俺とロクサーヌ、ベスタは予定通りルベリオを解放する為にクワァバに昼までにはワープで到着していた。
現在カッシームとは国交がなく戦争状態のためフィールドウォークが使えないためワープで来るしかない。
ラウラにも来るかどうかを聞いたが自分はそのルベリオ出身ではないので……お役に立てるかわかりません……と言うことだったので無理にとは誘わなかった。もしかしたら同族との戦いがあるかもしれないと察して断ってきたのだろう。彼女は何かを断るような性格ではないので思うところが有るのかもしれない。
今日の朝にはシャンタルに連絡してシャンタルの到着をクワァバの宿屋兼飲食店で待ち合わせをしていた。
ここの香辛料の聞いたスパイシーな鶏肉などが俺の食欲をくすぐる。ベスタは目立つので、シャンタルが見つけてくれるだろうと思い、何度もは連絡していない。
ちょうど俺たちが食事を終わる頃シャンタルが到着した。
ちなみにマントで隠しているが今日は一日中俺の股間は大きくなりっぱなしだ……
俺が歩いているのを見てシャンタルはロクサーヌと娘に
「若い女の子を二人連れてミチオ様大きくなりっぱなしじゃないの?」と不便そうに言う。
「ああ、これは理由がありまして……今日は一日中こんな感じなんです」とベスタが答える。
「いくらしてもこうなんです」とロクサーヌも少し困った表情で言う。シャンタル「へーそうなのね。それは楽しみね」
「はい?」
「なんでもない」
クワァバの町からはいくつかの町を経由してギルドのフィールドウォークを使ってルベリオ迄来た。
だいぶ南に来たのだと思う。完全に気候が違う。俺たちが住んでいるマロルは冬だが、どう考えても夏に近い。
ロクサーヌもここまで来たことはないようで
「冬にこんな暑いところもあるのですね」
ベスタにはこのむせるような暑さも心地よいみたいだ。
ルベリオの町はジャングルの中にある巨大都市だ中央には大きな湖がありそれを取り囲むように町が作られている。
ルベルオの冒険者ギルドから通りに出る途中で5人ほどの竜人族で鎧を装備している兵士に囲まれ
「シャンタル他3名を拘束します。大人しく捕縛に応じなさい」と告げると
ロクサーヌとベスタは素早く戦闘体制になるが
シャンタルは「この人たちも本気じゃないから殺したりしないで。お願い」
と言うと、一旦俺たちはここに来てすぐに拘束されることになった。
まぁこう言うの初めてじゃないし。
俺たち3人だけ牢屋に拘束を解かれて入れられた
シャンタルは牢屋に入れられることもなく、その場を立ち去る。
ロクサーヌは「もしかしてはめられたのではないでしょうか?」
「私のお母さんがそんなことするわけないです。」
「そうかもしれないけど、シャンタルのこの国はシャンタルの意思だけで動いているわけではないようね。カッシームに引き渡す事も考えられる」
「そんな事ない」とベスタは否定する。
今の状況じゃあなんとも言えない。
しばらくするとシャンタルが牢屋に来てシャンタルも牢屋に入れられることになった。
「ごめんなさい」とシャンタルは謝るが事情を説明してもらった。
「私は今外患誘致罪に問われている。私がミチオにこの国を売り渡さそうとしていると言う罪らしい」
「どうしてそんなことに?」
「この国は私がカッシームに連れて行かれて20年弱私はこの国の国家元首の娘だったのだけど、カッシームとの戦争を避ける為に私はステーラに人質として連れて行かれたのですが、その間に親カッシーム政権がこの国で起こり、戦争を避ける為に毎年500人もの竜人族をカッシームに差し出していたのは前に話したわよね。最初は私が人質としてカッシームに行けばうまく収まるならと思ったけど間違いだったわ……」
「この国は戦いを恐れ、誰かがどうにかしてくれるとみんなそう思っている……自分達の事ではないように生活している」
それを聞いてベスタが質問をする
「でも、毎年500人の竜人族を差し出すのでしょ?」
「そう。でもね、こんな事していると思うと頭おかしくなりそうだけど、1000人以上の竜人族の奴隷に妊娠と出産を繰り返しやらせているの。これじゃ、ステーラの奴らと一緒じゃない?
