「すでにランドルは母国へ帰っているのだろう」
マキシムがそう言うと、
「おそらくは……」
と俺が答えると
「どうする?ビルント領の屋敷はレントイット島にあるわけではないぞ。直接ミチオが介入するのはまずい。何とか帝国で処理したい。ただの海賊ならミチオ殿の力を借りたいが……」
「なら、まずは汽水湖の外海の海賊船を拿捕して、皇帝陛下にビルントマクガイヤーは貴族ではなくただの海賊だと言うことを示して貰えばこちらで対処するがまずは勝手に帝国領で我々が許可なしで戦闘行為をするわけにはいかない」
と俺が答えると
「わかった。俺は皇帝陛下にまずビルントの捕縛許可を取るとしよう……いやそれは急には無理だな。喚問又は査問だな」
「ああ、あれなら逆らえないか……是非そうしてくれ」
マキシムに詳細を知らせて一度帝都に戻ってもらった
すで時間は深夜になろうとしていた。
俺たちは外海の船を拿捕することにする。
セリーに船で向かうのとドラゴンで向かうのではどっちがいいか?と聞いたら、
「もちろんドラゴンです」と答えたので、すぐさま出発する。
みんなに『トラベル』(パーティ飛行)の魔法を使ってベスタの背中に乗ってもらったが、俺はまだどうも飛ぶのには慣れていない……
アナイシャのジャイアントバードの上に乗っていく
「ミチオ様……」とロクサーヌは心配そうにしているのかアナイシャばかりズルいと言いたい顔をしている。
夜中だがすぐに怪しいキャラベル船が見つかった。
セリー以外みんなベスタから飛び降りるとまさしく飛んで行った。
船はまさかの襲撃に全く対応できずに、俺が着陸する前にすでに制圧していた。
エマは嬉しそうに「コイツらも監獄行きだな」
この船をマロルまで曳航していった。と言ってもベスタがドラゴンの姿で引っ張って行くのですぐに着いてしまうのだが……「あとは皇帝陛下次第だな」
「ガイウス様!!ガイウス様!!」夜になるとガイウスは部屋から出て来ない。
「入りますよ!火急な要件です!!」
とマキシムがいくら言っても返事はない。
やむなく中に入ると、ベッドの上で2人の女性にガイウスは挟まれていた。
1人はバックスタイルで挿入されているが1人は後ろからガイウスに鞭を振るっている。
バシッバシッ!!と尻をムチで叩かれながら言葉でもなじられている。
「盛りのついた雄犬が!!」と言われながらも腰をフリフリして、みっともなく女の中に射精している。
ガイウスは涎を垂らして喜んでいるが鞭で叩いている女がマキシムに気がつくと
すぐに正気に戻って「マキシム様!!」
と言うと深々と頭を下げている。
「えっ?!」と犯されていた女も土下座している。
「あっ?あん?どうした?」とやっとガイウスは目隠しをとって辺りを見るとマキシムが立っている。そしてガイウスのイチモツはダラーんとなっていた。
「マキシムか?今忙しいのに何だ?」
「火急な要件で失礼しました。先程ミチオ殿が襲撃に遭いました。その首謀者が帝国の貴族ビルントマクガイヤーということが判明いたしました。これが公になると国際問題の一大事になります。早急に彼奴を捕縛する必要がありますがこれからビルント領に赴きます。許可をいただきたく参上いたしました。」
「なに?!ミチオは無事か?」
「はいミチオ殿には怪我もなく賊の捕縛と尋問で首謀者を突き止めました」
「何と言ったか?ビルント領?」
「はい」
「ビルント領マクガイヤー?朕は知らんぞそんな奴」
「はい。ビルント領主は病気がちと言うことでほとんど公の場に出ないどころか屋敷にこもっているので顔がわかる人も少なく、マクガイヤーはその息子になります。息子は更に顔がわからないことをいいことになりすましもしくは内乱罪の可能性もあります。現在スセを先行させていますがこの事件を迅速に解決するために査問という形で無理やり連れてくるのが良いと思いますのでご決断をお願いします」
「それはかなりまずいな。朕も出陣しよう。用意せよ」
「今からでも大丈夫ですか?皇帝レオ様にはなんと言いましょうか?」
「奴は今後継者作りに忙しい。朕から言っておく。準備をせよ」
と2人の女にも言うと「かしこまりました」と言うと今までの顔とは一変している。
フィールドウォークで騎士団と共にすぐさま到着すると大雨の中
スセの案内で屋敷に案内された。
ドンドン!!
