3000を倒した大地の精霊か?」

「やはりここは俺たちにとって呪われているのではないか?」

「また血の海から魑魅魍魎が現れるのではないか?」

兵達の動揺は止まらなかった。そして、エルダーアースエレメンタルを見て敗走兵は自国で自分が逃げたのは精霊の怒りをかったからでおひれをつけて自国で話したのだろう。ありもしない話迄ついていた。

 

敵の兵長も「落ち着け!あれは……あれは違う」

兵長だってその噂は充分聞いている。

「兵長はあれがなんだかご存知なのでしょうか?」

当然あれがなんだか答える奴は居ない

「いや、……いずれにしてもここから動くな」とだけ言って

後方に下がった。

兵長は奴が投げる岩は山を通り越して投げてくると言う噂を聞いていた。

 

2回目、3回目と雄叫びを上げると、

「あっあっ!」と言って隊列を崩さないように立っていた兵士が恐怖で漏らしてしまうものも現れた。

「兵長!兵長!」と兵士が呼ぶが

兵長の姿はそこには無かった

 

「あいつ逃げたな!!」と1人が言うとみんな平然とした顔の奴らも振り返ると走って逃げて行く。次々に兵士達が祖国に戻る為に武器をその場に捨てて走って逃げて行った

「おい、お前達逃げるな!!」と将軍が言うももう誰の耳にも届いていなかった。

「俺は初めからこんな戦いに来たくは無かったんだ精霊様許してくれ!!子供と妻を残して俺は死ねねぇー」と

みんな精霊に謝り、懇願するようにその場から走って立ち去る

 

 

 

 

遠くから見ていたヴィラントは「なんだこれは?」

我々はこの長い棒がついたハリボテを辿々しく掲げて何やら唸り声を出しているだけだったが敵は総崩れで霧散していく。

 

レティシアは近くにいた兵士に鏑矢音の出る矢を空に打ち上げると、「はじめ!!」の号令でみんなは足踏みを兵士全員で合わせてなるべく大きい音を立ててする。地面は揺れ大声で雄叫びを上げている。

いや、全く戦っているわけではないが、3000人が息を合わせて足踏み、雄叫びを上げるとその音は拡声魔法でさらに大きくなり相手は震え上がった。

 

ブルガ王国の兵達は次々にナバ平原から逃げて行くように出て行った。

夜になる前にはすべての敵が撤退した。

「つまらん。なんだこれは?」とヴィラントは少し不服そうだったが

レティシアは「『戦わずして勝つ』これがミチオ流でしょ?」

確かに我々の兵は1兵も失わず勝つ事ができた。しかも相手の一方的な宣戦布告でだ。

「普通なら僥倖であるが、いつまでもこうはいかないだろう」

「そうですね。まぁでも今回は誰も死なななかったことを喜ぶべきです」とヴィラントに偉そうにレティシアは話した。

ミチオ様は大丈夫でしょうか?

「ところであれはなんですか?」とレティシアは指を指してヴィラントに聞く。

夜になってどうしてこんなに明るいのかと思ったら

空中に何か浮いている。

「あの方向は……ミチオ様達ではないだろうか?」

「夜がこんなに明るいなんて……今まさに戦っているのでしょうね」

「わしもあっちについて行けばよかった」とヴィラントはぼやいていた。

「まぁまぁ、ガ、じゃなかったヴィラント将軍」

クワガ王国とブルガ王国の初戦はクワガ王国の圧勝で終わった。

 

 

……

 

「ロクサーヌ、タカシよくやってくれた。2人は大丈夫か?」

と声をかけると、ロクサーヌもタカシも満身創痍で「はい大丈夫です。」と言うだけであった。

手をとって立ち上がれるよう手伝った。

「ミチオさん、ミチオさんの作戦のおかげで勝てました。ありがとうございました」と俺の手を両手で強く握りしめた。その後は自分のパーティのアンナのところに戻り治療を始めていた。

全くダメージがないわけではないのだろう

 

遠くに吹っ飛ばされたジャッジに向かうも

「ジャッジ?!お前!!」

「ミチオ俺のことは気にするな。またすぐ復活するから。今回の戦いは多分この次の魔王への前哨戦だ。またすぐに会うことになるだろう。その時はまた頼む。それまでしばしの別れだ」

と中指を立ててジャッジは死んでしまった。

ジャッジは死ぬと光に包まれ消えていった。

 

「なんなんだあいつは?!」

と思いながらもあいつはほっといても良さそうだ。

 

シャンタルが来てくれなかったらやばかったかもしれない。

「シャンタル来てくれてありがとう」

「ううん。遅れてごめんなさい。それと後で話があるから時間を作って」

「ああ。じゃあまた後で」

俺はアナイシャに騎乗用ドラゴンに変身してもらうと大地の割れ目イリナ達の方に向かった。

 

ルティナは俺がそちらに向かうのを確認してから、

ロクサーヌに声をかけた。

「ロクサーヌ様、お話が……」

「改まってどうしたの?」

「実は魔法に死者と話す魔法があります。死んですぐにかけないと効かなくなってしまうのですが、どうしてユウヤが魔王になったのかを確認しませんか?」

「その魔法をかけて魔王として復活したりしないの?」

「いえ、死者は質問に答えるだけで意思はありません……」

「なんでご主人様がいる時に言わなかったの?」

「同郷のようでしたから」

「タカシさんは?」

「彼は自分のパーティで治療を受けていますので今しか」

 