奴隷として買ってきた同族にこんな事……狂っているとしか思えない……」
シャンタルだってそれが違法ではないと言う事はわかっている。だけど他の人が犠牲になっているのに……と思っているのだろう、
ラウラはこの噂を知っていたのだろうか?とも思ってしまう。
「シャンタルはどうしたいんだ?」
と俺が聞くと、
「同族同士が争うのは本望ではないけど……」
「それでは本当に大事な人を守れないわよ」とロクサーヌ。
「それは……」とベスタが慌ててロクサーヌを止める
「ううんロクサーヌの言う通り。私が甘いから本当に大事な事が見えなくなる
だからなのか、みんな当事者意識がないと言うか、自分のことじゃないから知らないと言う態度なんですよね。戦うとか、言い争うとかではないんです」
「はぁどういうこと?」
「私もどうしてそうなったのかわかりません……」
「うーん、まずとりあえずここから出よう」
俺が立ち上がり格子の前まで来ると、振り返って「サイレントイメージ」の魔法を唱えると俺たちが壁に寄りかかって座ってうなだれているいるように見える幻影を映し出すとみんなに「インジビリティ」をかけて透明化した。
「パスウォール」を唱えると4人で壁をすり抜ける事ができた。当然外にも兵士は居るが気にせずもう一度パスウォールで完全にこの牢屋から出る事ができた。
「元々、ここに連れてきてどこに行くつもりだったんだ?」と聞くと、「ベスタの姉の所に」と答えたが
「うーんその前にお茶でもしない?」と全く空気読めてないのはシャンタルもすごいと感じた。
町に行くとオープンテラスのある飲み屋兼喫茶店といったところか……
シャンタルは俺達は逃亡中なのに堂々とオープンテラスに座り紅茶を頼んだ。
「ミチオここから見える景色どう見える?」
「ここから見える景色?……平和で穏やかな感じかな」
「そうだよね」とシャンタルが答える
紅茶を持ってきた給仕の女の子は竜人族の割に小柄で可愛らしい感じの女性だったその子に
「私達冒険者なんだが、ここの領主の名前を知りたいんだけど知ってる?」とその子に聞いても
「えっ?そんな……知らないです。冒険者?って事は他の町から来たんですか?ここは竜騎兵がいるのであまりいいお仕事ないですよ」とアドバイスまでしてキッチンに戻って行った
ロクサーヌは「領主の名前を知らない?ってどう言う事?」
とシャンタルに聞くと「興味ないのよ」
「平和って事なのか?」と俺は疑問に思う
「だから自分達がどうして平和でいられるのかを知らないと思う。この地で1000人もの奴隷が子供を産みその対価にカッシームに守られているなんて……歪すぎではない?」とシャンタルが答える
俺には既視感があった俺の前世ではみんな政治になんて興味なく自分のことしか考えていなかった。
俺もそうだった。だが俺はこの世界に来て「死」が隣り合わせに常に存在している。ちょっと足を踏み外したら俺も「死」が目の前にある。
その為色んなことにこの世界に来てからは知るようにした。知らないと言うだけで死ぬのはゴメンだからだ。
ロクサーヌが核心を聞く「でも、シャンタル様はこの国の人達をどう救いたいと思っているのですか?私には偽りかもしれませんが平和に過ごせているように見えますが?」
「私は奴隷に子供を産ませてその命の売却の上に乗っかっている平和なんて平和じゃないと思う」
「その奴隷達をミチオ様が解放すると、今度はカッシームとこの国の戦争が始まると思います。それはシャンタル様がそれをキッカケに戦争の引き金を引くと言うことになるのですが大丈夫ですか?」
「俺は、シャンタルが言っている事もロクサーヌが言っている事もわかる。この危うさはそもそもここの人たちが考えるのをやめていると言う事だと思う。
ここの今の支配者が能力が高いのかもしれない。だからこそみんなが彼に任せれば万事うまく行くと思っているから、裏でそんな酷い事しているとは思っていないもしくは見てみないふりをしている、思考の放棄をしているのだと思うよ。昨日のレントイット島の問題と本質は似ていると思うよ。これで俺たちが無理やり今の施政者を倒してしまったりしたら俺はずっと恨まれるのかもしれないな……」
シャンタルは戦闘こそ超1流だからこそ、これが正義か正義じゃないか?と聞かれたら正義じゃないと考えるのだろう。
反してロクサーヌは俺を守ると言う一点の曇りがない。ジャッジが言うには彼女は俺がいなかったらカッシームの女王になっているのだから取捨選択がはっきりとしている。