マキシムが扉をすごい勢いで叩く
「帝国騎士爵マキシムだ!!扉を開けろ!」と怒鳴っているが
すでに深夜で執事も寝巻き姿で慌てて扉に向かう。
「はいお待ちください。こんな大雨の夜更けにどうしましたか?」
と言いながら扉を開けると
外には沢山の鎧をきた騎士達が集まっていた。
「ヒィィ!」思わず声が出た。
「ビルント領領主とその息子は在宅か?」
「えっええ。ですがどう言うことでしょうか?」
「査問会に出廷してもらうことになった。入らせてもらう」
とマキシムは令状を見せると取り繕う暇もなく騎士団は屋敷に入る
「ちょっとお待ちを……」
マキシムはその執事と話しながら事の事情を説明するが次々に騎士とスセ、セレが館に入って各部屋に索敵移動する。
「帝国の承諾を得ずに勝手に他国の国王を狙い戦争を誘発させようとした戦犯もしくは内乱罪の容疑がかかっている。先日のクーデターでこの件に関しては皇帝陛下から強制的に連れてくるように命令を受けている」
「えっご主人様が?」
「抵抗なく進めたい助力を求める」
「もちろんですがご主人様は現在ご病気でとても……」
「息子は?」
「マクガイヤー様でしょうか?」
「ああ」
「マクガイヤー様はここ1週間外に出ておりません。扉を開けるとは思えませんが……」
「ならその扉を破壊させてもらう」
「そのように乱暴な……」
と言いながらも捜索はつづく
しばらくすると「ここです」と騎士の1人が部屋の前で指を刺す。
マキシムは執事に「申し訳ないな。これも仕事だ」
「ここを今すぐ開けなさい」
と騎士が言っても扉を開けることはなかったのでガタイのいい騎士がショルダータックルをして扉をぶち破る。
「ヒィィ」と中から声がする
取り押さえると
騎士は「名前は?」
「……マクガイヤー」と小声で答えたのは、か細い男だった
「帝国騎士団である。ご同行をお願いする」
「僕が何をしたと言うのか?」
「それはこれからご自身で証明してください」とスセは手を取って部屋から出した。
領主も車椅子で部屋から出された。
2人は機動部隊と共にベイル近郊の監獄に連れてこられた。
そこには皇帝陛下レオと元皇帝陛下であるガイウスとカルロスそして、俺、ロクサーヌ、エマ、ラウラが待っていた。
ガイウスは「ビルント、深夜に申し訳ないな」と言うと
「皇帝陛下?皇帝陛下ですか?」
「ああ、多少若返ってな。今はこの姿となった」
ビルントは皇帝陛下が変わったのすら知らなかったが
レオはそのまま話を進めてかまわないと言う態度だった
「ビルントは皇帝陛下のためでしたら何時でも参上します。このような格好で申し訳ありません」と車椅子に寝巻きという姿だった。
そしてその横にはマクガイヤーが立っている。
「ほらお前もちゃんと挨拶をしろ」
「はじめまして息子のマクガイヤーです」と小声で言うと
エマと俺は顔を見合わせた。
エマはマキシムに「本当に彼がマクガイヤーか?」
「はい父親がそう言ってますし、不審なところはありません」
……
どう見ても別人だ。これはカタリだな……
エマが「私達の所に現れたマクガイヤーではありません。誰かがビルント領主の息子マクガイヤーという名前を使って勝手にいろんな所に入って押し込み強盗をしているようです。」
「僕ですか?」
「心当たりはあるか?」
「い、いえ、全くないです」
ガイウスは「どうやって謁見の場まで貴族として入ってきたのだ?チェックはしていないのか?」
と俺に言われても当然わからない。
エマが「いえ、通常通りです。インテリジェンスカードの提示か朱印の書状又は紋章の盾で確認しております。マクガイヤーは紋章の盾で入国と聞いてます」
ビルントは息子に「紋章の盾はどうした?」
「あっ、あ……あっ」
「どうした?」
「申し訳ありません、無くしました……」
ビルントは「お前あれだけ大事にしておきなさいと言っていたのに……愚か者!」と大きな声で叱責した。
