襲撃は初めてでは無い。
クーラタルの家でも湖畔の館でも襲撃を受けた。湖畔の館ではテアを無くしてしまったが、今回は誰も失わせやしない。
ただ今回はミリアも居ないし忍者達もこの家にいない。兵士たちは対岸の火事に追われている。
何とか此処は俺たちだけで対応しなくてはいけない。そして何人か生け捕りにして首謀者を吐いてもらう必要がある。
ブルガ王国ならもう戦争状態となるがまさかのランドルかブルックの可能性も捨てきれない。
いずれにせよ捕まえて首謀者まで案内してもらう必要がある。
アナイシャが「私が偵察してきます。2箇所の入江からの侵入のみなのかを確認した方がいいかと思います」
「ああ。そうしよう。」と俺が言うとエマが「一周回って確認してみてくれ」と言うのでアナイシャは頷きフクロウに変身するとベランダから闇夜に飛びたった。
リナは真っ黒な服装をして、顔にも黒いマスクを着用し、
ルティナはエルブンクロークを羽織った。
「2人は外の敵を排除してくれ」
と言うエマに2人は頷いて姿を消す。
お互いバラバラに行動していても同じパーティーに入っているので何処にいるかは大体わかるようになっている。
あとは建物内で戦うことになりホールで待ち伏せをすることになった。
すぐさま帰ってきたアナイシャは「やはり船のみの侵入のようです。」
「わかった。アナイシャもホールで待ち伏せを頼む」
と言うとアナイシャはアラクネに変身するとホールの天井で待ち伏せする。
侵入してきた側はまさかこんなことになっているとは思っていなかった。
ほとんどが海賊でこれだけの人数がいれば金目の物や女を略奪し放題だと勝手に思っていた。
対岸では火事が起こっており、この混乱に乗じてミチオの殺害、国庫襲撃、そして女も略奪するつもりで、汽水湖の外には船も待っている。
1艘に5人づつ乗って20艘で約100人の海賊達だ。
目論見では非戦闘員の女しか居ないと踏んでいた。他は火事の鎮火に向かっているはずだ。
「楽勝だろ」海賊達は特に声を小さくすることもなかった
「へっへっへ」
「お頭が言うにはミチオって野郎も弱そうなヒョロっとした奴で男はこの島に1人しかいないと言うことだ。首を持って返ってきた奴には金一封って言っていたぞ」
みんな雄叫びをあげ歓喜する
「真っ暗だな。松明をつけろ」と言って松明をつけて自ら目印になってくれている。
奴らは上陸するとそんな事を話しながら館の方へ向かっている。
東側の浜辺にはセリーが待機している。
見張りを2人残している。
「ああ、損な役回りだよな。俺たちも略奪に行きたい」と2人は焚き火越しに向かい合って話していたが
1人が一瞬目を離した隙に他のもう1人がバタッと倒れると
「お前いくら見張りだからって寝るなよ」と立ち上がった時にセリーはもう1人の頭を矢で撃ち抜いた。その後セリーは小舟に火をつけるとそのまま沖に10艘を流してしまう。
「これであとは反対側だな」
セリーは後ろから奴らを追いかけていく
反対側ではやはり2人の見張り役が焚き火をしている
ルティナはエルブンクロークを着ているので暗闇の中で彼らが砂浜にルティナの足跡が残るのに気がつくはずもない。
小さな波の音が少し聞こえるだけだ。
2人の目の前まで来ても2人は気が付かない。
ルティナは両手を広げて『スタン』と魔法をかけると2人はあっけなく船にヘリに座っていたがそのまま船の中に落ちる
ルティナはそのまま焚き火の火を船につけると船をそのまま流してしまう。
「愚かな……」とルティナは呟きながら
次々に船に火をつけるとセリー同様船を離岸させた。
「地獄に落ちるより辛い思いをさせてやる……」と
ルティナへその静かな怒りが余計に恐怖を掻き立てる。
ルティナも館の門に移動する。
リナは真っ黒な装束とマスクをかぶって静かに背後から接近すると一人ずつ誰にも見つからないようにスタンさせ脇の道に転がして見えないようにする。
周りの海賊も点呼するわけではないのでおおよそ100人くらいできてる程度にしかわからなかった。
「あれ?俺の後ろに何人か歩いていたはずだけど……」
目の前でリナが次々とスタンさせているのをセリーは観ながら館の壁に登り内側で待機した。
館の門は開けっぱなしにして普段は灯りを灯しているが今日はそうしてない。
みんなが入ったのを確認すると
リナがとても1人では閉められない門を片手で
『ガチャーン』と閉めると
