ミチオとルティナの交渉で格安の港使用条件であったが
ミチオの心配とは裏腹に後にわかることだが
アルフレール領はこの年の最後に前年度の税収の倍の金額が税収入としてあった。膨らんだ人口の食料を手に入れるため、あちこちから食料を得るためだった。
結果的には双方満足する内容になっていた。
外に出るとすでに夕方になっていた。ルティナは
「あー今日はもっと回る予定だったのに……ご主人様がサービスしすぎなんですよ」
「なんだよそのサービスって」
「だって今ので何回出しましたか?」
「いや、数えていないが……」
「8回は出していますからね。チャッチャッ1.2回出してすぐ次に行く予定だったので」
「……」
「今日は一旦帰りましょう。あんまり遅いとロクサーヌ様が不安になってしまうので。他のは今度にしておきましょう」
本当はもっとあったんだ……どこを回る予定だったのか知りたい……
家に帰ってくるとすでに夕食の用意が始まっていた。
ロクサーヌが俺を見つけると、
「お話をしたい方が集まっております」と言うことなので食事を摂りながら話すことになった。
エマ、セリー、フィーネ、ニコル、レティシア、アーダ、アネット、ロージーまでいる。
アネットとロージーはここに始めてくるがアネットはビビりまくっている。
「私本当にここ来ていいんだよね」とアーダに何回も確認していた。
ロクサーヌが言うには確認と報告があるらしいと言うことだった。まずはレティシアからの話だった。
レティシアは「マロルの人口についてですが、昼間にも話した通り50万人を突破しております。そろそろ国家として移住制限が必要でここからは緩やかに人口の増加するのが理想だと思います。なので国籍と言うのを作りたいと思いますがどうでしょうか?」
「もちろん構わないよそれで進めてほしい」
「次に食料事情なのですが……」
「その件だが、今日オランディエに行ってきて中古だが大型のガレオン船を購入して、他にも2隻の船の建造お願いした。そして我々でも作れるように技術者を派遣したいと思っている」
ニコルが返事をする「では職人を集めていいのでしょうか?」
「ああ頼むよ。これで食料の輸入をしようと思っている。アルフレール領に行って港と倉庫を借りてきたのでそれも使ってほしい」
ロクサーヌが「さすがご慧眼です」とロクサーヌが褒めてくれたが、俺はルティナについて行っただけなのだが……
ロージーも手を挙げる「ハイハイ!」
「ど、どうぞ」
「はい。畑を耕す農業用ゴーレムと自動荷馬車の製作が完成しました」
「なんだそれは?」
「はい。今まで建築の手伝いをしていたゴーレムを更に改良を重ね農業用ゴーレムも作れました。指示すると畑を耕してくれたり、農業の手助けをするゴーレムです。それと攻撃はできませんが畑の見回りなどもできる仕様になっています。これで24時間稼働させられるので素早く畑を作ることができます。
そして自動荷馬車は荷馬車とゴーレムを合体させ、魔力の力で自走するゴーレムです。これで、輸送問題を解決できます」
「コストは?」
「はい。魔力コストは微細です。荷馬車の運行エネルギーは複合エネルギーを使っています」
「複合エネルギー?」
「はい。魔鉱石と魔結晶そして陽の光です。速度はあまり出ませんが充分運搬としては使えると思いますよ」
とロージーが言うと絵を持ってきてくれた。
そこには見た目は普通の幌のついた荷馬車でちゃんと御者台もついているので馬をつけたら本当に荷馬車そのものだった
荷馬車だけで動くってそれってもう自動運転じゃん
「じゃあ道の整備しないとな」
「はい。その通りです。実はもうすでに始めております。ゴーレムが24時間体制で10区画に分かれて作っているのでアルフレール領迄は3日で作れると思いますが勝手に道を敷設するのはできないのでアルフレール領の許可をお願いします。その次は帝都までの敷設もする予定なので帝国にも許可をいただきたいです」
「あ……ああそうだな」
レティシアが話を始める。
「話が少し逸れてしまいましたが、我々も食料問題を解決するべく動いておりました。ルティナ様と錬金ギルドの協力でリセリカ聖王国に貸し与えた『豊穣の石臼』の試作品を完成させました。これを10個ほど作る予定です。それと水の減らない水瓶はすでにルティナ様があちこちに設置済みですがイサキオス様率いる僧侶等で大量の浄水も作成しております。更に教会では孤児らが鶏を飼育してオーモル村と同様に卵と鶏肉の供給を上げるつもりです。なのでマロルの教会では水、パン、卵を供給する事ができるようになっております。食料問題はまだ続くとは思いますが調理師ギルドと連携して問題解決していきます。以上です」
調理師ギルド?そんなギルドもあるんだ……
ルティナはそんな事していたんだ……ただのエロではなかったんだな……
ニコルが手を挙げる
「現在ギルドタワーの運営では、統廃合の結果18のギルドに別れました」
「18もあるのか?」
「はい。そして19個目のギルドなのですがこれはミチオ様の許可が必要と思いましたのでご相談させてください」
「19個目?」
「はいそれは魔法ギルドです。魔法学校を作ったこの都市ではあってもいいかと思います。今までは貴族しか魔法使いがいなかったのでそう言ったギルドは必要なかったのですがたくさんの魔法使いを輩出するなら必要だと思いました」
「そのギルドではどんな内容の依頼が来ると予想しているんだ?」
「はい。我々が開発したスクロールというこの特殊な小さな紙なのですが、これに呪文を封入します」
と言って小さい紙を丸める
「この紙に書かれた魔法が紙を開くと魔法使いでなくても魔法を発動させることができます」
「なにそれ!!すごいじゃん!!」と俺よりも先にセリーが反応した。