かと言ってここに住んでいる人たちに竜人族は少しずつカッシームからの要求は高くなって気が付かないうちに沈んでいく船に乗ってますよとシャンタルは言いたいのだろう。
これは、戦争前の駆け引きに過ぎない。それを黙って見てられないのだろう。
だからベスタを呼んだのだろう。
彼女は龍神に見染められ竜王となっている。この国にそれほどまでの権威を持っているものはいないだろうと踏んでいるのだろう。
だがそんな権威だけではここの人たちを目覚めさせて従う事はないと思う。
「ここの施政者について聞きたい」
「はい。ムシュリカというものです。私が人質としてカッシームに送られてから頭角を表してきたようです。私はこの国を納めてきた王家なのですが彼は王家とは全く関係なく研究者だったようです。
この国では私達忘れられた王家よりもよっぽど彼のほうが有名で影響力もあります。私達を牢屋に入れるくらいですから。
だが私達にも仲間はいるので直接国を割るような戦いもせず、なんとか私に引退してもらおうと画策しているのだと思います」
うーん……
「ルベリオ軍は誰が掌握しているんだ?」
「私です。私が連れてきた竜騎兵と王家に元々仕えてきた兵を合わせると圧倒的ではあります。ムシュリカが作った私設竜騎兵を比べると8:2ぐらいでしょうか?……ただ武力によるクーデターは私が一番したくない事なので……」
「なるほど……じゃあシャンタルはカッシームに媚を得ることをやめ我々は属国ではなく独立国家なのだからカッシームに媚びへつらうのをやめる!!と言いたいんだな」
「そう、…ですね」とシャンタルは確認しながらそれを聞いていた。
「なら、ムシュリカに直接会って話してみるべきだな。ただ、ベスタはここの国の王になる気はないと思うぞ」というと
ベスタはウンウンと頷いていた。
「まずはベスタのお姉さん達に会いに行こう」とシャンタル席を立ち上がりカフェを後にした。
シャンタルの宮殿に着くと竜騎兵達がたくさんいた。
もちろんその竜騎兵達は俺の事を知っている。
「ミチオ様だ」と声を出してしまうものもいた。
シャンタルが帰ってくると皆一列に並びシャンタルを迎え入れる。こういう時はシャンタルは歴戦の英雄かっこいい顔になる。
中に入るとあの時は具合が悪そうだった2人の姉が俺たちを迎え入れてくれた。そして、彼方此方にその子供達がいる。
そうだこの2人には1000人の子供達がいるんだった……。
沢山のメイドが子供達を連れて別室に移動する。
「ママー」「ママー」と呼びながら連れて行かれてしまった。
2人は、「あの時は助けていただいたのに何もお礼も言えず申し訳ありません」と深々と頭を下げた。
やはりベスタと似ている。
シャンタルが紹介してくれた
「長女のセレス、次女のエリスそしてミチオ様の隣にいるのが三女のベスタよ」
シャンタルは3人を集めるとみんなをまとめて抱きしめた。
「やっと一緒になれた……」とシャンタルは嬉しそうに小声で言っていた。
「こんな事をこの場で言っていいのかわからないけど、お父さんはみんな死んでしまっている。私にはもうあなた達しか残っていないの……」と目頭を抑えて泣きながら3人に言う。
3人も抱き合って抱擁する。
「セレスとエリスは産まれてすぐ繁殖目的で取り上げられたの。だからベスタは産まれてすぐに隠して他の竜人族に渡したから……大変な思いもしたと思うけど……いい人に出会えてよかったわ」と泣きながらベスタに許しを乞う。
俺とロクサーヌは一旦家に帰って、交渉ならルティナとセリーが必要になる。と思ったからだ。
それと親子水要らずの時間も作ってあげたいと思った。
ロクサーヌもそこは俺の考えに賛成のようだった。
いつも読んでいただきありがとうございます。
12月はやはり色々予定があってうまく書けません
1月10日までお休みするのも嫌なのでその間は不定期にさせていただきます。
楽しみにしている方申し訳ないです。コメントに返信も誤字報告のチェックも全くできていない。反省、、、
普段コメントしない方もぜひコメント頂きたいです。
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「X」にて、こんな人をモデルとしていますと言うのと、相関図を出しています。カギがついているので、捨てメールなどでアドレスを作ってアカウント作ってもらい申請してください。
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