「誰だ門閉めたのは?おい、お前その門を開けとけ」
しかし2人がかりでもその門は開かなかった……
「開かねえ……」
入口迄の間にスペクターのケルスが横からスゥッと現れた
すぐ横にいた海賊は目が飛び出るほど驚いた。
「みなさま。当家に何のご用でしょうか?神聖なこの地に勝手に上がり込むとはどう言った了見でしょうか?」
幽霊でもぱっと見は貴族の女性に見える
「はぁ?お前はここのもんか?ここの財宝や女を略奪しに来た。死にたくなかったら早く中に入れろ」
「鍵ならかかっていませんが貴方達は歓迎できませんね」
「はぁ?死んでろ!!」と言って海賊がショートソードを出すとそのまま腹に刺そうとするが
スカッ
何の感触もない。
「えっえええっ?!」
「愚かですね」そのまま刺した奴の頭を両手で鷲掴みすると……
ルティナも一緒に庭に入って来ている。透明化したまま体が一番大きそうな奴の背後まで接近するとそいつに小声で『インサニィティ』(永遠の混乱)と唱えるとその海賊は目玉がひっくり返って目が白目になり体が震える……
「ああああああああああああ」と急に声を出すから
みんなが驚く「お前、びっくりするだろ!」
何人かに同じように『インサニィティ』をかけた。
すると他の奴も目がひっくり返り「あああああああああああ」と声を発する。
続けてルティナは『ヴォーカルオルタレーション』(声の変声)『ベントロキズム』(腹話術)を唱えると……
ケルスが頭を離すと生気を吸われかろうじて生きているが
海賊は萎びていた……
「コ、コイツ人間じゃねぇ……」と倒れながら言う
ルティナは大男の海賊から声を発する。
以前ミチオがやった様な声を腹話術でルティナが言う。
「お前達は神聖な場所に土足で踏み込んだこれは決して許されることではない。お前達の血を持って償ってもらおう」
「お前どうした?」と他の海賊が言うと
その大男は巨大な金属の棒を使って絶叫しながら周りの海賊を攻撃し始める。ルティナが魔法をかけた他の奴も同時に周りに攻撃を始めた。
「グフォ」と次々に海賊の頭をかち割った。
セリーとルティナは遠くから弓で攻撃を始める
真っ暗な中黒く塗られた矢を避けられるわけがない。
次々にへッドショットを決めると、隣にいた仲間が声も出さずに死んでいる。
海賊達は混乱していた。味方が突然狂って棍棒を奮って次々に半狂乱で殺していく。
リナは外側から門を開けさせない様に抑えているので海賊たちは外には出られない。
「ダメだコイツ!いいからこの大男をやっちまえ」と言うと
リーダーらしき男は館の方へと向かって走っていく。松明を持っていると狙われやすいと悟ったのか松明を捨てて懸命に走った。館の扉は確かに鍵がかかっていなかったのですぐさま入ると仲間の20人ほどが中に入ると恐怖のあまり内側から鍵をかけてしまう。
「はぁはぁ……何なんだよあいつら急に……」と館の中に入った。
「この館も真っ暗じゃねぇか。本当にここにあるのか?」
「ああ間違いない。いくぞお前ら」とここまで来たら引き下がれない。
ちょっと目を離すと1人また1人と消えていく。
アラクネのアナイシャが糸で口を塞ぐと一瞬で繭にしてしまい天井に張り付けてしまっていた。
気がつくと8人程になっている
「みんなはどうした?」「わからねぇよ」もう走って逃げるしかなかった。
食堂まで来ると、陰に隠れていた
エマ達は一斉にみぞおちに一撃を入れるとその8人はあっという間に気絶してしまった。
外に居た狂った奴はみんなに滅多刺しにされてやっと倒れた。残った奴はセリーとルティナの弓でヘッドショットをうけ絶命した。
残ったのは草むらに隠れて震えていたやつだけが残ってルティナが「スタン」をかけると一気に収束した……
「あーあ庭が血だらけになっちゃったじゃん!!途中までは楽しかったんだけどなぁ」
とルティナ。
リナは「もっとスマートに血を出さないでやれればよかったんですけどね。でも数もいたし」とフォローなのか嫌味なのか分からなかったがリナの力で回収はすぐに終わってルティナが「クリーン」の魔法をかけると庭も綺麗になった
生きて捕まえた奴は全てベイル近郊の俺たちが作った牢屋に連れてきた。
ヴィラントが指揮を取り火事は消し止められた、付け火していた奴らも全員捕まえて、同様にこの牢屋に連れられてきている。
俺はヴィラントに礼をする。
「火事の規模が大きくならず良かった、ヴィラントのおかげだ」