「でも今は攻撃魔法は下級のみ、魔法レベルは1までの魔法しか封入できていませんがどうでしょうか?伸び代はあると思います」
「そうだな。魔法ギルドを作ってくれるか?」
「はい。それともう一点実はマロル近郊に迷宮ができました」
「えっ?もう?」
「はい。迷宮は元々人が多く集まるとできやすいと言われています。特に負の感情が迷宮を呼び寄せていると言います。このマロルの迷宮を運用しようかと思うのですが……」
「運用?」
「はい。わざと攻略しないと言う事です。迷宮は迷宮に入ってきたものを餌として成長します。つまり誰も死ななければ迷宮は育たないはずです。迷宮から取れる有用なものもたくさんありますのでそれを有効活用するのです」
「俺もそうは聞いていたが『死なない』なんてどうやってするんだ?」
「もちろん人同士の殺人についてはどうしようもないのですが
……」
フィーネが「私が説明します。先程のスクロールの技術を使って強制転移の小瓶を作りました。使用回数は1回の使い切りですが迷宮内のみ発動して小瓶が割れるか蓋を開けると対象者が触っていた人とともに1階の入り口に強制転移します。これで死傷者はかなり減るのではないでしょうか?ただ……全く人が栄養分にならないと迷宮はスタンピードを起こしますので迷宮ができたらその周りを囲いで覆いつくす必要があります。
これで迷宮での死傷者が減っていくと思います
それと、こちらの球なのですが……魔結晶の魔力吸収を上げる球になります。今までの定説では魔物の数×迷宮の階数が魔結晶の育成スピードだったのですが、ミチオ様が言う経験値で我々のレベルが上がっているのでしたら、魔物からも経験値で魔力を吸収できるはずです。この球が有れば今までの数倍の速度で白魔結晶になるはずです。これをまず我々で使ってみて問題なければ販売してもいいと思っていますがどうでしょうか?」
フィーネが見せたそれはピンポン玉ほどの大きさの球だった
「それって大革命じゃないか?」と驚きながら聞くと
「はい私もそう思います」とフィーネ
なにしれっと言っているんだ?そんなの世界中の冒険者が買いに来る。
「私たちにとっては同じ金額で同じエネルギーを大量に所持できるのは喜ばしい事です。もしかしたら魔結晶の値崩れも起こればうちが買いまくると言うこともあるかもしれません」
アネットが手を挙げる「はい。フィーネさんの言っている事が現実に起こる可能性は非常に高くこの球をすでに大量に作り始めています。一個10万ナールほどで販売する予定です。
アルフレール領の港から輸出する物の一つです。今の所、上下水道システムとトイレ、風呂、魔道コンロなどのインフラに直結するものを中心に販売の予定です。まだ競合する商品がないので今の所独占状態ですが、いつまでも続くとは限りません。
ゴーレムを中心とした労働産業がニーア商会の主力商品にしていくべきと我々は思っていますのでゴーレムの開発には投資をさせていただきたいと思っています」
「えっ?!ありがとう!!ステーラから優秀な人もたくさんきたんだよね。私も若くなったしもっと頑張るから!!」
と嬉しそうに答えた。今までずっと陽を浴びてこなかったロージーの二周目は楽しそうだった。
最後にセリーがちょっと手を挙げていた。
「皆さんの発表と相談を聞いていたらなんだか自分のは小さいことのように感じて……」
「いや気にしなくても大丈夫だよ」と声をかけた
セリーは恥ずかしそうにアイテムボックスからあるものを抜き出した。
俺はそれをみて「えっ?!それって?」
「ご主人様はこれを一目見て何かわかるのですか?」
「それって銃じゃないのか?」
「銃と言うのですか?私は火砲と呼んでおりました今はまだ試作品ですが……」
初めて見たそれは1メートルほどある火縄銃に近い形だった。
みんなはそれに興味を持ち近づく
「それはどうやって使うんだ?」
「この金属の塊は上の部分が飛翔体で下の部分は魔鉱石が詰められています。これに魔力による衝撃を加えると爆発して金属の飛翔体がこの筒から飛び出す武器です。ただ今の所、的にこの飛翔体がなかなか当たらないのが難点でとても狙えるものではありません。何かいい方法はないかとお伺いしたいと思って持ってきました」
「それはこの筒の中に溝をつけてこの飛翔体が高速回転するようになると真っ直ぐ飛ぶようになるよ」と俺が一言言うと
「えっ?なんでそんなこと知っているのですか?」とセリーは不思議そうに聞く。
「それはすごいものなんだ。だからセリーを褒めてあげたいのだがそれは世界の戦争を大きく変える。非力な人が権力者を倒す方法だし、簡単に人を殺めてしまえる武器でもあるんだ。
だからその技術は残念だがセリーしか使えないようにしてほしい。これはお願いだ」と俺は俯きながら答えた。
「作っていて私も思っていたのですが……やはりそうですか」
とセリーも少し残念そうだったが
「大丈夫です。先ほど話した通り、魔力を込めて引き金を引くと発射されるシステムです。私しか反応しないように作っているので、誰かの手に渡ってもなにも起こらない物です。今までご主人様の武器やら防具などを作ってきましたが、これはその中でも時間かけて作っていましたが、驚きました。その武器は禁忌の武器なのですね」
「……」
「でもそれほどの武器を私が作れたと言う事は褒めていただけたと思っていいですよね」
「ああ。セリーは凄いよ。まさか銃まで作ってしまうとは」
「わかりました私だけが使える武器としてこれを更に改良していきたいと思います」
最後の最後でセリーがとんでもないものをみんなに披露した。
当然だがみんなはそれがなんなのかは全くわからなかったが俺の表情を見てまずいものなんだなと言うのはわかったようだった。
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