「わかった……試してみましょう」

「……スピークウィズデッド」

人間に戻ったユウヤに魔法をかけるとその死体から半透明体のユウヤが立ち上がった。

その姿は明らかにこの世のものとは思えない存在でユウヤの目の下にはクマが現れて顔は真っ青になっていた……

「あなた自分の名前はわかる?」とルティナが聞くと

コクっと頷く

「名前を言ってみて」

「ユウヤ……」

ほっそりとしたその青年姿はユウヤとは思えなかったが間違いなくユウヤだった

「あなたが魔王になった理由を教えて」とロクサーヌが聞く

「わからない……気がついたら魔王になっていた。多分勇者のジョブが魔王になる為に必要なのだと思う」

 

ルティナが「何をしていたら魔王になったの?」

「戦っていた……ずっと……味方が…仲間が次々に騙され殺された」

 

「魔王になったら何かしないといけなかったの?」

「別に何もない……今まで通り……」

「なんでたくさんの人を殺したの?」

「誰にも邪魔されない家を作りたかった……」

「カッシームに家はあったんじゃないの?カッシームはあなたを利用していたの?」

「わからない……お互い様だと思う……」

ルティナは続ける

「急に強力な魔法が使えるようになったのはなぜ?」

「目玉の悪魔を食べたから……」

「目玉の悪魔?」

「自分を食えと言っていた……」

 

これでは何もわからない……ロクサーヌが違う事を聞いた

「ユイとは誰のこと?」

「ユイは俺の幼馴染……」

「一緒にこの世界に来ているの?」

「いいえ、何年も前に死んだ……」

「私をユイと呼んだのはなぜ?」

「似ていたから……こっちの世界で会えたと思った……」

「あなたはユイを好きだったの?」

コクッと頷いた。

「どうして死んだの?」

「自分で死んだ」

……

「何か辛いことがあったのね」

コクッと頷く

「だから無理やり私を奪おうとはしなかったのね」

「乱暴はダメと言われていたから……」

「そのほかの人にはいいの?」と横からルティナが聞く

「奪われたくなかった……なら奪う方に……」

ルティナは思わず「勝手な!なんなのよ」

「……」

「もうあなたは死んだの。だから次生まれ変わる時には人を大事にしなさい」とロクサーヌが言う

するとユウヤはコクッと頷く。

ロクサーヌはか細いユウヤの魂を抱きしめてあげた

 

ユウヤは少し嬉しそうな顔をするとその魂が光に包まれ消えて行く。

「結局何もわからなかったですね」とルティナが言うと

「そうでもない。ユウヤは人の心を失って魔王になったのでは?」

「確かに彼の本心は優しそうな青年でしたし」

「だから私たちがするのはミチオ様が人の心を失わないようにすることではないからしら?」

「なかなか難しい条件ですね。」

 

『ピロン』

ESPを使った時のようにロクサーヌの頭だけに聞こえた

『エクストラジョブ 英雄 を手に入れました』

「何?」

この声は何?ロクサーヌは動揺を隠せなかった。ルティナは心配そうに「大丈夫ですか?」

「ええ。大丈夫」となんとか誤魔化した。

 

 

コボルトの戦いは全て終わり

俺は大地の割れ目までくるとイリナが割れ目の前に立っていた。

ロージーがゴーレムから降りて割れ目の前で泣いている

 

「誰かやられたのか?」と俺は恐る恐る聞いた。

「エミリーのゴーレムが大地の割れ目の内側から壁を壊して割れ目を閉じたのでそのまま生き埋めに……」とイリナが答える。

 

「えっ?」

みんな意気消沈して割れ目の前で立ちすくんでいる。

 

「どう言うこと?」

「だから、エミリーが生き埋めに……」

とイリナが言うとロージーが「えっ?どうして?」

「はぁ?どうしてってどう言うこと?」

 

俺が「あのゴーレムって遠隔操作だろ?エミリーは後方にいるんじゃないか?」

ロージーは「ええそうよ。私のと違って遠隔操作よ」

イリナは「じゃあロージーは何を泣いていたの?」

 

「えっ?はぁ?あのゴーレム一体いくらすると思っているの?それにあの機体は特別製だから作るのにとっても時間もかかったのよ」

「じゃあエミリーは生きているのか?」

「ええ。もちろん」

「なんだ、なんだ」と周りのみんなもそれを聞いて呆れている。

「なんだとは何よ。エミリーもっと低コストでやってほしかったわ」

 

「とりあえずみんな無事ということだな」と俺が聞くと

騎士団には何人か犠牲が出ましたが、他は問題ありません

 

「そっか完勝というわけにはいかなかったか……」

イリナは「フンッ、これは間違いなく完勝ですよ」と俺の肩を叩くと俺を労ってくれた。

 

俺達は一旦砦に戻ることにした。兵士たちは病気が発生しないようにコボルトの死体を穴を掘って集めて火をつけて土をかけた

 

 

 

 

 

 

 

 




いつも読んでいただきありがとうございます
ミワと書いていた幼馴染はユイと名前を変えさせていただきます。

毎週月曜日、金曜日の22時頃に更新してます。
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Twitterにて、こんな人をモデルとしていますと言うのと、相関図を出しています。カギがついているので、捨てメールなどでアドレスを作ってアカウント作ってもらい申請してください。
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