ここにはマキシムも来てもらっている。
エマはすごく楽しそうにしている。
「た、楽しそうだな」と俺がエマに言うと
「そりゃあ楽しみだよ今の所尋問成功率100%だからね」
尋問を始める前にみんな気絶しているが
ルティナは『リクレクタム』(記憶の改ざん)の魔法を1人づつ30人みんなにかけた。
エマが「ご丁寧に大変だな。その魔法は何だ?」とルティナに聞くと
「強烈なトラウマを植え付けたわ。いつもエマさんが変身しているマスクの大男の姿でみんなレイプされて、イチモツを枝切りバサミで切られる強烈な記憶をみんなに植え付けたわ。こんな奴らレイプされる気持ちに一回なった方がいいわ」
「えぐいな……」
リーダーぽくいろんなやつに指示していた男を尋問室に入れテーブルに手錠すると
気絶していた男に水をぶっかける。
「あっ」
と目を覚ますと動かないテーブルに鎖をつながれているのをすぐに理解した。
全身にタトゥーが入っているイサキオスに尋問官を務めてもらう。
イサキオスはまず名前を聞くがそれすらまともに答えない。
まぁわかっていたが……
イサキオスは「では尋問官を変えましょう」と提案すると
「誰がやっても同じだ!!俺は何も喋らないし、ここから脱獄したらお前ら全員殺してやる!!」と息巻いている。
「では」とイサキオスが部屋から出て代わりに入って来たやつを見て、そいつは全身から脂汗が出てくる。
「お、お前、お前が何で?」
自分の姿を見ると下半身何も履いておらず、幻視で自分のイチモツが見えなくなっている。
「俺はお前が謳わなくても全然構わないぞ」とこの世の生物とは思えない声でアイスホッケーのマスクをかぶった男が入ってくると、リーダーは奥歯が自然と震えているのを抑えられない。
リーダーの記憶には何故かこの男のケツの穴に奴のイチモツをぶち込まれ泣き叫んだ記憶があり、その後イチモツを切られた記憶がある。その男が俺の目の前に立って頭を押さえつけている。
「もう一度切られたいか?」
と聞くと首を横に僅かに振る
「お前は誰に言われてマロルに来た?目的は何だったんだ?」
「何でも話しますから……もうケツに入れるのは勘弁してもらえますか?」
涙と鼻水を垂らしながら、先ほどの尋問とはうってかわっての情けない顔で答える
「お前の情報の正確さにもよるな。それとスピードだ。情報には鮮度がある。」
「わ、わかりました。座って話してもいいですか?」
「このままで充分だろ?俺はお前が喋らなくて全然構わない」
「はい。充分です」すでにこのリーダーは漏らしていた。
「俺は頭領のランドルにここを襲撃する様に指示されました。お金と女をできる限り略奪してこいと言われました。連れて来れない女は皆殺しにしろと命令されました。そしてあの島に住んでいる男の首を持ってきたらボーナスもやると言われました」とここでもう半泣きである
「それでそれをどうしろと命令されていた?」
「はい汽水湖の沖合に船を停めてあるのでその船を使って戻ってこいと言われてました。すみません」
「どこに戻るのだ?」
「はいアジトのレイトノット島です。そこに俺たちのアジトがあります。これで勘弁してくださいうっうっうっ」と下半身丸出して泣いている
手枷と足枷をつけられてイサキオスに独房に連れていかれる
「お前達は俺の呪いで毎晩夢で俺にレイプされる。何度も何度もそれがお前達のしてきたことで取り返しのつかないことだ。お前も充分味わってくれ」
と不気味に笑いながら言うとリーダーは泣きながら心身虚脱なのかうまく立てないのでイサキオスは引きずってそいつを独房に入れる
イサキオスが独房から離れようとすると
「頼むあなたからも彼からの許しを得られないだろうか?目を瞑るともう彼にレイプされる記憶がこびりついて……」と頭をガンガンと打ち付ける
もうゆっくり眠ることすらできない
イサキオスはそれを見てコイツのした事もやばいが、この罰もすごい……許されることはあるのだろうか?と思いながらその場をさった。
マキシムも尋問の様子を見て驚いていた。
まさかあいつがスラスラと尋問に応じていたのにおどろいた,
「どうしたらあんな尋問が?」
「いや、ミチオは尋問のエキスパートだからな」
次から次に運ばれてくる海賊みんな「何でも話すから殺してほしい」と自ら土下座して懇願する
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