「なるほどではそれを使って入ってきたのだな」
ガイウスが続ける「レントイット島はどうなっている」
「レントイット島?あの島が何かなっているのでしょうか?」と逆に質問を返してきた
ガイウスは「聞かれたことに答えよ。レントイット島は現在の統治状況を説明せよ」
「申し訳ありません。レントイット島の元々の住民が住んでいる所とは別に島の反対側に住み着いていると情報は得ていましたが、友好的ではなく好戦的な者ばかりで勝手に住み着いてその者達の調査や排除は金銭的に手配できなかったのでそのままにしておりました」
「マクガイヤー君の知っていることも話してもらおう」
「いえ、私は何も……」と明らかに挙動不審だったので
ラウラが前に出てくる。
彼の腰に鞭を巻きつけると「これは真実の鞭、巻き付くと本当のことしか話せません」
ガイウスがもう一度聞く「レインイット島の事を聞く。何か知っていることはあるか?」
「はい……ランドルという男に島の半分を金で貸し与えていました。先程の紋章の盾もこの事を彼につけ込まれて奪われました……彼は俺の代わりにこの辺の海域を守り、貿易でビルント領の発展貢献したいと言ってきたのでその土地貸しました……」
「彼の職業を知っているのか?」
「彼は僕にインテリジェンスカードを見せて騎士というのを確認しましたのでそんなに悪い話ではないだろうと思いましたし、彼のおかげで僕の名声も上がったのですが、逆に自分が屋敷から出て僕が本当のマクガイヤーだと名乗ってバレたら大騒ぎになるからと家にずっといろと命令されていました」
ビルントは「この大馬鹿モンが!!そんな手柄はまやかしだろうが!!」と隣に立っているマクガイヤーをヒョロヒョロの老人が杖で叩いている。
「ごめんなさい。ごめんなさい。これがいい方法だと思ったのです」
「愚か者が……」とビルントは嘆いている。
ガイウスが話し始めた「偽のマクガイヤーはこちらのクワガ王国国王ミチオ殿の館を襲撃し、町には付け火をしていた賊の頭領である。我が帝国貴族が略奪行為をしたとなれば国どうしの問題に発展する所だったが未然に防ぐ事ができ、大事にはいたらなかった。ハインツ、シオン、バスク、ランドルの4人は高額の賞金のかかった罪人でありランドル以外は全てミチオ殿が屠っている。その点で狙われたのもあるが帝国領の一部を海賊に貸し与えるのは国家反逆罪で死刑は免れない」
マクガイヤーが膝から崩れ落ちる。
ビルントは病気の体をおして、車椅子からおり土下座をして謝る。「申し訳ありません。ビルント領を拝領しておりましたが、皇帝陛下に返還させていただきます。息子の命だけはお許しください」
「その沙汰は今すぐ変更はできない。後の査問会で正式に決定されるであろう」
とガイウスは無表情にその結果のみを伝える。
しばらくはこの監獄で彼らは海賊達とは離して収監されることになった。
ガイウスは「という事で色々迷惑をかけたがこれで我が国の意図ではない事は証明されたか?」と俺に聞いてくるがそんな事は最初からわかっていたがあくまで確認であろう。
「どうする?我々が本来捕縛するのだが……ミチオがやりたいというのであれば許可するが……」
ロクサーヌが口を挟む「それは明日中にできるのしょうか?」
「明日中に?」
「はい我々は明後日から他の問題を解決しないといけません。なので明日中にできないのでしたら!我々でやります。やられっぱなしは特に嫌なので」
うーんそれはロクサーヌが!でしょう?
俺はガイウスに任せてもいいが……
うーんでも、ランドルを任せてしまうと、メーアが仇を取る場面は無くなるな……
「そうですね。やはり明日中に決着をつけたいので……我々で決着つけます」
「わかった気をつけろよ!!」
とガイウスが励ます形になった。
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2025.10.10改編